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梅雨入りとカタツムリ

紫陽花


  関東、甲信地方も梅雨入りした。鬱陶しい季節の到来である。特に今年は、私にとって嫌な梅雨。自らの不注意とはいえ、ムチ打ち症(頚椎捻挫)を患っているからで、恐らくこれから一ヵ月半近く、嫌な思いをしなくてはならないと覚悟を決めている。


雨傘


 今でも一週間に2~3回、石和温泉郷の一角にある温泉病院に通ってリハビリを続けているのだが、必ずしもはかばかしくない。事故からもう9ヶ月。PT(理学療法)、OT(作業療法)、ハリの治療を続け、もちろん薬も飲んでいる。いたずらに時だけが過ぎていくようで、「いったい完治するのか・・・」と、一抹の不安を抱かないでもない。でも続けていくより道はない。




 そんな心の内を一瞬変えてくれるのが病院の大きな治療室。午前9時、治療室の扉が開くと、廊下に待ち構えた入院患者や私のような外来患者がそれぞれの症状にあわせた治療に取り組むのだ。車椅子の人、松葉杖や杖の人、足を引きずったり、首にギブスをつけた人もいる。当たり前だが、みんな障害を持った人達だ。


病院1


 共通点は、みんなが明るく振舞おうと心掛けていること。病や犯された患部は、暗くしていたらよくならないことを知っているからだ。みんながそれを申し合わせたわけでもなく、医者から指示されたものでもない。なんとしても自らの病や患部を治したいという強い心の内の現われにほかならない。



 これも当然。その症状はまちまち。脳障害で身体を思うように動かせないばかりか、言語もままならない患者もいる。私のように首の障害から来る、肩や背、腰に到る障害の症状なんか、そんな患者さんから比べれば、初歩の初歩のようなもの。この程度のことでへこたれていたら笑われてしまう。


リハビリ


 治療は患者と理学療法士や作業療法士とのマンツーマン。いわゆるマッサージやハリ治療ばかりでなく、お手玉やゴムボール、たらいに入れた大豆を使っての機能回復訓練をしている人もいる。手すりを使ったり、プールで懸命に歩行訓練に取り組む人も。そこに共通しているのは自らの病や患部を治そうという強い意志だ。もう一つはお互いに励ましあい、いたわり合っていることである。




 梅雨空を恨めしそうに見上げながら畑仕事が気にもなるのだが、大自然のなせる業には、ちっぽけな人間、どうにも為すすべがない。こうしてパソコンを叩きながら庭先に眼をやるとボツボツ開き始めた紫陽花の茎をカタツムリが。梅雨の雨に濡れた紫陽花の葉っぱをなめるように、ゆっくりとゆっくりと進む様は、リハビリ治療に取り組む私達に「お前達もあせらずにのんびりとやれよ」と、言外に語りかけているようにも見える。


カタツムリ


 考え過ぎても仕方がない。それがいいかどうか分からないが、夜になれば晩酌もするし、仲間から誘われれば、麻雀もする。知らない人は「どこが悪いの?」というかもしれないが、詳しい説明なんかどっちでもいい。「人間、何とかなるさ」と、考えることにしている。




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人間の運命

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 人間、歳を重ねれば、身体のあちこちに故障を生ずるのは、いわば必然。私のように普段、不養生な人間ほどそれが顕著で、お医者さんの診察券が年ごとに増える。虫歯や歯周病などの歯科、腰痛治療の整形外科、もう通院が長く、持病と言ってもいい心房細動の循環器内科…。最近では白内障の眼科や、頻尿で泌尿器科も加わった。頻尿は間違いなく高齢化現象だ。




 女房が見つけて来てくれたビニール製の診察券入れは保険証を含めて満杯。歯医者さんや泌尿器科のように開業医もあれば、心房細動や腰痛などの総合病院もある。この診察券、少ないうちは窓口で一枚ずつ出していたのだが、最近では、それが面倒になってケースごと丸投げする始末。受付嬢も、そんな開き直りを理解してか、笑って処理してくれている。

