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女房と英会話

USA.jpg


 「お父さん、上手でなくてもいいから今時、少しくらい英語、しゃべれるようじゃなくては絶対ダメだよねえ。私は帰ったら英会話を勉強しますよ。絶対・・・」




 ハワイからマイアミに飛び、そこからカリブ海を通ってロス・アンゼルスに向かう船の中で、女房はしみじみ言った。旅行中、言葉が通じない不自由さを、身を持って体験したからにほかならない。





 「お前、去年、アラスカへ行った時も、その前のハワイの時もそう言ったじゃあないか」




 「そうだったかなあ。でも、今度は絶対、勉強するよ。お父さんも一緒にやらない? そうしないと、やっぱりダメだよ」


USA


 旅行から帰って、現実の生活に戻れば、そんな事を言ったのがウソのように忘れてしまうに決まっている。でも、この時の女房の気持ちはウソでもなければ、かりそめでもない。本当の気持ちだろう。これじゃあダメだと、思うのは女房だけでなく、女房の前では言わないが、俺だって同じだ。





 日本人が多いハワイだったらまだいい。あっちこっちで日本語は聞こえるし、日本人が多いから、相手側も日本語で話てくれる。タクシーに乗っても、買い物のお店に入っても、あまり心配にならない。仮に相手が日本語を話せなくても「日本語、話せませんか」で済む。人間の心理とは不思議なもので、ここでは「なあ~んだ、日本語、話せねえのか・・・」と、なぜか日本人としての主体性を持っているのである。


ハワイ


 ところがどうだ。文字通り海の中に放り出された今度のクルーズでは、右を向いても左を見ても一日中、聞こえてくるのは英語ばかりだ。ノルウエーの船だそうだが、この船には約2,500人の乗客と約1,000人のスタッフが乗り組んでいるのだという。たまたまだったかも知れないが、日本人は私たち夫婦を除いてほとんどゼロ。カルチャーショックなんてもんじゃあない。それを通り過ぎてコンプレックスだ。普段、いくらうるさくても日本語を話してくれる女房が、無性に可愛くなる。女房も女房で普段と打って変わってなんでも「お父さん、お父さん」と、従順だ。


クルーズ1


 豪華賞品に目がくらんで?女房と早速、ビンゴゲームに参加した。広いホールの、ふんわりした豪華なボックスシートで、大勢の人達が日本でもおなじみのあのビンゴゲームを楽しむのだ。ところが、数字くらいなら・・・と思いきや、これだって一筋縄ではいかない。最初は数字の発音が聞き取れないのである。20がトエニーくらいならまだいい。40をホーリー、41をホーリーワンとやるから女房なんかハナからカードの枡を潰せないのだ。




 このビンゴゲームくらいだと早い数字の発音に慣れればなんとか大丈夫。とこらが、シアターでのコントショーとなると、チンプンかんぷん。あの掛け合い万歳のようなものだから話のテンポが命。当然のことながら早口だ。そんなヤツを聞き取れるはずもない。一緒に行った90歳近いハワイの老夫婦は、大好きで、みんなと一緒に笑っている。しらけている私たち夫婦を除いてみんながどっと笑うのだ。その度に悲哀を感ずるのである。





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あがりの茶碗

すし屋1


 15日間にわたった船の旅(大西洋―カリブ海―パナマ運河―太平洋クルーズ)を終えて一旦ハワイに戻り、日本に戻ったのはそれから一週間後だった。飛行機も混むし、第一、航空運賃が割高になるゴールデンウィークを避けたからだ。



 食べ物も農作業も現実の生活が待っていたのだが、そんな山梨の片田舎に、ハワイから小さな小包が届いた。中にはなんと寿司屋さんであがりを飲む湯飲み茶碗が。ホノルルの官庁街に程近いところにある寿司屋さん「KABUKI」(歌舞伎)の大将が送ってくれたものだ。



湯のみ


 この茶碗は日本の寿司屋さんでもどこにでもある魚偏の漢字、つまり魚の名前を連ねたあれだ。ビールを飲み、寿司をつまみながら、目の前のカウンターに置かれたその茶碗を手に取り「大将、この魚偏の漢字、みんな読める?」と、茶碗の漢字を酒のつまみにしたことを思い出した。




