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隣の奥さんの愛犬

裏の道1


 もちろん、日の出や日没時間に違いがある夏と冬とでは異なるが、毎日、我が家の前の小道を犬を連れて散歩する隣の奥さんがこの一両日、通らない。この小道は古(いにしえ)の≪幹線道路≫と言われているが、車時代になった今、その機能を散歩道に変えた。コンクリート舗装はされてはいるものの、2m足らずのこの≪幹線道路≫が今の時代に受け入れられるはずがない。我が家の庭、そしてこうしてパソコンを叩いている私の机の窓越しからでも2~30mぐらいの所にある道だ。




 隣の奥さんは人一倍の犬好き。朝が遅く、日暮れが早いこの時期だと、朝は7時半前後、夕方は4時半前後には必ずといっていいほど大きな犬を連れて通るのである。連れて、と言うより連れられてと言った方がいいが、この奥さんは私がいる時には遠くから目を合わせるように軽く頭を下げて通り過ぎる。連れている犬は老衰で死んでしまったという前の犬に変わって見つけてきた雑種犬。なんとなくだが、前の犬と違って双方の呼吸が合わないのか、奥さんが犬に引っ張られているようにも見えた。


犬1


 その奥さんが昨日も今日も通らない。なんとなく気になった。ご主人は私と年齢が一回り以上も違う90歳近い歳だから、もう80歳も半ばを過ぎているだろう。



 「奥さん、この一両日、姿が見えないですね。風邪でも引いたんですか」



 畑で遅まきながらサトイモを掘っていた私が顔を上げたらニコニコしながらこちらにやって来た隣のご主人に私はこう言った。そのご主人は笑顔を崩さないまま



 「いやあ、風邪じゃあないんですよ。実は、犬に引っ張られて転んだ弾みで肋骨にひびが入ってしまってねえ・・・」



 「えっ、それで、入院しているんですか。どんな具合です?」



 「いやいや、入院なんちゅうもんじゃあないんですが、家に居ると女はどうしてもこまごま動いてしまうので三日、四日、病院に預かってもらうことにしたんですよ」



 「いずれにしても心配だ。わたしゃあ組長だからみんなで見舞いに行かんといけんね」


 「いやいや、ホント。すぐ帰って来るんですよ」



 それから三日後、その奥さんがニコニコしながらやって来て「心配かけちゃいましたねえ」と言いながら事故の顛末を話してくれた。それによるとこうだ。




 根っからの犬好きのこの奥さんは20年近くも飼っていた犬が老衰で死んだ後、犬が諦め切れず、知り合いから「拾い犬」という、やはり雑種犬をもらってきた。ところが、警戒心がひときわ強い犬で、なかなか慣れてはくれなかった。それでも、必ず慣れてくれる、と信じながら毎朝、毎夕の散歩も欠かさなかった。その大事に仕方は人並みではない。

犬2



 ところが、ある朝の散歩中、この犬が急に走り出し、ロープで繋がれていた奥さんは犬に引っ張られて転倒、胸を打った。体重が2~30㌔はある大きな犬だから、女性の力ではどうにもならなかったのだろう。でも犬好きのこの奥さん、今日もその犬と散歩を続けている。「奥さんの気持ち、きっとこの犬に伝わりますよ」と、言ってあげた。





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焚き火と焼き芋

青空


 昨日の終日の雨とうって変わって今日はいい天気になった。空は雲ひとつない。秋の時期なら「抜けるような青空」と言うのだろうが、この時期だとそうはいかない。地上からの放射熱が上昇して空中に水蒸気の層を作るから秋の空とはどこか違う。




 「冬の空は下から見上げるといい青空に見えるが、空の上から見るといつも霞がいっぱい。特に都市部、つまり、住宅街の上空はそれが顕著。オフイスや家庭から放出される暖房熱のためだ。航空写真をとる場合、雨の少ない冬の時期は好都合のように思われがちだが、案外駄目。こうした暖房熱が少ない山間部はすっきりと下が見えるのですが・・・」



