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健康欲で頭で食べる

 頭で食べる。決して進んで食べたいと思っているわけではないが、食べているものがある。その一つがゴーヤだ。この付近では「ニガウリ」ともいう。女房は「体のためにいいんだそうですよ。沖縄の人たちが長生きするのもゴーヤや豚肉の料理を沢山食べるからだそうよ」と、いかにも知ったかぶりに言いながら、このゴーヤ料理を出してくれるのだが、私にとってお世辞にも旨い、とは言えない。


ゴーヤ


 我が家では卵や豆腐などと炒め物にして食べる。独特の苦が味と食感、進んでは食べたくないシロモノだ。しかし、何も言わずに食べている。それも全部である。健康のため、という≪欲≫のためだ。酒のつまみにめざしを出させたりする。近くにJAの直売所があって、そこに、ちょっと乾燥気味の旨いヤツが売っているのである。





 これも、健康、という≪欲≫のためだ。ゴーヤもそうだが、栄養的にどうのこうのと知っている訳ではない。若い時は、食べ物に、健康などということを考えなかったが、70歳も半ばを過ぎると、そんなことも考えるようになるのである。苦い薬でも我慢して飲むように、年齢を重ねれば重ねるほど健康への欲が優先するのかもしれない。





 食卓に上るゴーヤはすべて我が家の自前。ゴーヤばかりではない。春先のこかぶやエンドウ、春菊、夏場のタマネギ、ジャガイモ、トマト、ナス、キュウリ、インゲン、秋のサツマイモ、大根、サトイモ、冬場のほうれん草などみんな自前である。今、食べているカボチャやモロヘイヤもそうだ。百姓の真似事をするようになって、野菜は買ったことがない。


野菜



 高さ約2m、長さ15mぐらいの三角屋根のような棚の両側斜面に張ったネットにゴーヤは青々とまではいかないまでも、今もツルを張り、実をならしている。ほぼ同じ頃に植え付けしたキュウリやインゲンは、もう完全に枯れ、トマトももう駄目。ナスもひところの勢いを完全になくしてしまった。




 キュウリと違って、表面がトゲのようにごつごつして、グロテスクなゴーヤ。いかにも逞しい。その生命力が、それを食べる人間にもいいのだろう。知らなかったが、モロヘイヤも逞しさでは負けない。私の身の丈ほどにも大きく繁茂したモロヘイヤはイメージとは大違い。





 子供の頃、地元の岩手小学校の先生をしていて、今も親しくさせて頂いている知人から頂いたものを植えたものだ。最初は園芸用のポットに植えられた20本ぐらいだったが、若芽のように小さいが故に、グングン伸びるカボチャのツルに覆われて、ほとんどが消滅、残った数本だ。おしたしのようにして食べるのだが、そのネバネバ感が人の健康欲をそそるらしい。これも、ゴーヤと同じように決して旨いものではない。




 三角屋根のようなツル物の野菜作りの棚は、骨組みを竹で作っている。ホームセンターに行けば手軽に組み立てられるパイプ状の材料が手に入るのだが、私は自前の竹を使うことにしている。竹は冬場の12月ごろに切ったものがいいという。虫が入らないのだそうだ。近所の人や知人、先輩に教わりながら、一つ一つ自分のものにしたいと思っている。





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桃太郎の生みの親は白鳳?

桃太郎


 桃太郎が生まれた桃は「白鳳」だった?
 月に一度、定例的に開いているユネスコ関係の友達の無尽会で、お酒を酌み交わしながら、桃作りをしている仲間の話を聞いていて、つまらぬ事を≪発見≫した。この人は甲府盆地の一番東側の山付き、というより土地が肥沃な扇状地の笛吹市御坂町という所で桃作りをしている。



 御坂町は映画、講談の「清水次郎長伝」に必ず登場する悪役・黒駒の勝三の生誕地だ。そんなことはどっちでもいい話だが、彼はこの町では名うての篤農家。この人の話によれば、数ある桃の品種の源流品種といっていい「白桃」と「白鳳」の違いの一つに果肉と種がはなれ易いか否かがあるという。



