FC2ブログ

大根の二枚葉

おでん

 キャベツのロール巻きや卵、大根、竹輪、はんぺん、がんもどき。そう、おでんの具だ。中でも欠かせないのが、大根である。おでんの定番だからと言うわけではないが、今年も大根の種を蒔いた。かなりの広い面積、盛り土の畝を作り、9月のはじめに蒔き付けをしたが、今年は発芽が順調。すぐに二枚葉が顔を見せた。大根は冬場に食べる沢庵漬けにもなる。


大根の芽      大根の芽2
 大根は数ある野菜の中でも際立って発芽率がいい。蒔いた種は100%近く芽が出る

水撒き
 「お父さん、大根、芽が出て来ましたよ」


 女房がいかにも嬉しそうに言う。人間とはおかしなものだ。最初は嫌々ながらというか、面倒くさそうに水撒きしていたのに、自分が手をかけた種が芽を出したとなると感慨は別。やっぱり愛着が生まれるのだろう。水撒きぐらい、私がやっても何のことはないのだが、畑仕事など知らない、また知ろうともしない女房には、その経験がいい薬。薬は案外利くものだと一人ほくそえんだ。


大根

 種は25cmから30cm間隔に3粒ぐらいずつ蒔くのである。それも女房の仕事。発芽率がいいから1粒づつでもいいのだが、これには訳がある。発芽しない万一の予備もさることながら、植物が持つお互い競い合う本能を考えてのこと。隣にいる仲間に負けじとばかり大きくなろうとする習性、つまり生存競争を利用するのだ。ある程度大きくなったところで、一番大きなものを残して、後は間引きするのである。放っていても生存競争に敗れたヤツは、やがてはとぼれて行く。自然界の掟なのである。





 「ど根性大根」などという言葉がどこで生まれたのかは分からないが、アスファルト道路の割れ目からニョキニョキ顔を出したり、普段ならおよそ顔を出さないような所に生えて、新聞やテレビの話題になる。どんどん≪やわ≫になっていく人間やそれをよしとするような社会風潮への警鐘とも受け取れなくもないが、とにかく大根は逞しい


大根2


 小石など障害物があれば、それを避けてでも地下に伸びる。青首大根のように肩まで地上に出しても強い太陽光線や逆に冷たい霜も何のその。私の畑は古くは河原だったのだろう。比較的土壌が浅く、小石が多い。だから曲がったり、二股になるので、抜くのに一苦労するのだ。本当はこんな地質の所は大根作りには適さない。東京で言えば練馬、山梨で言えば茅が岳山麓の明野など火山灰土の所が適しているのだ。

 

 大根はおでんのように煮物でも食べれば、大根おろしのように生でも食べる。消化がよく、殺菌作用もある。刺身のつまになったりするのもそのためだ。「大根役者」という言葉を生むくらい≪当たらない≫のである。そのいわれを知らない女房なんか「大根」と言うと、自分の足を言われたと勘違いしてすぐ怒るから、また面白い。とにかく大根は日常会話の中にもしばしば登場する。





.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


スポンサーサイト



シャインマスカットの魅力

722450_s_convert_20200709003603.jpg

 梅雨の季節は真っ盛り。日本列島を覆った梅雨前線は各地に大雨を降らせ、熊本などで甚大な被害をもたらした。この異常気象はともかく、毎年繰り返される梅雨は、我が国の葡萄栽培の在り様にも決定的な影響を与えて来た。




 日本列島は毎年、北海道を除いて6月から7月にかけて梅雨という名の雨に見舞われる。丁度この時季、実を結んで房を形成するのが葡萄。房が低い所にあると地面に堕ちた雨がいやが上にも跳ね返り、結実して間もない葡萄に病害をもたらすのである。このため、我が国は梅雨のない国々のような立木のいわゆる「垣根栽培」は全くの不向きなのだ。




 そこで確立されたのが今の「棚栽培」。棚を作り、葡萄の木を高い棚の上に上げて房を雨露の跳ね返りから守ったのである。ツルを棚の上に這わせることによって房を付ける面積を増やし、収穫量も増大させた。耕地面積が狭い国土にも合い、いわば一石二鳥の栽培方法として広く根付いたのである。

