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友の案内

中国館
中国2010年上海万博★中国館模型

 「私がご案内しますから、是非行きましょうよ。私の女房も一緒にお供します」





 今度の中国行きは、上海郊外に進出した日本・大手通信メーカーの現地法人の社長を、つい先頃まで務めていた方の勧めがきっかけだった。この方は女房の学生時代の友人のご主人。現在は千葉の柏にお住まいで、私が住む山梨の田舎家にもご夫婦で、お泊り頂くこともある。私のようなズボラな人間と違って、理工系の几帳面な方だが、同い年ということもあってか、妙に気が合い、夜遅くまで酒を酌み交わす仲だ。





 「今は、あなたと同じように毎日が日曜日。上海は、少しは知っていますので、まかせておいて下さいよ。この時期は比較的混雑しないので、ゆっくり上海を楽しむにはいいかもしれません」


万博看板    万博看板2

中国2010上海万博の看板


 その旅行は4泊5日。貧乏人の私達を気遣ってか、安いツアーを探してくれた。それでもホテルは4つ星。私はギチギチにセットされたツアー旅行はどうも性に合わない。そのことを知ってか知らずか、ツアーの申し込みといっても飛行機と滞在するホテルだけ。いわゆるステイトラベルである。日本人好みの所を日数に合わせてセットする、決まり切ったツアー旅行と違って、気ままに見たい所、行きたい所へ時間にかまわずに行くことが出来るからいい。


ホテル

 女房と二人、甲府を8時50分の高速バスに乗り、成田発15時のエアー・チャイナ機に乗った。上海まではざっと3時間。空港の到着ロビーには先発した友人と、その友達の中国人夫婦が出迎えてくれた。日本との時差は1時間。現地時間はまだ午後5時を少し廻ったばかりだった。空港は第一ターミナルと第二ターミナルに別れていて、規模的には成田をしのぐようにも見えた。



空港2


 でも内部の雰囲気はどこか違う。なんとなく閑散としているのだ。成田空港のようにあらゆる種類と言っていい土産物の店や飲食店街はない。帰りの飛行機。税関を通って搭乗ロビーにもブランドの免税店は成田ほど賑やかではない。動く歩道も途切れ途切れ。その両側にあるのは、一定間隔に設けられたトイレと喫煙コーナーだけ。喫煙コーナーは探さなくても分かるほど、いっぱいあるので、私のような愛煙家には便利。ただスペースはきわめて狭く、煙を清浄する装置もなければ、のっぺらぼうの部屋があるだけ。愛煙家でありながら、モーモーとしたタバコの煙にむせて外に飛び出した。


空港

 空港には出迎えの中国人夫妻が車を横付けしてくれた。この中国人氏は今51歳。日本のサントリーに10年以上も勤めたことのある日本通。サントリーでは佐治社長時代、その通訳を務めたり、山梨県にある同社の山梨ワイナリーにもいたことがあるといい、思わぬ出会いに意気投合。その夜は上海市内の高級レストランで歓迎宴を開いてくれた。


料理1     料理2



 肉、魚、野菜。どの料理をとってもみんなうまい。何よりも年代モノの老酒がいい。やはり年代モノのマオタイ酒が腹に沁みる。この中国人夫妻は日本語がぺらぺら。飲むほどに話が弾んだ。夜が更けるのも忘れた。上海の旅の始まりだった。

※再掲 上海の旅シリーズ


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何でもあり

車

 車が泳ぐ。中国・上海を車で走っていた時の実感だった。東京であれ、名古屋、大阪であれ、地方の山梨であれ、車の渋滞は大なり、小なりあるし、珍しくもない。GDP世界第2位を長い間堅持していた日本を抜いて、その椅子に座った中国。そう考えれば、車が多いこと自体は、ちっとも不思議ではないのだが、私達の目から見れば、不自然がいっぱい。片側3車線、4車線を埋める車は、ルールもなければ、思いやりもない。隙さえあれば前に。追い越しに追い越しをかけるのである。S字に車が泳いでいくのだ。




 「お父さん、ここでは私なんかには車を運転することは出来ないわよねえ。日本の右ハンドルと中国の左ハンドルの違いもさることながら、あんな荒っぽい運転は出来ないし、第一、怖くて立ち往生してしまいますよ」


