FC2ブログ

見栄と体裁

 人は「見栄を張るな」とか「見栄を張るもんじゃない」とよく言う。私も言って来たし、言われたりもした。その通りだと思う。でも待てよ。見栄って張ってはいけものないもなのか・・・。むしろ最近は、見栄って張るくらいの方がいいと思うようになった。人がおしなべて見栄を張らず、体裁も考えなくなったら、世間はしたい放題、やりたい放題になってしまう。第一、人間、成長なんかしなくなる。


風景1


 もちろん見栄には、必要以上の背伸びや振る舞いをも含んだ意味がある。ここで言う「見栄」は単なる「虚栄」ではなく「恥ずかしい」とか「みっともない」と言った極めてありふれた心のありようを言うのだ。




 「お父さん、そんな格好でみっともないじゃあありませんか。顔くらい洗ってからにして下さいよ。お客様が来たらどうします。パジャマぐらい着替えてからにしたらいかがですか」




 朝、寝起きのまま無精髭も剃らずに新聞を読み、そのままゴロゴロしていると、女房は私をたしなめるように言う。現役時代はそんなことは絶対無かったし、そんな暇もなかった。でも「毎日が日曜日」だとこんなことは日常茶飯事。これが男だからいいが、女房や娘に置き換えてみたらゾッとする。100年の恋もいっぺんに冷めるに違いない。





 「そんなこと、当たり前じゃあないか」。そういう人も多いだろうが、見栄の原点はこの「みっともない」「恥ずかしい」にある。それがちょっと間違えたり、行き過ぎると人のひんしゅくを買う「虚栄」に繋がるのだろう。そうなると可愛くもないが、一方、考えようによったら、この虚栄が人間の成長を促しもする

風景2



 「身の丈」「身の程」という言葉がある。それに甘んじていたら人生、代わり映えもしなければ、第一、面白くも、なんともない。身の程知らずに何かに挑んだり、振舞ったりするから面白いし、そこに新たな可能性や結果が生ずるのだろう。むしろ若い方々は、もっともっと見栄を張ればいい。その裏づけのために人並み以上の努力もするだろうし、苦労もする。それが結果として成長や成功をももたらす。


風景3



 なにも聖人君子ぶったり、年寄りじみたことを言うつもりはないし、そんな資格もない。でも今の世の中、「恥ずかしい」とか「みっともない」とという言葉がどこかにいってしまったような気がするのだ。事あるたびに言いたい放題のことは言うし、電車に乗ればボックス席ならいざ知らず、衆目の座席でお化粧もすれば物も食べる。それもみんな若い女性だ。そんな人に限って身障者が来ようが、お年寄りだろうが絶対に席を譲ることもしない。




 人様のことだが「お化粧くらい、家でして来いよ」と言いたくなる。でもみんななんとも言わない。しかし心の中では「あいつバカだなあ~」と思わないまでも、いぶかしく感じていることは確か。化粧の話は些細なこと。「みっともない」ことは私達の周りにはいっぱいある。そんなことを言っている自分だってやっているかもしれない。それを知らないから困る。見栄を張るくらいの気持ちがあったら、そんなことはしない。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


スポンサーサイト

生活改善の不合理

 昔、生活改善という言葉があった。日常生活をいろいろな意味で合理化していこうというものだから、まったく結構なことで、未来永劫、その改善はあっていい。むしろ、何時の時代にあっても人々が暮らし易くする工夫は怠ってはいけない。しかし、ここで言う生活改善は、ちょっと違った。暮らしのパターン、特にお金、つまり経費を伴うものに、ことごとく規制をかけてしまうのである。それを今に引きずっているものも多い。


お金



 例えば、祝儀、不祝儀、病気見舞いの金額を決めたがるのだ。その殺し文句、口実は決まって「生活改善」。同じ地区内でも人は付き合いの程度、深さはみんな違うし、過去からの流れも違う。心の中ではみんな一抹の戸惑いを感ずるのだが、何事も「華美に陥らないように」という表向きの精神に反論する余地はない。