3453716_s_convert_20200709004006.jpg


 栽培に手をかけることもした。生食が目的だから、栽培農家は一房一房、丹念に育てるのだ。結実したばかりの段階で、一粒一粒、粒抜きして房の形を整えた上で二度のジベレリン処理を施すのである。さらに雨がかからないようにパラフィンの傘や袋をかけるのだ。病害虫を避けるための消毒作業は当たり前。ジベレリン処理は促成と種抜きである。




 百姓のなれのはて。フランスやイタリア、アメリカのロスアンジェルス、中南米などを旅した時、葡萄の圃場を注意して見るのだが、まさに月とスッポン。垣根のように整然と管理されている「圃場」は決して多くはなく、野生のような栽培方法であった。所詮は醸造用。形や色、虫食いも気にしない。糖度だって人工の糖分で調整すればいい。生食用としてテーブルでお目にかかったこともないではないが、正直言って食える代物ではなかった。




 棚栽培と立木栽培。葡萄の作り方に留まらず、果樹栽培の基本である圃場づくりから全く違う。いわゆる土づくり。こちらは有機肥料で圃場をしっかりと管理する。生育を補う丹念な剪定も欠かさない。野生同然と言ってもいい立木栽培と違って全てに「手の掛け方」が違うのだ。その上に開発されたジベレリン薬が我が国のブドウ栽培に「革命」をもたらした。

葡萄

 ジベレリンは葡萄を食べる時、邪魔になる種を無くしたばかりでなく、特有の酸味も減らせたのである。桃でもミカンやリンゴでも言えることなのだが、果実の酸味は種(核)の周りに強い。ジベレリン剤による処理は、消費者にとって厄介な種と酸味を同時に消したのだから一石二鳥の役割を果たしたことになる。




 ここまで来ると今度は皮。そこで開発された品種がシャインマスカット。「皮まで丸ごと食べられる葡萄」を作ったのだ。口の中で実と皮を選別、皮を出さなくてもいいとあって、これはありがたい。その上、CLIMB_AGAINさんが言うように皮に含まれているポリフェノールが摂取出来るとあって人気が出ない筈がない。市場ではその人気を反映して価格も上昇。これまでの大房系の巨峰やピオーネをはるかにしのぐ価格で取引されているのだ。葡萄の種なしは既に確立。今は皮ごと食べられる品種の開発競争に視点が移っている。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


ベランダ菜園と百姓

1.jpg   2.jpg   3.jpg


 ベランダでナスやキューリ、トマトはもちろん、最近では私達、百姓の倅にすら分からないような外来野菜まで立派に作ってしまう。その種や苗は探さなくても、いくらでも手に入るし、それを栽培するための土や肥料も簡単に入手出来る。テレビのチャンネルをひねれば、「先生」と呼ばれる家庭菜園の専門家?が懇切丁寧に、その作り方から管理の仕方まで解説付きで教えてくれる。




 自らを「百姓の倅でも・・・」と言ったのは、農家に生まれながら、60歳を過ぎるまで農業とかけ離れた生活をしてしまったからだ。中学、高校まで家業の農業に携わった。年齢で言えば、18歳まで。子供の時代なので「手伝った」という方が正しい。以来、東京で生活した学生時代の4年、さらに、これまで、人生の大半・ざっと60年近くを農業とは無縁のサラリーマンとして生きてしてしまった。



ブドウ


 会社人間に終止符を打った時、「よ~し、今度は思う存分、百姓をやってやる」と、正直、心に決めた。ところが、歳月はそれを許してくれなかった。一つ果樹栽培を例にとっても、品種もその栽培技術もガラリと変わっていた。そればかりではない。木や棚の仕立て方、消毒薬やその取り扱いまで一変してしまった。




 決定的な決め手は身体体力と言った方がいい。栽培方法や技術は覚えればいいし、勉強すれば追いつける。でも、体力だけはそうはいかない。若い頃は時間的にも仕事全てに、かなりハードな所に身を置いたし、大抵のことならへこたれない根性も身に付けたと思っている。しかし歳はウソを言わない。