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 虫歯や歯周病など歯科の病は、治療してもらえば、すぐよくなる。痛い思いをして我慢していた自分がアホらしく思えることさえあるのだ。そんな経験をしたのは私だけではあるまい。ただ、限られた自分の歯が一本、また一本と消えて行くことだけは確か。ふと寂しい思いをする患者をよそに、歯医者さんは、こんなことを言う。





 「歯は人間にとってモノをかみ砕いて食べる機械。故障したり、役に立たなくなったら取り代えればいいんです。悪い歯を後生大事にしているのは意味のないこと。義歯にした方がよっぽど合理的。もっと言えば、総入れ歯の方がずっと具合がいいんです」





 「他人(ひと)のことだと思って…」と一瞬思うのだが、確かにそうかも知れない。



 しかし、心房細動(不整脈)や腰痛はそうはいかない。心臓を取り換える訳にはいかないし、腰の骨だってそうだ。そんな病だって治療はピンからキリまで。医学の進歩で、かつては手術に困難を極めた疾病でも簡単な手術で完治するケースだって珍しくなくなった。

病院2


 心房細動。いかめしい病名だが、何のことはない。心臓の血管が局所的に細くなり、血液の流れを阻害する疾患だ。正常な心臓は規則正しく脈を打ち、弛むことなく全身に血液を送ってくれるのだが、そのパイプが痛んで、細くなっているから勢い、血液の流れを悪くし、正常なリズムを損ねる。いわゆる不整脈の現象を起こすのである。





 血液は空気に触れたり、一定のリズムで流れていないと凝固する。その血液の塊・血栓が心臓に飛びつけば心筋梗塞、脳に飛びつけば脳梗塞を発症するのだそうだ。その治療は今では簡単に出来るようになった。足や腕の付け根から動脈にカテーテル(管)を入れて、心臓の細くなった血管にバルーンを。生死を分けかねない心臓切開手術は昔のこと。今は全身麻酔もなく、しかも患者にライブの映像画面を見せながら、2時間前後で手術を済ましてしまうのだという。





 「だったら、お前もその手術を受ければいいじゃないか」



 誰もがそう仰るに違ない。そこに人間の運、不運が。主治医によれば、私の場合「欠陥部分が今の医療技術だと手術が困難な所にあって、その成功確率は70%。つまり30%のリスクを承知で手術は出来ない」のだという。





 主治医は言う。「血液がサラサラになる、この薬を飲み続けて下さい」。万一、薬が効かなくなったらオレはアウト?それはないよ…。でも、遺伝なのか親父も心筋梗塞を発症、70歳台半ばで逝った。人間ドックが今のように普及していなかった親父の世代。心房細動などという疾病すら一般的に知られていなかったに違いない。





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犬の散歩

犬


 庭の植え込みと葡萄園の向こうを東西に走る幅六尺弱ぐらいの古道を、近くのおばさんが大きな犬に引かれるようにして通る。ふと、机の脇を見たら、時計の針は午後五時ちょっと過ぎを指していた。この散歩、毎日の日課のようで、決まってこの時間に通る。今日は寒い。おばさんは、夏場に農家の主婦が日焼けを防ぐために、両方の頬まで包むように使う大きなつばつきの帽子を頭からすっぽり被って、寒さに完全武装といった格好だ。





 ひと頃より、陽が長くなった。あたりはまだ明るい。こうしてパソコンを叩いている私と目が合ったのか、おばさんはぺこっ、と頭を下げた。私も窓越しに頭を下げた。立ち上がって窓を開け、手招きをすると、おばさんはニコニコしながら石の門柱の間を通って、30mぐらいのじょう口をゆっくりとこちらに入って来た。


