祭りと人権啓発

県民の日_convert_20121123154452


 所は甲府市の郊外にある県立「小瀬スポーツ公園」。昭和61年の国体(かいじ国体)会場として設けられた大きなスポーツ公園だ。そこで毎年、「県民の日」のお祭りが開かれるのである。メーン通りはむろん、各種の競技場をつなぐ道路はお祭り広場に早変わり。飲食物や金魚釣り、収穫したばかりの大根などの野菜に到るまで多種多様の露店が並ぶ。定番のたこ焼きや焼き鳥、焼きそば、鯛焼き、ビールやお酒、ジュース…。なんでもある。




 目抜き通りには、今や県民的な人気のサッカー-チーム「ヴァンフォーレ甲府」のブースや人権啓発のためのブースも。公園のほぼ中央に設けられたメーンステージでは、二日間の祭り期間中、さまざまなプログラムが組まれて、家族連れのお客さんを楽しませるのである。二日間のお客さんは恐らく10万人を超しただろう。近くには救護本部も。



ヴァンフォーレ甲府_convert_20121123153834



 歌やクイズ、お客さん参加型のゲーム…。山梨県人権擁護委員連合会が行う紙芝居もその一つ。ステージに大型のセットを持ち込んで紙芝居を見せるのだ。出演者も一人ではなく、何人もが役割分担して見事に演ずるのである。口調も時代がかった名調子ではなく、登場人物を、それぞれがリアルに演ずるのだ。


人権ステージ_convert_20121123154822



 同県連には「子ども人権委員会」という専門委員会があって、子供達の人権に関わる相談に応じたり、啓発活動をしている。もちろんボランティア。このほか専門委員会は男女共同参画、救済、総務、研修があって、それぞれの分野で委員が自主的に活動しているのである。人権擁護委員は市町村長が議会の同意を経て国に推薦。法務大臣が委嘱する。山梨県には217人の委員がいる。




 時も時。お祭り会場となったスポーツ公園は紅葉に染まっていた。人々はもみじを楽しみながら祭りの世界に。メーン街路は広い。落ち葉が舞う街路脇に設けられたステージ前の観客席。その周りを人々が取り囲んでもまだ街路には余りがある。紙芝居はそんなシチュエーションで始まるのだ。


小瀬_convert_20121123154646



 チームは5~6人。“声優“宜しく、登場人物をこなす人もいれば、その画面を変える人もいる。もちろん、ナレーターだって。その呼吸はピッタリ。おじさん達が子どもの頃、村の氏神さま広場に自転車でやって来て、紙芝居を見せてくれた水飴売りのオジサンとは違う。独演の名調子ではなく、こちらはチームプレイ。素人とは思えないほど上手だ。





 それもそのはず。暇を見つけては練習するのだという。人権擁護だから紙芝居のキーワードは「いじめや」「思いやり」「優しさ」。メンバー達は、この日のように祭りでの“公演”よりは学校での“公演”の方が多い。いわゆる「人権教室」だ。子供達は紙芝居を通じて人権の大切さや人権とは何か、を学ぶ。


人権観客_convert_20121123155007



 この専門委員会「子ども人権委員会」の努力は地域にも波及、今、山梨県内ではあっちこっちの小中学校で「人権教室」が開かれているのである。いわば民間人の“出前授業”。


 「いじめが原因で若い命が失われるようなことがあってはなりません」


 紙芝居にいじめの防止や人権の擁護を託す「子ども人権」の“役者さん達”は懸命だ。



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紙芝居

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 うまいものだ。仲間でもある人権擁護委員が演ずる紙芝居を見せていただきながらホトホト感心した。その一方で、もう60年以上も前の子供の頃を思い出した。水飴売りの紙芝居屋さんだ。現在の山梨市が市政を敷くずっと前。山梨県は甲府盆地の東部の片田舎。当時は東山梨郡岩手村と言った。のどかと言えば格好いいが、米麦養蚕の、どちらかと言えば貧しい小さな村であった。