 「白鳳」は、「白桃」が果肉と種がしっかりくっついているのに対して、それがはがれ易いのだそうだ。桃太郎伝説は、山に柴刈に行ったおじいさんとは別に、川へ洗濯に行ったおばあさんが上流からどんぶりこ、どんぶりこと流れて来た桃を拾って割ってみると、中から大きな男の子が出てきたというご存知のお話である。



 このとき、桃がパックリ割れないとこのお話は、うまく後に繋がらないのである。酔っ払って、たわいもない事を言っているじゃないよって? その通り。どっちでもいい話である。 桃太郎さんはさておき、白鳳と白桃の2系列を源流とした桃は、品種といったらさまざまで、その数は50を超すという。


桃



 町の果物屋さんやスーパーではほとんど「白鳳」「白桃」としか表示していないから消費者の皆さんはご存じないかも知れないが、その桃にはみんな○○白鳳、○○白桃といった具合に名前がついているのである。特に白桃に品種の数が多い。特によく知られているものの一つに「浅間白桃」がある。「浅間」とか「日川」「山根」というように山梨県の地名をとったものが多い。




 御坂町の篤農家さんによれば、日本の桃の原点は中国の水蜜桃。これが日本の風土に合わせて改良されて、比較的早生品種の白鳳の流れを作っていった。この論理からすると、元々は白桃が改良されて白鳳が生まれたことになる。とにかく白桃を中心に桃の品種が多いということは、改良に改良を重ねた先人達の苦労があったことを意味する。




 暑さ、寒さも彼岸までという。その彼岸もあっという間に過ぎた。あの信じられないような猛暑が消えて、季節は名実共に秋。山梨の果実峡であるこの地方は桃のシーズンから葡萄の季節に移行。その葡萄も終盤戦に。一口に葡萄といっても、さまざま。白鳳の後、つまり、比較的奥手の白桃系の桃と収穫がオーバーラップするデラウエアー種から始まって、人気のシャインマスカットや巨峰、ピオーネ、甲斐路など、大房系の葡萄へとリレーして来た。


葡萄



 これにネオマスカット、べリーA 、甲州種など、これまでに挙げたポピュラーなものを中心に品種の数は多い。在来種は甲州種ぐらいのもので、ほとんどが外国品種との改良品種である。ただ、桃と違うのは食べてみなくても、その形状、色などで素人でもすぐに区別がつくことだ。とにかく、この地方の実りの秋は、まだしばらく続く。リンゴや柿とリレーして行くのである。





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退化する体と脳みそ

 何事にも言えることかもしれないが、普段使わなければどんどん忘れ、人間の機能だって退化する。最近そのことをしみじみ思う。例えば、中学、高校と習った連立方程式や因数分解を今やってみろと言われればちんぷんかんぷん。中学校から大学まで習った英語だってしかりだ。




 そんなことはまだいい。今、痛切に感じ始めているのは手足など体の機能である。車に頼り、歩かないから足腰は弱くなる一方。「少しでもいいから、毎日ジョキングか、ウオーキングでもしたら」と言われるのだが、そのじちもない。だから、毎日、何時間かは畑に出ることにしている。




 そうすれば、中腰で鍬を使ったり、転がって草むしりもする。嫌でも足腰や腕の筋肉を使うからだ。汗びっしょりになる。特に夏場だと、その汗はシャツを搾るほど。おかげで体重も3㌔ぐらい減らすことが出来た。昼飯の時に飲む一杯のビールがうまい。つい、一杯が二杯、二杯が三杯に。


ビール



 女房は「せめて昼間は飲むのをやめたら」と、憎たらしくも言う。俺の身体を気遣っての言葉であることは分かっている。でも、このうまさは夜のそれとは比べものにならない。最近ではあきらめたのか、同じ事を言わなくなったが、冷蔵庫からビールを持ってくる顔は、やっぱり渋い。飲まない方がいいに決まっている。だけど・・・。




