料理への反応

パスタ

 昼間、テレビのチャンネルを回せば、どこかで必ずといっていいほど料理番組をやっている。たわいもないといったら叱られるのだろうが、料理番組は主婦達の間で人気がある証拠だろう。うちのかみさんも真顔でテレビに向かい、そのレシピをメモにとっている。主婦の端くれだから、それはそれでいい。




 番組はタレントさんを使って出来立ての料理を食べさせて見せる。これも当然といえば当然。面白いのはここからだ。みんな「美味しい」「うまい」と表情豊かに身体全体で表現するのだ。そこはタレントさん。職業柄、演技は堂に入っている。10人が10人、100人が100人、間違っても「まずい」などと言う人はいない。中には口に入れるか入れないうちに「うまい」と、身体丸ごとを使って表現して見せるのだ。見ている方からすれば、それがいかにも白々しいのである。



ピザ



 食べ物は噛み締めたり、喉を通した後に初めてその味わいを実感するもの。タレントさんであろうが凡人であろうが、人間はみんな同じだろう。でも、それを端的に表現することは案外難しい。文字ならばさまざまな工夫で表現することが出来るからいい。しかし、言葉、しかも短時間というか瞬間的に表現することは大変だ。そこに引っ張り出されたタレントさん達の苦労が分かるような気もする。




 「うまい」「美味しい」がありふれていて≪味気ない≫と考えたのか、ひと頃、「甘い」という言葉が流行った。若い特に女性のタレントさんが「甘~い」と満面に笑みを浮かべて言って見せるのだ。見ている方、聞いている方からすれば、これが白々しいばかりか、えもいわれぬ違和感を感ずるのである。やっぱり、食べ物は「うまい」「美味しい」だろう。しかし、それを、いかにもうまそうに、美味しそうに表現するかがタレントさんや芸能人の真骨頂なのだ。おやっ、と思ったら最近、「甘~い」という言葉がピタッと影を潜めた。「甘~い」の乱発をディレクターさんから叱られたのかもしれない。


料理



 私には料理番組でこそないが、この食べ物に関係した番組で苦い経験がある。現役サラリーマンの頃、新聞社、放送局のハウス広告代理店の役員をしたことがある。山梨の大手生菓子メーカーが、ここぞと売り出した「信玄桃」という名の生菓子が、あるテレビキー局の番組に登場した。石鹸・洗剤の大手メーカーがスポンサーで、今でも続いている真っ昼間のバラエティー番組だ。テーブルに置かれたこの「信玄桃」を口にしたタレントさん、よせばいいのに「これ酢っぱ~い」とやってしまったのだ。


信玄桃


 たまたまだが、生菓子メーカーの社長も含めて新聞社、放送局の大口クライアントの社長さんをご案内して10日余りのヨーロッパ旅行から帰った日のことだった。そこは儀礼。会社には相次いでお礼の電話が。ただ一人、生菓子メーカーの社長の電話は違った。「会社に戻ったら大騒ぎ。うちの目玉商品をどうしてくれるんです」。早速、問題になった番組のビデオテープを見た。司会者の小堺一輝は何とかつくろったが、あとの祭り。キー局や、ましてやタレントさんだけのせいにしているわけにもいかない。キー局に抗議する一方で放送局の幹部を生菓子メーカーに飛ばして平身低頭したのである。因みに、そのタレントは後の番組から姿を消した。




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夫婦喧嘩

 こうしてパソコンを叩いたり、インターネットをしている間にも、その程度は別にして夫婦喧嘩をしている人はいるだろう。もっともパソコンを叩きながら夫婦喧嘩など、そんな器用なことは出来ない。私なんか夫婦喧嘩に負るか、馬鹿馬鹿しくなってパソコンの前に逃避することだってある。
 夫2
 考えてみれば、私達夫婦もよく喧嘩した。一人娘が小さいころは、その教育の仕方で、また、原因がどちら側にあるにせよ、部屋の片付けでも口論になった。これもよく考えれば、発端は些細なこと。言ってみれば、つまらないことが、どんどんエスカレート。挙句の果ては、「出て行け」「出て行きますよ」と、いった具合である。本当は出て行かれたら困るくせに、また出て行く気もないのに・・・。売り言葉に買い言葉だ。

家族

 幸か不幸か、どこかの芸能人やタレントさんのように浮気が原因での騒動はなかった。あとで考えれば、みんなどっちでもいいことが始まり。だから時間が経てば、何事もなかったように忘れてしまうのだ。「夫婦喧嘩は犬も食わない」。そう言われる所以なのだろう。




 人間、いわゆる虫の居所が悪かったり、ムシャクシャして八つ当たりする事だってある。「八つ当たりで猫を蹴飛ばす」なんて言葉があるくらいだから、一つ我が家に限ったことではないのだろう。ただ、うちのかみさん、今も昔も私が売った喧嘩はみんな買ってくれる。「うてんげえし(文句を言ったり、反論すること)をするな」と言えば「うてんげえしではないわよ」と返って来る。「それがうてんげえしだ」・・・。何か注意をすれば必ず、いい訳をしてくれる。本人は説明のつもりだろうが、喧嘩を仕掛けているこちら側は頭に来るのだ。「いい訳はいらん」「いい訳じゃないわよ」。「それがいい訳だ」・・・。

夫

 私は結婚以来、かみさんが売ってきた喧嘩は買ったことがない。かみさんだって人間だから不満がつのったり、イライラすることもあるだろう。そんなかみさんの喧嘩は絶対に買わないのだ。どうしてかと言うと、こちらは平静。適当にあしらっておけば、かみさんの方が拍子抜けしてしまうのだ。私にはその知恵がある。もちろん、喧嘩は不発。ところが立場変わって、その逆になった場合は違う。かみさんは私が売った喧嘩は100%買ってくれる。そんなかみさんを見ていて、女とはこうも単純なものかとつくづく思う。反対に、かみさんもそう思っているかもしれない。

妻

 喧嘩は売るもの。買うものではない。これは鉄則。どんな人間にだって不満やストレスはある。四六時中とは言わないまでも一緒にいる時間が最も長いのが夫婦。当たり前だ。だから喧嘩はどんどん売ればいい。でもそれを買わなければ喧嘩にはならないのである。私は結婚式で祝辞を仰せつかった時、新郎新婦を前に、こんなことを言う。



「夫婦喧嘩は仲のいい証拠。でも喧嘩は売るもの。買うものではない」と。

夫婦


 私達夫婦は結婚から40年を過ぎた。夫婦喧嘩がめっきり少なくなった。喧嘩ばかりしていた若いころがまるでウソのよう。私も喧嘩を売らなくなったし、かみさんも買わなくなった。喧嘩は買わなければ喧嘩にならないし、ましてや売らなければ喧嘩にもならない。お互い歳を取って≪大人≫になったということか。でも、なぜかそれも寂しい。




