進むジェンダーフリー

学校

 オンボロの木造から鉄筋に変わって久しい校舎の中央から放射線状に張られた万国旗。その下で元気いっぱい跳んだり、跳ねたりする子供たち。この二つを除けばみんな様変わりしていた。厳密に言えば、子供たちもだ。グラウンドに並ぶ子供たちの数は、へえ~と思うほど減った。少子化の波は容赦なく学校を襲っていた。

おとこのこ
 地元の小学校の運動会に招かれた。この学校は、今は山梨市立の小学校だが、旧村時代からの伝統校。100年以上の歴史を持つ。女の子の児童会長が持つ校旗を先頭に入場行進、グラウンドに整列した児童たちを前に、まずは校長先生が挨拶する。




 「心配された新型インフルエンザも皆さんの努力で立派にはねのけて、今日は全校児童64人が一人も休むことなく、参加しての運動会となった。沢山の思い出を作ってください」




 児童の数ひと頃の3分の1、4分の1にも減っていた。全校でたったの64人だから、一学年10人前後しかいない勘定だ。入場、整列、そして全てのプログラムは全校児童を紅白に分けての対抗戦。1年生から6年生までの男女をほぼ2等分しているのである。




 おやっ、と思ったのは児童の運動着男の子も女の子もみんな同じなのだ。上は白、下は横に白いストライブの入った青色の短パン。よく見ないと男の子なのか女の子なのか区別がつかない。女のこの運動着として長い歴史を刻んだ≪ブルーマ≫は完全に姿を消していた。紅白チームの区別は裏返しで被れる帽子の赤と白の識別だけ。もう一つ、選手紹介のアナウンス。男の子も女の子も全て「○○さん」。かつての男の子の呼称「○○君」は完全に学校から消えていた。皮肉な言い方をすれば、無理やり男女を平等?に。


体操着

 そうか、ジェンダーフリーと言うヤツか。ふと、この夏、奥秩父山塊の一角で開いた子供キャンプの折、スタッフの一人でもあるベテラン女教師が言った言葉を思い出した。




 「人を男とか女で見るのではなく、まず人間としてみて、結果的にそれが女であったり、男であったりするんです。初めから男と女を区別してはいけない」



男の子           女の子


 改めてインターネットで「ジェンダーフリー」を検索してみた。どこでどなたが書いているのか分からないが、あるある。運動会で見た光景の全てが事細かく書いてある。学籍名簿の男女の区別はもちろん、ランドセルの赤、黒の色に対する疑問まで。「男女」を「女男」とも置き換えているのである。正直言って、私にはどうしてそこまでしなければならないのか分からない。



ランドセル

 一方、なるほどと思ったのは競技に入る前の準備体操。かつては「ラジオ体操第一」が準備体操の定番だった。ところが見事に振り付けしたストレッチ体操に変わっていた。子供たちの競技や演技を見守るグラウンド周囲の父兄席はスマートなアウトドア用のテントが。座席も茣蓙(ゴザ)ではなく携帯用の椅子だ。 そこでのお父さんやお母さんはビデオカメラで可愛いわが子の姿を追っていた。




 変わらないのは本部テントに隣接して設けられた来賓席。区長や市教委、市議会の代表、PTAや老人クラブ、安協などの代表が並んでいる。その顔ぶれは変わっても肩書き中心の大人たちのやり方は変わらない。いつしか自分もそんな所に座る年齢になっていた。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


スポンサーサイト

子供は育てるもの?育つもの?

親子2

 育児。良くも悪くも人間、そんな時代が華かもしれない。石和温泉郷にあるリハビリテーション病院でムチウチ症のマッサージ治療(PT=理学療法)を受けながら交わした若い理学療法士さんとの会話の一方で、そんなことをつくづく感じた。この若いお父さんのように育児で悩み、やがてまた教育投資も含めた子育てで苦労もする。考えてみれば誰もが大なり、小なり通らなければならない道かもしれない。




 私にも一人娘がいる。もう30も半ばを過ぎた。振り返ってみれば、育児などと難しい事を考えたことは一度もなかった。仕事、仕事で追われ、子供のこと、つまり育児のことなど女房にまかせっきりだった。もちろん、可愛い我が娘のこと、そのやり方を巡って女房と喧嘩をしたことがなかったわけではない。