 肝臓というヤツも同じで、使わなければ機能をどんどん低下させる。お酒の引き合いに出すのは方便に過ぎないが、自分の経験から確実に言える。




 かつての会社仲間4人で「百石クラブ」という集まりを作って、時々、甲府のホテルなどあっちこっちで飲み会を開く。「百石クラブ」は自分達が新米の頃、仕事を共にした旧社屋が甲府市の旧百石町という所にあったことから名付けたものだが、昔話をおかずに飲む酒もうまい。


お酒



 しかし、みんなお酒が弱くなった。現役時代、浴びるほど飲んだ同僚や先輩がすぐに「俺はもう・・」と言い出すのである。「最近、飲む機会が少なくなったせいか、弱くなっちまって」ともいう。年齢のせいもあるが、確かにお酒も飲まないでいれば体が忘れさせてくれるし、肝心の肝臓がその機能をなくしてくれる。




 肝臓ばかりではない。人間の臓器や体は使わなければ確実に退化していく。特に、腎臓という臓器は、それが顕著で、いったん、人工透析などをしてしまったら、自分で働くことを忘れてしまうのだそうだ。




 頭、つまり、脳も同じ。ある年齢以降、緊張感をなくした生活をしていると、ボケること受けあいだと最近自分の事として思うようになった。こうして毎晩、パソコンを叩いてブログを書くのも、指先や少ない脳みそを少しでも使うからいいと思っている。私も大好き人間だが、マージャン仲間が、それをしない人から「好きだねえ」と、冷やかされたりすると「指の運動とボケ防止さ」と;言う。これは方便。徹マンが体にいい訳ないさ。




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若者達のコピペ

 コピペ? 「コピー アンド ペースト」の略だという。へえー、うまく略すもんだ。感心はしたものの、その意味はさっぱり分からない。テレビで見ていて、パソコンやインターネット用語だと分かった。文章など、さまざまなデータをコピーし、貼り付けることを言うのだそうだ。文字の通りだ。そこでまた、へえー。


コピペ



 家族で食卓を囲んでいた時、娘が晩酌中の私に向かって言った。


 「そんなこと、知らないの。お父さんだってやってるじゃない」


 何を言っているのか分からなかった。


 「俺がやっている?」


 「そうよ。お父さんだってブログ書きながら文章を置き換える時、コピーマークをクリックしてから貼り付けたりしてるじゃない」


 「へえー、そのことか」


 単純に頷いたが、テレビはこのコピペを問題意識を持って取り上げていた。コピーし、貼り付けるというこの単純な行為に頼ってしまうと人間の脳は考えることや創造する能力を退化させてしまうのだそうだ。ここでまた、へえー。


パソコン_convert_20110106220352



 テレビを見ていたら、問題視の意味がよく分かった。教育現場、つまり大学や高校、小、中学校に至るまで、このコピペがどんどん入り込んでいるのだそうだ。例えば、大学生にあるテーマで論文を書かせると、学生達はインターネットで、それに近い解説を探して、それを切り張りしながら論文を完成させてしまうのだという。

パソコンをたたく手



 自分で資料を探し、考えながらやれば何日もかかる論文作りをわずか30分足らずでやってしまうという。第一、インターネットからの写しで、自分の考えではないから研究論文とはいえない。このコピペは小、中学校の読書感想文や作文にも今や珍しくなくなったという。私は化け物だと思っているが、インターネットにはなんでもデータが入っている。




 テレビの大学教授は苦笑いしながらこんなことを話していた。


 「学生達の論文を見ていたら、同じ内容のものどころか字句まで同じものがいっぱい。いずれもインターネットからの引用、貼り付けで、ひどいケースだと全体の64%、つまり自分の文字は、文章のつなぎも含めて36%に過ぎなかった」



 子供の頃からテレビゲームで育っているから携帯電話でのメールも空気のようにこなす。パソコンやインターネットも自在だ。私のようなアナログ人間からみれば羨ましい限り。携帯電話を片手に別の事をしながら電話機を見ずにメールを打つ子供たちを見ると「へえー」と尊敬したくもなる。