車2

 乗せて頂いていた車の中で、女房がしみじみと言った。知人の中国人が運転する車はトヨタの高級車。もちろん左ハンドルだ。車の運転にかけては普段、私より女房の方がずっとうまい。そんなことを知ってか知らずか、中国人の友はこんなことを言った。




 「ここ中国では前に出た方が勝ちなのです。まあ、言ってみれば、ノロマをしていたら負けなのです。一言で言えば、何でもありなんです。残念ですが、それは全てに通じます」




 「でもあんな乱暴な運転をしていて、よくぶつかりませんね」




 女房がその中国の知人に問い返すように言った。みんな小気味いいほど運転がうまい。それが証拠に、前を見ても、右や左を見ても傷を持った車は一台も走っていないのだ。わき見運転などしている暇はないし、ぶつからないためには四六時中、緊張していなくてはならないだろう。一般道と言っても日本の高速道路にも数少ない片側3車線、4車線の道路、しかも延々と続く車の洪水の中で事故でも起こそうものなら・・・。その時の光景はおおよそ見当がつくだろう。


車3

 ひとたび事故が起きた場合、車が溢れる道のど真ん中で「お前が悪い」「いやお前だ」と、罵り合うのだという。自分の非を認めたらダメ。後ろにどんな交通渋滞が起ころうとも、そんなことはお構いなし。のんびりした警察が来るまで喧々諤々の自己主張を続けるのだそうだ。抗議のクラクションがあっちこっちで鳴らされようとも気にしない、気にしない。そんな話を聞いて、今の中国人の気質を垣間見たような気がした。

車4

 その中国人氏によれば、乱暴な運転をするのは決まってタクシーやバス、トラックなどの営業車。自分の売上収入に絡むから勢い先を急ぐ。タクシーの車種はワーゲンやBMWが目立つ。こうした外国車は中国での現地生産で、日本で走っているそれとはランクも見るからに違う。そう言っては失礼だが、「これなら多少はぶつかっても・・・」と思えるほどだ。観光バスだって同じ。大勢の命を預かるバス。日本ではおよそ考えられないが、乱暴極まる運転は、ここでは平気。恐らく乗客の中からも不安視や文句も出ないのだろう。そんなところにも今の中国人の気質がのぞく。一方、高級車に乗る人は、そんな無茶はしないという。「金持ち、喧嘩せず」である。

※再掲 上海の旅シリーズ


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上海で見た車の洪水

上海

 30年以上も前と比較するから当たり前だろうが、その空間がついこの間のように思えるのでびっくりする以上にびっくりした。視界には数十階建てのビル群が並び、今、走っている道路は車の洪水。中国は上海のひとコマである。



上海2

 上海の人口は統計上、1,800万人。これに農村部から流入する季節労働者を加えると3,000万人をはるかに上回るという。中国全土の人口は13億人と言われているが、それはアバウトな数字で、実際には定かではない。このことは地元の中国人の話として後で書くことにするが、とにかく、その縮図のような上海は人、人、人。車、車。活気に満ちていた。



上海3


 私はこれまでにも2回、中国の地を踏んでいる。一度目は1981年。37年前だ。二度目はそれから5~6年後。その間はほとんど変化はなかった。上海、北京、西安、杭州、石家荘、桂林、蘇州・・・。いずれも遊びではなく、仕事でお訪ねしたのだが、その頃の都市はどこも人と自転車の洪水だった。



 人々はみんな紺の人民服に、これも申し合わせたように同じ帽子を被り、黙々と、それもゆったりと自転車をこぐ。決して急ごうともしない。その間を自転車が引っ張るリヤカーや牛馬の荷車が。そのおびただしい数と、えもいわれぬ迫力に圧倒されたものだ。