親子


 育児を女房にまかせっきりだったからと言うわけではないが≪子供は育てるものではなく、育つもの≫だと、今でも思っている。女房と育児を巡る喧嘩があったとすれば、「過保護にするな」の一点ぐらい。過保護に育てたら、やがてそのツケを背負わされるのは、子供自身だと思っているからだ。「年寄りっ子は三文安」。昔の人はうまい事を言ったものだ。その時の感情で孫を気ままに可愛がり、あとは野となれ山となれ、そのツケは孫に行くの例えである。私にはたまたま娘一人しかいないが、私達の世代では自らの子供は2~3人が普通。私の兄弟は4人。おふくろの兄弟も親父の兄弟も9人。だんだん子供の数は減っている。3世代で世代が変わる度に半減している勘定で、今では一人っ子は当たり前。統計で見てもわが国の出生率は1・25人ぐらいだからそれを裏付けている。

赤ちゃん


 昔の親は偉かった。4人、5人、8人、9人を平気で育てたのである。自分の場合を例にしても、私は戦中生まれ、姉は戦前。弟二人は戦後間もない頃の生まれ。経済的にも最も貧しい頃だった。食べることにも事欠いた。物がなく、小学校時代、配給物資をくじ引きで分け合ったこともある。食生活が貧しいから栄養失調の子供も。私もどちらかと言えば、その一人だった。肥満が溢れ、栄養失調という言葉が死語になった今とは大違い。




 そんな兄弟も立派にとはいかないまでも世間様にご迷惑をかけない程度の大人に育った。男3人だから兄弟喧嘩もした。わんぱくもした。その度に親父から怒られ、ゲンコツを食った。日常茶飯事だった。そんな親父は怖かった。学校に行けば先生から、これまたゲンコツ。それを家に帰って話そうものなら「お前が悪いからだ」と、またゲンコツだ。いたずらをして近所のオヤジから怒られることも珍しくはなかった。みんなが、みんなで子供を戒め、見守った。


男の子


 「ヘタに叱って性格が歪んだら・・・」。若い理学療法士のお父さんや、その奥さんが言うような迷いや心配は誰もしなかった。むしろ、そんな親父や先生、近所のオヤジのやり方がわかり易かった。今、国では子供手当て云々の論議をしている。もちろんあった方がいいに決まっている。でも、これだって、みんなの税金。裏を返せば借金の先食いだ。親に対する≪過保護≫にもみえる。むしろ、貧しいながらも何人もの子供を育てた昔の親達に、その根性を学びたい。子供手当ては、本当に政治家先生が言う少子化対策になるのか・・。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


若いお父さんと育児

 「うちの息子は5歳。その息子が最近、ウソを言ったり、言うことを聞かなくなって困るんです。我が家ではその育児を巡って毎日、夫婦喧嘩です。女房は『あなたがちゃんと教えないからですよ。このままだとこの子、大人になったら大嘘つきになってしまう』と私に責任を転嫁するし・・・。正直言って僕にはどうしたらいいか分からないんです」

男の子

 つまらぬことからムチウチ症を患っている私は、今も二日おきのペースで石和温泉郷にあるリハビリテーション病院に通っている。週に一度のハリ治療もあるが、主には首の牽引とPT(理学療法)OT(作業療法)と呼ばれるマッサージ治療をするためだ。このリハビリ治療はもう2ヶ月近くになるから、担当の理学療法士さんとも顔なじみ。お互いに気心も通じ合うのだ。マッサージをしてもらいながら、たわいもなく色々なことを話す。


リハビリ室


 育児の悩みを打ち明けたのは、年恰好から30歳過ぎて間もないくらいの若い理学療法士さん。私はうつ伏せになっているから、その表情こそ分からないが、育児の悩みは真に迫っていた。イケメンであるばかりか、いかにも真面目そうな青年で、そんな育児の悩みがなければ、可愛い子供を囲む美男、美女の仲睦ましいカップルであることが容易に想像できる。

