甲子園への軍資金

日川+(2)_convert_20130731151055
日川高校HPより



 「日川高校同窓会の部活動後援会事務局です。電話でのご連絡で恐縮ですが、明後日(29日)午後6時半から理事会を開きます。ご出席をお願い致します。急なことなので、郵便による案内通知を出す余裕がありません」



 夏の高校野球で、母校・日川高校が甲子園行きの切符を手にした7月27日、そんな一本の電話が飛び込んだ。山梨県大会の決勝戦が終わって2時間と経たない午後6時前であった。電話の主は,会議の目的についての説明も省略。受け取る方もわざわざ説明しなくても甲子園行きの“軍資金対策会議”であることは嫌が上でも分かるのだ。


日川2_convert_20130731151256


 迎えて会議日の29日。まず,部活動後援会の理事会で基本的な“甲子園への助成”について確認した後、同窓会全体の役員、PTA役員などを含めた全体会議となった。普段は生徒達が使う視聴覚用の階段教室・約300席は満席。ここでも同校の甲子園出場への“熱さ”が歴然。




 松本純也校長、丸山公夫同窓会長は“軍資金集め”を促し,武井多加志教頭は、その具体的な方法を説明した。武井教頭は高校時代、重量挙げのチャンピオン。国体やインターハイなど数々の舞台で全国制覇を成し遂げた人物である。


日川3_convert_20130731151423


 同校の甲子園出場は3年ぶり、4回目。創立115年という歴史から見れば出場回数は決して多くはない。ここ30年も40年も公立高校は私学の台頭の前に屈し、その席を譲って来た。公立高校の中でも普通高校はほぼ全滅。それでも甲府工、甲府商など実業高校が気を吐き、どうにか公立の面目を保って来た。




 プロ野球選手も沢山生み出した。巨人軍の監督を務めた堀内恒夫氏(因みに7月31日、自民党参院議員中村博彦しの死去に伴い,参院議員のバッジを付ける)は甲府商出身。その甲府商も“堀内以降”陰を潜め、甲府工も今大会でシードされながらも私学の前に屈した。東海大甲府、山梨学院大付属、日本航空、日大明星、帝京第三、駿台甲府…。

日川4_convert_20130731151622



 そんな中での日川の甲子園出場。同窓会や地域が燃えない訳がない。29日の対策会議で掲げた7,000万円強の賛助募金目標額は達成するだろう。こんなことを書いている一方で、私のパソコンには、こんなメールが…。




 「嬉しいですね。日川高校が優勝して、甲子園に山梨代表として出場出来るとは、本当に“おめでとう”と言いたいです。そのうち、同窓生に寄付金の割り当てが来るでしょうが、みんなで協力いたしましょう」(石田功氏)




 「日川高校甲子園出場おめでとうございます。長く応援(勝ち進むことが)出来るよう祈っています」(石橋佳久氏)




 いずれも京浜地区の同級生仲間約40人に幹事役が一斉配信した「日川、甲子園出場」の“お知らせ”に対する返信の一部だ。


日川5_convert_20130731152118


 うちの女房でさえ茶の間のテレビで、亭主の母校の甲子園出場が決まった瞬間「お父さん、寄付金出さなければ、いけませんね」。夏の高校野球は一県一校。今度は母校の応援ではなく“おらが郷土の日川”の応援に。高校野球は全国、そんな楽しみ方がある。(次回へ続く)




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!
スポンサーサイト

同窓バカの甲子園Ⅱ

日川野球優勝_convert_20130729202821
日川高校HPより


 「勝ったぞ。甲子園だ」


 そんなメールが次々と。同窓バカは私だけでは無かった。高校野球で母校・日川高校の甲子園出場が決まった、その日、私のパソコンには、母校の山梨県制覇と甲子園出場の決定を喜ぶ幾つものメールが。


日川野球2_convert_20130729201853


 その一つ。東京で毎月一度、昼食会を兼ねて交流する京浜地区の同級生グループの万年幹事役・田村俊夫氏からのメール。


 「速報(望月旦君より):対日本航空戦決勝8-5で日川高校が優勝したそうです。嬉しいですね」


 このメール、京浜地区の仲間達約40人に一斉配信されていた。文面で見る限り、在京で、母校の優勝をいち早く知った望月氏の知らせを、すぐさま仲間達に。時間と距離を置いても在校生の活躍を素朴に喜ぶ同窓の心の内がいやがうえにも伝わって来る。