上海7

 車と言えば、恐らく政府高官が乗るのだろう、「紅旗」「上海」などわずかな高級車と、日本などからの観光客を乗せる大型バスだけ。その乗用車や観光バスは、それ程広くもない道路をまるで我がもの顔で、土煙を上げて走る。観光バスはほとんどと言っていいほど日本の中古車。中には山梨、静岡両県を走る富士急行のネームをそのまま付けたバスも走っていた。そこのけ、そこのけとばかりに鳴らすクラクションの音に一瞬、クモの子を散らすように脇に逃げるのだ。センターラインもなければ、ましてや信号もない。運転手が鳴らすクラクションが≪法律≫だった。その時の政府派遣の案内役は「事故に巻き込まれたら轢かれ損ですよ」と、事も無げに言った。


上海4

 そして今。その自転車は車に代わっていた。トヨタや日産、ホンダやいすゞなどの日本車もあれば、ベンツやワーゲン、BMW・・・。世界の車が。もちろん中国国産の車も多い。それぞれの合弁現地法人が供給しているもので、いずれにしても車が自転車に取って代わった。アリのように自転車に乗って群れを成していた人間が車に乗り換えているのだから、車の量たるもの、おおよその見当はつくだろう。



上海5

 もちろん、みんなが乗用車に乗るわけではない。日本の都市部と同じように定期バスが。どのバスも満員だ。乗用車、バス、トラック。日本で言えば、高速道路のような片側3車線、4車線の道路はどこも車の洪水。そんな光景は東京など日本の都市部にとどまらず、山梨など地方の市街地だって珍しくもない。問題はその交通体系、ドライバーのマナーやルールのありようだ。日本ではおおよそ考えようもない追い越しや割り込みは普通。車線変更も右左折も先に首を突っ込んだ方が勝ち。危ないと思ったり、都合が悪かったらクラクションを鳴らせばいい。車の騒音とクラクションの音が異様なハーモニーを奏でていた。

上海6

※再掲 上海の旅シリーズ

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あがりの茶碗

すし屋1


 15日間にわたった船の旅(大西洋―カリブ海―パナマ運河―太平洋クルーズ)を終えて一旦ハワイに戻り、日本に戻ったのはそれから一週間後だった。飛行機も混むし、第一、航空運賃が割高になるゴールデンウィークを避けたからだ。



 食べ物も農作業も現実の生活が待っていたのだが、そんな山梨の片田舎に、ハワイから小さな小包が届いた。中にはなんと寿司屋さんであがりを飲む湯飲み茶碗が。ホノルルの官庁街に程近いところにある寿司屋さん「KABUKI」(歌舞伎)の大将が送ってくれたものだ。



湯のみ


 この茶碗は日本の寿司屋さんでもどこにでもある魚偏の漢字、つまり魚の名前を連ねたあれだ。ビールを飲み、寿司をつまみながら、目の前のカウンターに置かれたその茶碗を手に取り「大将、この魚偏の漢字、みんな読める?」と、茶碗の漢字を酒のつまみにしたことを思い出した。




 茶碗に書かれた魚偏の漢字はちょうど50。かながふってあるから「ヘ~、こう読むのか」と分かるのだが、かながふってなければ読めない漢字がいっぱい。50の文字は日本人なら比較的ポピュラーな魚ばかりだが、案外知らない自分が情けなく思った。鯉、鮎、鯖、鯛、鰻、鯨、鰹、鰤、蛸、鰯、鰺などはどうということはないし、鮟、鮒、鯱などは字のイメージからなんとなく分かる。しかし鰌、鰆、鯰、鮠、鰈、鰊、鱸、鯊、鰾、鯔となるともう分からないのだ。中には明らかに当て字のようなものもある。





 「ところで大将、ここの寿司のネタ、どこから来るの?」


 「アメリカ国内もあれば、南米カナダもある。マグロなんかハワイで揚がるんですよ」




 考えてみれば、私たちが日本で食べている寿司ネタだって大方、同じような所から来ているのだ。ウニはカリフォリニアやシアトル、トロはスペイン。恐らく近海ものなんか少ないのだろう。鮪の場合、日本では「大間のマグロ」が有名だが、私たちの口には入らない高級品だ。カニにしたって「越前ガニ」のブランド物になると値段は跳ね上がる。


