認知症の検査

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 「これからモニターテレビに動物や植物、乗り物や家具など20種類の絵が順番に映し出されます。これを覚えてください。声を出して言ってみると覚えやすいと思います」




 甲府市内の自動車教習所の一室。3人の試験官のうちの一人が、まず交通標識や各種のマーク、交差点や横断歩道近くの走行などの注意点について話した後、こんなことを言った。


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 道路交通法によって75歳以上の人たちの自動車運転免許証の更新時に義務付けられた「認知症検査」の一コマ。受講者は、30人は楽に入る教室に8人。のちに行う運転実技の試験との時間配分を考慮しての人数調整だろ。




 私のようにこの11月、75歳を迎える«一年生»はむろん、それ以上の人もいる。男女バランスは、ちょうど半々ぐらい。学校の教室と比べたら少なからず違うが、みんな何十年も前の児童、生徒さながら、真剣に教官の説明や指示事項に耳を傾けた。もちろん私だって同じ。考えてみたら、こんな雰囲気の中で人の話を聞いたり、これから間違いなく出されるテストを受けることなど日常ではあり得ない。

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 モニターテレビの画面が消され、両脇の2人の試験官が何枚かに綴られた問題用紙(プリント)を配布。




 「それではこれから、皆さんに幾つかの設問をさせていただきます。ただ、こちらのゴーサインが出るまでページは開かないでください。『止(や)めてください』の合図が出たら即座に鉛筆を置いてください」




 «生徒»はみんな自分より年上とあって教官の言葉遣いや振る舞いは、いたって丁寧。学校とは違うところだ。最初のページは「あなたの年齢は?」、「今日は何日?」、「今の時刻はおおむね何時?」…。次のページは白紙。「紙に出来るだけ大きく時計の絵を描いてください。丸でも四角でも構いません。そこに11時10分を示してください」。教官の指示が。




 「なんだ!簡単じゃあないか」。心の中でそう思った。みんなも同じだったに違いない。ところが、その次。「今度は記憶力の検査です。講座の冒頭、モニターテレビで20枚の絵を見ていただきました。プリントの空欄に、それを全て書いてください。用意。始め」。




 半分ぐらいまではスラスラ書けた。しかし、その後が…。わずか20分ぐらい前、声まで出して覚えたはずの絵が思い出せない。「はい、鉛筆を置いて」。その間1分足らず。その次のページは「動物」とか「花」、「家具」、「電化製品」といった具合にヒントが示されているので、こちらは簡単。高齢者に対する、ちょっとした思いやり・サービスかも知れない。それでも一つ二つは書けなかった。記憶力の低下を思い知った。




 そう言えば、記憶力の低下どころか、モノ忘れ現象は日常茶飯事。まず困るのは字(漢字)を忘れること。パソコンなどに頼り過ぎる現代生活のせいにしているが、実は認知症への助走路を知らず知らずに走り始めているのかも知れない。もっと著しいのは人の名前を忘れることが多くなったこと。親しい人、それも対面していて、その人の名前が何としても出て来ないのだ。考えてみれば異常だ。若い時にはそんなことはなかった。(次回に続く)




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初体験のMRI検査

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MRI


 MRI検査。初めての体験だった。まるで棺に横たわり、火葬の炉に入って行く仏の気分のようだった。「バカ言うんじゃあねえよ。そんなこと体験したヤツがいるわけねえじゃねえか」。その通りだ。世界中に火葬の炉に入った経験をお持ちの方はお一人としていない。例えが悪い、とお叱りを受けるかもしれないが、正直、そんな気分になった。



ムチウチ



 私の場合のこの検査は、ムチウチ症を治療するための手段である。備え付けの手術台のような台に横になり、頭を固定されたうえでドーム状の狭い空間の中に押し込まれていく。その中は真っ白。しばらくすると断続的に大きな音がする。それを何回も繰り返すのだ。「ブー」「ブー」。「ブ~」「ブ~」。「ドゥー」「ドゥー」。ドームの上からなのか、下からなのか分からない。三種類ぐらいの音が聞こえてくる。お世辞にも快適とはいえない響きだ。