 どのくらいの周期でやって来たのかは定かに覚えていないが、紙芝居屋さんのおじさんは、村の氏神さんの広場に自転車を止め、その荷台で紙芝居を始めるのである。子供達はまるで申し合わせたように集まって来て、食い入るように紙芝居を見るのだ。所詮、自転車の荷台にしつらえられたセット。今考えれば、子供だましのようなものだが、わんぱく小僧達は食い入るように見た。


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 「国定忠治」、「銭形平次」、「のらくろ」・・・。「月光仮面」があったかどうかは別にして、紙芝居屋さんの名調子に子供達は興味津々。終われば、小さな手で懸命に拍手した。その紙芝居屋さんは、当たり前のように紙芝居のセットの下に仕込んで来た水飴を売るのである。それが本業だなんて子供達にはどっちでもいい。恐らく3円か5円だったのだろう。おじさんが箸の棒に絡めて売ってくれる水飴はもう一つの楽しみだった。

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 今思えば箸の棒は、使い古しの割り箸。おじさんは水飴の壺から、それは、それは手際よく水飴を箸の棒に絡めてみせる。子供達の“注文”を聞きながら水飴に赤や黄色、ブルーの水溶液を付けてもくれる。それを割り箸で練り合わせる。透明色の水飴はカラフルに。それを美味しそうに食べるのである。食べると言うより、嘗めると言った方がいい。




 子供達はみんな外で遊んだ。今のようにテレビがあるわけでも、ましてやファミコンがあるわけでもない。あるとすれば漫画本を読むくらい。それも、ふんだんにあるわけではない。勢い、遊び場は屋外に。氏神さんの広場や、大きな庭のある家に誰が言うともなく集まってくるのだ。メンコやビー玉、竹馬やかくれんぼ。缶蹴りや石蹴りの遊びもあった。



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 そこにはガキ大将がいて、年下のわんぱく小僧達に教えるともなく“遊び”を教えた。年下のわんぱく達が、やがてまたガキ大将になっていくのである。そんな子供達の所にやって来る紙芝居屋さんは、子供達にとって新鮮だった。子供達は紙芝居に出てくるヒーローを自分とオーバーラップしながら見たり、拍手するのだ。




 今のように「少子化」などと言う言葉は無かった。貧しい小さな村にも子供達の歓声があった。もちろん今のように塾などというものはない。子供達は暗くなるまで外で遊んだ。冬場だと手には皹(ヒビ、アカギレ)をつくり、「ゴボウ鼻」をすすり上げる子供だって珍しくなかった。今の子供達にはない無邪気さがあった。
子供

 記憶している限り、そこには「いじめ」なんかなかった。縦割りの遊びだから暗黙の内にガキ大将がそれを許さなかったし、年齢から来る体力差を無意識のうちに補い合っていた。人権擁護委員の紙芝居を見ながらいろいろのことを考えた。(次回に続く)




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役者の妙技

市原悦子


 正直、稽古に裏打ちされた役者とは凄いと思った。語り口調はむろん、声の強弱、話の間合…。いわゆる話術と計算された身のこなしである。稽古が作り上げた血肉に他ならない。千葉県人権擁護委員連合会がホストになって千葉市のオークラ千葉ホテルで開いた関東ブロック大会に講師としてやって来た女優・市原悦子さんの講演だ。




 人権擁護委員の関東ブロックは1都⒑県連(東京、千葉、茨城、埼玉、栃木、群馬、新潟、長野、山梨、神奈川、静岡)で構成されている。大会にはその代表約450人が臨んだ。市原さんは劇団「俳優座」の所属。舞台はむろん、テレビにも出演しているので、茶の間でもお馴染み。どこの局かは覚えていないが「家政婦は見た」の名演技が今でも印象に。