すし屋2

 そんなことを話している時、隣の白人客は「ODENN」(おでん)をオーダーするのだ。カウンターに置かれたカラフルなメニュー表には載っていないが、壁には手書きの特別メニューが。あるある。おでん(7・50$)ばかりではない。「KOMOTI SISHIYAMO」(子持ちししゃも3pieces 6・50$)「CHICKEN WINNG」(てばやき)「KIMPIRA GOBO」(金平ゴボウ4・50$)「ONSEN TAMAGO」(温泉たまご2・05$)・・・。


メニュー  

 これがまた白人達に人気があるのだそうだ。ゴボウは世界中でも食べるのは日本くらいのものだと、聴いたことがある。しかし、白人たちは結構、旨そうに食べている。それもそのはず。このカウンター席に来るお客はお馴染みさんが多いのだそうで、自称、日本通。中には週何度も来る人もいるという。寿司はもちろん、こうした日本の食べ物がダイエット食として注目されつつあるのだそうだ。

※再掲載=「クルーズ船の旅」シリーズ」


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食料の供給基地

クレーン2  

 「お父さん、あれなあに・・・」

15日間にわたった船旅の最終日の朝、いつもの朝と同じように12階にあるビッフェで朝食を摂っていた。女房はフォークとナイフを持ちながら、目で窓の外を差した。そこには、ただ青い空と海だけで、何もなかったはずなのに、いつのまにかの風景が。速度を落として滑るように動く窓には貨物船のような大小のクレーンが写っていた。船旅のゴール・ロス・アンゼルスに着いたのだ。


クレーン3


 ロス・アンゼルス港はとてつもなく大きな港だった。女房が「あれなあに・・・」とびっくりしたのは、クレーンの林。まるで飛び込んで来るように見える目の前のクレーンばかりでなく、広い港のあちこちに林立しているのだ。その間に間に貨物船が浮かびコンテナの山も見える。思わず、窓辺に寄って外を覗き込んだら、それはずっと向こうまで続いていた。




 ロス・アンゼルスはサンフランシスコと並んで米・西海岸の主要都市。海の港、空の港、共にアメリカの西の玄関口だ。世界の旅行者にとって、それぞれの交差点でもある。人の交通は、時間をかけずに移動出来る空の方がずっと多いのだろうが、海だって私たちが乗った船のように一隻寄港すれば4,000人近い人が一度に吐き出されるのだから、バカにならない数だろう。500人乗りのエアバス8機分だ。


クレーン4


 定かなデータがあるわけではないが、人の移動が空にウエイトがあるとすれば、物流は海の航路にある。船の方が一度に大量の物資を輸送できるに決まっている。石油なんかほとんどが船だろう。ロス・アンゼルスがあるカリフォルニア州は、世界の穀倉地帯のひとつ。米、麦、大豆、とうもろこし・・・・。メロンやパイナップル、マンゴウ、パパイヤ、葡萄、トマトやナス、キュウリなどの果物や野菜もそうだろう。




 日本の食料自給率はわずか40%。大半を外国に依存している。このロス・アンゼルスの港からも数多くの農産物が運ばれているのだろう。恐らく海産物だって同じだ。毎日、毎晩、山梨の片田舎の食卓に載っているものの一部がこの港から来ていると思うと、港ばかりか、港のあちこちに停泊する貨物船や、コンテナの山が無性に身近に感じた。


クレーン5

 林立するクレーンは、あるものは船からコンテナを下ろし、あるものは積み込んでいる。見る限り、コンテナは大小2種類。クレーンは手際よく貨物船への積み下ろしをしている。コンテナは、当たり前だが、輸送中に崩れることのないよう積み込む時に一つ一つロックされていく。コンテナの大きさを統一している訳が分かった。積み重ねるたびに「ガチャン、ガチャン」と音がする。崩れないように上下、左右をロックするのだ。




 収支と言ったらおかしいが、船に載るコンテナの数は入港時と出港時が同じであることが貨物船の掟だと言う。コンテナの中に荷物があろうがなかろうが、つまり空っぽでもコンテナを積まなければならない。もしこのバランスを崩せば、港によって空のコンテナが山積みされることになるのだ。空のコンテナを積んで帰らないのが経営手腕なのだろう。