日川甲子園
山梨日日新聞より



 同じ同窓バカの私。この日、甲府の小瀬球場での応援を予定していたのだが、野良仕事が長引いて、あえなくテレビ観戦に。シャワーで汗を流し、ビールジョッキ片手に茶の間でのテレビ観戦と決め込んだ。この日の甲府盆地の気温は35度を超していた。



 茶の間には女房や娘夫婦も。何故か出身校はみんな違う。女房は甲府二高、娘婿は甲府西高、娘は甲府一高。甲府二高は甲府西高の前身だから、厳密に言えば女房と婿殿は同窓。そんなことは、どっちでもいいのだが、この日ばかりは、みんな“チャンネル権”を私に委ねてくれている。「日川が勝つといいわね」。家族とは阿吽の呼吸。このブログをお読みの方々と同じで、どこが甲子園に行こうと全く「どっちでもいい話」なのだが…。


日川野球_convert_20130729201532


 テレビの画面は,時折、スタンドの応援席も。カメラは全てをアップする訳ではないので定かではないが、スタンドの一角には松本純也校長や丸山公夫同窓会長もいるはずだ。丸山さんは今、人権擁護委員をご一緒させていただいているばかりでなく、旧知の真柄の先輩。松本校長はプロ野球・巨人軍の松本哲也選手の伯父。



 自らもスポーツマンで、日川高校時代は全日本級のラガーとして「花園」を沸かせ、大学では早稲田ラクビー部のキャップテンをも務めた。同窓会や部活動後援会の理事会などでご一緒するのだが、一見、そんなモサには見えない。


日川高校ほか+010_convert_20110428212502


 もう一人、あのスタンドのどこかに絶対にいるのが松本良一という同級生。これまで母校の野球応援を欠かした事がないという。週に一度は卓を囲む麻雀仲間の一人。親しい間柄だ。少々、“マイペース“が玉に瑕。「健康」だとか「疲れる」を口実にいつも“自分流”。でも、こと母校の野球応援となると一転、猛暑のスタンドもなんのその。根っからの同窓(日川)バカぶりを発揮する。勝沼から15キロ以上はあろう甲府の球場まで毎度、足を運ぶのである。



 それが学校であれ、職場であれ、「同窓」という二文字の根底には、人それぞれが歩んだ“時間”と青春へのノスタルジーがあるのかも知れない。(次回へ続く)



ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

カブト虫(再)

カブトムシ


 横浜に住む知人夫婦がやって来た。手には虫籠を。中にはカブト虫がうようよ。50匹ぐらいが入っていた。立派な角を持ったものもいれば、角のないヤツもいる。真ん中に置かれた桃に群がり、競うように果汁を吸っている。




 「こんなに沢山のカブト虫どこで採って来たの?」


 「甲州市の塩山です。桃畑にいっぱいいるんですよ」


 「へえ~・・・」


 この二人、夫婦だから、もちろん子供ではない。二人とも40歳近くになるれっきとした大人である。ご主人がカブト虫大好きのようで、日曜日の未明、横浜の自宅を山梨に向けて車で出発。予め話をつけておいた桃畑に直行したという。未明の出発を試みたのは夏の行楽シーズン真っ只中。交通渋滞を避ける意味合いもあった。

虫かご


 「これだけ獲るのに、そんなに時間はかかりませんでしたよ」


 「そんなに沢山いるの?」


 「それがいるんです。木の下に落ちた果熟の桃に一匹、ニ匹と・・・。まるで桃に喰らいつくように、甘い汁を吸っているんです」




 栽培農家は、農協―市場―小売店という流通ルートの所要時間を想定、果肉が硬い未熟のうちに出荷する。完熟してしまった桃は商品にならないのだ。傷物と一緒にジュース用に回されるか、畑に落ちて腐ってしまう運命なのである。カブト虫にとっては格好のご馳走ということになる。出荷期を控えた農家は大分前から消毒をしないので、カブト虫にとって身の危険もない。