 ヘリコプタやセスナ機で航空写真を撮ることが多い知り合いのカメラマンがこんな話をしてくれたことがある。


飛行機と空



 今、朝の8時半。窓越しに見える富士山は、下界では雨だった昨日、雪の衣を厚くして青い空にくっきりと浮かび上がっている。東側の四分の一ぐらいの部分を朝日でまぶしく輝かせている。残る影の部分は青白い。そのコントラストが壮厳な富士を演出してくれる。下界と違って、そのうち、この富士の上空で風が起これば東斜面の雪が吹雪となって舞い上がる。その光景もまたいいものだ。





 こうしてパソコンを叩いているデスクの窓越しに見える富士は、30mぐらい先にある石の門柱のちょうど左側の肩に浮かんでいる。門柱の手前には種類の異なるカエデやイチョウがあるが、今は枯葉を落とし出して、みすぼらしい姿をさらけ出そうとしている。一ヶ月ほど前だと、イチョウは黄色に輝き、種類の異なるカエデはあるものは黄色に、またあるものは真っ赤に燃えていた。高く伸びた棕櫚(しゅろ)や各種の常緑樹の緑とマッチして見事な紅葉を見せてくれた。


富士山



 地面を見れば、その残骸ともいえる落ち葉がいっぱい。一足早く落とした柿の葉っぱなどとともに枯葉のじゅうたんである。ものの哀れさすら覚えるのだが、そんな感傷的な事ばかり言ってもいられない。厄介者を熊手でまとめては燃やすのである。そう、あの童謡にもある落ち葉焚きだ。


落ち葉 秋 紅葉_convert_20121206193103


 「お父さん、サツマイモを持って来ましょうか」



 普段、気が利かない女房がこんな時ばかりは嬉しそうに飛び回る。そのためでもないが、今年は我が家でサツマイモを作ったからいいが、昨年などは3~4㌔先のスーパーまで行ってサツマイモやホイル用の銀紙を買って来るのである。普段、用事を言いつければ、なんやかやと理由をつけては逃げてしまうのに、嬉々としながら率先するのだ。



サツマイモ3



 女という動物は元来、焼き芋が好きなのか。まあ、それはともかく、濡れ新聞紙やホイルに包んで焚き火の中に放り込んで置くと、確かにうまい焼き芋が出来る。濡れ新聞紙やホイルの銀紙まで用意して焼き芋をしたい女房の気持ちも分からないでもない。何より、冷え込む一方の冬空の下では、焚き火は暖かい。この機会に剪定で切り落とした植木の枝も処分するのだ。焚き火。そういえば、都会では味わえないかも知れませんね。





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人の行動パターン

 私たちは毎日、それぞれの日常生活を送っているが、みんな、個々に共通した行動パターンがある。朝起きる時間がほとんど同じなら、夜、寝る時間もほぼ同じ頃。食事をしたり、新聞やテレビを見てくつろぐ居間での座る位置も毎日同じ。みんな無意識のうちにそんな行動をしているのである。


家庭



 これはありふれた日常だが、この「座る」という事を例にとっても、その行動パターンは定例の会合や無尽会、果ては飲み会に至るまで、いつの間にか同じになっているのである。今、町にも銭湯を見かけなくなったが、恐らくそこでも同じだろう。私の場合、週に何度か通うスポーツジムでも同じ事をしていることに気づく。例えば、下足のロッカーや更衣室のロッカーでも無意識のうちにほぼ決まったロッカーを使っている





 山梨ロータリークラブの例会は毎週水曜日の午後零時半から山梨市の割烹旅館「秋月」で開く。この時も同じなのだ。もちろん、三々五々集まってくる。思い思いにテーブル席に着く。しかし例会の開会を告げる会長の点鐘の時、全体を見ると、みんながほぼいつもの席に座っている。年に何度かある夜間の例会の場合も同じ。
 例会行事の後の酒席で、気づいて見れば隣や前でお酒を酌み交わす顔ぶれはいつもほとんど同じである。そんなことを考慮して、ある時から席を«抽選式»にして広い相互交流が出来るようにした。 