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同窓バカの甲子園

日川優勝2
写真:山梨日日新聞から


 「今日の試合(夏の高校野球山梨県大会の決勝戦)見た? 甲子園だよ。甲子園。俺、嬉しくなって祝杯を上げ、今帰ってきたところさ」


日川優勝


 甲子園切符を競う山梨県の決勝戦が行なわれた日の夜、高校(日川)時代の同級生から、いかにも嬉しそうに電話がかかって来た。母校が甲子園切符を手にしたからだ。何しろ30年ぶり。この男、私もそうだが、いわゆる同窓バカ。卒業してもう50年も経つのだが、母校・日川の野球となると自宅のある勝沼から約20㌔の甲府・小瀬球場に労もいとわず足を運ぶ。普段、健康管理に人一倍、気遣うのに実質40度を超す猛暑もなんのそのだ。




 もちろん、優勝などと大それた期待なんかしていない。母校の置かれた立場や力を知っているからだ。しかし、今年の夏はちょっと違った。春の大会で優勝して山梨県を制した。当然のことながら夏の今大会は第一シードに座った。なんとはなし、半信半疑とはいえ、手ごたえのようなものを感じていた。この男が球場に飛んでいかないはずがない。


日川優勝3


 山梨県の高校野球事情は私学が優位に立って公立高校はどんどん、その影に隠れている。この傾向は一つ山梨に限ったことではないし、野球に限ったことでもない。サッカーやバスケットボール、ハンドボールなどあらゆるスポーツも同じだ。山梨の高校野球界は私学の東海大甲府、山梨学院大付属、日大明誠、帝京第三、日本航空、駿台甲府、富士学苑の各校が覇を競い、甲子園への切符を手にする。




 なんとかこの争いに絡むのは甲府工業ぐらいのもの。巨人軍の堀内恒夫投手(後の監督)を輩出した甲府商業も見る影もない。≪ミラクル市川≫などと、かつては甲子園を沸かせた市川高校もさえない。日川を上回る伝統校・甲府一高なんか忘れられた存在である。サッカーに目を転じても、あの中田英寿を輩出した韮崎も全く振るわない。代わって頭角を現しているのが野球と同じような私学。今年正月、全国制覇を成し遂げたのは山梨学院大付属だった。この快挙を導いた監督は日川時代の同級生。仲間達は自分の事のようにみんなで拍手を贈った。日本列島、 優秀な人材は間違いなく私学に流れている。 文武共にだ。




 「お父さん、あなたのお友達、あのスタンドのどこかにいるんでしょうね。お父さんは球場に行かないんですか?」




 日川×富士学苑。ビールを飲みながら茶の間で決勝戦の模様をテレビ観戦していた≪日川バカ≫の私に向かって女房が半ば冷やかし気味に言った。畑仕事で行きそびれただけだ。女房は甲府ニ高、娘は甲府一高。でも、そこは家族。みんな日川の応援団。ナインの一挙手一投足に一喜一憂するのである。「お父さん、日川、勝つわよ」。普段、プロ野球などには興味を示さない女房たちが、まるで人が違った人のように大騒ぎで観ているのである。


日川優勝4


 明るい話題の少ないシケタ世の中。しかし私にとってこれが二つ目の明るい出来事。母校・日川の甲子園出場
は、日川時代の同級生率いた山梨学院大付属高のサッカー全国制覇に次ぐ心地よい興奮だ。そんな酔いにしたっていたら我が女房「お父さん、寄付金、取られるね」。「当たり前さ」。そんなことを言っていた矢先、同窓会事務局から電話が。「選手や応援団派遣の資金集めのために緊急役員会を開きます」。甲子園へ≪同窓バカ≫たちがみんなで動き出すのだ。理屈抜き。これも痛快だ。




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お天道様のいたずら

デラウエアー
デラウエアー


 山梨市のこの辺りは甲州市の勝沼、塩山や笛吹市の一宮、御坂、春日居などと並んで果樹の一大産地。桃は早生の白鳳系がほぼ終わり、白桃系にバトンタッチする。葡萄は露地モノのデラウエアーが本格的な出荷期を迎えた。既に終わったハウスもののデラウエアーと、こちらもバトンタッチだ。私が住むこの辺りは旧村の岩手地区と言うのだが、今では立派なサクランボの産地。先発の南アルプス市の白根一帯と肩を並べ、日本の伝統産地・山形の前座を立派に担っている。今年はその役割を終え、もはやシーズンオフ。





 果物はおしなべて日照時間が成否の鍵を握る。暑い夏は生産者にとっては大歓迎。連日の猛暑は桃や葡萄の糖度を文句なしに上げてくれるのだ。でも、そうは問屋が卸してくれないのが、これまた生産者の宿命。春先の天候不順のツケが回って来ているのだ。「20日会」といって毎月20日に開いている無尽会に集まって来るオジサンたちの顔色はさえない。春先の天候不順がさまざまな悪影響をもたらしているのである。お天道様のいたずらだ。



光



 「20日会」のメンバー18人のほとんどは果樹農家の主。この時期だからお酒を酌み交わしながらの話題と言えば、桃や葡萄など果樹の出来栄え。共通しているのは桃の核割れと葡萄の病気による被害。核割れというのは文字通り桃の種が割れてしまう現象。おとぎ話の「桃太郎」では話になるのだが、現実の世界では、商品価値はゼロになってしまうのだ。一方、葡萄の被害は梅雨の時期、長雨が続いたため度重なる消毒も効き目がなかった。消毒をした後、雨除けの傘をかけた葡萄園はどうやら助かったが、房作りと並行しての忙しい盛りだから、ほとんどが、そんな早業は無理だ。特に「甲斐路」など赤系の葡萄に被害が多いという。「そんなこと、俺たちにゃあ関係ないよ」。そう言う消費者もお出でだろうが、やがての店頭価格に反映されることは必至なのだ。


モモ


 葡萄に限らず、果樹の生産には消毒が欠かせない。それでメシを食っているのだから、消毒の手を抜くことはない。しかし雨だけは、どうにも為すすべがない。少なくとも半日は晴れてくれないと効き目がないのだ。タイミングを間違うと、せっかくの消毒も雨に洗われて水の泡に。我が家の場合、ズボラが故で柿の消毒を一度手抜きしたら結実後間もなく、ほとんどが落果してしまった。病害虫は人間が隙を見せれば確実につけ込んでくる。




 「20日会」の仲間達に限らず果樹栽培農家の多くは葡萄、桃、サクランボ、スモモといった具合に作付けの中心を単体に絞っている。いわゆる集約型の栽培だ。例えば桃。早生種の白鳳系、奥手の白桃系といった具合に栽培品種をばらつかせて労力配分するのである。サクランボは佐藤錦、高砂を中心に数種類だが、葡萄や桃の品種は多岐にわたる。


サクランボ


 百姓はお天道様と仲良くしなければならない。熱かろうが寒かろうが、それが宿命なのだ。寒い、暑いはいい。ただ、その時期やリズムが狂うと百姓は痛い目に遭うのだ。春先の暑さや寒波、梅雨時の連続降雨。恨めしく思ったところで、相手がお天道様だから喧嘩にもならない。ビールやお酒を酌み交わしながら話すオジサンたちは「今年はダメさ」と不本意ながらも諦めざるを得ないのである。でも心の内は穏やかではない。