 茶碗に書かれた魚偏の漢字はちょうど50。かながふってあるから「ヘ~、こう読むのか」と分かるのだが、かながふってなければ読めない漢字がいっぱい。50の文字は日本人なら比較的ポピュラーな魚ばかりだが、案外知らない自分が情けなく思った。鯉、鮎、鯖、鯛、鰻、鯨、鰹、鰤、蛸、鰯、鰺などはどうということはないし、鮟、鮒、鯱などは字のイメージからなんとなく分かる。しかし鰌、鰆、鯰、鮠、鰈、鰊、鱸、鯊、鰾、鯔となるともう分からないのだ。中には明らかに当て字のようなものもある。





 「ところで大将、ここの寿司のネタ、どこから来るの?」


 「アメリカ国内もあれば、南米カナダもある。マグロなんかハワイで揚がるんですよ」




 考えてみれば、私たちが日本で食べている寿司ネタだって大方、同じような所から来ているのだ。ウニはカリフォリニアやシアトル、トロはスペイン。恐らく近海ものなんか少ないのだろう。鮪の場合、日本では「大間のマグロ」が有名だが、私たちの口には入らない高級品だ。カニにしたって「越前ガニ」のブランド物になると値段は跳ね上がる。


すし屋2

 そんなことを話している時、隣の白人客は「ODENN」(おでん)をオーダーするのだ。カウンターに置かれたカラフルなメニュー表には載っていないが、壁には手書きの特別メニューが。あるある。おでん(7・50$)ばかりではない。「KOMOTI SISHIYAMO」(子持ちししゃも3pieces 6・50$)「CHICKEN WINNG」(てばやき)「KIMPIRA GOBO」(金平ゴボウ4・50$)「ONSEN TAMAGO」(温泉たまご2・05$)・・・。


メニュー  

 これがまた白人達に人気があるのだそうだ。ゴボウは世界中でも食べるのは日本くらいのものだと、聴いたことがある。しかし、白人たちは結構、旨そうに食べている。それもそのはず。このカウンター席に来るお客はお馴染みさんが多いのだそうで、自称、日本通。中には週何度も来る人もいるという。寿司はもちろん、こうした日本の食べ物がダイエット食として注目されつつあるのだそうだ。





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ハワイの寿司屋

すし屋3


 「やあ~、お久しぶりですねえ。一年ぶりですかねえ。今回はどちらに?・・・。まあ、お座りになってくださいよ。旨いヤツ、握りますから・・・」




 鍵型に15人ぐらいは座れるカウンターには5、6人の白人や日系人らしいお客が座っていた。私達夫婦の顔を見るなり、まるで古くからの客のように、この寿司屋の大将は満面に笑みを浮かべながら迎えた。寿司屋の大将は、日本ならねじりハチマキが似合うのだが、ここはハワイ。白ずくめで、コックのような帽子を被っている。


すし屋4


 店の名前も「KABUKI」(歌舞伎)。ホノルルの市役所や図書館などがある市のいわば官庁街の一角にある。日本の新婚さんが結婚式を挙げることでも有名な教会のすぐ近くだ。夜の帳を下ろすと、この一帯もなんとなくムードを変える。店に入ると30人ぐらいは座れそうなテーブル席、その隣には畳の座敷が。カウンター席はテーブル席の左の奥まった所にある。比較的大きい部類の寿司屋さんだろう。


kabukiレストラン


 私自身もそうだが、店の大将は、古くからの顔馴染みのように思っているらしいが、この店に来るのは4度目。最初は仕事絡みで来た5、6年前のハワイ、ラスベカスの旅。次いで一昨年のハワイ6島クルーズ、昨年のアラスカクルーズ、そして大西洋―カリブ海―パナマ運河―太平洋クルーズの今回だ。




 最初のラスベカスを除いて、いずれも女房との弥次喜多旅行。8日間から、今回のように15日間の船旅だ。ステーキやローストビーフ、ロブスター、スパゲテーなど≪あちら≫のものばかり食べさせられていると、旅の何日目かになると、無性に寿司や天ぷらが食べたくなる。いつもハワイを拠点に動くことにしているから、ハワイに戻ってくると決まってこの店に。不思議と日本に帰ってきたような気持ちになるのだ。