裏道3


 「毎日、よく歩きますねえ」



 「この犬、繋ぎっ放しじゃあ、可愛そうだからねえ・・・。でも、本当は自分のため。言ってみりゃあ、このワンちゃんに一緒に歩いてもらっているんですよ」



 おばさんは、足元に静かに座り込んだ身長7~80cmもありそうな大きな犬をいたわるように見ながら



 「私等、こうでもしないと、一日中、なんぼうも歩かんですもの。野良に行くのは軽のトラック、買い物も、もちろん車ですもんねえ・・・」



 「そうだよねえ。俺も、ここに帰ってきてからというもの、本当に歩かなくなっちまった。寒いから家に籠ってパソコンなんか叩いていりゃあ、なおさらだよねえ。暖かくなったら万歩計でも買って、歩くことにするか・・・」



 「そうですよ。人間歩かにゃあいけませんよ。この辺でも、みんなよく歩いていますよ。お若い人だってねえ・・・」



 「ところで、おじいちゃんの足腰はどう・・・」



 「それが、あんまりよくないんですよ。特に寒い時期だからねえ。病人と二人暮しだと、こうでもして、外でも歩かないと、気がめいっちゃいますよ。私ゃあ、このワンちゃんと話しながら歩くんですが、知らず知らずのうちにワンちゃんに愚痴を言ってるんです・・・。さあ、ぼつぼつ帰って、おじいちゃんの夕飯の支度、しなきゃあねえ」




 おばさんのご主人は、もうとっくに80を過ぎている。体の具合も悪いから、もちろん畑仕事なんか出来っこない。やっと、かなりの面積の葡萄園やサクランボ畑を耕作してくれる人を探して委ねたという。



 「おばさん、ほうれん草、持って行ってよ。俺が作ったもんだから、大したもんじゃあないけどねえ」



 「いつも、済みませんねえ」。年老いたおばさんは新聞紙に包んだ、ほうれん草を小脇に抱え、また犬に引かれて帰って行った。その小道を、このおばさんとすれ違うように中年の夫婦がやっぱり犬を連れて歩いてきた。陽はすぐ西の山にとっぷりと沈もうとしていた。


裏道2




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蛍が一匹

蛍


 蛍?立春を過ぎて間もない、この寒空に蛍でもあるまい。その通りだ。世の中の虫たちが動き出すと言われる啓蟄にさえまだ間がある。ここで言うのは蛍族といわれる寂しい人間のことだ。タバコをお吸いにならない方々には縁がないばかりか、ご存知なくて当然。夜、自分の家であるのに家族から締め出されて、一人寂しくタバコを吸う亭主たちを言うのだそうだ。


タバコ


 この蛍は、夏の時期に限らず、春夏秋冬、一年中生息している。本当の蛍は人間がもたらす自然の破壊で、どんどん減っているが、恐らくこちらはどんどん増えているのだろう。定かなことは分からないのだが、わが国の喫煙人口は、恐らく減ってはいるものの、激減と言うほどでもあるまい。健康志向の年配者が禁煙に動いている一方で、次々と、はたちを迎える若者達や、ダイエット?やファッション?を考える女性がその数を埋めているからだ。




 喫煙人口はともかく、喫煙者はますます悪者扱いされ、隅へ、隅へと追いやられていることは間違いない。バスや電車は当たり前、飛行機も禁煙になって久しい。ホテルや旅館、会社、官庁のオフイスだって同じだ。喫煙者は肩身が狭くなる一方だ。


タバコ



 世の女房族が強くなるばかりの家庭にあっては、何をかいわんやである。小さな部屋でタバコをプカプカ吸われたら嫌に決まっている。部屋の壁や柱ばかりか、衣服まで臭いが染み付く。吸っている本人だってそのことが分かるのだから、吸わない人が不快に思うのは当たり前のことである。




 私も小さな蛍。小さな、と言ったのはそれほどのヘビースモーカーではないからだ。お酒を飲んだり、マージャンをする時以外はほとんど吸わないのだが、晩酌の後、なんとなく、一服が欲しくなるのである。そう言うと「私をバカにしているのね」と叱られるので、大きな声では言えないのだが、女房ならそれほど気に留めないのに娘に「お父さんダメ」と言われるのが怖い。