マウス



 こんな人間からすれば、今の子供たちはものすごく進化しているように見えるのだが、どうして、どうして。幼稚といったら言い過ぎかもしれないが、やっぱり幼稚だ。インターネットの情報をそのままコピペすればすぐにバレてしまうに決まっている。ITは果てしなく進化する。しかし人間の内面はそれに追いついていけないでいる。




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出張菜園と空き家バンク

 先頃の「遊び感覚の農業」で書いた農業のNPO法人に再度触れてみよう。都会の人たちが田舎に、それぞれに見合った農地を確保、土に親しみ、それなりの農業を楽しむ。それは、実践者が言うように「こんな安上がりで、気軽なレジャーはない」。


 家族連れのサラリーマン氏はこんなことも言った。


 「コンクリートの道を歩き、コンクリートのビルで仕事をして、疲れて帰る所が、またコンクリートの家。女房や学校に行く子ども達だって同じ。ストレスだって知らず知らずのうちに溜まりますよ。だから出張菜園は手ごろのストレス解消策だし、家族の健康づくりの秘訣なんです。情操を豊かにしなければいけない子ども達にとっても格好の情操教育、自然教育の場だと思っています」


葡萄畑2


 このサラリーマン氏の場合、年数万円で山梨市に農地を借り、時期には毎週のように東京からやって来る。土曜日、または日曜日、しかも朝早く家を出るから東京からでも1時間半に満たない距離だ。夏休みなどには近くに安い旅館をキープ、家族旅行を兼ねてやって来ることもあるという。



 ちょっとショッキングな言い方をすればコンクリート地獄に住む都会の人たちにとって、このサラリーマン氏のような願望は決して少なくないように思う。願望があっても、その受け皿や、そこへのアクセスを知らないのが実情のよう。


葡萄畑



 山梨は首都圏から100㌔の圏域。しかし、農業後継者不足は、ここもご多分に漏れずで、農地は余る一方。だから農地は格安で借りられる。私の周りだって、その受け皿はゴロゴロしている。後継者不足と高齢化で耕作の手が回らないということであって、まだ農家がなくなった訳ではない。だから指導者はいる。




 同じクラブでご一緒するロータリアンの中に、宅建業界の幹部を務め、目下、空き家バンクの推進に尽力されている方がいる。都市集中現象。これもご多分に漏れずかも知れないが、山梨市を中心としたこの地方には空き家が少なくない。文字通りこの空き家を有効利用しようというものだ。


水車



 このロータリアンとこんな話をしたことがある。


 「空き家バンクと地域に増えつつある遊休農地をうまくかみ合わせ、都会の人たちに活用してもらうシステムは作れないものか。そうすれば利用者だけにとどまらず、後継者不足に悩む農家にも新展開になるのでは」



 もちろん、これには農地法の規制をはじめ、さまざまのネックがあることも確かである。宅建業界が超えられないテリトリーだってあるはずだ。しかし、行政の関係部署や農業委員会などの機関とが一緒になって、真剣に考えれば打開策はあるはずである。現に、NPO法人は農地の有効活用を角度を変えて実践し始めている。ただ利用者にとって、その受け皿が見えにくかったり、手続きの仕方が分からないから、そこに飛び込めないでいるのだ。これに道筋をつければ双方が助かる。






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ユリの花と本当の百姓

 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

 そこまで書いたら、覗き込んでいた女房が「ヘンな事かかないでよ」と言いながら「立てばビヤ樽、座ればたらい、歩く姿はドラム缶、でしょう」と、かる口を叩いた。このところ、女房を引き合いに出して書くものだから、機嫌が悪い。「お前なんか、お世辞にも、立てば芍薬・・・なんて言えないよなあ」と、返そうと思ったがやめた。


ユリ2



 我が家の植え込み、畑の周りや隅々では今、ユリの花が満開 だ。真っ白いラッパのような花を付ける。一本に三つ四つ、多いものでは五つも六つも。その咲きっぷりはなんとなく控えめで、満開と言う表現はふさわしくないかもしれない。いかにも地味だが、白い花は周りの緑や真っ赤な百日紅の花と見事なコントラストを見せてくれる。