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ダイエットとビール

無尽会


 仲間に入れていただいている無尽会の一つに「20日会」と言うのがある。私が住まいする山梨市の旧村地区のオジサンたち18人の集まりだ。わずかに50代もいるが、67歳の私なんかまだ若い方の部類。ほとんどが70代で、中には80代の方も何人もいる。この辺りは果樹地帯だから葡萄や桃、サクランボなど果樹農家の主がほとんどだ。「20日会」の名の通り毎月20日に地区内にある大衆中華料理店で開く。開始時間は冬時間と夏時間があって今は夏時間の午後7時。ギリギリまで果樹園で仕事をし、風呂やシャワーで汗を流してから集まって来るのだ。ちなみに冬時間は6時。


さくらんぼ



 生ビールの大ジョッキで乾杯。それにしても暑い。7月23日は大暑。暑いわけだ。その分、一気に飲むビールが五臓六腑に沁みわたる。うまい。暑い中での仕事の後だけに、至福の時と言っていい。勢い、「もう一杯」とジョッキは進む。


ジョッキで乾杯


 山梨はここ連日、36度を超す猛暑日。「本当に暑いね」。みんなの挨拶代わりだ。どの農家も暑さ対策はしている。忙しい盛りだから、熱中症にでも罹ったら元も子もない。みんな涼しいうちに仕事をし、暑い最中の日中は家の中にいるのだ。だから朝が早い。午前4時には畑に出て、遅くも9時には午前中の仕事を終えるのだという。午後は暑さが少しでも和らぐ4時ごろから畑に。「20日会」の日は無理だが、今の時期、7時過ぎまで明るいので、それでも3時間以上仕事が出来る。暑い時間帯を避けて8時間は仕事をしている勘定なのだ。





 これが篤農家、と言わないまでも当たり前の仕事の仕方。ところがバカな私は、いつもその逆をやっているのだ。「こんな暑い時期に働いたら身体を壊しますよ」。いつも近所の人から笑われる。「なあ~に。我慢。我慢。ダイエットですよ。こうして汗を搾れば・・・」。言い訳というか、強がりを言って見せるのだが、何のことはない。朝早く起きることが出来ないだけだ。サラリーマン現役時代の癖が未だに残っていて夜型人間から足が洗えないでいる。7時も過ぎた頃、ノソノソト起き出して、朝飯を食べ、さて少しは仕事をしないと、と腰を上げた時には8時半、9時。農家もどき、大した農家ではないのでそれもいいが、普通の人たちとは全く逆。でも12時半ぐらいまで、時間だけはみんなと同じだけ仕事をすることにしている。




 「お父さん、水分を摂らないと熱中症になるんだってよ」



 かみさんが冷えたペットボトルの水に食塩を入れて持ってくる。その水がうまいこと。一気に飲み干すのだ。塩ばかりでなくレモン汁も入っているのか。かみさんの計らいもまんざらでもない。木陰のペットボトルは一服の清涼剤だ。ふと見上げたら百日紅(さるすべり)に紅い花が。植え込みからは蝉の声が。暑い夏は秋への序走路をも意味する。今年もそんな時期を迎えた。向こうの御坂山塊にはもくもくと入道雲が。大きな富士山をすっぽり隠していた。


雲  

 さて、あと一稼ぎするか。そこにはぐ~たらオヤジの魂胆がある。昼飯の前に飲むビールだ。シャワーを浴び、ぐっと飲み干す昼間のビール。夜の「20日会」の生ビールの比ではない。ただ、この一杯でダイエットは帳消しだ。


ビール


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百姓の方便(再)

畑



 草生栽培だとか雑草との共生、という言葉をよく聴くようになつた。農家、または≪農家もどき≫の人たちの間にである。100歩譲って草生栽培はいいにしても、雑草との共生で農作物が出来る訳がない。「雑草のように強い」と人にも例えられる言葉があるように雑草は逞しい。その雑草の中で農作物が育つ訳がないからだ。どんな野菜だってその周りの雑草を取ってやらないと雑草に食われてしまうのである。




 友人に≪自然との共生≫や≪エコ≫をライフワークに考えている男がいる。その考え自体は素晴らしい。しかしよく分からないのは自然との共生が≪正義≫だからジャガイモやかぼちゃ、たまねぎを撒いても、肥料もやらなければ、雑草も取らないのである。ましてや、除草剤なんかもってのほかだ。


野菜づくり



 その畑を見たことがある。畑は一面草ボウボウ。ジャガイモやかぼちゃはよく見なければ分からないほど雑草の中に見事に埋没していた。今もその方法で野菜作りをしているかどうか分からないが、その畑は山間にあって、周りの畑も草ボウボウ。いわゆる遊休農地である。仲間の畑は農業後継者がいない、その遊休農地の一角をただ同然に借りたのだそうだ。ここなら草ボウボウにしていても近所から苦情も来るわけもないし、とヘンなところで納得したものだ。




 ただ、ここで思ったのは遊びの野菜作りといったら、その友人に叱られるかも知れないが、それと、農業で飯を食っていくということは、まったく別ということである。≪自然との共生≫≪エコ≫はこの友人の哲学といっていい。その哲学と実践を引っさげて、あっちこっちで講演をしたりもする。その頃、車もごく小さなものに乗り、そのどてっぱらにはエコを訴える大きな文字を書き込んでいた。


畑2



 そこまでは良かった。その車のわきで、私と立ち話をしながら、道路わきの畑で実る桃を横目に「この桃だって無農薬で作らなきゃあいけん」と、ぶった。そこをたまたま通りかかった農家の親爺らしき男はカンカン。目をむいて、こう言った。


桃


 「てめえら、何様だと思っているんだ。消毒をしちょだって?桃にゃあ灰星病というやつがすぐ着く。俺たちが消毒をしなかった、輸送中にみんな駄目になっちまって、消費者の口にゃ入らねえんだ。第一、俺たちゃあ、これで汗水たらし、飯を食ってるんだ。何も知らねえで、勝手なこと言うんじゃねえよ」



 私はもちろん、友人も一言の反論も出来なかった。





 さて草生栽培というやつだ。桃、葡萄、サクランボなど果樹園ではいいが、野菜作りでは成り立たない。果樹園での草生栽培にしても農家の方便のような気がしてならない。果樹栽培はだんだん高度化し、その一方で手間もかかるようになった。草に追われる農家は草退治に手が回らず、いっそのことと、草との共生を考えたのではないか。草生栽培といっても時を見て、草刈をしたり、除草剤を撒いているのである。らちもない事ばかり言うと「百姓もどきが、つまらぬこと、言うんじゃあねえよ」と叱られそうだ。




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貴腐ワイン

 ちょうど35年くらい前のことだ。今は故人となられたが、当時、サントリーの名物社長だった佐治敬三氏を囲んで貴腐ワインを頂いた。しこたま、と言ったら品がない。惜しげもなくといった方がいい。まだ30代も半ば。ただでもアルコールに弱い方ではなかった上、無作法や失礼をも省みず頂いてしまったのだろう。甲府市のある有名ホテルの座敷だった。