 酒席を伴う場合は別だが、通常の例会にはみんなマイカーでやって来る。その駐車位置も大体同じ。やって来る時間もそれぞれが、ほぼ同じだから、後から来る人達は「ああー、○○さんはもう来ているな」とすぐ分かる。イレギュラーがない限りみんながほとんど行動パターンが同じとあれば、空いている所もまた同じ。このことはスポーツジムの更衣室でも同じことが言える。

ロッカー



 更衣室はかなりのスペースをとっているが、入り口を使う人もあれば、真ん中も、また奥まった所を使う人、それぞれさまざまだ。トレーニングを終えて更衣室に戻った顔を見ると、そこには決まった顔がある。隣のロッカー、前のロッカーとほぼ同じ顔ぶれだ。勢い話もはずみ、親しみも増幅してくるから不思議である。




 スポーツジムの下足ロッカーは小さいスペースで済むので、ロビーを過ぎて一段上がった所に壁状に沢山のロッカーが並ぶ。そこには算用数字で規則正しく番号がふってある。上段を使う人、また中段、それに出来るだけ下の方のロッカーを使う人と、行動パターンが現れるのだ。ここで面白いのはロッカーナンバー




 人にはなぜか好きな数字というものがある。3 とか 5 とか 7,8,1 といった具合にそれぞれ何とはなしにお気に入りの数字を持っている。そんなに意識しているわけでもないが、下足を入れる時、その好きな数字に入れているのである。選ぶ所が沢山あればあるほど、この心理が働くのだ。





 こうした行動パターンが示すように人間は大きな変化を求めない動物なのかも。チェンジ。大きな変化があっても、またそれに対応できるのも人間だ。毎日、太陽が東から昇り、西へと沈む。四季をも繰り返す。人間は一定の行動パターンでそれに順応しているのだ。





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喪中の挨拶状

喪中


 「お父さん、○○さんのお母さんがお亡くなりになったんだそうですよ。今からでも、ご挨拶にお伺いしなきゃあ・・・」



 女房がポストに届いた「喪中」の挨拶状を私の手元に持ってくる。



 「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」



 文面はみんな同じだが、こんな挨拶状が11月に入れば毎日のように届き始める。もちろん、ほとんどが葬儀・告別式に弔問しているので心当たりがあるのだが、中には、この挨拶状で初めてご不幸を知ることもある。特に友の奥さんのご実家のご不幸の場合、知らせがなければ知る由もない。そんな時、早々に文(ふみ)をお送りしたり、お悔やみに駆けつけたりする。この場合、決まり文句のような言い訳を伴うのだ。「知らないこととはいえ・・・」。



喪中2


 この挨拶状は文言の通り、喪中であることを知らせ、予め年賀状など新年の挨拶をしないことを伝えるのだ。≪ブク≫を被らせてはいけない、という配慮からである。その習慣がどこにもあるかどうかは分からないが、ここ山梨ではある意味で年末を控えての風物詩でもある。時期は、人々が年賀状を書き始める前に発送することは言うまでもない。




 毎年、年賀状を交換している親戚、友人、知人など親しい人達を対象にする人もいれば、葬儀・告別式への参列者全員に出す場合もある。昨年の年賀状の控えではなく、香典帳を基にした、いわゆる儀礼的な発送だ。その場合、かなりの枚数になるから、作業も大変。時期が制約されているので、年賀状のように明日、明日と先送りは出来ない。




風景


 「あの人も・・」「この人も・・」。今年はお葬式が多かった。少なくても10件や20件ではない。年々その数が多くなるような気がする。このお葬式にお伺いする数は、人それぞれの交友関係のバロメーター。一般とは少々性格を異にするが、政治家は大変だなあ、と思ったことがある。「私なんか少ない方」と言う、ある県議会議員の場合、その数は350件を超すと言う。平均すれば、毎日、1件の割合でお葬式を廻っていることになる。