※再掲載=「クルーズ船の旅」シリーズ」


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俺はやっぱり日本人

お茶漬け

 人間というヤツは我がままというか、贅沢なものだ。
「お父さん、やっぱりお茶漬けや味噌汁がいいね。ステーキやロブスターなんかもういいよ。わたしゃあ、温かいご飯にお新香だけだっていいさ」



 弥次さん、喜多さんではないが、女房と二人、外国人ばかりの船に乗って、一週間ぐらい経った頃だろうか、女房は私に向かってしみじみと言った。アメリカの最南端フロリダ州のマイアミを出て大西洋からカリブ海、パナマ運河を経て、太平洋に出た頃だった。


クルージング

 「お前もよく言うよなあ・・・。あれほど嬉々として食っていたくせに・・・」



 「それはそれよ・・・」



 事実、毎日、レストランやビッフェで、まるで食わなきゃあ損だ、といわんばかりに食べることに嬉々としていた女房が一転するのだ。15日間のクルーズ中、朝、昼、晩、食事は船の中のレストランやビッフェで摂った。コロンビアやパナマ、エクアドル、コスタリカ、メキシコ、サンディエゴなど寄港地でのツアーの時も船に戻って食べた。


船

 13あるというレストラン、ビッフェのうち、低額だが有料のバー方式のレストランを除いて全てが無料で食べ放題。その時の好みやお腹の調子で≪食事処≫を変えるのだ。気軽に何でも自由に食べたい時にはビッフェ。ディナーのようにちょっとお洒落に落ち着いて食べたい時にはそれなりのレストランへ。普段着だと、ちょっと肩身が狭いような、そんなレストランもあれば、比較的軽めのメニューを用意してくれているレストランもある。


船上

 ビッフェは、いわゆる大衆的で、日本風で言うヴァイキング方式。パンやハム、ベーコン、サラミ、ヨーグルトや牛乳、ジュース、肉や魚、豆やコーン、フルーツ・・・。それぞれあらゆる種類が用意されている。肉を例にとってもステーキを好みで焼いてくれもすれば、ローストビーフも好みの厚さに。もちろんチキンだってある。フルーツだってオレンジ、バナナ、葡萄、梨、林檎、桃、西瓜は当たり前。メロンやパイナップル、アボカド、マンゴー・・・。名前も分からないようなものも並んでいる。




 チーズやヨーグルト、ジャムも同じで、よくもこれほどそろえたものだと思うほどの種類が。朝は目の前でスクランブルやオムレツを作ってくれる。その具も何種類もあって、好みに応じてくれるのだ。そんな具合だから、例え朝であっても、あれもこれもと目が食べたくなってしまうのだ。勢い、大きなお皿はいっぱい。てんこ盛りに。

オムレツ


 レストランだって同じ。フランス料理、イタリア料理とさまざまなメニューを用意してくれていて、欧米人との胃袋の違いだろうか、一つ一つの量が多いのだ。確かに美味しい。目が食べたいばかりか、貧乏人の嵯峨が頭をもたげ、正直言って≪欲≫で食べてしまうのだ。「せっかくのダイエットが・・・」と、一方の自分がブレーキをかけるのだが・・・。




 しかし、そんな毎日が続くと、女房ではないが、あっさりした日本食が恋しくなる。ある意味、カルチャーショックだ。外国へ旅行したあと、いつも思うのだが、お茶漬け、お新香、熱い味噌汁が一番旨い。やっぱり俺達夫婦は日本人だ。根っからの貧乏人かも。

味噌汁

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ハワイの寿司屋

すし屋3


 「やあ~、お久しぶりですねえ。一年ぶりですかねえ。今回はどちらに?・・・。まあ、お座りになってくださいよ。旨いヤツ、握りますから・・・」




 鍵型に15人ぐらいは座れるカウンターには5、6人の白人や日系人らしいお客が座っていた。私達夫婦の顔を見るなり、まるで古くからの客のように、この寿司屋の大将は満面に笑みを浮かべながら迎えた。寿司屋の大将は、日本ならねじりハチマキが似合うのだが、ここはハワイ。白ずくめで、コックのような帽子を被っている。


