FC2ブログ

果樹の剪定

f3452ae80594ba6f98c6b2157acba756_s_convert_20180120005010.jpg



 果樹地帯のこの辺りは今、剪定作業の真っ盛りだ。ブドウのそれは峠を越し、モモやスモモ、サクランボへ。果樹農家は「寒い」などと言ってはいられない。寒風が吹きすさぶ中を防寒具に身を固め、黙々と作業を進めてゆく。ビニールハウスでの栽培者は、これより作業を先行させることは言うまでもない。

 剪定作業、とりわけブドウは、ひと頃よりぐ~んと時期を早めた。甲府盆地が例を見ない大雪に見舞われた年、大きな被害に遭遇した苦い経験からだ。棚一面の枝に積もる雪の重みで、ブドウ棚が軒並み倒壊したのだ。徒長枝を中心に、無駄な枝が主には上方向に延びるモモやスモモ、サクランボなどと違って、ブドウのツルは棚の上で«面»で伸びる。勢い、ブドウ棚は雪の重みを一身に背負い込むのである。

山梨の葡萄棚


 剪定作業を急ぐ理由(わけ)がそこにある。いつ見舞われるか分からない大雪に備えるのだ。こうした露地栽培のブドウと違って、ハウス栽培のブドウ園は始末が悪い。ひとたび大雪に見舞われれば、ハウスごと倒壊の憂き目に晒される。豪雪地帯で見る屋根の雪下ろしと同じように寸暇を惜しんで作業に取り組まなければならない。




 屋根からの雪下ろしは、土台となる部分が瓦であったり、トタンだからいい。ところが、こちらはすぐに破れるビニール。それを支える骨組みだって鉄やアルミのパイプだ。夜明けを待ってからという訳にはいかず、積雪前に掃き下ろすのである。夜を徹しての作業になることは当たり前だし、ハウスの中では平常時の何倍もの油を炊く。内から外から雪害対策を講ずるのだ。




 剪定作業は、それぞれの品質や収穫量を高めるために、後に迫られる消毒や摘粒、摘果、袋掛けなどと共に必要不可欠な作業。これを怠ったり、手を抜いたりしたら、収量や収入は言わずもがなである。寒い、などと言ってはいられない理由(わけ)が、そこにある。




 植え込みの剪定も「木づくり」の意味では理屈は同じ。でも、こちらは「収入」を伴わないから気は楽。「寒い」を口実に一日伸ばし、二日伸ばしに。あまり«強い»剪定をしない柿も同じで、どうしても後回しになるのだ。でも、自然は正直。モタモタしていると、樹々は芽を吹き、春への活動を始めてしまう。白梅にせよ、紅梅にせよ、梅はその典型で、早咲きものは、もう蕾を膨らませ始めている。




 案外、面倒なのは剪定で切り落とした大量な枝の処理。ひと頃は周りに障害のない畑で焼却したが、最近では消防署がうるさい。それを見込んで、伐採した枝の粉砕機も現れた。農機具メーカーも抜け目はない。購入経費は掛かるが、消防署に叱られることなく、始末が出来、やがては肥料となる土に返せるので、いわば一石二鳥。




 一連の剪定作業が終わるころになると、自然界は春へと動き出す。2月の声を聴けば、早咲きの梅は紅く、白く花を開き、それを合図に、周りの樹木や草花も躍動し始めるのだ。

   ただ、この冬は、いつもの年より寒い。どうやら歳のせいばかりではなさそう。人間はむろん、作物に打撃を与える寒波や大雪だけはご免だ。特に甲府盆地は、構造的に雪には弱い。





.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


スポンサーサイト

出張菜園と空き家バンク

 先頃の「遊び感覚の農業」で書いた農業のNPO法人に再度触れてみよう。都会の人たちが田舎に、それぞれに見合った農地を確保、土に親しみ、それなりの農業を楽しむ。それは、実践者が言うように「こんな安上がりで、気軽なレジャーはない」。