佐治敬三氏
佐治敬三氏
画像・すべてサントリーHPより


 サントリーは当時、日本で初めて貴腐ワイン作りに成功。立場柄というか仕事柄というか、発売前の試飲会にお招きを受けたのだ。貴腐ワインの原料は言うまでもなく貴腐葡萄。貴腐というのは完熟した葡萄の実にポトリティス・シネレア菌が付着、果実の水分が蒸発して糖度が高まる珍しい現象。もちろん、そこには気温や湿度など気象、気候上の複雑な条件が絡むことは言うまでもない。


ワイン樽


 この貴腐葡萄で醸したワインは専門家の間でも「ワインの帝王」と呼ばれ、それが醸しだす甘味と風味が、その希少性と共に珍重されているのだ。ポトリティス・シネレア菌がもたらす貴腐葡萄を発見、初めて貴腐ワインを世に出したのが山梨県北巨摩郡双葉町(現甲斐市)のサントリー登美の丘ワイナリーである。当時は確か、サントリー山梨ワイナリーと言った。試飲会だからサントリー関係者はともかく、一般人では最初に貴腐ワインを口にした一人であったことは間違いない。

貴腐ワイン

貴腐ワイン「登美ノーブルドール」


 さて、その貴腐葡萄なるもの。貴腐ワインを試飲しながらポトリティス・シネレア菌云々の説明を聞いていた一人がこれまた失礼にも「これって、ぶどう作りの失敗作じゃあないの?」と言った。試飲に招かれた人たちのほとんどは葡萄作りなどには縁のない人達ばかり。でも、正直言って私もそう思った。葡萄の産地に生まれ育ち、少なからず、葡萄作りに携わった経験があるからだ。ポトリティス・シネレア菌などと難しいことは分からないにしても確かに、そんな葡萄は我が家の葡萄園にも。言葉を変えれば発生した。しかし、栽培農家の間では、より高品質な葡萄作りを目指し、品種改良をする一方で、病害虫や病原菌を駆除するための消毒を徹底するようになった。この話はワイン醸造用の葡萄ではなく、生食用のことである。当然のことながらポトリティス・シネレア菌だって死滅する。


収穫   貴腐葡萄
「貴腐まじりの葡萄の収穫」      「収穫された貴腐葡萄」



 つい先頃、中国は上海や千葉の柏から来た友と一緒に訪ねたサントリー登美の丘ワイナリーで、若かりし頃を思い出しながら、貴腐ワインをかみさんにも飲ませてやりたいし、友たちにも土産に持たせたかった。希少価値だから高価であることは分かっている。ところが、そこにあった貴腐ワインのお値段は20数万円。0が一つどころか二つも違うのだ。一瞬、「お土産・・・」の「お」の字を飲み込んだ。もちろん高価といっても3万、5万のモノだってあるのだろう。しかし、そこは所詮貧乏人の性。思わず手が引っ込んだ。女房だって貧乏人の連れ合い。「お父さん、もったいないわよ」と言うに決まっている。




 貴腐ワインは高嶺の花であることは確か。でも女房ぐらいには思いっきり飲ませてやりたいと思う半面で、自分の若かりし頃と、その後も何度かお目にかかった佐治社長の温和なお顔を昨日のことのようにまぶたに浮かべ、赤面の至り、顔が熱くなった。





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梅雨と葡萄

  どうやら梅雨が明けた。それにしてもよく降った。梅雨だから、といってしまえばそれまでだが、西日本一帯では、その梅雨前線が集中豪雨をもたらし、あっちこっちに被害のツメ跡を残した。山梨のこの辺りの葡萄栽培農家は、房作りや消毒作業が思うように進まず、日増しに房を大きくする葡萄棚を尻目に梅雨空を恨めしそうに見上げた。

山梨の葡萄棚
山梨の葡萄棚


 実はこの梅雨と葡萄棚は無縁ではない。フランスやイタリアなど世界各地で見られる葡萄の栽培方式は、いずれも立ち木。棚で栽培する方式は日本だけといっていい。山梨にお出でになった方々ならご存知だろう。平地といい、傾斜地の山付き地帯といい、みんなによる栽培なのだ。もちろん山梨ばかりではない。お隣の長野もそうだし、梅雨のない北海道を除いて、みんなこの方式である。先頃、中国や千葉からの友人と訪ねた山梨県甲斐市のサントリー登美の丘ワイナリーに見られる立ち木の葡萄園は全体から見れば稀なのだ。


サントリーの葡萄畑  
サントリー登美の丘ワイナリー 立ち木の葡萄畑
HPから


 その理由は紛れもなく梅雨。葡萄が房を形成、成熟へ向かおうとする6月から7月、日本列島は毎年、梅雨の洗礼を受けるのである。降った雨は当然のことながら地表から跳ね上がる。立ち木の栽培方式だと跳ね上がった雨露は葡萄に何らかの病気をもたらす。そこで先人たちは葡萄の木を棚に仕立てて、枝や葉っぱを地表から離したのだ。棚栽培の場合、面での栽培なので品質の向上ばかりでなく、商品品質の平均化も図ることが出来る。


葡萄


 ワイン原料ならまだしも生食用の場合、日本人は味ばかりでなく外見にもこだわる。だから病害虫による傷物は商品価値を確実に落とす。価格にストレートに跳ね返る訳だから、生産者が棚栽培をするのは、いわば当たり前。個々には栽培面積が狭いので、付加価値の高い生食用でないと採算が合わないのである。ワイン原料用なら品質に拘らない立ち木栽培でもいい。しかし価格が安いワイン原料用の葡萄栽培ではメシが食っていけないのだ。


ポスター

「赤玉ポートワイン」宣伝ポスター と サントリー創始者・鳥井信治郎氏



 ワインには赤と白がある。その違いは原料ばかりでなく製造工程に違いがあるのだ。白ワインは原料葡萄を破砕、皮や種を取り除いた果汁だけを発酵させる。これに対して赤は皮や種ごと圧搾して発酵させるのだ。このため皮や種に含まれるタンニンが含有されるので赤ワイン独特の、あの渋味が味わえるのである。渋味もなく、まろやかな味わいの白に対して、独特な渋味が≪コク≫を感ずる赤。それぞれの好みだが、葡萄の産地で生まれ、赤ワイン製法の密造酒で≪鍛えられた≫せいか、どちらかというと赤の方が好き。赤ワインの原料がベリーAなど赤系の葡萄であることは言うまでもない。


赤ワイン
サントリーワイナリー・HPより


 ≪通≫の人たちは料理によっても白、赤を飲み分ける。例えば、肉料理と魚料理がそれだ。繊細な味が特徴の和食にも言える。ワインに限らず、日本酒や洋酒など幅広いお酒にも言えることだろう。和食のようにシンプルな料理と脂っこい中国料理やロシア料理ではアルコールの度数とも相関関係を持つ。わが国で日本酒が古くから飲まれて来たのも、その食文化によるものである。見学させて頂いたサントリー登美の丘ワイナリーのセラー(貯蔵庫)では無数といってもいい瓶詰めされた5年、10年、20年もののワインが熟成を待っていた。子供の頃、盗み酒をした自家製の密造斗瓶とは風味も品格も異なるのだろう。


ワイン蔵     ワイン樽


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遠方より友・・・

ビアガーデン
ビールで乾杯!