すし屋4


 店の名前も「KABUKI」(歌舞伎)。ホノルルの市役所や図書館などがある市のいわば官庁街の一角にある。日本の新婚さんが結婚式を挙げることでも有名な教会のすぐ近くだ。夜の帳を下ろすと、この一帯もなんとなくムードを変える。店に入ると30人ぐらいは座れそうなテーブル席、その隣には畳の座敷が。カウンター席はテーブル席の左の奥まった所にある。比較的大きい部類の寿司屋さんだろう。


kabukiレストラン

 私自身もそうだが、店の大将は、古くからの顔馴染みのように思っているらしいが、この店に来るのは4度目。最初は仕事絡みで来た5、6年前のハワイ、ラスベカスの旅。次いで一昨年のハワイ6島クルーズ、昨年のアラスカクルーズ、そして大西洋―カリブ海―パナマ運河―太平洋クルーズの今回だ。




 最初のラスベカスを除いて、いずれも女房との弥次喜多旅行。8日間から、今回のように15日間の船旅だ。ステーキやローストビーフ、ロブスター、スパゲテーなど≪あちら≫のものばかり食べさせられていると、旅の何日目かになると、無性に寿司や天ぷらが食べたくなる。いつもハワイを拠点に動くことにしているから、ハワイに戻ってくると決まってこの店に。不思議と日本に帰ってきたような気持ちになるのだ。


寿司

 大将は新潟県出身で、64歳。三十数年前にハワイに来て、寿司屋を開いたという。同世代ということもあってか、妙に気が合うのだ。1年ぶりなのに私の好みまで覚えてくれている。「最初は鮪でしたね・・・。ヘイ鮪」と言いながら、私の好きなトロやウニ、イクラ、コハダやアオヤギ、アナゴなどを黙っていても握ってくれる。




 メニュー表はもちろん英語「ヘイ、ツナ(鮪)」。私たちとの会話は日本語だが、ほとんどが英語。当たり前のことだが、英語と日本語を使い分ける大将が奇妙に写る。正面には神棚が設えられていて、その脇には大きな目を見開いた招き猫が。


招き猫

 日本酒もあれば、キリンやアサヒ、サッポロと日本のビールも飲める。やっぱり日本酒がいいし、日本のビールがいい。でも、ビールの味が心なしか違う。カナダなどの工場で作っているのだそうだ。「やっぱり分かりますか」。大将は頷くように言った。




 「このシャリ、旨いね。新潟産?」



 「とんでもない。なんでもそうですが、日本から取り寄せたんじゃあ採算に合いませんよ。カリフォリニアですよ。結構いけるでしょう。日本人はカリフォリニア米をバカにするけど、旨いんですよ。寿司米は何も高級米でなくてもいいんです」

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異国の文化

スシ
 よく考えてみれば、異国の文化などというものはそのまま伝わったり、そのまま受け入れられるものではないのだ。今度のアメリカ旅行中、あっちこっちで見たり、接した日本の文化は、一見へんてこりんに、見ようによってはものの見事にアレンジされて、人々の間に、何事もなげに息づいていた。食の文化もしかり、風俗習慣もしかりだ。言葉だってそうかも知れない。




 確かに寿司は日本生まれだ。だからといって、そのシャリはササニシキやコシヒカリなど日本米でなくて、あの大きくて細長いカリフォリニア米でいいし、その国の舌に合わなかったらシャリに酢を打たなくたっていい。ネタだって鮪や海老、烏賊や蛸、コハダやアオヤギなどの生鮮海産物ではなく、果物野菜だっていいのだ。現に日本の回転寿司だってアボカドやメロンの寿司も登場している。家族連れの子供たちは、むしろ自然に受け入れてしまっているのだ。




中華


 立場を変えて、私たちが日本で口にしている中国料理は、はたして本当の中国料理か。北京料理とか上海、広東、四川といった料理は大なり、小なり日本風にアレンジされているのである。日本人の舌に合わせてあるのだ。横浜の中華街で食べる中華料理だって何の違和感もないのはそのためである。