 家族連れのサラリーマン氏はこんなことも言った。


 「コンクリートの道を歩き、コンクリートのビルで仕事をして、疲れて帰る所が、またコンクリートの家。女房や学校に行く子ども達だって同じ。ストレスだって知らず知らずのうちに溜まりますよ。だから出張菜園は手ごろのストレス解消策だし、家族の健康づくりの秘訣なんです。情操を豊かにしなければいけない子ども達にとっても格好の情操教育、自然教育の場だと思っています」


葡萄畑2


 このサラリーマン氏の場合、年数万円で山梨市に農地を借り、時期には毎週のように東京からやって来る。土曜日、または日曜日、しかも朝早く家を出るから東京からでも1時間半に満たない距離だ。夏休みなどには近くに安い旅館をキープ、家族旅行を兼ねてやって来ることもあるという。



 ちょっとショッキングな言い方をすればコンクリート地獄に住む都会の人たちにとって、このサラリーマン氏のような願望は決して少なくないように思う。願望があっても、その受け皿や、そこへのアクセスを知らないのが実情のよう。


葡萄畑



 山梨は首都圏から100㌔の圏域。しかし、農業後継者不足は、ここもご多分に漏れずで、農地は余る一方。だから農地は格安で借りられる。私の周りだって、その受け皿はゴロゴロしている。後継者不足と高齢化で耕作の手が回らないということであって、まだ農家がなくなった訳ではない。だから指導者はいる。




 同じクラブでご一緒するロータリアンの中に、宅建業界の幹部を務め、目下、空き家バンクの推進に尽力されている方がいる。都市集中現象。これもご多分に漏れずかも知れないが、山梨市を中心としたこの地方には空き家が少なくない。文字通りこの空き家を有効利用しようというものだ。


水車



 このロータリアンとこんな話をしたことがある。


 「空き家バンクと地域に増えつつある遊休農地をうまくかみ合わせ、都会の人たちに活用してもらうシステムは作れないものか。そうすれば利用者だけにとどまらず、後継者不足に悩む農家にも新展開になるのでは」



 もちろん、これには農地法の規制をはじめ、さまざまのネックがあることも確かである。宅建業界が超えられないテリトリーだってあるはずだ。しかし、行政の関係部署や農業委員会などの機関とが一緒になって、真剣に考えれば打開策はあるはずである。現に、NPO法人は農地の有効活用を角度を変えて実践し始めている。ただ利用者にとって、その受け皿が見えにくかったり、手続きの仕方が分からないから、そこに飛び込めないでいるのだ。これに道筋をつければ双方が助かる。






.ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!


農業への夢

畑


 「21世紀のこれからは農業の時代。グリーン(クリーン?)農業の時代なんですよ」


 帰宅途中のカーラジオから流れる放送。「オヤっ」、と思った。途中からだったので、そのコメンテーターが学者さんなのか、評論家なのか定かには分からないが、我が国農業の歪みとも言える、拡大する耕作放棄地の実態を、ものともしない口ぶりで新たな農業の方向性を示唆していた。




 対談相手のアナウンサーが持ちかけたのは、山梨県でもジワジワ広がっている耕作放棄地への懸念だった。それによると、山梨県に於ける耕作放棄地の面積割合は、佐賀県に次いで全国2番目。問題の提起は、むろん耕作放棄地の拡大がもたらす農業そのもののへの危惧に他ならない。周りを見れば,後継者難の農家がいっぱい。自分だってその一人だ。


畑


 コメンテーター氏が示唆する新たな農業の方向性の根拠は、こうだ。


 「農村地帯で顕著になる後継者不足の一方で別の動きもあるんです。ある調査によれば、首都圏で生活している人達の30%が農業に何らかの興味を抱いている。企業も、そんな潜在的な意識動向を先取りして静かに動き出している。例えば(珍しいケースでは)、広告代理店の博報堂は『博報堂ファーム』を設けて農業への参入を試みているし、東京駅前に居を構える三菱地所も(地方で?)酒米作りをし、『丸の内地酒』を売り出した」