 この辺りまでだったらまだいい。地域によっては葬儀の場合の生花を飾る習慣にまでブレーキをかける地域も。お葬式は隣組を中心に運営されるが、施主のお付き合いの範囲は、当然のことながら、その地域にとどまらず、広範囲にわたる。そんな「生活改善運動」を知るよしもない相手側は弔意の印としての生花を届けてくる。さて困ってしまうのが施主側。「地域の約束事だから・・・」と、その生花をそのまま処分してもらったという笑うに笑えないような話さえあった。その量は沢山で、当然のことながら関係者に平身低頭したばかりか、かなりの経費を伴ったことは言うまでもない。


鯉のぼり


 こんなケースも。かなり前の話だが、山梨県の八ヶ岳山麓にある九つの町や村の町村長会は端午の節句にお目見えする鯉のぼり武者のぼりの掲揚自粛を決めてしまった。もちろん「住民の声」を踏まえた「生活改善運動」の一環。「みんなが競い合うようになってはいけない」というのだ。その時から、この地域から鯉のぼりや武者のぼりが消えた。



鯉のぼり2

 「これって、本当に生活改善なの?」



 「俺、そんなに経済的にゆとりがあるわけじゃあないんだが、可愛い初孫のために鯉のぼりや武者のぼりを立ててやりてえんだよなあ~」



 当然のことのようにそんな声が出た。


鯉のぼり3



 〇〇運動。そこには必ず、それなりの提案者がいる。その提案にはそれなりの社会性をはらんだり、一見共鳴できそうな理屈がある。こと「生活改善運動」提案の背景には「みんなでやれば怖くない」といった日本人特有というか、人間の性があるのだ。例に挙げた祝儀、不祝儀、お見舞いの金額規制にしても、鯉のぼりや武者のぼりの掲揚自粛にしても、それを出来るだけ出したくなかったり、したくなかったりする人の思惑が見え隠れする。「思い思いでいいじゃないか」という声の一方で「思いやり?」の大儀が優先するのだ




 みんなを同じにする。かつての小学校や中学校の制服の起こりも同じ。さすがに今は少なくなったが、県や各種団体が外国に使節団を派遣する場合、決まって揃いのブレザーやネクタイを作った。「みんな同じに・・・」。日本は総じて豊かな国になったという。でも、あっちこっちで貧しかった時代の影を引きずって歩いている?




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


タバコは不思議な商品

タバコ 

 タバコを吸う人間は今や、悪者。悪者といわないまでも嫌われ者で、肩身の狭い存在であることは間違いない。電車や飛行機ばかりではない。レストランに行っても、ホテルに行っても、みんな禁煙。会社、官庁のオフィスにも灰皿がない。私達、田舎の公会堂や公民館などの集会施設もダメ。家に帰れば、かみさんや娘が嫌な顔をする。



 「俺達、喫煙家は一体どうすればいいんだ」



 頭に来て文句の一つも言いたくなる。確かに嫌煙権はある。でも喫煙権だってあるはずだ。麻雀をしていても親しい仲間でさえ、タバコを吸うと嫌な顔をする。ついこの間まで同じようにタバコを吸っていた者までもだから釈然としない。それが分からないわけでもない。タバコを吸う人間でも一旦、部屋の外に出て、その部屋に戻ると臭いこと臭いこと。タバコの臭いが部屋中を蹂躙しているのである。その瞬間は嫌煙者の気持ちが分かり過ぎるほど分かる。でも・・・。


空港  
 


 喫煙家の私が言いようのない、わびしさを覚えるのが外国旅行の時。飛行機に乗ってしまえば吸えないから、搭乗前に喫煙所を探すのだ。確かにどこかにはある。やっと見つけてホッとする思いで中へ。いる、いる。同じような仲間が。そのスペースは畳の大きさにすれば4畳半か6畳足らず。みんな「吸わなければ損」と言わんばかりに黙々とタバコをすっている。自分もその一人のくせに、不思議にもそんな人達がバカに見えるのだ。相手側もみんな、そう思っているのだろう。何ともいえない不思議な光景なのだ。