 法律で政治家の寄付行為は禁止されているとはいえ、お葬式の香典は古くからの慣行であるばかりか、相互扶助的な意味合いもある。手ぶらで弔問するわけにもいくまい。大きなお世話かもしれないが、その経費だけでも大変だろう。大政治家ならいざ知らず、県議会議員や市議会議員など、献金のような政治資金がほとんどない地方政治家の場合、頭が痛いはず。全く大きなお世話。選挙のためだから仕方がないか・・。



富士


 喪中の挨拶状が一段落する頃になるともう師走。一年が経つのがなんと早いことか。仕事に追われ、毎日を慌しく過ごしていた現役時代の方が一年が長かったような気がする。今年の幹事さんも手回しがいい。とっくに新年会(クラス会)の案内状が舞い込んだ。窓越しに見える富士山も下界に降る一雨ごとに雪化粧を厚くする。庭の柿の木も日に日に葉っぱを薄くしている。地面に落ちた枯葉がカラコロと音を立てて転がる。こうしてパソコンを叩く足元も冷たくなった。師走になると時間の経つペースはどんどん速くなる。一日送りにしていた年賀状だって書かなければならない





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縁側の陽だまり

 「夕方出かけて朝帰ってくるものはな~んだ」
 私達が幼い頃、こんな「なぞなぞ遊び」があった。答えは「雨戸」だが、今の子供達にこのなぞなぞを問いかけたら、きっと「家(うち)のお父さん」と答える子供さんが多かろう。家の娘だったら確実に「マージャン好きのお父さん」と答えるに違いない。特に、休日の前ともなれば、同僚とお酒を飲み歩き、その行く先はマージャン荘。決まって朝帰りだった。元気もあった。そんな生き生きした?現役時代が今となっては懐かしい。


夜明け


 今の子供達が「雨戸」を知らないのも無理はない。ここで言う雨戸は縁側の外側にある板張りの戸である。都会だったら100%お目にかかれまい。田舎だって近代住宅にどんどん変わってしまった今、縁側を伴った雨戸の家など見たくても見られなくなった。




 お若い方なら分からないだろうから、ちょっと説明すると、文化財として各地に残る古民家武家屋敷を注意して御覧なさい。いくつも並ぶ部屋の外側に板張りの廊下が設けてある。これが縁側だ。その外側に戸がなかったら防寒、防風にも困るし、第一無用心である。だから、この雨戸は昔の住宅では欠かせなかったのだ。隅々には必ず戸袋があって「夕方に(閉めた)出かけた雨戸は朝帰って」この戸袋に収まるのである。




 古来、わが国の民家は、多くがこのような構造で、部屋と部屋を仕切るのは壁ではなくてふすま帯戸、それに障子。これを取り払えば、一つの大広間になるのだ。親、子、孫までが同居する大家族制を維持せしめた家屋構造であり、一方ではさまざまな条件に対応できる、いわゆる多目的構造であった。地域の集会、ひとたび不幸が生ずればお葬式、また結婚式にも。地域によって、お蚕の飼育場に早代わりした家もあるだろう。


障子


 どちらが先かは分からないが、今の近代住宅構造は古来の大家族主義を根底からぶっ潰し≪個≫を助長する生活様式に変えた。一つの家に同居するにしても、親達は親達、年寄りや子供達も、またそれぞれの部屋を持つ。子供の場合、その数によって子供部屋を設けるのが普通となった。その良し悪しは別として≪個≫が優先するから≪家族団らん≫の風潮はだんだん希薄になっていくに決まっている。実質的な核家族化である。




 陽だまりと縁側。この二つはよく似合った。そこにお年寄りでもいればなおさらだ。お年寄りが縁側の陽だまりで編み物をしたり、孫と遊んでいる光景があったら絵にもなる。近所の人たちが一人二人と寄って茶飲み話をする場ともなった。いわゆる地域の人達のコミュニケーションの舞台にもなったのである。