丸の内地酒_convert_20140410211550


 TPPに反対の立場を鮮明にする全農には懐疑的。「各地のJA農協は(農協本来のあるべき姿を失い)金融機関に成り下がっている」といい、全農の“拘り”をよそに現実の農業の方向は別の視点で動き出していることを言外に指摘した。特に山梨県が首都圏、つまり大消費地に近い所にあることを重視、「佐賀県とは立地条件が違う」と指摘する。




 広告代理店の農業への参入や大手不動産会社の酒米作りの意外性。コメンテーター氏によれば、「丸の内地酒」は、丸の内のビル街で人気を呼び、4,000本を超す日本酒がアッと言う間に売り切れたという。言外に国民の意識動向や消費者動向が変化していることを強調する。30%を占める農業願望人口。それを丸々受け止めないまでも潜在力だというのだ。




 そんな話とは裏腹に、私達の身の回りで耕作放棄地の拡大が、どんどん進んでいる。山梨市のこの辺りでも、農業後継者難は深刻。このままだと5年、10年と経たないうちに耕作放棄地は倍増どころではなくなるだろう。2月中旬の記録的な大雪は、その決定打ともなって「この機会に」と、農業との決別を考えている高齢従事者もいる。


大雪_convert_20140224145925



 「政治や行政は,一体、何を考えているのかねえ。“ばらまき行政”で農業の再生や復興が出来るわけがないじゃあないか」




 現状を憂える農業者は口々にこういう。そんな時、たまたま車の中で聞いたラジオ放送の話は、おぼろげながらも一筋の光りを見た思いだった。むろん、それを信じた訳ではない。でも、そんな時代があるいは来るのかも知れない。その場合、従来とは,大きくスタイルを変えた農業形態になるのだろう。
 現に農機具屋さんの店頭には冷暖房付きのss(自動車型消毒機)が。兼業農家のサラリーマンが出勤前の時間、背広姿でも消毒作業が出来るというシロモノだ。ファッションも含め農業イメージはガラリと変わるのだろう。ファッションはイメージ作りに大切だ。何事にも言える。

 拙ブログ、理屈っぽいこと、小難しいことは書かないことが心情だが、不本意ながら、ついラジオにつられてしまった。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!


出張菜園と空き家バンク(再)

 先頃の「遊び感覚の農業」で書いた農業のNPO法人に再度触れてみよう。都会の人たちが田舎に、それぞれに見合った農地を確保、土に親しみ、それなりの農業を楽しむ。それは、実践者が言うように「こんな安上がりで、気軽なレジャーはない」。


 家族連れのサラリーマン氏はこんなことも言った。


 「コンクリートの道を歩き、コンクリートのビルで仕事をして、疲れて帰る所が、またコンクリートの家。女房や学校に行く子ども達だって同じ。ストレスだって知らず知らずのうちに溜まりますよ。だから出張菜園は手ごろのストレス解消策だし、家族の健康づくりの秘訣なんです。情操を豊かにしなければいけない子ども達にとっても格好の情操教育、自然教育の場だと思っています」


葡萄畑2


 このサラリーマン氏の場合、年数万円で山梨市に農地を借り、時期には毎週のように東京からやって来る。土曜日、または日曜日、しかも朝早く家を出るから東京からでも1時間半に満たない距離だ。夏休みなどには近くに安い旅館をキープ、家族旅行を兼ねてやって来ることもあるという。



 ちょっとショッキングな言い方をすればコンクリート地獄に住む都会の人たちにとって、このサラリーマン氏のような願望は決して少なくないように思う。願望があっても、その受け皿や、そこへのアクセスを知らないのが実情のよう。


葡萄畑



 山梨は首都圏から100㌔の圏域。しかし、農業後継者不足は、ここもご多分に漏れずで、農地は余る一方。だから農地は格安で借りられる。私の周りだって、その受け皿はゴロゴロしている。後継者不足と高齢化で耕作の手が回らないということであって、まだ農家がなくなった訳ではない。だから指導者はいる。




 同じクラブでご一緒するロータリアンの中に、宅建業界の幹部を務め、目下、空き家バンクの推進に尽力されている方がいる。都市集中現象。これもご多分に漏れずかも知れないが、山梨市を中心としたこの地方には空き家が少なくない。文字通りこの空き家を有効利用しようというものだ。