 MRIとはMagnetic Resonance Imagingの略。磁気共鳴画像というのだそうだ。「いい歳をして・・・」と笑われるかも知れないが、MRIもレントゲンと同じように放射線検査だと思っていた。MRIの頭文字が持つ意味が分かれば磁気によるものくらいは分かるのだが、検査を終えて身支度をしている間にしてくれた検査技師の説明に「なるほど」と思った。




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 検査技師さんの説明によれば、機器から出す磁気と電流、それに検体である人の身体に流れる電流が絡み合って画像となる。検査機器を操作するのにへリュウムを使うのだそうだ。検査中、断続的にする大きな音はそのための音だという。ニコニコしながら話してくれる技師さんの説明に「へえ~」と頷いてはみたものの、自分でひっくり返って怪我をし、ヒイヒイ言っているトンマな田舎者に物理的な理屈なんて分かるはずがない。





 分かったのは放射線を使って検査するレントゲンと違い、こちらは磁気を使っているということだ。だから入れ歯に至るまで金属類は全て取り除く。医療機器の進歩は目覚しい。自分が直接その恩恵にあずかる患者の立場になると、いやが上にも、それを実感する。巷に結核患者が少なくなかった子供の頃、胸部レントゲン検査のフィルムを見て、すごいことが出来るものだと目を丸くしたものだ。魔法にも似た不思議を感じたものである。



病院



 ところがどうだ。今やレントゲンなんか当たり前。例えば人間ドックに行って胃の検査をするとする。苦しいというか、嫌な思いをして胃カメラを飲むよりバリュームを飲んでのレントゲンの方が・・・と、一瞬思うのだが、どうしてか内視鏡検査を。そんなことを思うのは私ばかりではないだろう。バリュウムによるレントゲン検査で疑問点が見つかった場合、もう一度、内視鏡検査をしなければならないことを知っているからだ。その内視鏡のカメラや管の大きさ、太さはかつての半分、いや、それ以下になった。



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 「頭でも何でも輪切りして悪い所(疾患)を見つけてしまうんだってよ」



 CTスキャナーが開発された時、特に脳疾患を持つ人達や、その関係者は一様にびっくりしたものだ。恐らくMRIはその上のレベルを行くのだろう。私のムチウチ症をブログで知って見舞いの電話をしてくれた友は近く、肝臓のMRI検査をするのだという。一方、ブログの威力もすごい。ロータリークラブでご一緒させて頂いている仲間達にも心配をかけた。





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むち打ち症の辛さ

ムチウチ


 いやあ~、これほど辛く、切ないものだとは思わなかった。寝ていればいいのだが、起きていると、じっとしていても首が痛み、そのうちに肩から背中、さらには腕まで激痛にさらされるのだ。首を切り落としたくなるほど切ないのである。ムチウチ症。なかなか治癒しない怪我であることは知っていたが、カラーバンドを首に巻いていればやがて・・・くらいに考えていた。でも、どうしてどうして。




 事故からもう20日近く経つ。1週間に一度、病院に行っては首の根っこや肩に注射をしてもらい、痛み止めの薬をもらって家で寝ている。はかばかしくない。もちろん、最初に頚椎のレントゲンや頭のCTも撮った。医者は薬を替えたり、注射を替えるなど工夫をしてくれている。改めて頭のMRI検査をする。




 ムチウチ症というと大抵の方は追突事故を連想するに違いない。後ろの車のちょっとした不注意からドカ~ンとやられるあいつだ。後ろには目がないから、全く無防備に近い前の車のドライバーや同乗者はたまったものではない。追突のショックで首をガク~ンとやってしまうのである。後ろの車を恨むしかない。



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 私の場合、誰をも恨むことが出来ない自損の事故だ。自損といっても車による事故ではない。畑仕事から昼食に我が家へ戻ろうとした時、ちょっとばかり近道をしようと掘割を跨ごうとした瞬間だった。その掘割には物置の屋根の樋が突き出していた。それを計算に入れていないから、頭はその樋に、足はその下奥の石垣に。後ろに跳ね返されてひっくり返るのは当たり前だ。