 もう20年ぐらい前のことだが、北京に近い河北省の省都・石家荘を訪ねたことがある。そこは、かつて日本軍が駐留したこともある所だそうだが、私が訪ねた当時、日本人観光客は極めて少ない地域だった。食事をした時のことだ。テーブルに並ぶ美味しそうな料理はどれも香料?が強い。当然のように、その感じ方が口を突いて出る。中には「ふりかけか梅干でも持ってくれば良かった」と、言う人も出る始末。


中華2

 驚いたのはその翌日だ。日本人の鼻を突いたその香料がものの見事に消えていた。言葉が分からないかのように前日は、何の反応も見せなかったレストラン側が、中国料理を私たちの口に合わせてしまったのである。同席した日本人は顔を見合わせて一瞬ホッとした。でも待てよ。私たちはお陰で滞在中、本当の河北料理を食べなかったことになる。





 漢字。いうまでもなく日本には中国から伝わった。しかし、同じ字を書きながら≪本家≫の中国と日本ではその意味が全く違うものは少なくない。例えば、中国ではトイレットペーパーの意味がある「手紙」がどうしたことか日本に来たら、便りの手紙に。中国の「火車」は日本では「汽車」。因みに日本の「汽車」は、中国では「自動車」なのだ。




 伝わる過程で変わったのか、故意に変えたのかは分からないが、文化の移動には、こんなことはおおよそ付き物だろう。≪本家≫から見たり、自分側から見れば、へんてこりんだが、実は人種や国境を越えれば、当たり前のことかもしれない。私たちが今、何事もないように受け入れている外国の食文化や習慣、マナーだって≪本家≫の国の人達から見れば、へんてこりんに写ることはいっぱいあるに違いない。片方の違和感で目くじらを立てたって仕方がない。文化とはおおよそそんなものだろう。

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文化とは何だ

ショー


 何かヘンだ。外国人から見た日本の文化とは一体なんだ、とつくづく思った。実際とみんな何かちぐはぐなのだ。15日間の大西洋―カリブ海―パナマ―太平洋クルーズを中心にした約1ヶ月のアメリカ旅行で、そんな場面に度々出っくわした。
例えば、今度の旅のメーンとなった船の中。インフォーメーションカウンターやロビーがある7階には「スシバー」(SUSHI BAR)がある。その隣には「鉄板焼きバー」(TETSUPANYAKI BAR)が。鉄板焼きはともかく、なんとなく違和感を感ずるのは寿司屋だ。


スシバー1  寿司あー2


 カウンターはそこそこ。その中で寿司を握っているのは、恐らく東南アジアの若者らしい男だった。私よりかなり≪日焼け≫していた。新鮮な魚介類を扱う職人が持つ「威勢」や「愛想」などというものは微塵もなく、黙々と客の注文に応じている。お客はみんな白人だ。箸と並んでフォークも。それはそれでいい。問題は寿司そのものだ。





 もちろん、鮪もあれば、海老もある。ところが、メーンは巻き寿司。海苔巻きかというとそうではない。太巻きの中の渦には海苔が見えるのだが、周りには海苔はない。中身の芯はピーマンパプリカ。日本の定番、芋の弦やかんぴょう、玉子焼き、キュウリなどは入っていない。シャリはというと、細長い大きな粒のカリフォルニア米。もっとピンとこないのはシャリに酢を打っていないことだ。


 

 そういっては失礼だが、食えたシロモノではない。寿司の命はシャリ。酢の微妙な使い方も旨さを醸し出すコツだ。日本の寿司屋では「むらさき」と呼ぶ醤油は、欧米では「ショウイソース」として、テーブルに載り「キッコウマン」や「ヤマサ」は知る人ぞ、知っている。ところが、酢というのは舌が理解しないのだろう。




 日本ならこんな寿司屋にお客は来ないに違いない。ところが毎晩、そこそこ賑わっている。目を内装に向けると、壁のデザインは唐草模様の原型。あのラーメンのどんぶりに描かれているデザインだ。店の雰囲気は中国風といった感じ。欧米人は日本と中国の区別が分からないらしい。