 もちろん、私達の年齢の人たち、仲間たちは今も立派に百姓をやっている。決定的に違うのは60年という歳月のブランクだ。「日曜百姓」と言われるように週末だけでも畑に出る生活をすればよかったのだが、仕事柄、そんな事も許されなかったし、しようとも思わなかった。




 悲しいかな、今の私には「ベランダの野菜作り」の方が理解できる。その一方で「いい世の中」「便利な世の中」になったもんだ、と思う半面、これからの農業はどうなっちまうんだ、と思ったりもする。ベランダ菜園は趣味であったり、遊びだからいい。不気味なのは一方で進む工場農業だ。


トマト


 もう40年ぐらい前になるが茨城県で開かれたつくば万国博覧会で、とてつもなく大きいトマトの水耕栽培を見たことがある。正直言ってド肝を抜かれ、やがて日本の農業は・・・と考えされたりもした。


つくば博
つくば'85


 この時の水耕栽培は今や博覧会のレベルではなく、さまざまな工場農業技術として実用化され、珍しくもなくなった。そこにあるのはコンピューター。太陽の光も土も要らない。そんなやり方は農業ばかりでなく、既に養鶏などでは当たり前になった。コンピューター管理の、しかも無菌状態のハウスの中で食用のニワトリを大量生産する。本当に太陽光や土は要らないのか。そんなことを考えると、まだ自然があるベランダ菜園の方がいい。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


more...

ジャガイモの種蒔き

じゃがいも


 ジャガイモが芽を出した。芽というより、もう葉っぱという方がいい。周囲の新緑と歩調を合わせるかのように日に日に、その緑を増していく。




 我が家では毎年、彼岸に種蒔きをする。


 「お父さん、もうジャガイモの種を蒔かないと遅くなるわよ」


 女房も今では、その時季を覚えていて彼岸が来ると「のんびり屋」の私のお尻を押すのである。種芋は黙っていても昨年暮れのうちに注文で確保しておいてくれるのだ。この辺りでは、ありがたいことに農協が回覧板で注文を取ってくれる。




 その量は毎年、決まって5㌔。種芋の5㌔は10倍にも20倍にも増える。夫婦二人暮らしでは食べきれるはずがない。甲府に住む娘夫婦と孫娘、女房の姉夫婦、それに親しい友に差し上げることを想定したものだ。玉葱やサトイモ、大根やキューウリ、ナス、トマトも同じである。田舎がゆえに幸か不幸か、作付けする畑には事欠かない。


じゃがいも2


 都会にお住まいの方はご存知ないかも知れないが、ジャガイモは、種芋を二つ、または三つに切って蒔き付けをする。大きいものなら三つ、小さいものは二つ切りにするのだ。発芽率が極めていい野菜だから、一芽だっていい。二芽残しは凍霜害を想定した、いわば「安全弁」。蒔き付けする時、切り口に灰を付けるのがコツ。腐ったり、病気を防ぐためだ。




 収穫は毎年、6月下旬から7月。あまり、のんびりしていたり、天気の悪い日に収穫すると腐り易いのもジャガイモの特性。ジャガイモの腐った匂いは鼻つまみものだ。兎に角、新ジャガは美味い。「探し堀り」といって本格収穫を前にしたジャガイモの味は一入だ。




 ジャガイモを追っかけるように先頃、サトイモも蒔いた。種芋は隣村に住む中学時代の同級生が毎年届けてくれる。種芋は、もう芽を出している。国鉄(現JR)を定年でリタイア、実家に戻って始めた農業だが、私のような生くら者と違って、しっかり者。主体の桃も、それは見事なものを作る。ジャガイモの種芋だって冬中、簡易のビニールハウスで、しっかりと管理、それを届けてくれるのだから、只々頭が下がる。




 一口にサトイモの種芋と言っても、厳密に言えば2種類。よく見ると、サトイモは芽が青白く、一方のトウノイモは赤みがかっている。芋自体もトウノイモの方がサトイモより大柄で、ゴツイ。成長すると、その違いは歴然で、サトイモの茎が緑色なのに対して、トウノイモは紅い。トウノイモは茎(つる)を食べる。そう。巻きずしの芯に使うアレだ。