喫煙室

 

 成田空港。不思議な光景はまだある。煙でモーモーとした喫煙室の壁に設けられたテレビからは、エンドレスでタバコのコマーシャルが。マイルドセブンを初めとした国産タバコやケントなど外国タバコのコマーシャルが次々と流れて来る。そればかりではない。「タバコの起源はマヤ文明の昔から・・・」。タバコの起こりやタバコと人間の関わりまで解説しているのである。

 

  マヤ絵文書

マヤの絵文書「タバコを吸う神」
画像:JT

 これもビジネス、転んでも只では起きない商業魂と言ってしまえばそれまでだが、飛ばす飛行機はもちろん、とてつもなく広い空港構内からタバコを締め出そうとしている割には、なんとも歯切れが悪い。タバコをお吸いにならない方は、こんな所に来ないし、第一関心もないだろうからいいが、もし、こんなことを小難しい嫌煙家が知ったら目くじらを立てるに違いない。

タバコCM      CM       


 私もついついやってしまうのだが、日本人はくわえタバコや歩きながらのタバコも平気。自分の車の中だからと言ってしまえばそれまでだが、くわえタバコでハンドルを握る若い女性だって珍しくない。こと、タバコに限って言えば、日本人ほどマナーの悪い国民はいない。昨年、数日間の韓国行きと約一ヶ月間のアメリカ旅行をしたが、そんな光景は一度も見なかった。「喫煙は、あなたにとって心筋梗塞の危険性を高めます…」。どのタバコの箱にもこんな注意書きが。喫煙者もそれを知っている。世の中、商品と名の付くものは無数にある。しかし「健康に悪い」と言って売っている商品は一つもない。不思議な商品だ。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


漫画と落書き

落書き

 うちの女房はふるっていると言うか、面白い。




 「お父さん、これいいでしょう。上手だと思う?」




 ある研修会で隣り合わせの机に並んで座り、講演を聴いていた私に向かって、女房が自ら書いた漫画を滑らすように差し出した。



 「バカっ。人が話をしているのに、漫画なんか書いているヤツがあるか」





 声を潜めて、そうは言ったものの、その漫画、実に面白い。前の席に座っているオジサンの頭を書いたものだが、はげ頭に何本かの長い髪の毛がミミズのように這っている。もちろん、書かれている側のオジサンは、そんなことは露知らずに、時折こっくりと。後ろの私には、その様と女房の漫画を見比べることが出来るから、思わず噴出しそうになった。


らくがき



 女房は私が所属するユネスコ関係の研修会に義理で連れて来られたのだから無理もない。女房を叱かってしまった引け目からか、反動のように周りを見渡した。何人もが居眠りを。実は私も居眠りを必死にこらえていた。居眠りをしているのは男性ばかり。さすがに女性は誰もいなかった。こんな時の≪知恵≫は女房のように女性の方が優れているのか。真面目顔で講演している講師の先生には失礼千万だが、また噴出しそうになった。




 漫画といえば聞こえはいい。分かり易く言えば、暇つぶしの落書きだ。人間、落書きをする、またしたくなる心理は、どこかに潜んでいる。その場所をわきまえるかどうかは、その人が持ち合わせた理性でしかない。公共的な壁や、公共施設の中でも唯一、密室になる公衆トイレでの落書きがそれだ。




 日常、持ち合わせていることが多いボールペンや鉛筆なら、まだ可愛い。ところがスプレーで壁といわず、電柱や商店街のシャッターに至るまで所かまわず落書きをする奴等がいる。捕まえてぶん殴ってやりたくなるのは私ばかりではないだろう。スプレーもカラフルなものが多いから、大胆至極だ。落書きをする人間と、それを始末する人間のイタチごっこは今日も続いているのだ。





 山梨県甲府市郊外の愛宕山の麓を走る県道沿いにコンクリートの回廊のような壁がある。延長が60mぐらいはあるだろうか。そこはいつも落書きのキャンパスのようで、管理者が消せば書く、書けば消すの繰り返し。たまりかねた管理者は数年前、そのコンクリート壁を本当のキャンパスに見立てて、恐らく近くの中学生だろう、額状に幾つもの絵を書かせた。葡萄の絵もあれば富士山も。

