瓢箪の芸術

天地人


 土曜日の昼下がり。野良から戻って、昼飯を食いながら観るともなくテレビを見ていたら、NHKの大河ドラマ「天地人」をやっていた。前の週の日曜日の再放送だった。そこに登場していたのは、もちろん主人公の直江兼続。大坂城での、時の天下人・豊臣秀吉とのやり取りが大写しにされていた。




 その豊臣秀吉を見ながら、なぜか、ある人の顔を思い出していた。この人は山梨県ひょうたん愛好会の副会長をされている方で、それは見事な瓢箪をお作りになる。瓢箪は、ご存知、豊臣秀吉の馬印だ。秀吉の瓢箪は千成瓢箪。私が懇意にさせていただいている、ひょうたん愛好会のこの人は、千成に限らずあらゆる種類の瓢箪を自らも作り、それを見事に加工してしまうのである。作業する所を工房と言ってはばからない。筆や彫刻刀。そこには道具もいっぱい。


瓢箪2


 甲府市の中心街に程近いところにあるご自宅に隣接した畑には、瓢箪作りのための棚を設け、春先の種蒔きから始める。もちろん、小さくて可愛い千成もあれば、大きいヤツ、長いヤツ、これが瓢箪?と思うような珍しい種類もある。



瓢箪1


 大きなものは、紐で吊るすように支えたり、日の光がムラにならないように部分的に葉っぱを摘んでやったりもする。もちろん、ツルを適正に伸ばしてやるために、丹念に芽かきもするし、ま~るい瓢箪を四角にだってする。小さいうちに型にはめて、思い通りの形の瓢箪を作ってしまうのである。


瓢箪7


 畑の棚にぶら下がっている瓢箪は、まだ青い。秋に実ると表面を硬くする。収穫した瓢箪はツルとの付け根に穴を開け、そのまましばらく水に浸けておくのだ。中身を腐らせて、出しやすくするためである。中身が腐ると、瓢箪を逆さにするだけで、種ごと液状になって出てしまうから、瓢箪の中は簡単に空っぽになるのだ。


瓢箪5


 ここまでは特段、難しいことでもない。私にだって出来る。この人の真骨頂はここから先だ。中身を抜いて、コチコチに硬くなった瓢箪を磨き上げ、そこに絵や文字を施してゆくのである。絵は七福神であったり、観音様であったりさまざま。文字も「壽」のような縁起物であったり、格言であったりする。それに房付きのカラフルな組みひもを巻いて仕上げるのだ。


瓢箪3    瓢箪4


 そんなことは、いわば朝飯前。細工を施して、枕元に置くスタンドを作ったり、幾つもの瓢箪を組み合わせて、鶴や亀など鳥や動物をも作る。小さな千成を使って木にいっぱいのフクロウ軍団を演出したり、女性用のペンダントや男性用のループタイまでも創作する。へえ~、これが瓢箪の創作、と感心するものばかりだ。


瓢箪6  

 ひょうたん愛好会は年に一度、甲府市の総合市民会館で、愛好家達の一年間の集大成を発表するための展示会を開く。いくら見ていても飽きないほど見ごたえのある作品ばかりだ。そのうちの優秀作品は全国大会にも。81歳になる副会長さんの作品「鶴と亀」はそこでも最優秀賞に輝いた。趣味の域を超えた匠の技と言ってもいい。




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ハマルということ

 人間、その年齢や環境で、ハマル事のひとつやふたつあるものだ。プラモデルであったり、切手など趣味の収集であったりする。競馬やマージャン、パチンコ、カジノ遊びなどギャンブルだってある。釣りやカメラだってあるだろう。人、それぞれさまざまだ。


テニス   色鉛筆

 私の場合、なんと言ってもパソコン。今度の外国旅行を兼ねたクルージングもそうだ。こちらはお金と時間がかかるから、そう度々という訳にはいかない。ところが、今度ばかりはパソコンとクルージングがブッキングしてしまった。