ユリ1



 この時期、我が家の周りで、花といえば、このユリや百日紅のほか、すごく地味な露草くらいのもの。コスモスにはちょっと早い。百日紅の開花時期の息は長く、9月終わりまで咲いているから、今を盛りと咲くユリは遅くに開いて、すぐ散る運命。花びらを落とすとその跡に種の袋が膨らむ。このユリ、今年はやけに大きい。2mを超すものもいっぱいだ。こんなに背丈が大きいユリは始めてである。天候異変のためだろうか。頭が重いので風でも吹けばひっくり返りそうだ。


ユリ3



 畑とは別に、5反ほどあるぶどう園は隣部落の人に作って貰っている。ピンポン玉をひとまわり小さくしたような大きな粒をつけたピオーネの房が収穫期を迎えている。勤めをリタイヤする時には「よーし、今度は俺がいい葡萄を作ってやる」と,本気で思った。しかし、その序盤でやってみた畑仕事、それよりなによりも、作ってくれている人のきめの細かい仕事っぷりや手法を見ていたら「これは駄目だ」と、思った。


葡萄



 なぜかって? 労力もさることながら、技術が全くない。技術なら覚えればいいじゃないか、とお思いの方がおいでかもしれないが、どうして、どうして。一朝一夕に覚えられるものではないし、経験が育むカンはすぐには掴めない。果樹農家は毎年、成功と、失敗を繰り返し、さまざまの研究を重ねながら、今日の葡萄を作っているのである。




 ぶどう狩りを楽しんだり、ただ食べている人たちには分からなくていい。果樹作りや百姓を甘く見てはいけないことを思い知った。そればかりではない。私にとって、絶対駄目だと思ったのは、地域ブランドを壊し、隣近所にご迷惑をかけかねないことだ。いい加減なものを作ればブランドの足を引っ張るし、消毒の手を抜けば病害虫の温床になり、隣近所に降りかかるのである。そんなことが出来るはずがない。


葡萄



 大根やジャガイモは種を蒔けば芽を出し、そこそこの収穫が出来る。しかし、そんな家庭菜園に毛が生えたような百姓とは違う。勝沼で一町七反のぶどう園を栽培するマージャン仲間の同級生は「どんなに遅く寝てもお天とう様が出る頃には畑にいる」と、言う。その手を見ると、グローブのように大きい。




 その仲間のように本当の百姓は、大根やジャガイモなんか作っていない。忙しくて、そんなところに手が回らないのである。俺はあきらめた。家庭菜園に毛が生えた百姓でいい。






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美人とのすれ違い

赤トンボ



 芽を出した大根畑で草取りをしていたら、赤とんぼが飛んでいた。秋の到来を実感する瞬間だった。でも残暑はきつい。今日も30度を超しているだろう。額の汗を首にぶら下げた手拭で拭いながら、その赤トンボを目で追っていたら、その先に真っ白い蝶ちょが。はて? この時期に、こんな蝶ちょがいたっけ。春じゃあなかったか。いかに、自然に無頓着に過ごしていたかを実感した一瞬でもあった。





 問題は、白い蝶ちょだ。これまでなら確実に、ヒラヒラと舞うこの蝶ちょを、可愛らしく思い、目を細めて追っただろう。だが違った。瞬間的に、追っかけて捕まえ、すりつぶしたくなった。「お前は異常性格者か」と、ひんしゅくを買うかもしれないが、異常性格でもなんでもない。単なる立場の問題だ。実はこの蝶ちょ、無邪気に初秋の空を舞う赤とんぼと違い、ちゃんと目的があるのだ。可愛らしく、舞っているようだが、実は魂胆があるのである。


蝶


 やっと芽を出し、二枚葉になったばかりの大根の葉っぱの裏側に、次々と卵を産み付けるのだ。この卵はやがて蝶の幼虫となって、大根の葉っぱを食いつぶすという寸法である。よほどののうてんきでも、可愛い、などと言ってはいられまい。汗だくで種を蒔き、晩秋というか、初冬の収穫を夢見ている百姓にとつては天敵以外のなにものでもない。