愛宕壁画    愛宕壁画2


 不思議なことに以来、この壁に落書きする人は誰もいなくなった。子供たちが懸命に書いた絵の上に落書きするのはさすがにはばかるのだろう。女房のように自分の紙に密かに落書きの漫画を書いているくらいなら可愛いもの。人様や社会には迷惑ではない。講演をされている先生には失礼千万だが、コンクリート壁のように、それをさせない講演者の知恵と工夫も必要かも。正直言って義理がなければ俺だって漫画でも書いていたかった。ただ、かみさんのように上手に書ければのことだが・・・。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


立小便の告白

 ワイン


 旅行中のバスの中や外で、尿意をもようした時ほど困ることはない。数年前の事だ。ロス・アンジェルスのハリウットに近いビバリーヒルズの街を歩いている時、その尿意をもようしてしまったのだ。ホテル「ハイアット」のレストランで、夕食をとりながらワインをたらふく飲んでしまったからいけなかった。夜でもあったから、道からちょっと脇にそれて・・・。日本ではそれほど罪悪感がない立小便もさすがに気がとがめた。


ワイン2  

 この失敗談を来日中のハワイの従兄弟老夫婦にうっかり話してしまった。その従兄弟は真面目顔で、私を叱った。
 


 「そんな事をしたら、アメリカでは後ろに手が回るんだよ。日本人は全般にマナーが悪い。立小便など、何をかいわんやだが、タバコだって歩きながら吸ったり、公園でもどこでも吸いたがる。大声で話しながら歩くのも日本人だ」



 確かにそうだ。日本と違って、外国を歩いていて道端にタバコの吸殻一つ見たことがない。空港やホテルの外に設けてある数少ない喫煙所にたむろすのは、ほとんど日本人だ。自分もその中の一人と思うと赤面ものだが、日本に帰るとまた・・・。




 この際、白状してしまうのだが、ロス・アンジェルスからラスベカスに飛んだときの事。よく考えてみれば,これもお酒が原因の失敗だった。カジノで夢中になってのゲーム中、尿意をもようしてトイレに立ったが、トイレが見つからない。黒のタキシードに身を包んだ従業員に尋ねるのだが、トイレという言葉がなんとしても伝わらない。そのうちに我慢できなくなってゼスチャーで、なりふりかまわず伝えようとしたが、これも駄目



 相手も困って日本語の分かる従業員にバトンタッチ。「ああ、レストルームですね」と指差したのはすぐ目の前のネオン。どでかい字で「RESTROOM」と書いてあった。笑い話にもならないお粗末な話だが、その時はまずそこに駆け込むしかなかった。これも恥を忍んで従兄弟に話したら「トイレでも分かるはずだがなあー。でもレストルームがいい。バスルームでもいいんだよ」と、教えてくれた。




 このトイレ騒動にはオチまでついた。用を足して、さっきまでの自分がウソのように、すっきりとした気分でレストルームを出て来たまでははいいが、今度は自分が戻るはずのテーブルが分からない。このカジノは私達が宿泊したホテル「ベネチアン」の1階を全部使ったように見えるほど広いスペースをとっていて、いわば、迷子になってしまったのだ。


ベネチアン


 ご存知の方はご存知。このホテルはそれ自体がひとつの街といった方がいいほど、ドでかいから、カジノの大きさも想像できよう。ゲーム中、ビールでもブランデーでもスコッチでもバニーガールがにこやかに持って来てくれるのだから酒量も増えようというものだ。酒好き人間の嵯峨、それが失敗を誘うのである。分かっちゃいるけど・・・である。


ラスベカス

 カジノでいつもやるのはブラックジャック。21と9、それにカードと花札の違いだけで、ゲームの原理は日本のオイチョカブと同じだ。速い展開の繰り返しだから時間の経つのも速い。裏を返せば負けるのも早いのである。立小便と同じで、女房族にとっては非難の的かもしれない。





.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!