PC     クルージング


 えっ、何の事?と、お思いだろうが、実はこうだ。15日間のカリブー太平洋クルーズをはさんで一ヵ月近いアメリカ旅行を計画したものの、ブログの更新も休みたくない。ずっと定期的に更新してきた。


富士の山ちゃん


 ハマルという事は恐ろしいもので、自分でも信じられないほどのエネルギーを発揮する。いつもならだらだら飲んで、女房から嫌がられた晩酌も適当に切り上げるし、マージャンや仲間との無尽会で飲んで午前様で帰っても、必ず、一度はパソコンの前に座る。「お父さんのおもちゃ、いつまで続くかな?」。女房から「いつかは飽きる」と見られ、半ば笑われたって何のそのだ。そんなブログだから、一ヵ月近くも更新を休むわけにもいかない。




 「そんなの簡単じゃない。パソコンを持って行って、そこで更新すればいいじゃない」



 その通りだ。いくらアナログ人間でも、そのくらいの事は考えた。インターネットだから地球上のどこからだって、その施設があれば接続できるに決まっている。問題は接続の仕方と、派生する経費である。ITには詳しい知人に聞いたり、調べてもらったりした。ハワイにお住まいのブログ仲間「マダムさん」にもお知恵をお借りした。

ハワイ


 結果はそんなに難しいことではなかった。今度行くところには日本語バージョンのパソコンがなさそうだから、端末をこちらから持って行けばいい。その場合も、船の客室やインターネットルームにも接続口があって、そのパーツもアダプターなどを使用しなくても、そのまま使えるらしい。ウイルス対策はちょっと微妙だが、まず問題はなさそうだ。




 ところが、私にとって最大の問題は、それに伴う経費。100分で55ドル、200分だと100ドル。私のような新米が、そんなに流暢にパソコンを叩き、ブログの更新が出来るわけがないから、時間は100分ばかりでは済まないに決まっている。更新を毎日しなくても、その間、お訪ねいただくエディタの友達への返事などを書かないといけないから、インターネットの使用料は平均しても一日5,000円では済まない勘定だ。




 そこが貧乏人の貧乏人たる所以。5,000円 × 約1ヵ月。とても出来る相談なんかじゃあない。昨年、アラスカクルーズに行った時、その出港、帰港の拠点となったシアトルでは、どこのホテルも只。さすがはマイクロソフト社のビル・ゲイツのおひざ元だけはある。世界一の大金持ちが神様に見えた。とにかく日本語バージョンでないと・・。持って行くことに超したことがないのだろう。






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釣りバカおじさん

魚  

 ひと頃のテレビの人気ドラマ「釣りバカ日誌」のハマちゃんではないが、私の親しい同級生に、それはそれは釣りが大好きな男がいる。釣りばかりではない。春、秋にとどまらず、年がら年中、山菜取りもすれば、狩猟もする。射撃は一級の腕前だ。




 例えば、春の山菜・フキノトウやタラの芽、コシアブラ、夏場に近くなっての山ウド、ゼンマイ、ワラビ、秋になってのマツタケや冬場のセンブリ、キハダ・・・。思い立ったらいつでも山を飛び歩く。釣りだって同じだ。もやれば、山女岩魚も。狩猟はクマイノシシなどの大物もやれば、キジヤマドリなどの小物もやる。


イノシシ  


 そんな男だから、地元の漁協や狩猟協会も放って置くはずがない。当然のことながらその役員も務めている。漁協といっても、山梨は海なし県。相手はだ。もちろん、河口湖や山中湖など富士五湖のように湖沼もあるが、この人は川の漁協だ。釣り人を楽しませるための鮎や山女の放流に携わりもすれば、その管理や指導、監督もする。


魚2


 年齢から、仕事も第一線を退いている今は、まあ時間もあるかもしれないが、現役時代も、いつの間に山や川を飛び歩いているのかと、不思議に思うほど、上手に時間をやり繰りするのだ。ことさらに、それを話したりもしない。山菜や川の鮎や山女など獲物は仲間達に振舞うのである。ショウガ醤油やニンニク醤油で食べる鹿の刺身、岩魚の骨酒。天下一品。酒飲みには至福の味だ。