縁側


 雨戸と縁側が消えると同時に、かつてはどこの田舎にもあった、こんなのどかな光景をも一遍に消し去った。それはまた人々の心まで変えようとしている。都会、都市部では当たり前になった「隣は何をする人ぞ」の無関心風潮は田舎にも忍び寄っている。




 こんな硬苦しい話はともかく、縁側すら残る古い我が家の場合、リフォームして雨戸をサッシ戸に替えたからいいが、そうでもしなければ女房だって一緒に住んではくれまい。ただ、サッシでガードした縁側は、ただの廊下に成り下がった。




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女房と俺の差

 「お父さん、へんなこと書かないでよ」

 「何の事、言ってるんだ」

 「大根よ、大根。あなたの遊び(ブログ)に私を引き合いに出すことないじゃないの」

 人物

 69歳になる女房は時々、私のブログを覗いているらしく、ニヤニヤしながらブツブツ言った。私と同じようにITなどおよそオンチの女房もパソコンを開いて、インターネットに接続するくらいは出来るのである。ブログへは「お気に入り」があるから簡単。



 そう言えば、女房と一緒に山梨市のパソコン講座に通ったのは四年前の夏。乗って行く車のハンドルが焼け付くほど暑い頃だった。入門、ワード、エクセルの3講座があって、それぞれの講座が一日2時間で週4日。つまり1講座8時間だから、延べでは24時間勉強したことになる。



 今、考えてみれば、60も半ばの人間にとってはあの講座のスピードは、ちょっときつい。私の場合、今でも師匠と思っている萩原という同級生に基礎的なことを教わっていたからいいが、女房の場合、天付けだから無理もない。十分に理解しないまま講座を終え、よく分からないから、やらない、やらないから興味も沸かない、といった具合に悪循環で、せっかくの受講も今では台無し。



 娘に教わったりしながらブログを始めてぼつぼつ4年。毎日欠かさない晩酌の後、パソコンに向かう。外でお酒を飲んだり、マージャンで朝帰りの日はともかく、この日記は毎晩、書くことにしている。そう、新米の私がパソコンのキーを叩いている姿は、今、これをお読み頂いている皆さんが想像されている通りである。


キーボード


 キーを叩くホームが身についていないから文字を打つのが遅く、従って完了までにどうしても時間がかかってしまう。私の日記はワードの1ページ分、つまり、400字詰めの原稿用紙3枚半ぐらいと決めている。その分量は多くもなく、少なくもない1ページぴったりに収めているのだ。



 不思議なことに、いくら時間がかかっても飽きないし、疲れもしないのである。物事にハマっている時とはこんなものかもしれない。むしろ慣れてしまったら逆に飽きが来るのだろう。分からないからぶつかるもの全てに興味が沸くから面白い。子供の頃、こんな感覚で勉強にも取り組んでいたら・・・。



 何でもそうだろうが、パソコンも日常的に使わなければ忘れてしまう。例えば、エクセルも一通り教わったのだが、ワード・ブログにかまけていたら、みんな忘れてしまった。頭の老化現象も手伝っているのだろうが、綺麗さっぱりだ。人間の頭なんてたわいもないものだ。



 そんな事を親しい現役の経営者に話したら「私なんかその逆。表計算などでエクセルは毎日遣うからいいが、他の使わないものはみんな駄目。同じことですよ」と、慰めてくれた。それから考えれば、女房なんか当たり前だ。




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大根足と大根役者

大根5


 「この大根め・・」


 大根の収穫をしながら、なかなか抜けない大根にちょっぴり腹が立って独り言を言ったらそばにいた女房が何を勘違いしたのか


 「大根とは何よ。お父さんの足なんかゴボウじゃない。まったく・・・」


 なにやら女房は自分の足のことをいわれたと思ったらしい。いい歳をしてそそっかしいのは今に始まったことではないが、それにしても面白い。確かに大根はずん胴で、女房の足によく似ている。


大根4



 真面目に怒っているのがまた面白くなって「これなんか、おまんにそっくりだよなあ」といったら、また怒っていた。この会話が聞こえたのか隣の畑で仕事をしていた老夫婦はこちらを向いて、軽く頭を下げ、ニコニコ笑っていた。



