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ニトロのペンダント

 心筋梗塞で倒れ、九死に一生を得た友は言った。

 「人間というヤツは痛い目に遭わないと分からないことがいっぱいあるもんだ」

 確かにそうだろう。そんな分かったような事を言っている私だって本当は分かっていない。健康とはそんなもの。例えは悪いが、親や女房、あるいは立場を変えて亭主など、居て当たり前の存在が突然いなくなった時、そのありがたさを痛感するのと同じ。もっと大事にしておけばよかった、と思ってもあとの祭りなのだ。

病院


 ロータリークラブの例会で自らの反省を踏まえて「病気の予兆を見逃すな」「万一の場合は救急車に頼れ」と説いた友のA氏は、首にニトロを入れたペンダントを吊るしていた。昨年暮れ、突然の狭心症発作で病院に担ぎ込まれ、治療を受けたあとのフォローだ。心臓の血管に出来た狭窄部分にバルーンを入れた。「もう大丈夫」と言う。ペンダントは、主治医はむろん、奥さんや息子さん夫婦らご家族の勧めだろう。備えあれば憂いなしである。




 A氏が卓話(ミニ講話)のキーワードにした「病気の予兆」「救急車」は、実は面白い関係にある。病気の予兆は、それなりに必ずある。ところが≪その時≫には気付かなかったり、無視してしまう。「そう言えば、あの時に・・・」。そんなことは大なり小なり誰でも経験がおありだろう。一方、救急車。≪その時≫に誰もがひらめくし、普段からもその大切さも知っている。

 
救急車_convert_20110216215346


 近所で救急車のサイレンが止むと「どなたが、具合が悪いんだろう」と、その家族の顔まで思い浮かべながら心配する。その裏返しなのか、当の本人がその対象になると、尻込みしてしまうのだ。A氏が言うように「ご近所に心配をかける」ことが躊躇に結びつく。「ピーポ、ピーポ」。私だってあのサイレンの音が嫌だ。結果的に狭心症で苦しんでいた頑固オヤジのA氏の場合も「救急車を呼ぶのならサイレンを止めるように言って・・・」と奥さんに促したという。




 緊急車両だからと言ってしまえばそれまでだが、あの音、何とかならないものか。患者にだって精神的に、いいはずがない。最近ではと言うより、随分前からだが、サイレンを鳴らしながら「右に曲がります」「左に曲がります」と、それも夜中、通行の車も人もいないのに所かまわず、アナウンスするのだ。救急車両が右左折のウインカーを出せば、自動的に発声する仕組みになっているのだろうが、「救急車のお通りだい」は無神経極まる。


病院


 横道にそれた。根っから真面目なA氏は「万一の場合の参考に、出来るだけ多くの人に自らのケースを話したい。知ってさえいれば、避け得る大事もあるはず」という。この人によれば、狭心症の≪体験者≫は意外に多い。お見舞いに来てくれた人に限ってみても、5~7%に及んだという。実は私の親父も狭心症で突然倒れた。享年は75歳だった。


 

 健康とは、損なってはじめて、そのありがたさを知るものかもしれない。ただA氏が体験から話すように自らや周囲の人たちがちょっとした知識を持っているか、いないかで事態は大きく変わる。場合によって、それが生死を分けるのだ。




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病の教訓

 「正直言って死ぬとは、こういうことかと思いましたよ」

 何年か前のことだが、お見舞いにお伺いした病院のベッドで、ロータリークラブでご一緒させて頂いていた親しい友のA氏がしみじみ言った。心筋梗塞で倒れ、間一髪、助かった。発作が起き、担ぎ込まれた病院で、意識がもうろうとなっていく。不思議なことにそれまでの激痛を伴う苦しみが和らいだ。「自分はこのまま死んでいくんだ」。そう思った。これも不思議なことに言い知れない安らかな気持ちになったという。因みにこの方は当時69歳だった。


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 発作を起こしたのは車の中。暮れもぼつぼつ押し詰まろうとしていたある日の夜。10時ごろのことだった。山梨市の自宅から10㌔ぐらいの石和温泉郷のホテルで開かれた同級生の無尽会に出席しての帰り道。少しだが、お酒を飲んだので、代行運転者を頼み、自宅に向かっていた。