 蝶ちょへの恨み節はさておき、残暑はあってももう秋だ。日が暮れれば庭先の植え込みからはコーロギや鈴虫の鳴き声が。私はこの時期になると毎夜のように密かに外へ出る。虫の音を聞くためではなく、ある美人に会うため だ。




 「お父さん、毎晩、外に何しに出るの」。女房の疑いを込めた問いかけに「美人に会いに行くんだよ」と、言ったら「なに馬鹿なこと言ってるのよ」と、これまた、けげんな顔。庭先の月下美人を見に行っていることを知った女房は「ああ、そうか。もうそんな季節になったんですねえ」。うちの女房、極楽トンボで、季節感がねえのかなあ。


月下美人2



 我が家の月下美人は何年か前、親しい友が鉢植えで持って来てくれたものだ。昨年も見事な大輪を三つも四つもつけた。色といい、形といい、まさに美人である。なんともいえない気品も備えている。才色兼備である。その上、なんともいえない、いい香りを放つ。シャネルやエルメスなど世界の香水ブランドでもこの香りはつくれまい。ご存知、月下美人は夜、花を開き、一夜にして萎む。「美人薄命」という言葉はここから来たのだろう。



月下美人1



 今年はその美人とすれ違いになってしまった。マージャン会や無尽会で、留守にした夜に咲いてしまったのである。シワだらけに萎んだ≪昔の美人≫がいくつもぶら下がっていた。私が「美人、美人」と言うものだから女房は何を勘違いしたのか「お父さんねえ、≪美人は三日で飽きる、ブスは三日で慣れる」と言うんだよ」と。「じゃあ、救いようのないブスはどう言うんだ」と聞いたら「一円玉ブス、と言うんでしょう」。「そうだよなあ、これ以上、壊しようがねえものなあ」。「お父さん、美人に逃げられたからといって八つ当たりはよしてよ」と笑っていた。とにかく美人との再会は来年までお預けだ。







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おかんなりさん

 鬼がトラの皮を肩からまとい、首に数珠のようにかけて太鼓を叩いている。鬼だから二本の角を出しているが、決して怖くはなく、笑っているようで実にユーモラスだ。雷さま、雷神の絵である。誰が書いたのか知らないがうまく表現したものだ。


雷さま



 その雷が今年はやけに多かったような気がする。こうしてパソコンを叩く窓越しの闇に稲妻が走ったかと思うと、間髪をいれずにゴロゴロっと雷鳴が響き渡る。その次に来るのが雨だ。真っ昼間の雷鳴だってある。



 物事にハマルとは不思議なもので、畑にいても直感的にパソコンのデータが気になる。いつも野良着のズボンに押し込んでいる携帯電話で家にいる女房に連絡してパソコンの電源を落としてもらうのである。



 今のことだから、雷へのガードぐらいしてあるのだろうが、そんなことがよく分かっていないアナログ人間は電源を切らなければ不安なのだ。「どっちみち使わないのだから、外に出るときぐらい電源を落としておけばいいのに」と、女房は言うが、そこがズボラ人間の成せるワザだ。



 この雷、日本人は、なぜか敬語をつけて呼ぶ。「おかんなり」「かみなりさん」。さらに頭に「お」を、尻に「さん」を付けて「おかんなりさん」とも言う。童謡であり、文部省唱歌の「富士山」では、その一節で「雷様」と歌っている。インターネットで調べてみたらこの歌の作詞は 巌谷小波という人だそうだ。



 ご存知、歌詞はこうだ。


     「あたまを雲の上に出し 四方のお山を見渡して 雷様を下に聞く 
冨士は日本一の山」


富士山  


 富士山は3,776m。「雷様を下に聞く」のだから雷は少なくと 3,700m以下の所で発生することになる。ちなみに富士山の高さは「ミナナロウ富士山のように」と覚えればいい。いい歳して馬鹿なこと言ってるじゃないよ、と言われるかも知れないが、飛行機の上で雷を聞くことはない。ところで、雷をどうして敬語で呼ぶのだろうか。昔から怖いものの例えで「地震」「雷」「火事」「親父」という。語呂との絡みもあるのだろうが、雷は地震の次だ。雷神という言葉があるように人々が恐れ、慄いた存在であった証だろう。