水車



 このロータリアンとこんな話をしたことがある。


 「空き家バンクと地域に増えつつある遊休農地をうまくかみ合わせ、都会の人たちに活用してもらうシステムは作れないものか。そうすれば利用者だけにとどまらず、後継者不足に悩む農家にも新展開になるのでは」



 もちろん、これには農地法の規制をはじめ、さまざまのネックがあることも確かである。宅建業界が超えられないテリトリーだってあるはずだ。しかし、行政の関係部署や農業委員会などの機関とが一緒になって、真剣に考えれば打開策はあるはずである。現に、NPO法人は農地の有効活用を角度を変えて実践し始めている。ただ利用者にとって、その受け皿が見えにくかったり、手続きの仕方が分からないから、そこに飛び込めないでいるのだ。これに道筋をつければ双方が助かる。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の「
甲信越情報」をクリック いただけると励みになります。
新バナー

にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  ← 「山梨情報」 こちらも応援よろしくお願いします


ありがとうございました!

出張菜園と空き家バンク

 8月31日付の「遊び感覚の農業」で書いた農業のNPO法人に再度触れてみよう。都会の人たちが田舎に、それぞれに見合った農地を確保、土に親しみ、それなりの農業を楽しむ。それは、実践者が言うように「こんな安上がりで、気軽なレジャーはない


 家族連れのサラリーマン氏はこんなことも言った。


 「コンクリートの道を歩き、コンクリートのビルで仕事をして、疲れて帰る所が、またコンクリートの家。女房や学校に行く子ども達だって同じ。ストレスだって知らず知らずのうちに溜まりますよ。だから出張菜園は手ごろのストレス解消策だし、家族の健康づくりの秘訣なんです。情操を豊かにしなければいけない子ども達にとっても格好の情操教育、自然教育の場だと思っています」


葡萄畑2


 このサラリーマン氏の場合、年数万円で山梨市に農地を借り、時期には毎週のように東京からやって来る。土曜日、または日曜日、しかも朝早く家を出るから東京からでも1時間半に満たない距離だ。夏休みなどには近くに安い旅館をキープ、家族旅行を兼ねてやって来ることもあるという。



 ちょっとショッキングな言い方をすればコンクリート地獄に住む都会の人たちにとって、このサラリーマン氏のような願望は決して少なくないように思う。願望があっても、その受け皿や、そこへのアクセスを知らないのが実情のよう。


葡萄畑


 山梨は首都圏から100㌔の圏域。しかし、農業後継者不足は、ここもご多分に漏れずで、農地は余る一方。だから農地は格安で借りられる。私の周りだって、その受け皿はゴロゴロしている。後継者不足と高齢化で耕作の手が回らないということであって、まだ農家がなくなった訳ではない。だから指導者はいる



 同じクラブでご一緒するロータリアンの中に、宅建業界の幹部を務め、目下、空き家バンクの推進に尽力されている方がいる。都市集中現象。これもご多分に漏れずかも知れないが、山梨市を中心としたこの地方には空き家が少なくない。文字通りこの空き家を有効利用しようというものだ。

水車

 このロータリアンとこんな話をしたことがある。


 「空き家バンクと地域に増えつつある遊休農地をうまくかみ合わせ、都会の人たちに活用してもらうシステムは作れないものか。そうすれば利用者だけにとどまらず、後継者不足に悩む農家にも新展開になるのでは」



 もちろん、これには農地法の規制をはじめ、さまざまのネックがあることも確かである。宅建業界が超えられないテリトリーだってあるはずだ。しかし、行政の関係部署や農業委員会などの機関とが一緒になって、真剣に考えれば打開策はあるはずである。現に、NPO法人は農地の有効活用を角度を変えて実践し始めている。ただ利用者にとって、その受け皿が見えにくかったり、手続きの仕方が分からないから、そこに飛び込めないでいるのだ。これに道筋をつければ双方が助かる。


山梨市空き家情報(山梨市役所HPから)

ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!