市原悦子3_convert_20160628232000



 講演のテーマは「私の選んだ女優の道~朗読とトークの世界~」。市原さんは80歳を超えている。純白なドレスに身を包み、頭の左側には大きな白い造花を付けて颯爽と登壇した。1呼吸、2呼吸…。口を開かない。だから聴衆は舞台に引き付けられる。やおらに口を開いた市原さんは貧しかった戦時中の市川での生活をゆっくりと、生々しく語り始めた。




 市原さんによれば、やがて演劇に興味を抱き、俳優座へ。「人間(生き様)はみんな違っていい」という。「稽古、稽古。とにかく稽古が好きだった」。そこに市原さんの役者魂と役者としての原点や今があるのだろう。やがてトークはグリム童話の朗読に変わっていくのだが、ここでも聴衆を引き付けてやまない。«芸»とは何か、を見た思いがした。お金を貰う、と言うことの意味をも改めて知らされた。若いタレントさんの、そう言っては失礼だが、口先だけのトークとは、どこか違う。




 人権擁護委員連合会の関東ブロック大会は11都県が持ち回りで毎年開いている。代表でやって来る委員さんも同じで、人権擁護委員の年齢は、その制度の性格上も比較的高い。平均では、恐らく65歳を超えているだろう。世の中で一般的に言う高齢者の集まりかも知れない。お若い方々とは、ちょっと違うのだろうが、2時間近い講演をしっかり聞いていた。聞いていた、と言うより、聞かされてしまった、と言った方がいいかも。




 大会は一方で、理事会や委員会、総会(代議員制)も開かれるが、全体的には、その報告や講演、研究発表、意見交換会などが中心。その内容はともかく、多くの人が職域や業界、あるいは趣味のグループなど、大会とか研究会といった類の集会に参加した経験がおありだろう。失礼な言い方だが、おおよそ面白くも、それほど勉強になるものでもない。




 その内容は概ね、冒頭のセレモニーがあって基調講演や研究発表と続く。最後は懇親会(レセプション)。なぜか、法務省関係は、飲食を伴うこの懇親会を「意見交換会」という。そんなことはどっちでもいいのだが、プログラムの中心に据えられた基調講演や研究発表は、正直言って形ばかりで面白くない。元来、ズボラな私なんか時として、うつら、うつらするのがオチ。ハッと気づいて目を開け、テレくさ交じりに周りを見渡すとやっぱり…。ところが今回は違った。私も含めて居眠りしている人は誰もいなかった。勝手な言い分かも知れないが、講演とは聞かせる側の責任。面白くなかったら居眠りもする。




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ありがとうございました!


人権相談のベル

 JR甲府駅に程近いところにある甲府地方法務局の人権擁護委員室。応接用の机の奥にあるデスクの卓上電話が鳴った。時計の針は午前9時ちょっと過ぎを指していた。9時からの人権相談の受付を待っていたのだろう。


人権擁護委員


 「モシモシ、こちら人権相談室です。・・・」


 
 「よろしいでしょうか。私は、名前を申し上げられませんが、実は・・・・」



 ここから先の会話は、書くことは出来ないが、我が子のいじめをめぐる若いお母さんの相談だった。




 山梨県人権擁護委員会連合会が行なっている人権相談は、地域、つまり、市町村ごとの特設相談と、甲府地方法務局や、その出先機関に分かれて毎日開いている常設相談がある。特設相談は隔月、市町村の集会施設で開設していて、相談者はそれぞれの広報での告知を見てやってくる。


人権
人権イメージキャラクター 人KEN守る君



 法務大臣から委嘱を受けた人権擁護委員は、山梨県の場合は218人。市町村での特設相談では、それぞれの地域の委員が終日、会場に詰めて、手分けで相談に応じる。法務局とその出先に分かれての常設相談月曜日から金曜日の午前9時~午後4時まで一人づつ交代で詰めては相談に応ずるのだ。