 いい天気だ。小春日和とはこんな日のことを言うのだろう。



秋の空



 「今日は暖かいですねえ」と声をかけたら、その老夫婦は帽子を取りながらこちらにやって来た。


 「立派な大根を作りましたね。これじゃあ百姓顔負けですよ」



 「お宅じゃあ、大根作らなかったですよねえ。これ持って行って、沢庵に漬けてみて下さいよ」


大根2


 このあたりは葡萄や桃、サクランボなどの果樹地帯だから本格的な農家は手のかかる野菜作りは、どちらかというと敬遠するのだ。大根をネコと呼ばれる一輪車に載せて女房に隣の家まで運ばせた。大喜びしてくれる老夫婦がまたうれしい。大根足と勘違いしてさっきまで怒っていた女房も愛想よくニコニコしていた。





 さてその大根だが、殺菌作用も持ち合わせていて、決してアタル心配のない野菜だそうだ。刺身のつまや、そのパックの下に大根の千切り?が敷いてあるのもそんな理由からだ。それが転じて生まれた言葉が「大根役者」。当たらない、つまり、いつになっても人気が出ない役者のことを言うのである。女房が言う「大根足」は、その形容から誰とはなしに言うようになったのだろう。


大根2


 大根作りには土地が深い火山灰土の地域が適しているのだそうだ。山梨県では八ヶ岳と向かい合う茅が岳山麓の北杜市明野町の「浅尾大根」が有名。真っ直ぐであることはともかく、皮が薄く、沢庵漬けにはうってつけ。味もいい。茅が岳はあの登山家であり、エッセイストでもあった深田久弥さんが亡くなった山としても知られている。




 大根は、「青首」という種類のように地上にも伸びるが、当然、地下に生長する野菜だ。だから土の浅いところは適さないのである。私の地域は粘土質で土地が浅いから大根が真っ直ぐ伸びずに曲がったり、二股になりやすい。抜くのに一苦労する。そればかりか、力を入れると途中からポキンと折れてしまうのである。でも商品として出荷するわけではないからかまわない。今年も大根足ならぬ、しなびた女房の足のような沢庵が食べられる。





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裸になった柿

柿3_convert_20121201143702 



 「お父さん、みんな採らないともったいないじゃないの」
 高い脚立の上に上って柿もぎをしている私を下から見上げていた女房が注意を促すように言った。


 「おまんは何にも知らんのだな。こうして木にいくつかの柿を残すのは、≪木守柿≫と言ってなあ・・・」



 柿の木の実をすべてを採らない理由(わけ)を説明してやったら「へえ~、そんなことあるんだ」と、この時ばかりは妙に従順な顔つきでうなずいた。よく考えてみれば、私のような田舎育ちの人間と違って、甲府の町に育った人間にそんな事が分かりっこない。脚立の上から独り言のように「木守柿」について話してやった。


柿1



 「木守柿」「きまもりがき」とも「こもりがき」「こまもりがき」「きもりがき」とも読む。木になった柿をみんな採ってしまわずに、いくつか残しておく実のことを言うのである。だんだん寒くなって食べ物がなくなる小鳥のために餌として残してやれ、と子供の頃、近所の年寄りから教わったものだ。このほか、来年の豊作祈願の意味合いもあるとも言う。この風習は野鳥など自然への人間の優しいいたわりの心であり、素朴な祈りなのだ。




 「桃栗3年、柿8年、梅はスイスイ18年・・・」と言うが、柿は梅などと共にすぐには実を付けない。我が家の柿の木はもう何十年も経つ古木で、今年もたくさんの実を付けた。毎年の事だが、東京や埼玉に住む弟達や親しい知人に送ってやる。沢山ならせすぎると、どうしても小ぶりになってしまう。