 「カンペイ」「カンペイ」。何度も何度も杯を交わした。懐かしい友、心の通う友と酌み交わす酒はうまい。一人は中国の上海から、一人は千葉県のからやって来た。いずれも奥様をお連れしての来訪で、ニ泊三日、山梨市の我が家で足を休め、夜は和やかにお酒を酌み交わした。中国式の乾杯は酒席を盛り上げてくれる。





 中国からの友は51歳。若い頃、サントリー社に務め、東京や大阪で生活したことがあるというだけあって日本語も上手に話す。今は中国や香港とサントリー社の間にあってウーロン茶の商社活動をしている。一方、千葉からの友は私と同い年の67歳。上海に進出した古河電工の現地法人の社長を昨年引退したばかりの男。この春、私達夫婦の中国行きのきっかけを作ってくれた方だ。現地、上海などを案内してくれたのが一方の中国の友である。



上海
上海・周庄


 この二組の夫婦の案内で上海や蘇州を気ままに歩き、夜は四川料理や広東料理を囲んで、老酒やマオタイ酒で乾杯した。「今度は日本の山梨の我が家でやろう」。そんな約束が実現した。もう永い付き合いの千葉からの友はともかく、中国からの友はわずかな期間の出会い。でも古くからの友人のような気がする。人の心の通いとは不思議なものだ。




 サントリーは、お酒をお飲みになる方々だったら誰でも知っているお酒のメーカー。ウイスキー、ブランディー、ワイン、ビール・・・。ウイスキーは拠点工場の一つに京都の山崎が。「山崎」というブランドもある。さらに昭和40年代には山梨県の南アルプス山麓にある白州町(現北杜市)に新たな拠点を設けた。その「白州」ブランドも定着した。一方、ワインは山梨県に古くから拠点を置いている。その登美の丘ワイナリーは100年の歴史を持つ。双葉町(現甲斐市)の登美丘陵にあって「登美」「登美の丘」「登美の詩」といったブランドも。ビールはキリンやサッポロ、アサヒに比べれば後発だ。


登美の丘サントリーワイナリー
サントリー登美の丘ワイナリーHPから


 そのサントリー登美の丘ワイナリーを訪ねた。案内したというより中国の友がほんの一時期とはいえ携わったこともあるところだから、案内してもらったといった方がいいかもしれない。何年ぶりかにワイン博物館や工場見学をさせていただいたり、肉料理や魚料理を囲んでワインもしこたま戴いた。もちろん真昼間だ。昼間の酒はうまい。眼下に広がる甲府盆地、その向こうに浮かぶ富士山、右手には南アルプス。富士山の反対側には八ヶ岳が。そんなロケーションの中で戴くワインの味はまた格別。杯も進もうというものだ。


ワイナリー食事
登美の丘サントリーワイナリーレストラン「ワインテラス」にて


 広大な登美丘陵を埋め尽くすようなブドウ農場にはまだ小さく青いワイン原料用のブドウが秋の収穫に向け実を膨らます。山梨県を中心としたブドウは棚による栽培方式。しかし、ここではフランスやイタリアなど外国に見られる立ち木栽培を取り入れた農場が目立つ。広大な丘陵に広がる、その栽培様式はヨーロッパを髣髴とさせてくれる。


登美の丘

サントリー 登美の丘ワイナリーHPから


 サントリーの佐治敬三社長(故人)の懐近くにいたこともある、この≪遠方からの友≫は、ワイン博士といってもいい同ワイナリーの所長と和やかに話していた。でも、この男の専門はウーロン茶。我が家でも酒を酌み交わしながらのウーロン茶談義になると目の輝きを変える。そのウーロン茶、いつの間にか私達日本人の生活にしっかり根付いた。


烏龍茶


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数字の好き嫌い

数字


 食べ物に好き嫌いがあるように人間には数字にも好き嫌い
が。嫌いの方(ほう)は「あえて言えば」の類でしょうが、意識的に避けている数字もある。例えば、病院は「4」と「9」の部屋番号を避けているところが多いことにお気づきだろう。病院が嫌うというのではなく、そこに入院する患者さんが嫌うからだ。




 全くのこじつけだったり、縁起担ぎだったりするのだが、「4」は「死」に、また「9」は「苦」に結び付けてしまうのだ。アパートやマンションの中にもそんなところがないでもない。ただ頭の数字は、その建物のフロアー(階)を現すから、一概に避けたり、嫌ったりするわけにはいかないこともある。

マンション


 車にはナンバープレートがある。ここでも「4」と「9」は嫌われ者。日本では一般の車両ナンバーは4桁。そのうち前の2桁であれ、後ろの2桁であれ、「4」と「9」がセットになったりすると、これもやっぱり「死」「苦」で忌み嫌うのだ。これを「死ぐ」に語呂合わせしてしまうと、やっぱり穏やかではない。車は大なり小なり交通事故の危険と隣り合わせ。普段、数字のこじつけや縁起かつぎになんか無頓着な人でも周りからそんなことを言われると、気味悪く思ってしまう。




 今は車のナンバーを選べるシステムになっているので、そんなことの解消は簡単。「俺、陸運に行ってナンバーを変えてもらってきたよ」という知人もいた。車のナンバーには一番頭に〇〇と、その地域を特定する文字が入っている。いわゆる「〇〇ナンバー」といわれるものだ。山梨、静岡両県の富士山麓には「富士山ナンバー」が創設されて、珍しさも手伝ってか、ちょっとした人気。車のナンバーは車両の登録エリアを意味するものだから、この〇〇部分は、選択の余地はない。そんな中でも例えば東京の「足立ナンバー」と「品川ナンバー」を比較すると「品川」の方が人気があるのだという。「品川」の方がスマートな印象があるようだ。「足立」の方々、ごめんなさい。

富士山



 一方、好きな数字はその人によってまちまち。「7」が好きな人もいれば、「8」や「1」などさまざま。中には誕生日の数字で競馬の馬券を買う人もいる。例えば4月12日生まれの人が「4番」「12番」というように、どんなレースでもその番号を一枚は買うのだという。ただ、そこには実力がモノをいうレース上の根拠があるわけではないので、ほとんどがハズレ馬券ということに・・・。でもまかり間違えると万馬券では済まされない。




 「ラッキーセブン」とか「末広がり」というように「7」や「8」は人気者だが、やっぱり日本人がその昔から好んで使うのは「3」だろう。お正月は「三が日」、やはりおめでたの結婚式は「三々九度」。極めつけは「三大〇〇」である。日本人は何でもかんでも「三つ」にまとめたがるのだ。「三大祭」「三奇祭」「三奇矯」「三大急流」「三大夜景」・・・。日本の「三大〇〇」は山ほどある。「3」という数字はそれなりの根拠もあるのだ。拍手の「三三七拍子」はリズム上の感覚、絵画や設計でいう「黄金法」も根拠がある。見事な空間をもたらす「鼎」も3本足。カメラの三脚は当たり前。共通点は安定感だ。