 脇の下から肩にかけて激痛が走った。突然だった。「運転手さん、悪いけど窓を少し開けてよ」。身体がやたらと熱くなった。12月。山梨の夜はかなり冷え込む。それなのに上着のスーツを脱ぎ、肌着同然になっても熱い。「お客さん、苦しそうですね。このまま病院に行きましょうか?」。代行車の運転手さんも気遣った。「大丈夫。すぐに収まるよ・・・」。本人も一歩間違うと、自分の命を奪いかねない病魔が襲いかかって来ていることなど知る由もなかった。




 「その時、どうして病院に行かなかったんですか?」。帰り道には二つの大きな総合病院があった。後の祭りだ。お宅に帰ってからも、もちろん、発作は収まらなかった。奥さんや二世帯住宅で同居同然の息子のお嫁さんも心配して大騒ぎ。当然、救急車を呼ぼうとした。ここでも頑固オヤジぶりが・・・。「救急車なんか呼ぶな。ご近所に心配をかける」。結局、家族の運転する車で病院へ。「救急車で来なきゃあダメじゃあないか。あなたはバカだねえ。死んじまったらどうするんだ」。医者からこっぴどく叱られたという。



 今の医学は進んでいる。私たち素人には分からないが、心臓の血管にバルーンを入れ、狭窄部分を治療してしまうのだ。この方の場合、足の付け根から血管を通して管を入れた。手術の所要時間は3時間にも満たなかったという。そんな事故からちょうど40日。ロータリークラブの例会に姿を見せ、心筋梗塞の発作と、そこに到る≪予兆≫の顛末を語った。「病に遭遇して知識があるとないでは生と死を分けるほどの違いがある。私の体験談が皆さんや皆さんの周りの人たちのお役に立てば・・・」。卓話という20分そこそこのミニ講話を買って出た。この頑固オヤジは結果的に家族の咄嗟の思いやりに救われたと言っていい。

病院2

 卓話のキーワードは二つ。その一つは「病気の予兆」。確かにそうだが、どんな病にも後で考えれば、それなりの自覚症状がある。簡単に考えたり、見逃してしまうだけだ。A氏の場合、しばらく前から、脇の下から肩にかけて刺すような痛みを覚えた。単なる肩こりと思っていたという。もう一つは「救急車の的確な活用」。私なんかもそうだが、田舎人間はとかく救急車の利用を嫌う。「ご近所に心配をかけては・・・」。そんな気遣いからだが、病院に着いてからの対応、つまり一刻を争う治療の順番も違う。A氏はさまざまな体験談を話した。




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百薬の長の方便

ビール


 私も女房のことを「母さん」と呼ぶのだが、女房も「お父さん」と呼ぶ。





 「お父さんねえ、酒は百薬の長、と言うけど、あれねえ、方便だってよ」


酒


 恐らくテレビで見たか、友達とのお茶飲み話で仕入れてきたのだろう。女房は鬼の首でも取ったかのように言う。




 「へえ~・・・」と、とぼけてみたものの、その通りだ。




 若い頃、目にしたモノの本によれば、酒を「百薬の長」と最初に言ったのは古代中国の皇帝。秦の始皇帝なのか、それ以降、どの時代の皇帝であったかは記憶に定かではないが、お酒を専売に組み込む方便に使ったのである。当時、その国の専売は塩と鉄などで、お酒は専売ではなかった。



 どこかの国の政府と同じように財政難に苦しんだ皇帝は、お酒を専売に組み込むことを考えた。高い税率をかけられるのだから民(国民)が歓迎するわけがない。そこで搾り出した知恵が「百薬の長」というキャッチフレーズ。つまり方便だ。この方便はまんまと成功。そればかりか恐らく、お酒の消費拡大にも繋がって一石二鳥の効果まで生んだことは言うまでもない。


ワイン


 「百薬の長」。わが国でもこの言葉は、れっきと独り歩きしている。特に酒飲みは水戸黄門の印籠のように使う。「お父さん、そんなに飲みすぎちゃあ身体に良くないわよ」。女房にブレーキをかけられる度に、この言葉を使うのだが、方便以前に飲みすぎが身体に悪いに決まっている。お酒というヤツは不思議な飲み物で、飲み出すとなかなか止まらない。歌の文句ではないが「分かっちゃいるけど止められない」のがお酒なのだ。