寿司


 大将は新潟県出身で、64歳。三十数年前にハワイに来て、寿司屋を開いたという。同世代ということもあってか、妙に気が合うのだ。1年ぶりなのに私の好みまで覚えてくれている。「最初は鮪でしたね・・・。ヘイ鮪」と言いながら、私の好きなトロやウニ、イクラ、コハダやアオヤギ、アナゴなどを黙っていても握ってくれる。




 メニュー表はもちろん英語「ヘイ、ツナ(鮪)」。私たちとの会話は日本語だが、ほとんどが英語。当たり前のことだが、英語と日本語を使い分ける大将が奇妙に写る。正面には神棚が設えられていて、その脇には大きな目を見開いた招き猫が。


招き猫

 日本酒もあれば、キリンやアサヒ、サッポロと日本のビールも飲める。やっぱり日本酒がいいし、日本のビールがいい。でも、ビールの味が心なしか違う。カナダなどの工場で作っているのだそうだ。「やっぱり分かりますか」。大将は頷くように言った。




 「このシャリ、旨いね。新潟産?」



 「とんでもない。なんでもそうですが、日本から取り寄せたんじゃあ採算に合いませんよ。カリフォリニアですよ。結構いけるでしょう。日本人はカリフォリニア米をバカにするけど、旨いんですよ。寿司米は何も高級米でなくてもいいんです」





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食料の供給基地

クレーン2  


 「お父さん、あれなあに・・・」

15日間にわたった船旅の最終日の朝、いつもの朝と同じように12階にあるビッフェで朝食を摂っていた。女房はフォークとナイフを持ちながら、目で窓の外を差した。そこには、ただ青い空と海だけで、何もなかったはずなのに、いつのまにかの風景が。速度を落として滑るように動く窓には貨物船のような大小のクレーンが写っていた。船旅のゴール・ロス・アンゼルスに着いたのだ。


クレーン3


 ロス・アンゼルス港はとてつもなく大きな港だった。女房が「あれなあに・・・」とびっくりしたのは、クレーンの林。まるで飛び込んで来るように見える目の前のクレーンばかりでなく、広い港のあちこちに林立しているのだ。その間に間に貨物船が浮かびコンテナの山も見える。思わず、窓辺に寄って外を覗き込んだら、それはずっと向こうまで続いていた。




 ロス・アンゼルスはサンフランシスコと並んで米・西海岸の主要都市。海の港、空の港、共にアメリカの西の玄関口だ。世界の旅行者にとって、それぞれの交差点でもある。人の交通は、時間をかけずに移動出来る空の方がずっと多いのだろうが、海だって私たちが乗った船のように一隻寄港すれば4,000人近い人が一度に吐き出されるのだから、バカにならない数だろう。500人乗りのエアバス8機分だ。


クレーン4


 定かなデータがあるわけではないが、人の移動が空にウエイトがあるとすれば、物流は海の航路にある。船の方が一度に大量の物資を輸送できるに決まっている。石油なんかほとんどが船だろう。ロス・アンゼルスがあるカリフォルニア州は、世界の穀倉地帯のひとつ。米、麦、大豆、とうもろこし・・・・。メロンやパイナップル、マンゴウ、パパイヤ、葡萄、トマトやナス、キュウリなどの果物や野菜もそうだろう。




 日本の食料自給率はわずか40%。大半を外国に依存している。このロス・アンゼルスの港からも数多くの農産物が運ばれているのだろう。恐らく海産物だって同じだ。毎日、毎晩、山梨の片田舎の食卓に載っているものの一部がこの港から来ていると思うと、港ばかりか、港のあちこちに停泊する貨物船や、コンテナの山が無性に身近に感じた。