サトイモ


 ジャガイモやサトイモに限らず、根菜類の野菜は総じて逞しい。サツマイモ、大根、ゴボウ、さらにはコカブに至るまで、全てに言えることだ。発芽率は100%と言っていい。サツマイモの場合は、種芋から切り取った苗(茎)を盛り土に挿しておくだけで時期には立派な芋を付けてくれる。




 逞しさは大根もしかりで、「ど根性大根」などという言葉もそこから来ているのだろう。時として都会の舗装道路の割れ目からも芽を出すのである。大根は殺菌作用が強くあたらない。「大根役者」の例えが、それだ。我が女房の「大根足」とは意味が違う。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


越冬の大根

大根2

 我が家の大根やサトイモは確実に越冬した。二十四節気のひとつ・啓蟄も過ぎた。そして山梨も桜が満開。。もちろん寒暖の揺れもあるだろう。遅霜に見舞われることもあるかも知れない。しかし、もう冬に逆戻りすることはあるまい。




 ここで言う大根とサトイモの越冬は露地、つまり畑で収穫しないまま冬を越したということである。大根は秋口に、またサトイモは夏前に種(芋)を蒔き、初冬の11月頃、収穫する。大根は、ご存知、沢庵など漬物にする一方、さまざまな方法で保存しながら食卓に乗せていく。サトイモや人参、ゴボウも同じだ。



葱


 言うまでもなく、大根や人参、ゴボウ、サトイモなど総じて秋野菜は、寒い冬が来る前に収穫しないと、凍みてしまい、食べられなくなってしまう。夜から明け方にかけては間違いなく霜がおり、そればかりか気温がグングン下がれば、当然のことながら日中も含めて地面は凍る。水分を多く含んだ野菜は、この寒さにひとたまりもない。


         この寒さに耐えるのは春や初夏に向けての野菜、エンドウやタマネギ(写真)などだ。

野菜

 その昔から我が家も含めて、この辺(山梨市)の農家は、暖かい軒先などに、それなりの室を作ったり、比較的湿り気の少ない畑の片隅などに穴を掘って埋けたりして、あの手この手で保存を工夫した。




 いずれも、いったん収穫した後のワザである。大根やゴボウ、人参などの場合、その方法はさまざまで、例えば、穴を掘り、横にして、そのまま埋けてしまう方法や、埋けずに斜めに寝かせて土を被せる方法も。この場合、上向きにしたまま土を被せるやり方と逆さにする方法がある。逆さにするのは大根などが新たな発芽をしないようにするためである。発芽をすれば大根本体の養分を取られ、素が入ってしまうからだ。




 それぞれの方法が一長一短。暖かすぎれば腐ってしまうし、寒ければ凍みてしまう。越冬したとしても、素が入ってしまえば食べられない。そこで、いっその事と、秋に収穫せずに畑で越冬させてみた。もちろん、そのままだと凍みてしまうから、土を盛り、藁などを被せて防寒したのである。


大根

 これがまんまと成功。大根は一本ずつ抜いてくるし、サトイモは必要なだけ掘ってくる。少しも痛んでいない。この分ではしばらく大丈夫だろう。たかが藁。されど藁。この藁の保温効果はすごい。保温の一方で、適当に風も通すからいいのだろう。この地方は早くから葡萄や桃、サクランボなどの果樹に転換され、水田が消えてしまったので、藁がなくなった。




 今は手に入りにくいから、化学製品などの代用品に変わったが、昔は筵(ムシロ)に代表されるように藁をあっちこっちに使った。農作業ばかりではない。寒さや湿度の調整に対する生活の知恵だったのだろう。我が家の藁作戦、実は隣の奥さんの知恵である。この大根やサトイモの露地での越冬、ホントは地球全体を覆う温暖化の影響かも。肌で感ずる寒さも、子どもの頃のそれと確かに違う。昔はもっともっと寒かったような気がする。





.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコなどの活動も。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定もします。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!