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 ひっくり返ったそこには掘割の石垣の角が待っていた。アッと思った瞬間だった。前に跳ぼうとする勢いの反作用に加えて85㌔を超す体重も加わって後ろに弾き飛ばされたのだから石垣に打ち付けた首への衝撃はひどかった。一瞬、俺はダメか、とさえ思った。当然のことながら後頭部の下部、つまり首との境あたりから血が噴出した。助けを呼ぼうとしたが女房は留守。拍子が悪い時というものはそんなもの。夢中で掘割を這い上がり、30mほど先の我が家に戻ってベッドに這い上がり横になった。噴出す血は巻きつけたバスタオルで止めた。



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 「どうして救急車を呼ばないの。せめて私に連絡しないとダメじゃない。もし何かあったらどうするの」





 これも当然。女房は私を叱った。私は畑に出るときもケイタイをポケットに持つようにしている。地域の連絡事、仲間からの飲み会や麻雀の誘いなどがあるからだ。私のケイタイはラクラクホンというヤツで、ワンタッチで女房のケイタイに繋がる。しかし、ちょっと落ち着いたら素人ながらだが、打ちつけた所が後頭部といっても首との付け根、血が噴出したから内出血はないと考えた。ただムチウチだけは覚悟した。症状が出てきたのは数日後。今の苦しい思いの始まりだった。元をただせば頭と体のアンバランス。歳のせいであることに間違いない。若い時には簡単に飛べたり、飛び降りることが出来たものだが・・・。




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人間ドックのトラウマ

人間ドック2


 人間ドックは毎年欠かさず受けている。現役時代は会社の厚生担当が否応なくスケジュールを組み、ドック入りを促すので、いわば待ったなし。職場をリタイアした後も年に一度のドック入りは守っている。現役時代は会社の同僚達と一緒だったが,今は女房と一緒。「お父さん、いつが、都合がいいですか?」。女房が我が家の厚生部長。みんな段取ってくれるのだ。


 

 病院は甲府市内。今は娘夫婦に譲ったが、現役時代住まいしていた家のすぐ近く。長く親しくさせていただいている公立病院の院長が定年後、天下り?した病院。ドックもそこに変えた。JA関係の団体病院で、詳しいことは分からないが、どうやら人間ドックが主力の病院のように見える。


人間ドック



 医療設備にとどまらず、そのためのシステムやスタッフも充実していて、実に気持ちがいい。ちょっと見では、毎日100人を超す検診をこなしている。医師をサポートするスタッフもしっかり教育されていて、受診者を手際よく裁いている。みんな若い女性。愛嬌よく振る舞うから、緊張気味の受診者にとってみれば、心が和むのだ。


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 元公立病院院長の“天下り”に着いて来たのは単なる親しさからだけではなく、診察の全てに誠意を持って看てくれるからだ。そんな先生だから人気は抜群。公立病院時代は誰が言うともなく、その先生の名前をとって「○○銀座」と言われるほど患者が列を成した。




 専門は消化器内科。今でも,この先生にお願いしているのは胃カメラの検診。これには、ちょっとした訳がある。現役時代のことだ。そう言っては、我が儘に聞こえたり、第一、失礼だが、私に胃カメラを飲ませてくれる先生は、“下手くそ“ばかり。見るからに“新米”で、それも何故か若い女医さんばかりだった。




 カメラを押したり、引いたり。胃袋の中を不器用にかき回すのである。ある時は、その女医さん。カメラの管を持つ手をブルブル震えさせながら「これなあ~に、これなあ~に…」と、子供のように大騒ぎ。私の胃袋の中にアニサキスの幼虫がいたのである。それを始めて観た女医さんが動転したのも分からないでもないが、カメラを突っ込まれている私の身にもなってくださいよ。それも不器用に腹の中をかき回した挙げ句である。 騒ぎは検査室全体に波及したことは言うまでもない。。