 今年もすでに何度か吹いた木枯らしで、柿の木はすっかり葉っぱを落とし、脚立の上には橙色に膨らんだ柿をぶら下げている。木枯らしと共にやって来る霜を受けると、甘味を増して、いっそう美味しくなる。形の大小は見栄えだけの問題で、味にはそれほど関係ないのである。この柿は「富有」という品種だ。


柿



 にはそのまま食べられる甘柿枯露柿などに加工しなければならない渋柿がある。それぞれ、さまざまな品種があるが、我が家の甘柿は、この富有柿と御所柿ぐらい。かつては次郎柿とか江戸一柿などの品種もあったが、今はない。一方、渋柿もさまざまな品種がある。甲州百目、蜂屋、富士、平角無、西条・・・・。このうち、我が家にあるのは最も人気の甲州百目。今、女房が近所の人に教わりながら枯露柿を作っている最中だ。




 甘柿と渋柿の関係をご存知だろうか。甘柿は渋柿の突然変異だと言われている。わが国特産の品種である。ただ、この渋柿も熟すとだんだん渋が抜けて甘くなる。特に形も大きい甲州百目の≪ずくし≫はうまい。一部は枯露柿にせずに保存しておいて冬中、この≪ずくし≫として食べる。酔い覚ましには絶品だ。





 女房ではないが若い頃、この柿で「へえ~」と思ったことがある。山梨県の八ヶ岳山麓に小淵沢という町がある。標高が7~800mはあるだろう。ここでは「富有」も「次郎」も甘柿はみんな渋柿。甘くならないのである。標高と柿の甘い、渋いの関係をご存知?





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サツマイモと焼酎

サツマイモ3


 「へえー、サツマイモの生産量日本一は千葉県か」
千葉の方がお書きになったブログを拝見しながら、新しい知識を頂いたような気がした。お恥ずかしい話だが、サツマイモというから、てっきり薩摩、つまり、その産地は鹿児島県だと思っていた。





 落花生の生産量が日本一ということは知っている。たまに行く外国旅行の帰りに成田空港の上空からの千葉を見おろす時、あっちこっちに目立つゴルフコースの間に間に広々と広がる田園や畑。その時期により、あれが落花生畑か、と勝手に思ったりすることがあるが、サツマイモ畑と思ったことは一度もない。落花生は粘土質より砂地の方がいいという。なんとなくのイメージだが、千葉には落花生がよく似合う。




 産地うんぬんはともかく、サツマイモは私にとって、というより私達の世代にとって、さまざまな思い出がある。戦後間もない子どもの頃、秋からこの時期のおやつといえば、このサツマイモ。時には弁当がサツマイモという子もいた。冬中はこのサツマイモを薄く切って干した≪切っ干し≫が子どもながらにうまかった。麦飯が当たり前で、白い米が珍しかった時代である。


干しいも


 時代は一変。今は観光土産になった≪おやき≫などと共にサツマイモも石焼芋として売り出したりすればちょっとした嗜好品。そこには生活の貧しさのような、いわゆる暗い影は微塵もない。もう40年以上前になるが、東京支社勤務の東チョン時代に、宿舎のマンションへの帰り道、あの「石焼き芋~」の呼び声に、子どもの頃のあの味をオーバーラップして「おやじ、ひとつくれ」・・・。うまかった。

焼き芋


 そんな思い出を引きずったわけでもないが、今年はサトイモなどと共にサツマイモも作ってみた。収穫を一日延ばしにしていたら、それまでは青々としていた葉っぱの芋のツルは霜にやられて、見る影もなくベタベタ。もうこれ以上延ばすわけには行かないと、掘ってみたら、そこそこに芋は着いているのだが、いずれも小さい。女房は言う。



 「お父さん、これじゃあ、買って食べたほうが安いわねえ」

サツマイモ2


 「バカ言え」とは言ってみたものの、その通りだとも思った。このサツマイモ、ゴールデンウイーク真っ只中の5月3日、JAの即売所で70本一束700円の「太白」「金時」の苗二束を買って来て差したものだ。芋が大きくならなかった原因は自分でもおおよそ分かっている。ツルが繁茂する夏の時期、ツル返しを丹念にしなかったからだ。サツマイモは極めて逞しい野菜で、ツルのあっちこっちに根を張りながらグングン延びるので、ツル返しをしないと精力が分散、肝心の芋が大きくならないのである。