 もう一つ。私にはそれを科学的に説明することは出来ないが、昔から農家の人たちは「雷が多い年は豊作だ」と言った。その根拠は雷が空気中に窒素を合成するからだそうだ。ご存知、窒素はリン酸、カリと共に植物の3大栄養素の一つ。それを只で作り、五穀豊穣をもたらしてくれるとあったら、やっぱりありがたい神様だ。



 雷の次の「火事」は別として、「親父」はそんなに怖い存在だったのだろうか。地震や火事ほどではなかったが、やっぱり親父は怖かった。しかし今の親父はどうか。威厳がなくなっているどころか、うかうかしていたら子供に金属バットで殺されかねない時代になってしまった。親父が「おかんなりさん」を落とせなくなったのである。






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巨峰と朝顔

朝顔


 よくしたものだ。「異常気象」と、散々言われた猛暑が去って、時季を狂わしてまで鳴き続けていた蝉の声が消え、その代わりに赤とんぼが。その下では淡いピンクや白のコスモスが花開いている。気温の著しい低下もさることながら自然界はしっかりと季節の変化を捉えている。人間達は暑いだの、寒いだのと大騒ぎするが、自然界は黙って反応し、かしましいと言うか、小うるさい人間どもに決定的な答えを押し付ける。


コスモス


 「今年はダメだった。気象異変には勝てませんね。でもねえ、俺と女房が精魂込めて作った葡萄。味をみてくださいよ」

コスモス2


 隣村の牧丘町に住む知人が4㌔箱入りの巨峰を届けてくれた。この人は30代にして小学校の先生を辞め葡萄農家の跡を継いだ。以来、奥さんと二人三脚で1町歩近い葡萄園を耕作して来た。息子さん夫婦もやっぱり学校の先生。こちらはお父さんの跡を継ぐ考えはないという。80歳を超した。でも、そんなことにへこたれているわけには行かない。二人とも思いっきり元気を装っている。




 巨峰は昼間と夜の温度差、つまり寒暖の差がないとダメ。黒くいい色がこないんです。昼間の猛暑、よしんばそれはそれでいいんですが、夜の気温が下がらないとダメ。あの連日の熱帯夜ではねえ・・・。どうにもお手上げですよ」


葡萄


 奥秩父山麓にある山梨市の牧丘町。この辺りは山梨が誇る葡萄郷の中でも屈指の巨峰の産地。標高が500mを超し、昼間と夜間の温度差が、その座を揺るぎないものにして来た。




 山梨は言わずと知れた果樹王国。葡萄、桃、サクランボ、スモモ・・・。何でもある。その中核が桃と葡萄だ。開花期である春先、気象異変に見舞われたかと思えば梅雨時の長雨。これで終わりと思ったらヒョウ害や夏場からロングランの猛暑である。果樹農家にしてみればダブルパンチどころかトリプルパンチ。まさにノックアウトだ。




 果樹王国の中でも葡萄は主力。言ってみれば東西の横綱だ。桃は春先の気象の乱れで、いわゆる核(種)割れを起こした。商品にはならない致命傷。片や葡萄は開花期にぶつかった気象の乱れに加えて梅雨時の長雨。肝心な消毒が出来なかった。出来ても追っかけてくる雨が消毒液を流してしまうから効き目なし。勢いバンプ病やベト病を招いた。


 これにダメを押したのがヒョウ害と夏場の長期にわたる猛暑。被害は果樹農家ばかりではない。不作であれば市場価格は値上がりする。消費者は例年の何割り増しかの巨峰や甲斐路を食べさせられているのだ。ただ、どんどん勢力を広げているシャインマスカットは救世主だ。値段がいいのはむろん、病害虫にも強い。ブドウ栽培農家は密かにニンマリである。