男の子2

 この若者の打ち明け話とも、相談ともつかない話はさらに続く。



 「いう事を聴かないこともさることながら、平気でウソを言うのが心配。女房は『あまり怒ったら性格が歪む』と言って、手をこまねいているし、僕だってどうしたらいいか分からないんです」





 「その子は一人っ子ですか?」


 「そうです。始から一人の計画ですが、そうでなくても、こんなに難しいものなら、とてもこれ以上は無理ですよ。経済的にゆとりもありませんしねえ・・・」



 「経済的なゆとり?」



 「僕たちのような安給料じゃあ、二人、三人の子供なんか育てることは出来ませんよ」



 「安給料なんて、当たり前じゃあないの。何時の時代だって、あなたのようなお若い方々の給料なんて沢山くれるはずはありませんよ。経済的なゆとりはともかくとして、子供が悪いことをしたり、ウソを言ったら叱るのが当たり前。私はあなたより少しばかり歳を取っているからと言って、お説教じみて言うわけじゃあないけど、親が叱らなかったら子供はどうするんです」




 「でも、どう叱ったらいいか・・・」



 「あなたが感じたままを子供さんに伝えればいいんですよ。あんまり考えちまったらダメなんだよねえ。そのまま叱ればいいんじゃあないの。大きな声を出さなければならないこともあるし、時にはゲンコツだって・・。子供さんには、その意味が必ず伝わりますよ


 親子

 話を聞いたら、この理学療法士さんも一人っ子だという。いい子で叱られたことなどなかったのだろう。この若いお父さんの育児の悩み、今の世の中、どうやら特異なケースではなさそう。





.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


進むジェンダーフリー

学校

 オンボロの木造から鉄筋に変わって久しい校舎の中央から放射線状に張られた万国旗。その下で元気いっぱい跳んだり、跳ねたりする子供たち。この二つを除けばみんな様変わりしていた。厳密に言えば、子供たちもだ。グラウンドに並ぶ子供たちの数は、へえ~と思うほど減った。少子化の波は容赦なく学校を襲っていた。

おとこのこ
 地元の小学校の運動会に招かれた。この学校は、今は山梨市立の小学校だが、旧村時代からの伝統校。100年以上の歴史を持つ。女の子の児童会長が持つ校旗を先頭に入場行進、グラウンドに整列した児童たちを前に、まずは校長先生が挨拶する。




 「心配された新型インフルエンザも皆さんの努力で立派にはねのけて、今日は全校児童64人が一人も休むことなく、参加しての運動会となった。沢山の思い出を作ってください」




 児童の数ひと頃の3分の1、4分の1にも減っていた。全校でたったの64人だから、一学年10人前後しかいない勘定だ。入場、整列、そして全てのプログラムは全校児童を紅白に分けての対抗戦。1年生から6年生までの男女をほぼ2等分しているのである。




 おやっ、と思ったのは児童の運動着男の子も女の子もみんな同じなのだ。上は白、下は横に白いストライブの入った青色の短パン。よく見ないと男の子なのか女の子なのか区別がつかない。女のこの運動着として長い歴史を刻んだ≪ブルーマ≫は完全に姿を消していた。紅白チームの区別は裏返しで被れる帽子の赤と白の識別だけ。もう一つ、選手紹介のアナウンス。男の子も女の子も全て「○○さん」。かつての男の子の呼称「○○君」は完全に学校から消えていた。皮肉な言い方をすれば、無理やり男女を平等?に。


体操着

 そうか、ジェンダーフリーと言うヤツか。ふと、この夏、奥秩父山塊の一角で開いた子供キャンプの折、スタッフの一人でもあるベテラン女教師が言った言葉を思い出した。




 「人を男とか女で見るのではなく、まず人間としてみて、結果的にそれが女であったり、男であったりするんです。初めから男と女を区別してはいけない」



男の子           女の子


 改めてインターネットで「ジェンダーフリー」を検索してみた。どこでどなたが書いているのか分からないが、あるある。運動会で見た光景の全てが事細かく書いてある。学籍名簿の男女の区別はもちろん、ランドセルの赤、黒の色に対する疑問まで。「男女」を「女男」とも置き換えているのである。正直言って、私にはどうしてそこまでしなければならないのか分からない。