サツマイモ1


 そんな芋でも、自分が作ったものは愛着がある。額に汗しての芋掘り。その汗もちょっと休むとサッと冷える。畑にいても酒が恋しくなる。私は元来、日本酒党だが、サツマイモといえば焼酎。若い頃、記者クラブで一緒だった仲間に鹿児島出身の男がいて、里帰りする度に鹿児島の芋焼酎を持って来てくれた。西郷さんのような顔をしたこの友と一升瓶を脇に夜明かし。もちろん、今のように水割りではなかった。




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俺は粗大ゴミ?

ゴミ置き場


 もう年末が近いのか。地域防災無線から流れる「粗大ゴミ回収のお知らせ」のアナウンスを聞いて、そんなことを思った。私達の地域の場合、粗大ゴミは通常のごみ収集とは別に、年に数回、日時を指定して回収している。年末が中心だ。有料(テレビや冷蔵庫などの電化製品)と無料があって、業者を巻き込んだ大掛かりな回収である。




 この地区は旧村の岩手村(昭和の合併で山梨市に)という所で、今の世帯数は500戸ほどのこじんまりした地域である。回収の指定場所は、この時期は休眠状態に入っているJAの果実共選所前の広場だ。年末にはちょっと早いようだが、市内を一巡するには今から始めないと間に合わないのだろう。



 「粗大ゴミの回収だそうよ。お父さんも行くんでしょう」



 アナウンスを聞いていた女房がかる口を叩いた。



 「おい、おい、俺は粗大ゴミかよ」



 「冗談よ、冗談。お父さんが粗大ゴミであるわけないでしょう」



 女房はちょっと言い過ぎたと思ったのか、ニヤニヤしながら慌てて打ち消した。でも、よく考えてみれば今の俺は女房にとって粗大ゴミみたいなものかも知れない。風が吹いても嵐が来ても毎朝、決まった時間に出勤し、月末にはきちんと給料を運んできた数年前までと違って、今は、毎日が日曜日。時に、やぶせったい存在に違いない。


family.jpg



 三度の食事だって作らなければならないし、箸の上げ下ろしまでとは言わないまでも、いなければ聞かなくてもいい小言だって聴かなければならない。ナスやキユウリ、白菜や大根、サツマイモやサトイモ、そんなものを作る百姓の真似事だって、ほとんど女房も一緒。今はこまごました家事を考えれば一日の仕事量は女房の方が多いのかも知れない。





 人間とは、夫婦とは面白いものだ。毎日、朝から晩まで忙しく仕事をしていた頃は、少なくとも≪粗大ゴミ≫などという言葉を口にしなかった。そこには無意識のうちにも給料という名の生活費を稼いで来てくれる≪一家の主(あるじ)≫としての受け止め方があったのだろう。「のどもと過ぎれば・・・」。先人はうまいことを言ったものだ。給料の運び屋を辞めて10年以上も経つと、女房たちはいつの間にかその≪ありがたさ≫を忘れてしまう。
妻

 「お前は今、誰のおかげで飯を食っていると思っているんだ」
時々、女房の言葉の節々が妙に引っかかって、冗談とも本気ともつかない、こんなことを言うことがある。世の女房族のみなさんには案外分からないかも知れないが、男には「沽券(こけん)」というものがあるのだ。

夫

 サラリーマン時代からそうだが、私は、家事は一切、女房に任せている。その代わり給料は全部女房に渡して来た。それをどう使おうと口を挟まないことにしている。今は銀行振り込みになったが、給料袋の時代もずっと丸投げした。先日の「振り込め詐欺」についてのブログ記事で、私は被害者にならない事を前提に人ごとのように書いたのはそのためだ。お金と言うお金は全て女房任せ。騙されても振り込みようがないのだ。



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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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