「ボケ防止」という言葉(再)
「いつもご厄介になりますね。夜遅くまでご主人をお借りしまして・・・」
「いや、いや、いつも遊んでいただいて済みません。いいじゃあないですか。高校時代のお友達が、何時までもこうして仲良く遊んでいる、羨ましいですよ。主人は『麻雀はボケ防止になる』といつも言っています」
週に一度は麻雀遊びでお世話になるお宅の奥さんにお会いしたら、奥さんはニコニコしながら、こんなことを話してくれた。私達は主に週末、毎週のように麻雀をする。一年は52週。ゴールデンウイークや、これに盆、暮れ、正月をプラスアルファーすると年間では恐らく60回ぐらいの数になるのだろう。一回が大体10時間前後。通算すると年600時間。バカな計算をしてみると、延べでは25日間ぶっ続けで麻雀に興じている勘定になる。
その楽しさが分からない方から見れば、「お前たちバカだねえ~」とお笑いになるだろう。現に、うちのかみさんもいつもこう言う。
「あなたはバカですねえ。8時間も10時間も、よく飽きずに出来ますね。時には徹夜もするんですから・・・。身体を壊しても知りませんよ。お歳を考えたことはないんですか。第一、あなたが無理やりお誘いして皆さんにご迷惑をお掛けしているんじゃあ・・・」
「いいじゃあないですか」。ニコニコ顔で、私に話してくれた友の奥さんもご主人に向かっては恐らく同じようなことを言っているのだろう。この奥さん、山梨県下一円にネットワークした自販機を舞台に清涼飲料を扱うご主人の販売会社を水面下で切り盛りしている。聡明で、明るく、微塵の屈託も感じさせない。日本舞踊の師匠で、大勢のお弟子さんも持つ。その教えを受けたお嬢さんも、今ではお母さんをしのぐ力を蓄えた。もちろん二児のお母さんだ。何度かその舞台を拝見させて頂いたが、それは見事。舞台が小さくさえ見えるほど素晴らしい舞を見せる。
「奥さん、大人だよなあ」。親しい友が故に、こんな冗談を言うのだが、この男だって麻雀が嫌いではない。残る面子は65歳定年で自らの特定局を退いた元郵便局長と、葡萄の産地・勝沼で一丁五反を超す葡萄園を栽培する篤農家の男。このレギュラー面子に、やはり日川高校時代の同級生やその知人が時々加わる。言ってみれば、年中、同級会をやっているようなものだ。
遊びの舞台は冒頭の友のお宅に特設された麻雀部屋。暑さ寒さも空調で程々コントロールされているし、自動の卓だから不自由もない。夜の飯も電話一本、出前が飛んでくる。週一度とはいえ、いいお得意さんなのだ。こんなブログを書いていたら手元のケイタイが。「今日はどう?」。いつもの電話だ。
清涼飲料の販売会社や葡萄園を営む友を除けば、いわば「毎日が日曜日」の人間だから、それ程ストレスがたまるわけでもないが、目に見えないストレスの解消には、これが一番。最近では言訳交じり、冗談交じりに「ボケ防止」などという言葉も。こんな言葉が出るようになったら人生寂しくなる。この麻雀と仲間の交流は何時までも続けたいと思っている。
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