ランドセル

 一方、なるほどと思ったのは競技に入る前の準備体操。かつては「ラジオ体操第一」が準備体操の定番だった。ところが見事に振り付けしたストレッチ体操に変わっていた。子供たちの競技や演技を見守るグラウンド周囲の父兄席はスマートなアウトドア用のテントが。座席も茣蓙(ゴザ)ではなく携帯用の椅子だ。 そこでのお父さんやお母さんはビデオカメラで可愛いわが子の姿を追っていた。




 変わらないのは本部テントに隣接して設けられた来賓席。区長や市教委、市議会の代表、PTAや老人クラブ、安協などの代表が並んでいる。その顔ぶれは変わっても肩書き中心の大人たちのやり方は変わらない。いつしか自分もそんな所に座る年齢になっていた。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


同窓バカ

  日川高校ほか+010_convert_20110430202245


 「お父さん、今日は小学校時代の同級会があるのよ。夜と明日の朝のご飯の支度、しておきましたから食べて下さいね」



 女房は石和温泉郷で、宿泊形式で開くという同級会に、さっさと出掛けて行った。飲酒を伴う同級会は、公共交通機関に乏しく、車に依存せざるを得ない山梨の場合、宿泊型が多いのだ。女房は強し。財布を握り、人(近所)を握り、その上、スポーツ教室に通って健康。健康。外に出掛ける時のフットワークは、すこぶるいい。




 亭主の私は、天気がいいので、腰の痛みを押して昼間は“下男”さながら畑に。夜は母校・日川高校の部活動後援会の会合へ。今年度から同窓会の部活動後援会の会長を仰せつかったためで、第一回の理事会を前にした打ち合わせのためだ。折しも山梨では高校総体(総合体育大会)の最中。その成績も話題になった。恐らく、山梨ばかりではないだろうが、高校スポーツ界は、私学の台頭がめざましい。スポーツばかりではないので、文武両面で、と言った方がいいかもしれない。




 同窓バカの手前味噌で言うのではないが、かつては、高校総体で母校はやはり県立の甲府工業といつも1位(優勝)を競って来た。ところが、1位、2位は少なくとも私学に、その座を奪われて久しい。部活動後援会だって立場上、心中穏やか、と言ったらウソになる。




 文武両面での私学の台頭は、県教委がかつて県立高校の入試制度に取り入れた、いわゆる「総合選抜制度」がきっかけとなったことは間違いない。県立高校を地域別にいくつかのブロックに分けて、成績順に均等に入学者を振り分ける仕組みだから、学校間格差は解消出来る半面、子供達は志望の学校に行くことが出来なくなるのである。そればかりか、この制度は県立各校の個性を奪った。




 山梨での総合選抜制度の導入は、全国でも最後だった。元を正せば、この制度の“第一号“は東京都。「学校群制度」と言った。生みの親の東京都教育長は山梨県(北杜市長坂町)出身の小尾乕雄であった。一時は脚光を浴び、全国に大きな影響を与えたのだが、間もなく破綻した。麻布高校や新宿高校など“名門”と言われる学校が次々と地盤沈下し、その一方で私学を台頭させたのである。私学の台頭が悪いわけではない。しかし、“オールド派”を中心とした世論は、黙っていなかった。もう3~40年まえのことだ。一方で、文部省はゆとり教育を打ち出した。


日川高校3


 巷に学習塾が増え始めたのもこの時期。公立学校にはない教育指導で、子供達の学力向上に一役買った。小中学校、高校を問わず、私学は、行政や組合に守られた?公立学校職員と違って逞しい。学習塾(予備校)の先生だって同じで、今、テレビで引っ張りだこの「今でしょう」の林修先生もそのお一人だ。




 同窓バカは正直言って、そんな私学のたくましさが羨ましい。公立と私学の違い、と言ってしまえば、それまでだが、文武の両面で“身体を張って”の取り組みに最早、世間は脱帽。親達は、我が子を私学にやるのが夢?となっているのだ。優秀な子供達が私学に雪崩的に流失して行けば、その先は見えて来る。世間では胡座をかいている、と見られている公立学校さん、頑張ってね。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!