人権2
人KEN歩みちゃん

 いずれも、いわゆる手弁当のボランテア。私は委嘱を受けて6年だが、この制度の歴史は長い。どの委員もこのボランテアに真剣に、しかも積極的に携わっている。年二回ずつ開いている研修会にもこぞって参加、半日、みっちり勉強する。その運営もとかくありがちな役所任せではなく、自主運営である。私の場合、数年前、県連の事務局長を仰せつかったことがるが、結構、忙しい。盆暗の私を支えてくれた局次長や総括は、もっと忙しい。頭が下がる思いがしたものだ。


本棚


 日常のあらゆる事務も自らの事務局を作って処理するし、編集委員を出して年に何回か、機関紙も発行している。A4版の2ページだが、その名は「結い」(YUI)。題字下には、こんな言葉が。



 「結い、とは田植えなどの時の助け合いのこと。土臭く、温かい言葉です」



 文字通り助け合いであり、思いやりがコンセプトだ。人権擁護活動のひとコマひとコマを柔らかく紹介しているのだが、この中には218人の委員が交代で投稿する一言欄も。ある号では富士吉田市の委員が同市のグループが開いている「人権教室」を紹介していた。




 甲府地方法務局などの常設会場には相談専用の電話が設けられていて、特に子どもには「子ども人権110番」が、またご婦人には「女性の人権ホットライン」が。電話に限らず、そこに出向いてくる相談者も多い。さまざまなケースのいじめ、家庭内暴力、夫婦間や近隣同士のトラブル、虐待、セクハラやストーカー行為、さらにはプライバシーの侵害や名誉毀損に至るまで、そのケースはさまざま。




 一見、何事もないように過ぎていく日常の社会の中で、人権侵害事案はいっぱい起きている。人々の生活が高度化したり、社会の機能が進歩すればするほど、こうした事案が増大する。なんとも皮肉な話だ。




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人権擁護委員


 「モシモシ、こちら人権相談室です。・・・」


 
 「よろしいでしょうか。私は、名前を申し上げられませんが、実は・・・・」



 ここから先の会話は、書くことは出来ないが、我が子のいじめをめぐる若いお母さんの相談だった。




 山梨県人権擁護委員会連合会が行なっている人権相談は、地域、つまり、市町村ごとの特設相談と、甲府地方法務局や、その出先機関に分かれて毎日開いている常設相談がある。特設相談は隔月、市町村の集会施設で開設していて、相談者はそれぞれの広報での告知を見てやってくる。


人権
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 法務大臣から委嘱を受けた人権擁護委員は、山梨県の場合は217人。市町村での特設相談では、それぞれの地域の委員が終日、会場に詰めて、手分けで相談に応じる。法務局とその出先に分かれての常設相談月曜日から金曜日の午前9時~午後4時まで一人づつ交代で詰めては相談に応ずるのだ。


人権2
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 いずれも、いわゆる手弁当のボランテア。私は委嘱を受けて6年だが、この制度の歴史は長い。どの委員もこのボランテアに真剣に、しかも積極的に携わっている。年二回ずつ開いている研修会にもこぞって参加、半日、みっちり勉強する。その運営もとかくありがちな役所任せではなく、自主運営である。私の場合、2年前から県連の事務局長を仰せつかっているが、結構、忙しい。盆暗の私を支えてくれている局次長や総括は、もっと忙しい。頭が下がる思いがするのだ。


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 「結い、とは田植えなどの時の助け合いのこと。土臭く、温かい言葉です」



 文字通り助け合いであり、思いやりがコンセプトだ。人権擁護活動のひとコマひとコマを柔らかく紹介しているのだが、この中には217人の委員が交代で投稿する一言欄も。ある号では富士吉田市の委員が同市のグループが開いている「人権教室」を紹介していた。




 甲府地方法務局などの常設会場には相談専用の電話が設けられていて、特に子どもには「子ども人権110番」が、またご婦人には「女性の人権ホットライン」が。電話に限らず、そこに出向いてくる相談者も多い。さまざまなケースのいじめ、家庭内暴力、夫婦間や近隣同士のトラブル、虐待、セクハラやストーカー行為、さらにはプライバシーの侵害や名誉毀損に至るまで、そのケースはさまざま。




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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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