 亭主の健康を気遣ってブレーキをかける女房の気持ちも分かり過ぎるほど分かる。内心、ありがたくさえ思う。ところが口を突いて出るのは、「そんなことはオレが一番よく知っている。人の世話を焼くな・・・」である。場合によって、その言葉の後に続くのは「バカヤロー。いろいろ言うな」。

ウィスキー



 古今東西、嗜好品は税の対象になって来た。タバコもそうだ。どこかの国は「百薬の長」ではなく「健康に害する」ことを方便に徐々に値上げしている。喫煙者は嫌煙者と比べて少数派になっているからいい。この関係が逆だったら大騒ぎだろう。第一、無謀な値上げなんか出来っこない。でも「健康を害する」ことと「値上げ」。この論理、どうもしっくりしない。これも古今東西、新税を創設したり、税の値上げに踏み切る場合、少なからず、住民のコンセンサスを得なければならないのは世の常。そこには決まって方便がいる。いわゆる民は騙されたり、騙されたふりをするのだ。それを仕掛ける為政者は、したたかで、ちゃんとプラス、マイナス、そろばんをはじいている。




 よく考えれば、「百薬の長」が税の新設の対象になったり、「健康に害」が税の値上げになる。変な話だ。見方を変えれば、それこそが方便といっていい。




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パブロフの犬

 「おまえ、しつこいねえ・・・」と言われるかもしれないが、未だに若い女医さんには、ある種の偏見を持っている。私だって男の端くれだから、若い女性には優しかったり、好感を持って接するのだが、白衣を着た女医さんを見ると、正直言ってその場から逃げ出したくなるのだ。可愛くもなければ、むしろ怖くなる。パブロフの犬。条件反射なのだ。
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 前にも触れたが、若い頃、盲腸(虫垂炎)手術を受けた時の新米女医さんの一部始終がきっかけでもあり、その第一弾。細い血管への注射に脂汗をかいて悪戦苦闘するけなげな姿には一面で敬服もするが、時も時。緊急手術の直前措置なのである。人の助けは求めないタイプのようで、逆に見るに見かねた看護婦さんが≪援軍≫を求め、急場をしのいだ。




 第二弾は、別の総合病院での人間ドックの時のこと。胃カメラを飲んだ。担当は若い女医さん。盲腸手術の時の女医さんの顔を思い出さないでもなかったが、所詮はまな板の鯉。カメラを胃袋の中で大胆に押したり引いたり。「もっとお手柔らかに頼むぜ」。そんなことを思う前にゲエ~ゲエ~、ゲボゲボ。技術の良し悪しは別に検査だからそれはそれで仕方がない。


病院


 ところがこの女医さん、突然、「あら困ったわ。あら困ったわ。これなあ~に。これなあ~に・・」。子供のように絶叫し始めた。カメラを持つ手はブルブル震えている。何にも分からず、ただゲエ~ゲエ~している、まな板の鯉はたまったものではない。ここでもベテラン先生の≪援軍≫が飛んで来た。その検査室では何人もが、まな板に乗っていた。何の事かわかりようもないし、動転する女医さんの甲高い悲鳴にみんな、びっくりしたに違いない。



 「ああ~、これねえ、アニサキスと言うんですよ。初めてだったんですねえ。検査が終わったらつまみ出して患者さんに見せてあげてください。心配要りませんよ」




 さすがにベテラン先生。女医先生はやっと落ち着きを取り戻した。この時も駆けつけたベテラン先生は、いかにもへりくだって「先生、私にも見せていただいていいですか?」。


病院3


 この騒動にはまだオチがある。「ところで先生、私のお腹にいたアニサキスってどんな虫ですか?」。さっきまでの動転がウソのようにタカビーに振舞う女医さんに尋ねた。「あらいないわ」。女医さんは味もそっぺもなく、まるで人事のように言うのである。正直、腹が立った。服装を整え、帰りがけドックの受付に寄ったら「本会計に行って治療代5,000円を払っていってください」。「えっ、治療?アニサキスは途中で落としてしまったようだよ」。再び腹が立って思わずそう言おうとしたが、馬鹿馬鹿しくなってその言葉を飲み込んだ。