病院


 この後にも当事者の私なら笑うに笑えない話があるのだが、ここではあえて省略する。とにかく、そんな話を親しい開業医と酒飲み話にしたら「あなた、そんなことは当たり前だよ」と、一笑に付された。そのドクター氏はこんなことを言った。




 「どんな名医だって“始めて”があるんですよ。経験を積んで名医になるんです。もちろん、重症患者に新米を充てるようなことはしません。はっきり言わせて貰えば、あなたのように肥っていて、鈍感そうな人には、新人を充てますよ。あなただって、もし、医療現場のチーフなら、そうするはず。まあ、医療の発展のためさ…」



 「オイオイ、そうするとオレは新米先生の練習台なのかね?」


 何度もでっくわした新米先生の胃カメラ。今でもそのトラウマは消えない。(次回に続く)





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内視鏡とアニサキス

病院

 人間ドック、内視鏡、病院。こんなキーワードを耳にした時、私は必ず、と言っていいほど、ヘンな体験を思い出す。もう何年も前のことだ。甲府市内のある社会保険病院で、人間ドックを受診した時のことである。いつものように手術台のような硬いベッドに横になり、黒い管の胃カメラを飲み込んでゲエ~、ゲエ~しながら脂汗を掻いている時だった。




 「あれ困ったわ。コレなあ~に。これなあ~に。いやだ~」





 私の検査を担当してくれた若い女医さんは突然、大声を上げて、動転しはじめたのだ。結果的には、私の胃袋に、それが一匹であるかニ匹であったかは分からないが、アニサキスという虫がうごめいていたのだ。自分の立場も場所も忘れて動転してしまったのだから、この女医さん、はじめて見たアニサキスによほどびっくりしたのだろう。

 

 そのこと自体は分からないでもない。でも、腹にカメラを突っ込まれて苦しい思いをしている私にとってはたまったものではない。女医さんの内視鏡を持つ手は小刻みに震えていた。これをお読みになっている皆さんには、その双方の光景が容易に想像できよう。




 私は、ただ唖然とするばかり。何が起きたかすら分からない。それを聞いてみようにも太い内視鏡の管を口から突っ込まれているので、口も聞けないのだ。内視鏡室では何人もが検査を受けていた。私と同じようにみんなが、何が起きたかも分からず、カメラの管をくわえたまま「いったい何事が起きたのだろう・・・」と思ったに違いない。



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 当然のことながら、何人もいる先輩医師が黙って見ているわけはない。いかにもベテランらしい医師がすっ跳んで来て、今にも検査を放り出しそうな女医さんに言った。



 「先生、これアニサキスと言うんです。初めてでしたか。あとで取り出して患者さんに見せてあげてください」




 アニサキスという寄生虫の名は、このとき始めて知った。恐らく、一生忘れる事の出来ない名前だ。鯖やホタルイカなどに寄生する虫で、マグロなどにもいるのだそうだ。口の悪い仲間によると、寿司屋さんの舞台裏では、このアニサキスをピンセットで取り除く光景だって決して珍しくない。鯖を酢でしめるのは、ひとつにはこのアニサキスを退治するためだそうだ。因みに、人間の身体に入ったアニサキスは胃酸でやがては死滅するという。




 先輩の先生に、落ち着くよう言外に促された女医先生はやっと平静を取り戻したのか検査を再会。しかし下手くそは変わらず、カメラの管を私の胃袋の中で押したり、引いたり・・・。




 やっと検査が済み、拷問から開放されたような気分でベッドを降りた。ホッとしながら検査の所見を丁重に尋ねた。医者に悪態は損。結果は「異常ありませんね」。「ところでアニサキスは?」。「ああ、あれ。いないわ。カメラを抜く時、落としてしまったのかしら・・」


エコー
 

 これにはまだオチがある。すべての検査を終えて人間ドックの会計窓口に行くと「あなたは治療費がありますので本会計の窓口へ」と言うのである。アニサキスを除去したと言うのだ。検査と治療。検査の帰りにアニサキスを連れ帰ったのは立派な治療だという。そうだとしても俺、アニサキスの顔なんか見てねえんだけどなあ~。なんだか腑に落ちなかった。





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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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