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数字の不思議

 世の中で絶対にウソを言わないのが数字。半面、摩訶不思議なのが数字かもしれない。かみさんにはいつも叱られるのだが、私は勝負事が大好き人間。パチンコや競馬、競輪・・・。勝負事と名のつくものはいっぱいある。これがいつの世も廃れないのは、人間がそもそも持っている本能のようなものに起因しているのだろう。


麻雀


 曜日にもかまわず、昼でも夜でも、何人かの仲間がいれば楽しめるのがトランプであったり、花札や麻雀。この中で麻雀は4人に限定されるが、3麻と呼ばれる3人麻雀も登場している。4人の仲間集めが難しい時、小回りが利くからいい。日本人の知恵が生んだゲーム方式の改良なのだろう。パチンコや競馬、競輪などは主催者が開催したり、店を開いてくれなければ楽しむことは出来ない。

花札


 この勝負事、全てに数字が絡むのである。茶の間でも楽しめるトランプ花札。松、梅、桜、藤、菖蒲、牡丹・・・。花札は1月から12月までの1年、つまり1から12までを絵札で表している。いずれも4枚ずつあるので、ワンセットは48枚。一方、トランプはというとA(エース)から10、それにJ(ジャック)、Q(クィーン)、K(キング)。13まであって、それぞれが4枚(ダイヤ、ハート、クラブ、スペード)あるから、こちらのワンセットは52枚。




 48枚の花札と52枚のカード。この間には何の因果関係もないように見えるのだが、実はれっきとした数字上での因果関係があるのだ。花札が1年を基調にしているとしたらトランプもちゃんと1年の数で構成されているのである。「そんなバカな」とおっしゃる方がお出でかもしれないが、そうなのだ。
トランプ

 トランプの総枚数52枚に1年12ヶ月、つまり12を乗ずると364。「この数字は1年に一日足りないじゃあないか」とおっしゃるだろうが、あと1枚を忘れていませんか。そう。ジョーカーだ。このジョーカーを加えると365。つまり1年365日に。ジョウカーのないトランプはない。数字を逆さから見詰めてみると面白いものだ。




 麻雀だって同じ。麻雀の牌は萬子、索子、筒子が1から9まで4個ずつで、合わせて108。それに東、南、西、北、白、發、中の4個ずつ合わせて28。合計では136個の牌がある。ゲームはそれを4人で13個ずつ持って14枚目を順番に切り替えながら聴牌を目指し、上がりを競うのである。4人が持っている牌の合計は52。これに1年12を乗ずると364。最後は上がり牌の1個を加えなければならないから、やはり365になるのだ。上がりが成立するのは一人だけ。その時の牌の数は必ず14なのである。



地球  


 ご存知のように地球は太陽の周りを365日かけて一周する。現在の暦であるグレゴリオ暦では、これを12ヶ月に分けている。一周360度を12等分すると30度。これを根拠に基本的には一ヶ月を30日に設定したわけ。一年12ヶ月、この「12」という数字は量の単位・ダースにも当てはまる。ひと頃、熱くなった競馬。今はすっかり足を洗ったが、この競馬にも「12」が見え隠れするのだ。レース距離の1,200m、その倍数の2,400mである。もちろんマイル戦もある。


馬   馬2   馬3


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栴檀とズボラ人間

栴檀


 栴檀は双葉より芳し、という。優れた人間は幼い時から普通の人とは違う、の例えだ。実際そんな人間がいるかどうかは別として、私のような人間には無縁な言葉であることだけは間違いない。正直言って栴檀という木に出遭ったのは、そんなに昔ではない。最初は現役時代、四国は高知県で開かれた、ある会議のついでに訪ねた高知城の一角。確か明治の元勲の銅像の脇に茂っていたものだが「これが双葉より芳し、の栴檀か」と、説明プレートを見ながらつぶやいたら、案内してくれた人は、いかにも自信なさそうに「俺にもよく分からんのだよ」。


高知城
高知城の栴檀


 それからしばらく経って山梨県の南部にある市川大門町(現市川三郷町)にある造り酒屋をお訪ねした時、高知城で見た同じ木に出遭った。その造り酒屋さんが出しているお酒の銘柄は「栴檀」。「やっぱり、これが栴檀か」。妙な所で納得させられた。その栴檀の木が今、週二回、ムチウチ症(頚椎捻挫)の治療で通っているリハビリ病院の庭にもいっぱい植えられている。みんな大きな木だ。先頃まで白い小さな花をつけ、今は青い実がいっぱい。秋には黒いモクのような実になる。ただ無知な私が納得できないのが、どうみても「芳しくない」のだ。


栴檀2


 首の牽引をし、OT(作業療法)、PT(理学療法)と呼ばれるマッサージ治療を受けながら窓越しに見える、その栴檀の木を見るともなく眺めながら、いつも釈然としない思いをしている。双葉より芳しいのなら、大きくなったって芳しいはずなのに・・・。ムチウチ症の治療とはそんなもの。どっちでもいいことを考えるヒマがあるのだ。大した事はないじゃないか、と思えばそうでもない。ムチウチ症というのはそんな疾患かもしれない。




 人間にはそんな定めがあるのだろうか。たまたまだが、昨日、山梨市役所で、山梨市青少年のための市民会議が開かれた。各界の代表で組織、さらに下部組織としての地区会議を設けている。間もなくやって来る夏休みを前に子供たちの非行防止を考えようというもの。当然、ここでは「双葉より芳し」の子供たちは議論の対象にはならない。


栴檀3


 考えてみれば、この組織も不思議な組織だ。長年続いていて大なり小なり非行をして来た子供が大人になり、真面目顔で子供たちの非行防止を考え、幾つものスローガンを掲げて、それを話し合うのである。「双葉より芳し」とは違う子供たちを指導するオジサンたちの「非行対策」はみんな「来た道」。少なからず覚えがあるから対策だって簡単。ところがこのオジサンたちに分からないのがケイタイやインターネット絡みの処方箋である。




 今の子供たちがやっているのは大人たちが考えている携帯(ケイタイ)なんかではない。つまり「モシモシ」の電話ではないのだ。そこに内蔵されたソフトや機能を自由に操って、さまざまな遊びもすれば、いじめもする。インターネットにも繋がるから、どこにでも≪潜入≫していく。面白いはずだ。しかし行く先には子供たちを蝕む≪罠≫が仕掛けられているかもしれない。そこでオジサンたちが頭を抱えるのがその対策。これまでやってきた悪書追放運動や喫煙、夜間徘徊の戒めなんかは分かり易いからいい。しかし「通ってきた道」ではないITの世界には戸惑うばかりだ。ところで注釈。「栴檀は双葉より・・」の栴檀はなぜか白檀のことを言うのだそうだ。そう聞けば「双葉より芳し」だけは頷ける。 でもなぜ「白檀」が「栴檀」? また分からなくなった。