受付


 「俺ねえ、治療にしろ、人間ドックの胃カメラにせよ若い女医さんにばかり当たるんだよ。毎回なんだ。それも新米のような・・・。俺って若い女性にモテルのかねえ・・・」




 ある時、親しい大学病院のベテラン医師と酒を酌み交わした時、そんな話をしたら


 「あなたはバカだねえ。あなたのようなタイプの患者さんには新人を当てるに決まっているじゃない。なぜかって?太っていて、いかにも鈍感に見えるからねえ・・。どんな医師だって、どんな難しい手術だって必ず≪始めて≫があるのさ。医学はそうして進歩するんだよ。誰かがそれを担ってくれなきゃあ・・・」




 「冗談じゃあないよ。俺、いつも練習台かい?俺の立場にもなってみろよ・・・」




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デブの細い血管

病院


 自分では自らの神経が太いのか、細いのかは分からないが、血管だけは間違いなく細い。私の身体にだって、あるべき所に血管が走り、それなりの血液が流れているのだろうが、見た目では分からないのだ。お医者さんや看護師さん泣かせの血管なのである。




 勤めをリタイアした後も毎年一度、かみさんと一緒に人間ドックに行く。そのドックで検査メニューの中に必ずあるのが採血。ここでほとんどの看護師さんが手こずるのだ。血管が細く位置が分かりにくいので、採血までに悪戦苦闘するのである。そんな姿を見る前に「私の血管は分かりにくいんですよ・・・」と、こちらから言い訳するのだが、針の先で血管を探されるのは内心、いいものではない。採血する時のポーズからも、その一部始終が見えるから始末が悪い。正直言って、いくら鈍感な私だって気にもなる。


注射器  
 
もちろん看護師さんは無事採血を終えるのだが、中にはベテランの先輩にバトンを委ねるケースも。こんなこともあった。もう大分前のことだが、盲腸(虫垂炎)を手こずらせて甲府市内のある総合病院で緊急手術をするハメになった時のことだ。採血だったのか、静脈注射だったかは忘れたが、針が血管に入らないのだ。若い≪看護師さん≫は脂汗をポトポトと落とし始めた。それもそのはず。10人前後はいる看護師さんの注視の中だった。




 気の毒というか、可愛そうになった。「いいんですよ。ゆっくりやってください」。ヘンな所で女性に優しい自分がおかしくなった。そんなことを言えば言うほど大粒の脂汗が。「誰か代わってあげたらいいのに・・」。そんなことを思い始めた矢先、戴帽から婦長さんらしき看護師さんが年配の男性医師を連れて来た。看護師さんが気を利かせて求めた援軍である。

病院3


 「〇〇先生、私にやらせてくれませんか?」。そこで初めて気付いた。脂汗の若い≪看護師さん≫は女医さんだったのである。「お医者さんのくせに・・・」。なぜか無性に腹が立って来た。人間とは勝手なもの。今の今まで悪戦苦闘を励ますように許して来たのにプロの医者と分かると、途端に「この野郎」と手の平を返すのだ。




 この女医さんとは、この時ばかりのお付き合いではなかった。盲腸手術の執刀をしていただいたかどうかは分からないが、術後も終始、主治医としてお世話を頂くハメに。私の虫垂炎は、腹膜炎を誘発するほど手遅れ状態での緊急手術だったせいか、自分でも分かるほど術後の経過は悪かった。手術から数日後。お腹がパンパンに膨れ上がり、激痛を伴うようになった。

女医さん


 「先生、お腹がどうもヘンですよ」。若い女医先生は、そんな私の切実とも言える訴えに、いともそっけなく「あらそう・・・?」。
 お腹の中で化膿を起こしてしまったのである。一旦は縫った傷口を開き、その日からお腹に溜まる膿を除去する治療が始まったことは言うまでもない。傷口から長い帯のようなガーゼを突っ込んで、膿を吸わせるのだ。それを引き抜く時は一瞬だからいいが、入れる時にはピンセットで順送りする。可愛げもなく乱暴に扱うのだ。やっぱり私の神経は細いのかもしれない。痛い。たまったものではない。お陰で私のお腹にはでっかい大きな傷が残っている。あれから20数年。ツッパリ気味だった若い女医さんも如才のないベテラン先生になっているだろう。




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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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