クレーン5


 林立するクレーンは、あるものは船からコンテナを下ろし、あるものは積み込んでいる。見る限り、コンテナは大小2種類。クレーンは手際よく貨物船への積み下ろしをしている。コンテナは、当たり前だが、輸送中に崩れることのないよう積み込む時に一つ一つロックされていく。コンテナの大きさを統一している訳が分かった。積み重ねるたびに「ガチャン、ガチャン」と音がする。崩れないように上下、左右をロックするのだ。




 収支と言ったらおかしいが、船に載るコンテナの数は入港時と出港時が同じであることが貨物船の掟だと言う。コンテナの中に荷物があろうがなかろうが、つまり空っぽでもコンテナを積まなければならない。もしこのバランスを崩せば、港によって空のコンテナが山積みされることになるのだ。空のコンテナを積んで帰らないのが経営手腕なのだろう。





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俺はやっぱり日本人

お茶漬け

 人間というヤツは我がままというか、贅沢なものだ。
「お父さん、やっぱりお茶漬けや味噌汁がいいね。ステーキやロブスターなんかもういいよ。わたしゃあ、温かいご飯にお新香だけだっていいさ」



 弥次さん、喜多さんではないが、女房と二人、外国人ばかりの船に乗って、一週間ぐらい経った頃だろうか、女房は私に向かってしみじみと言った。アメリカの最南端フロリダ州のマイアミを出て大西洋からカリブ海、パナマ運河を経て、太平洋に出た頃だった。


クルージング


 「お前もよく言うよなあ・・・。あれほど嬉々として食っていたくせに・・・」



 「それはそれよ・・・」



 事実、毎日、レストランやビッフェで、まるで食わなきゃあ損だ、といわんばかりに食べることに嬉々としていた女房が一転するのだ。15日間のクルーズ中、朝、昼、晩、食事は船の中のレストランやビッフェで摂った。コロンビアやパナマ、エクアドル、コスタリカ、メキシコ、サンディエゴなど寄港地でのツアーの時も船に戻って食べた。


船


 13あるというレストラン、ビッフェのうち、低額だが有料のバー方式のレストランを除いて全てが無料で食べ放題。その時の好みやお腹の調子で≪食事処≫を変えるのだ。気軽に何でも自由に食べたい時にはビッフェ。ディナーのようにちょっとお洒落に落ち着いて食べたい時にはそれなりのレストランへ。普段着だと、ちょっと肩身が狭いような、そんなレストランもあれば、比較的軽めのメニューを用意してくれているレストランもある。


船上


 ビッフェは、いわゆる大衆的で、日本風で言うヴァイキング方式。パンやハム、ベーコン、サラミ、ヨーグルトや牛乳、ジュース、肉や魚、豆やコーン、フルーツ・・・。それぞれあらゆる種類が用意されている。肉を例にとってもステーキを好みで焼いてくれもすれば、ローストビーフも好みの厚さに。もちろんチキンだってある。フルーツだってオレンジ、バナナ、葡萄、梨、林檎、桃、西瓜は当たり前。メロンやパイナップル、アボカド、マンゴー・・・。名前も分からないようなものも並んでいる。




 チーズやヨーグルト、ジャムも同じで、よくもこれほどそろえたものだと思うほどの種類が。朝は目の前でスクランブルやオムレツを作ってくれる。その具も何種類もあって、好みに応じてくれるのだ。そんな具合だから、例え朝であっても、あれもこれもと目が食べたくなってしまうのだ。勢い、大きなお皿はいっぱい。てんこ盛りに。

オムレツ


 レストランだって同じ。フランス料理、イタリア料理とさまざまなメニューを用意してくれていて、欧米人との胃袋の違いだろうか、一つ一つの量が多いのだ。確かに美味しい。目が食べたいばかりか、貧乏人の嵯峨が頭をもたげ、正直言って≪欲≫で食べてしまうのだ。「せっかくのダイエットが・・・」と、一方の自分がブレーキをかけるのだが・・・。




 しかし、そんな毎日が続くと、女房ではないが、あっさりした日本食が恋しくなる。ある意味、カルチャーショックだ。外国へ旅行したあと、いつも思うのだが、お茶漬け、お新香、熱い味噌汁が一番旨い。やっぱり俺達夫婦は日本人だ。根っからの貧乏人かも。

味噌汁



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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコなどの活動も。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定もします。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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