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平和の鐘

鐘


 甲府盆地の一角から鐘の音が・・・。甲府の市街地を見下ろす高台にあるお寺の鐘楼で幼い子供たちやお年寄りが平和への願いを込めて鳴らした鐘の音である。




 「平和の鐘を鳴らそう」。全国の民間ユネスコ団体は平和への願いを鐘に託したこの運動を各地で繰り広げている。甲府市ユネスコ協会と山梨県ユネスコ連絡協議会は、あの忌まわしい65年前の甲府大空襲を記念して同じ日の7月6日、この催しを開いた。当時を知る人たちに聞くその日と同じように、この日も暑かった。取材にやって来たYBS山梨放送のカメラマンやキャスター、山梨日日新聞の取材記者の顔には玉の汗が。




 会場となったこのお寺さんは甲府市の北部、愛宕山の中腹にある瑞岩山円光院。戦国時代、武田信玄が制定したと言われる甲府五山の一つ。臨済宗妙心寺派の名刹で、信玄公の正室・三条夫人の菩提寺としても有名。今も1,300を超す檀家を抱えている。


円光院
円光院


 
  この日集まったのは主催者である地元甲府市ユネスコ協会、それに山梨県ユネスコ連絡協議会の役員はもちろん、近くの宮前保育園の園児、相川地区の老人クラブ、中高年の生涯学習グループ・山梨県ことぶき勧学院のメンバーなど約300人。えんじ色のベレー帽を被り、揃いの園服姿の可愛らしい保育園児50人が鼓笛演奏を披露したあと住職さんと「平和の鐘」を突いた。それを合図のように遠くからも、あっちこっちから鐘の音が。同じ臨済宗妙心寺派のお寺さんが呼び掛けに応じてくれたのだ。


鼓笛演奏


 「人間はみな≪破壊する心≫をどこかに持っている。それを戦争という恐ろしいことに発揮したら取り返しのつかないことになる。人の心を痛め、人間同士が殺しあう。そんな事が二度とあってはいけないし、この水と緑豊かな地球を壊してはいけない」




 法衣をまとった武田浩而住職は人間が本能的に持つ≪破壊する心≫の怖さを説き、「これからも平和希求の先導者であり続けたい」とも話した。




 「戦争は人の心の中に生まれるものであるから人の心の中に平和の砦を築かなければならない」


 ユネスコ(UNITED NATIONS EDUCATIONAL、SCIENTIFIC AND CULTURAL ORGANIZATION=国際連合教育科学文化機構)憲章の前文では、こう述べている。広島、長崎と二度もの原爆を受け、戦争の惨禍を身をもって体験した私達日本人が、敗戦と共にやって来た混乱と貧困の中で誰しもが抱いた平和への希求。それは悲願だったと言っていい。平和を希求するわが国での民間ユネスコ活動は1947年7月の仙台に始まり、京都に飛び火して、その火は野火のように全国に広がった。山梨も早い時期のひとつだった。



ユネスコ



 人間がそもそも持ち合わせている≪破壊する心≫は、何も全てが悪いものではない。悪しき前例や習慣を破壊してゆくことは大切なことだし、それをやらなければ進歩もなければ、快適な生活もない。しかし戦争という破壊は絶対にあってはならない。この日は「平和の鐘」を突いたあと、二人のお年寄りが自らの戦争体験を話した。空襲の中を逃げ惑う大人や子供。焼夷弾や機銃掃射でバタバタ倒れていく人たち。「二度と孫子にこんな体験をさせてはいけない」。そう話す二人とも75歳、80歳を過ぎていた。戦争体験は良くも悪くも風化してゆく。間もなく66回目の終戦記念日8月15日がやってくる。暑い夏だ。


鐘2


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一番を目指さなくてどうする

事業仕分け3


 「一番でなければいけないんですか?」。この言葉、このフレーズはテレビを見ていた国民にインパクトを与えた。政府がやって見せた事業仕分けで、その筋の官僚を相手にズバリ切り込んむ事業仕分け人の民主党のご婦人が天下り官僚に浴びせた言葉である。理屈抜きの、その痛快な切り込みに拍手を送った人もあれば「なんとご粗末なことを・・・」と、いぶかしげに受け止めた人も少なくないはずだ。




 このフレーズを生んだ事業仕分けという名の≪ショー≫は科学技術の開発関連。さすかに科学者は黙っていなかった。すかさず記者会見して真っ向から反論した。そこに並んだ科学者は当時、ノーベル化学賞を受賞したばかりの学者さん達だから、これまたインパクトは十分。結果的にはどうやらこちらに軍配が。


事業仕分け2


 日本人は何故か東大生や東大出身者を「頭のいい人」の代表のように決め込み、憧れを抱く一方で、それへの反発を心のどこかに隠している。そんな東大出身者が主流を占める官僚を心のどこかで快く思っていないのだ。人々の東大コンプレックス、官僚コンプレックスの表れなのだろうか。政治家は「政治主導」の名の元に力でその官僚を押さえつける。




 判官びいき。そんな人たちが事業仕分けという≪法廷の被告席≫に座っているのだから≪傍聴席≫の国民は、理屈なんかどっちでもいい。厳しく切り込めば切り込むほど痛快に思い、拍手もしたくなるというもの。もちろん、事業仕分けは事業の中身や予算の使われ方を赤裸々にし、ムダを省くのが狙い。そこに政府のパフォーマンスが見え見えとしても「無駄の排除」に反論の余地はない。テレビでやって見せる事業仕分けは一部分なのだが、私達は全てに事業仕分けのメスを入れてくれているような錯覚に陥って拍手してしまう。だからこのオバサマだって勢いヒロインにも。参院選の結果も見えようというもの。


事業仕分け


 でも「二番ではいけないいんですか?」の切り込みには、私のような凡人でも、「このオバサン何言ってるの」と首を傾げたくなる。誰でもが分かっているように日本は国土が狭く、資源もない国。それをカバーして生きるには一般的な技術もさることながら、特に科学技術の開発に力を入れなければならないことは絶対条件。その場合、一番を目指さない科学技術の開発なんてあるのだろうか。一番を目指しながらも結果的に二番だったり、三番だったりするのだ。逆に言えば一番を目指さなければ二番も三番もない。





 事業仕分け人のこのオバサンの口をついて出たこの言葉。実は日本のあっちこっちに顕在化している。例えば、小中学校の運動会。100m競争など全ての競技に一番、二番の順位をつけない学校が増えているのだそうだ。「子どもたちを差別してはいけない」という≪先進的な先生≫の考えが優先された末の現象だという。


事業仕分け4


 そんな風潮の中で育った人たちから見れば事業仕分け人先生が口にした言葉はむしろ正論かも。しかし、子供達から、人間から競争意識をもぎ取ったら・・・。むしろこの方が怖い。学校という社会を離れれば大なり小なり競争は付きまとう。人間は本来、動植物と同じように生存競争の中に生かされているのだ。