 ○○さんや○○さん。私のこのブログにおいでいただく方々の中にも釣り好きな方がいっぱいいらっしゃる。恐らく同じような≪釣りバカ≫だろう。そこに共通しているのは、釣りを通じてのいい仲間がいることだ。ブログを拝見していても、それが言わず語らずに伝わってくる。「釣りバカ日誌」のスーさんのようにだ。


釣りバカ日誌  


 鮎の最もポピュラーな漁法は友釣り縄張り意識が強い鮎の習性を逆手にとって、友鮎を群れの中に投入して攻撃してくる鮎を友鮎の後ろにつけた釣り針に引っ掛けて釣り上げる手法だ。普段の鮎の餌は水蘚。これも知っていた。今はやらないが、わんぱく盛りの子供の頃、せいせい、鮎釣りをしたからだ。




 「へえ~」。私は釣りバカのこの仲間に教わったことが幾つもある。例えば、は餌では釣らないというか、釣れないと、この歳まで思っていた。ところが、餌で釣れるのだという。ただ稚魚の時だ。富士川の下流で、試釣りして来たという餌釣りの稚鮎をいただいたことがある。擬餌針もあるが、山女や岩魚、ニジマス、鯉や鮒、鮠などに至るまでおしなべて川魚は餌で釣る。でも、鮎だけは・・と思っていたのである。「知らないのはお前だけだよ」と言われるかもしれないが、そうなのだ。大げさかもしれないが、目から鱗だった。

魚3

 この釣りバカさんは柔道もやる。腕前は6段。山梨県柔道連盟の山梨市副支部長をしている。やがては支部長を務めるのだろう。見せて頂いたことがあるが、6段以上になると締める帯も違ってくる。赤と白のツートーン。競技ではほとんど見かけない。恐らく名誉的な要素もあるのだろう。66歳。「若い連中とまともに戦ったら、もうかなわない。黒帯どころか白帯にだって無理だ」という。





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ハマルということ

 人間、その年齢や環境で、ハマル事のひとつやふたつあるものだ。プラモデルであったり、切手など趣味の収集であったりする。競馬やマージャン、パチンコ、カジノ遊びなどギャンブルだってある。釣りやカメラだってあるだろう。人、それぞれさまざまだ。


テニス   色鉛筆

 私の場合、なんと言ってもパソコン。今度の外国旅行を兼ねたクルージングもそうだ。こちらはお金と時間がかかるから、そう度々という訳にはいかない。ところが、今度ばかりはパソコンとクルージングがブッキングしてしまった。


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 えっ、何の事?と、お思いだろうが、実はこうだ。15日間のカリブー太平洋クルーズをはさんで一ヵ月近いアメリカ旅行を計画したものの、ブログの更新も休みたくない。ずっと定期的に更新してきた。


富士の山ちゃん


 ハマルという事は恐ろしいもので、自分でも信じられないほどのエネルギーを発揮する。いつもならだらだら飲んで、女房から嫌がられた晩酌も適当に切り上げるし、マージャンや仲間との無尽会で飲んで午前様で帰っても、必ず、一度はパソコンの前に座る。「お父さんのおもちゃ、いつまで続くかな?」。女房から「いつかは飽きる」と見られ、半ば笑われたって何のそのだ。そんなブログだから、一ヵ月近くも更新を休むわけにもいかない。




 「そんなの簡単じゃない。パソコンを持って行って、そこで更新すればいいじゃない」



 その通りだ。いくらアナログ人間でも、そのくらいの事は考えた。インターネットだから地球上のどこからだって、その施設があれば接続できるに決まっている。問題は接続の仕方と、派生する経費である。ITには詳しい知人に聞いたり、調べてもらったりした。ハワイにお住まいのブログ仲間「マダムさん」にもお知恵をお借りした。