 仕方なく、そっと外に出て、その蛍なのだ。すると、あっちから一匹の蛍が。近くの中年のオヤジだった。

夜


 「あなたもですか?」



 「ええ、うちは女房がうるさいものですから・・・。佇んでいると寒いので、こうして歩きながら吸うんです。いい訳かもしれませんが、散歩も出来るし、一石二鳥ですよ」



 この中年オヤジは笑い飛ばすように、さらりと言うのだが、その後姿は、やっぱり寂しそうだった。その中年オヤジもそうだろうが、女房達が喫煙をただ嫌がっている訳ではないことはよく分かる。亭主の健康を気遣っているのだ。




 特に娘の場合、「お父さん、身体に悪いよ。だからタバコ、止めて・・・」と、いかにも心配そうに言う。これには本当に弱い。「娘の言う通り、やっぱり止めよう」と、思うのだが・・・。そんな蛍が今夜も寒空に一匹・・・。よわったものだ。




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健康欲で頭で食べる

 頭で食べる。決して進んで食べたいと思っているわけではないが、食べているものがある。その一つがゴーヤだ。この付近では「ニガウリ」ともいう。女房は「体のためにいいんだそうですよ。沖縄の人たちが長生きするのもゴーヤや豚肉の料理を沢山食べるからだそうよ」と、いかにも知ったかぶりに言いながら、このゴーヤ料理を出してくれるのだが、私にとってお世辞にも旨い、とは言えない。


ゴーヤ


 我が家では卵や豆腐などと炒め物にして食べる。独特の苦が味と食感、進んでは食べたくないシロモノだ。しかし、何も言わずに食べている。それも全部である。健康のため、という≪欲≫のためだ。酒のつまみにめざしを出させたりする。近くにJAの直売所があって、そこに、ちょっと乾燥気味の旨いヤツが売っているのである。





 これも、健康、という≪欲≫のためだ。ゴーヤもそうだが、栄養的にどうのこうのと知っている訳ではない。若い時は、食べ物に、健康などということを考えなかったが、70歳も半ばを過ぎると、そんなことも考えるようになるのである。苦い薬でも我慢して飲むように、年齢を重ねれば重ねるほど健康への欲が優先するのかもしれない。





 食卓に上るゴーヤはすべて我が家の自前。ゴーヤばかりではない。春先のこかぶやエンドウ、春菊、夏場のタマネギ、ジャガイモ、トマト、ナス、キュウリ、インゲン、秋のサツマイモ、大根、サトイモ、冬場のほうれん草などみんな自前である。今、食べているカボチャやモロヘイヤもそうだ。百姓の真似事をするようになって、野菜は買ったことがない。


野菜



 高さ約2m、長さ15mぐらいの三角屋根のような棚の両側斜面に張ったネットにゴーヤは青々とまではいかないまでも、今もツルを張り、実をならしている。ほぼ同じ頃に植え付けしたキュウリやインゲンは、もう完全に枯れ、トマトももう駄目。ナスもひところの勢いを完全になくしてしまった。




 キュウリと違って、表面がトゲのようにごつごつして、グロテスクなゴーヤ。いかにも逞しい。その生命力が、それを食べる人間にもいいのだろう。知らなかったが、モロヘイヤも逞しさでは負けない。私の身の丈ほどにも大きく繁茂したモロヘイヤはイメージとは大違い。





 子供の頃、地元の岩手小学校の先生をしていて、今も親しくさせて頂いている知人から頂いたものを植えたものだ。最初は園芸用のポットに植えられた20本ぐらいだったが、若芽のように小さいが故に、グングン伸びるカボチャのツルに覆われて、ほとんどが消滅、残った数本だ。おしたしのようにして食べるのだが、そのネバネバ感が人の健康欲をそそるらしい。これも、ゴーヤと同じように決して旨いものではない。




 三角屋根のようなツル物の野菜作りの棚は、骨組みを竹で作っている。ホームセンターに行けば手軽に組み立てられるパイプ状の材料が手に入るのだが、私は自前の竹を使うことにしている。竹は冬場の12月ごろに切ったものがいいという。虫が入らないのだそうだ。近所の人や知人、先輩に教わりながら、一つ一つ自分のものにしたいと思っている。





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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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