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富士登山

富士山
山中湖村HPから


 もう一度登ってみたい。富士山麓地方と甲府盆地を仕切る御坂山塊に裾野を遮られた富士山を窓越しに眺めながらそう思った。ついこの間まで真っ白だった富士山は、いつの間にか地肌を見せ、その量を減らした残雪が本格的な夏山シーズンの到来を告げ、3776mの山頂が手招きしてくれているように見える。




 茶の間のテレビでは山梨県側と静岡県側から山頂を目指す山開きの日の様子を伝えていた。7月1日。梅雨の合間。どうやら下界と同じように山頂も晴天。黄金に彩られた雲の上にご来光が。ヤッケに身を包んで白い息を吐く登山客が、まるで申し合わせたように一斉にバンザイを繰り返す。男性もいれば女性もいる。その顔はみんな、何の曇りもない爽やかな顔だった。

山開き
山梨日日新聞miljanから


 この一瞬が富士登山の醍醐味だろう。私にも分かり過ぎるほど分かる。もう50年近く前のことだろうか。初めて富士山頂に立った若かりしその時をオーバーラップさせながらテレビに映し出される登山者を見ていた。
登山者
山梨日日新聞miljanから


 山梨の片田舎を飛び出して東京で貧乏学生をしている頃だった。しゃら汚い下宿の四畳半で4、5人の仲間と安酒を酌み交わし、恐らく青臭い議論でもしていたのだろう。「山梨は富士山。案内しろよ」。「よ~し、行こう」。そこは若さ。話は簡単。たまたま翌々日が日曜日だったから、翌日の土曜日が決行日。新宿から当時はJRではなく、国鉄中央線に乗り、大月駅で私鉄の富士急行線に乗り換えて終点の河口湖駅で下車。




 その頃は今のように富士山自動車道「富士スバルライン」はなかったので、そこから登山バスで「馬返し」と呼ばれた所まで行って登山を始めるのだ。四合目か五合目に当たる所だろう。陽は西の空にとっぷりと落ちていた。懐中電灯を片手に夜の登山道を一歩一歩頂上を目指す。そこはバカさと言うか若さ。それ程苦しかった記憶もない。八合目か九合目の山小屋で仮眠した後、午前四時過ぎの日の出を想定、再び山頂へと歩を進めた。そこから先は今、テレビで放映されている光景と全く同じだ。みんな大人の背丈ほどの杖を。「金剛杖」と言うのだそうで、その六角棒には「八合目」「九合目」「頂上」といった具合に焼印を押してもらっていくのだ。

池田館
富士山表口八合目・池田館


 一合目、二合目・・・・九合目、頂上(十合目)。この物差しの当て方には諸説あるが、「灯油説」が有力。一升(十合)の灯油を灯りに山頂を目指した場合の消費量を高さに振り替えたというのである。富士山は信仰の山でもある。「富士講」は今でも全国各地にある。その昔、江戸八百八町には、おしなべてこの「富士講」があったという。「講者」達は富士の裾野・富士吉田市上吉田にある「御師」と呼ばれる宿坊に足を休めて身を清め、白装束で山頂を目指した。麓から登山したのである。今は五合目まで自動車道が伸びている。だから多くの人達の登山口は、この五合目。山頂は近くなった。




 この冒頭で「もう一度」と書いた。2度の富士登山は10代、20代。その頃の体重は52~3㌔。ところが今は89㌔近いメタボ人間だ。どう考えても「もう一度」は無理だよネ。


山開き2
山梨日日新聞miljanから


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ホテルの心遣いと富士の歓迎

富士

  緞帳のようなカーテンが開いたら、そこには窓越しにドでかい富士山が。懇親会場を埋めていた約400人のお客さんは一瞬、どよめきのような歓声を上げた。山梨県富士吉田市にあるハイランドリゾートホテル。2階に設けられたこのホールは富士山を望める一角が総ガラス張りになっていて、その迫力はホテルのセールスポイント。本物の富士山がまるで一枚の額に収まったように、それは見事に浮かぶのだ。


富士山  


 そこに集まっていたお客さんは、山梨県人権擁護委員連合会がホスト役になって開いた関東1都10県の人権擁護委員研究大会の参加者達。東京、神奈川、静岡、千葉、茨城、埼玉、栃木、群馬、新潟、長野の代表、それに地元山梨のみなさんだ。山梨や静岡の人たちにとっては、あって当たり前、いわば空気のような存在の富士山だが、普段、それを望めない地域の方々には何よりのご馳走。私のように甲府盆地の一角に住み、いつも見慣れていると言っても、裾野を前衛の御坂山塊に阻まれた富士山しか見る事が出来ない人もいる。だから見慣れた人間でも思わず歓声を上げたくなる。


太鼓


 富士山は古来、多くの人達が歌に詠み、絵や写真のモチーフにした。江戸期には浮世絵師の安藤広重が東海道五十三次で数々の富士を残し、葛飾北斎もダイナミックに富士を描いた。その後には横山大観が。生涯、富士山を撮り続けた岡田紅陽やその弟子・白旗史郎も好んでカメラを向けた。「富士には月見草がよく似合う」と「富嶽百景」の冒頭で書いたのは太宰治だ。その山麓に広がる青木ケ原樹海を一躍有名にし「自殺の名所」にしたのは松本清張の小説「波の塔」。さまざまの分野の人たちが、さまざまな作品を残している。そればかりでない。日本人は富士山を心の拠り所とし、霊峰、シンボルとして崇めた。





 新潟や長野、群馬、栃木など普段、その富士山を望むことの出来ない県からの参加者達は大喜び。ガラス窓越しに浮かぶ富士山を背に代わる代わる記念写真をデジカメに収めた。この日は梅雨の真っ只中の6月中旬。雨こそ降らなかったが、富士山は朝から雲に隠れていていたので感激もひとしお。拉致被害者の会・横田滋・早紀江さん夫妻の基調講演や人権をめぐる研究討議の後のひと時、夕暮れに向かう富士を地酒やワインのグラス片手に楽しんだ。翌日、エクスカーションで登った五合目でも富士山は笑顔でお客さんを迎えた。


横田さん
横田夫妻講演


 ハイランドリゾートホテルはJR中央線大月駅から私鉄の富士急行線で1時間足らず。一年中、若者達や家族連れで賑わう「富士急ハイランド」に併設されている。私なんか年齢制限で乗せてくれないが、遊園地には「世界一」と言われるスリル満点のジェットコースター「フジヤマ」もあって、今も首都圏を中心とした若者達の人気者だ。

   フジヤマ
   フジヤマ2


 「頭を雲の上に出し 四方のお山を見渡して 雷様を下に聞く 富士は日本一の山♪」



 そう、唱歌「富士山」の一節だ。7月1日は富士山のお山開き。ご来光を拝むファンが山頂を目指した。その数は日増しに増える。その富士山が今、ヒートアップしている。山梨・静岡両県が「富士山をユネスコの世界遺産に登録しよう」と、燃えているのだ。ただ自然遺産指定を諦め文化遺産指定に舵を切ったこの運動、一皮剥くと、まだまだ紆余曲折が・・・。




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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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