朝顔2


 牧丘の知人は、そんな話をひとっ話しての帰りがけ、庭先で咲くアサガオの花を見て「こいつは強いねえ。病気もつかねえ」と、羨ましいというか、感心するようにつぶやいた。動物もそうだが、植物は強い。人間が手をかけてくれる桃や葡萄はいいが、アサガオやコスモスなどなどは暑さや寒さ、長雨ぐらいにへこたれていたら行く先は一つ。淘汰、消滅の運命しかない。それにしても今、我が家の庭先で咲いているアサガオはすごい。西洋アサガオというのだそうだが、さらに霜が降りる頃まで咲き続けるのである。



朝顔3         朝顔4


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紙風船と越中富山の薬屋さん

紙風船

 「シャボン玉飛んだ♪ 屋根まで飛んだ・・・♪」


 そう、童謡「シャボン玉」の歌い出しだ。この歌を聴いたり、口ずさんで心を洗われる気分にならない大人はいない。今の歳が幾つであれ、誰にもあった幼い頃を髣髴とさせてくれるのである。紙風船だって同じだ。赤、白、青、黄色、紫・・・。


 何色かに彩られた紙風船は、普段は折りたたまれていて、空気を吹き込むと丸くなるのだ。紙製で、しかも小さくはない空気穴が開いているので、風船はいかにも頼りないのだが、女の子達はそれを上手に上に突いて遊ぶ。男の子も女の姉妹の中にいれば一緒に遊んだ。




 私の場合、この紙風船を見ると、なぜか越中富山の薬屋さんを思い出す。子供たちにとって薬なんかどっちでもいい。そのおじさんがくれる風船の方が楽しみなのだ。今のようにゲーム機もなければ、パソコンや、ましてインターネットもなかった。やがて一般家庭にも入って来るのだが、テレビだって満足にない。電波障害や故障でピー、ピーいうラジオが情報や娯楽の主流だった時代だ。


風景3



 越中富山の薬屋さんは毎年、決まった頃にやってくる。いわゆる家庭常備薬の訪問販売である。どこの地域でも同じだったのだろうが、我が家の場合も、この薬屋さんが必要と思われる風邪薬や胃腸薬、消毒薬に到るまで一括して置いて行く。翌年、その集金と薬の補充、入れ替えにやって来るのだ。薬屋さんは拠点拠点に親しいお宅を持っていて、その家では三度のメシも一緒。一宿一飯。泊まって行きもする。




 そこには理屈なしの人間関係信頼関係があった。考えてみれば、身分を証明する何かを持っていた様子もない。お互いの信頼関係以外の何物でもなかった。今、世間を騒がすオレオレ詐欺や手当たり次第に騙してしまう訪問販売の悪者がウソのよう。いつからこんな世相に変わってしまったのだろう。「人を見たら泥棒と思え」とは言わないまでも嫌な世の中になったものだ。


 薬屋のおじさんがくれる紙風船は今風に言えば景品グッズ。越中富山の薬屋さんのトレードマークでもあった。夜は子供たちと遊んでくれ、行商旅で見た面白い話も聞かせてくれた。一年中、全国を歩き回っているのだから話題も豊富。山梨の片田舎に生まれ育ち、情報が少ない子供たちにとって、おじさんの話は新鮮だった。大人たちだって同じだろう。一宿一飯のお返しでもあった。


彼岸花


 あの越中富山の薬屋さんのおじさんたちはどこに行ってしまったのだろう。薬に限らないが、あらゆる商品の流通・販売形態はガラリと変わった。一つ薬を例にとっても一歩外に出れば薬局はもちろん、ドラックストア、物によってはコンビニでも手軽に手に入る。紙風船でのんびり遊んでいる子供なんか見たことはない。


 第一、紙風船など、沢山のグッツが子どもたちの遊びから消えた。変わって登場したのがゲーム機やケスマホをツールにした遊び。遊びのパターンは屋外から屋内、複数から個人に変わった。遊びの知的なレベルアップの一方で、個人主義と自己主張はどんどん強くなる。のんびりした時代に生きたオジサンは、そんな子供が怖くなることさえある。こんな風潮の加速は、恐らく誰にも止められない。




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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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