ハワイ


 結果はそんなに難しいことではなかった。今度行くところには日本語バージョンのパソコンがなさそうだから、端末をこちらから持って行けばいい。その場合も、船の客室やインターネットルームにも接続口があって、そのパーツもアダプターなどを使用しなくても、そのまま使えるらしい。ウイルス対策はちょっと微妙だが、まず問題はなさそうだ。




 ところが、私にとって最大の問題は、それに伴う経費。100分で55ドル、200分だと100ドル。私のような新米が、そんなに流暢にパソコンを叩き、ブログの更新が出来るわけがないから、時間は100分ばかりでは済まないに決まっている。更新を毎日しなくても、その間、お訪ねいただくエディタの友達への返事などを書かないといけないから、インターネットの使用料は平均しても一日5,000円では済まない勘定だ。




 そこが貧乏人の貧乏人たる所以。5,000円 × 約1ヵ月。とても出来る相談なんかじゃあない。昨年、アラスカクルーズに行った時、その出港、帰港の拠点となったシアトルでは、どこのホテルも只。さすがはマイクロソフト社のビル・ゲイツのおひざ元だけはある。世界一の大金持ちが神様に見えた。とにかく日本語バージョンでないと・・。持って行くことに超したことがないのだろう。






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定年退職と女房達

「やまびこさんは引退後、上手に生活されているようですね。うちの夫が定年後、家にずっといると思うと、ゾッとします(笑い)。毎日、通勤が大変で、辛いことも分かるのですが、毎日、出掛ける所がない、というのも辛いことでしょうね」


家


 東京にお住まいの方だろう。私のブログをお読み頂いている「らいり」さんからの、こんなコメントを拝見しながら、ふと、東京の知り合いのことを思い出した。もう20年近く前のことだが、会議か何かで上京した時のことである。後ろから私の名前を呼ぶ声がした。こんな東京のど真ん中で私を知っている人なんかいるはずがないと決め込んで、振り向きもせずに歩いていたら、息を切らすように駆け寄ってきた人に肩を叩かれた。


東京


 以前、仕事の関係でお世話になったことがある大手広告代理店の幹部だった。



 「冷たいじゃあないですか。後ろ姿で、あなたと分かったものだから、駆けて来たんですよ」



 「これは失礼しました。こんな所でお遭いするとは、奇遇ですねえ。ところで、今はどちらの部署に?」



 「私は来年、定年。言ってみれば、もう窓際なんです。だから定年後を考え、仕事が終わった後、料理教室に通っているんですよ」



 「料理教室?」


調理


 「そう。料理教室。私等、サラリーマンは40年近く、自分で飯を作ることも知らずに、せっせと働いてきた。付き合いゴルフぐらいのもので、これといった趣味も持たず、働くばかり。ふと、気づいたら定年。料理教室は趣味と実益の一石二鳥なんですよ。第一、同じような境遇の人達が集まるから面白い。競争も利害もないから妙に心も通じるんです



 「へえ~、そんなもんですかねえ~」



 「あなただって、その時になれば分かりますよ。毎日、家にいれば、そのうち女房だって、たまには自分でおやりになったら・・・なんてことを言い出しかねません。友達? 会社や仕事上の仲間なんちゅうものは、案外、その場限り。生活のリズムが違ってしまうんだから、趣味という共通項でもなければダメ。いずれ、友達関係は消滅しますよ」




この人はこんなことも言った。



「あなたのように山梨の地方に住んでいれば、恐らく、耕す土もあれば緑の自然もある。隣近所の付き合いも。でも、私等、鉄板一枚のドアで隣と遮断されたマンション暮らし。女房と二人きりになった、その様を想像してみてくださいよ」

東京2



東京の日比谷を歩きながら交わしたざっと20年前の会話。あっ、という間にその20年が過ぎた今、この人の言葉の一つ一つが頷ける。そして「らいり」さんが冗談とも本音ともつかないように言う「夫が毎日、家にいると思うとゾッとする」と言う言葉も、よく分かる。




「おじさん達、寂しいこと言ってるね、って?」。そう言う、お若い方々だって、遅かれ早かれ来る道なんですよ。ただ、不思議なことに夫婦喧嘩だけは確実に少なくなります。



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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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