芸者ショー


 船には1,500人前後のキャパシティをもつ立派なシアターがあって、毎晩、趣向を凝らしたステージを繰り広げる。ジャズやクラッシックのコンサートもあれば、プレビューやマジック、コントのショーも。14日間、乗客を飽きさせない。そのフィナーレは「芸者」(GEISHIYA)をテーマにしたダンスのショーだった。足の長い、それは綺麗な白人や黒人女性が和服に草履、下駄履き姿で登場、ロックミュージックに乗って踊るのだ。


芸者ショー2


 ショーには二本差のサムライや忍者も。朱の欄干、滝、朱の鳥居もバックで彩を添え、ステージから客席に向けては、頭上に提灯が。その提灯に書かれている文字は「吉祥」や「大吉」。日本のゲイシャをロックで表現、提灯は中国風。その違和感が面白い。女房は
「あれなあに。へんてこりんよねえ・・・」


 

 寿司にしろ、ステージにしろ異国の文化を受け入れる側は、それを自在にアレンジする。

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レディファーストの苦労

名称未設定-4

 日本の「かかあ天下」はともかく、アメリカのレディファーストの精神は徹底している。アメリカというより欧米といった方がいいのかもしれないが、とにかく日常に根付いている。車の乗り降りもそうだし、エレベーターだってそうだ。車もドアを開け、ご婦人を乗せた後、男性は、その反対側に廻って乗り込むのである。降りる場合も同じだ。




 エレベーターだって男性は女性を乗せて、後から乗り込む。船では毎朝、周回できるデッキを散歩、ウオーキングするカップルが。年配者が目立つ。ご夫婦だろう。ほとんどが手を繋いでいる。日本でも手を繋いで街ゆく若いカップルが目立つようになった。恋人、愛情の表現だろうが、待てよ。アメリカのそれは、日本の若者達のそれとちょっと違うような気がした。


レディーファースト

 つまり、愛情の表現もさることながら、そこには男性の女性に対する、いたわりの心、ナイトの精神があるように思えた。ナイトといえば、同意語のように武士が。外国人は、日本といえば侍をイメージし、腹切り(切腹)をイメージする人が少なくないという。事実、今度の大西洋―パナマ―太平洋クルーズ中、毎晩のように通ったカジノでもデーラー達は日本人の私に、親しみを込めて「サムライ」「ハラ キリー」と言った。




 三島由紀夫著書「葉隠れ入門」の中で葉隠れ武士の精神だろう「武士道とは死ぬことと見つけたり」と書いている。とにかく、外国人に日本―サムライ―ハラキリと言われるのは愉快なものではない。男の哲学だろうが、武士道にだってナイトにも似た哲学があるはずなのだ。レディファーストを全てに地でいく船の中でそんな事を思ったものだ。

船


 タキシードを着たボーイは、レストランで私たち二人をテーブルに案内すると決まって、奥まったところの椅子に女房を座らせた上で、メニュー表も先に渡してオーダーを取るのだ。全てが女性優先。まあ、そんなことはどっちでもいい。スープ、サラダ、ステーキ、チキン、アイスクリームくらいは分かるが、その中身の説明もさることながら、メニュー表いっぱいに書かれている横文字を見ているとチンプンかんぷん。それだけで、食欲をなくすのだ。田舎者の私なんか、こんな高級レストランより大衆的なビッフェの方がいい。


料理

 そこにいくと女は逞しい。女房はこれから出てくるご馳走を想像してか目を輝かせている。もちろん、メニュー表の横文字なんか読めるはずがないから「これとこれ」と言った具合に指差すのだ。だから、何が出て来るかは分からないのだが、前菜、スープ、メインデッシュ、デザートと一応形は整う。




 失敗は明日への糧。自信にも繋がる。最初のクルーズ、つまり3年前のハワイ6島の旅で、女房はメニュー表が読めないばかりか、前菜もメインデッシュの区別も分からず「これとこれ」とやったものだから、テーブルにはメインデッシュが3つも4つも。冷や汗ものだった。さすがに、女房も今度はその徹は踏まない。レディファーストに懲りたのか、今度は「お父さん、これなんとなく美味しそうだよねえ」と、私の顔を見るのだ。その顔は、やっぱり「レディファーストはもういいよ」と言いたそうだった。


※再掲載=「クルーズ船の旅」シリーズ」


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おきてがみ
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やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコなどの活動も。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定もします。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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