桃


 カブト虫は、なにもお百姓さんに叱られないように落ちた不要の桃だけに群がるわけではない。これから商品になる桃にだって喰らいつく。農家にとっては招かざる邪魔者なのだ。「だから天敵駆除にも一役買っているわけ。農家の人たちも快く獲らせてくれました」。カブト虫少年ならぬカブト虫オジサンは真顔で話してくれた。




 私たち田舎者にとってはカブト虫など珍しくも何でもない。畑に行けば一匹や二匹出遭ったし、植え込みにもいた。夏のこの時期、夜、窓を開けていれば茶の間の灯りに誘われ、蝉やカナブンブンと一緒に飛び込んでも来た。クーラーなんかない時代である。春先から初夏の時期、農業用の堆肥置き場をかき回すと「のけさ」と、この地方では呼んだカブト虫の幼虫がいっぱい出てきた。大人の親指ぐらいの太さをした白濁色で、いつも丸くなっているのだ。「これがカブト虫に?」。子供心に不思議でならなかった。


虫取りあみ


 カブト虫やクワガタは、いつの世も子供たちの人気者。横浜からの知人のように大人だって惹きつけるのだ。デパートにはカブト虫コーナーがお目見えし、街角にもカブト虫ショップが。その多くはどこかで養殖しているのだろう。田舎の果樹園では生産性を向上させるための農薬が幅を利かす。当たり前にいたカブト虫は、そこから追いやられる運命なのだ。桃畑で獲れなくなるのも時間の問題だろう。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

一匹のハエ(再)

うちわ

 暑い。汗びっしょりになって野良から帰ったら、かみさんと娘がなにやら大騒ぎしているのだ。それほど広くもない茶の間をうちわ片手に飛び回っているのである。部屋の中は程よく冷房が効いている。



 「お前達、何やってるんだ?」

 「ハエよ、ハエ・・・」


 「たかがハエ一匹。大騒ぎすること、ないじゃあないか」

 「だって汚いじゃあない・・・」


ハエ


 見れば大きなハエが一匹。むきになって追い回す二人をあざ笑うように右に左に、上に下にと飛び回っている。ハエだって命は欲しい。バカな二人に易々捕まってたまるものか、と思っているのだろう。女二人とハエの闘いだ。第一、うちわなんかでハエが獲れるはずがない。女どもは単純だ。

ハエ


 「サッシ戸を開けてやれば外に逃げるじゃあないか」

 「ダメよ。こいつは死刑よ。絶対逃がさないわよ。絶対・・・」

 「勝手にしろ・・・」



 女は執念深い。


 この辺りは、山間部とまではいかないまでも山梨市の片田舎。そういえば、ここしばらくハエにお目にかかったことがない。かつては、わんさといたハエは、いったい何処に行ってしまったのだろう。子供の頃を思い出した。リフォームしてイメージこそ違ってはいるものの、夏のこの時期、我が家の部屋という部屋、ハエがブンブン飛んでいた。



 何処の雑貨屋さんにもハエタタキはもちろん、ハエ取り紙というヤツが売っていて、どの家でも1ダースのケースごと買って来るのだ。それを天井からぶら下げるのである。モチのような油紙にハエが張り付く仕組みなのだ。しばらくすると真っ黒になるほどハエが捕れる。実はこのハエ取り作戦も焼け石に水。ハエは次から次へと湧いてくるのだ。だから正直、ハエを気にしていたら一日も過ごせない。うかうかしていたら、ちゃぶ台(食卓)に置かれた麦飯ご飯もハエで真っ黒に。習慣とは恐ろしい。みんなビクともしなかった。ヘンな例えだが、ある意味で農村の風物詩のようなものだった。「わあ~、汚い」。娘はもちろん、農村育ちではない、かみさんはそんな話に顔をそむけるのだが、田舎育ちの私なんかハエ一匹、どっちだっていいのである。ハエ取り紙もハエ叩きも完全に姿を消した。


リボンハエ取り
リボンハエ取り


 農業形態や生活環境の変化が確実にハエを駆逐した。農耕用の馬や牛。それに家畜の豚や山羊、鶏もいなくなった。番犬として外で飼った犬もほとんど姿を消し、代わって可愛い猫や犬が座敷に上がった。米麦、養蚕に代わって家の周りを埋めた果樹園では病害虫駆除のための消毒が。ハエなんか住める環境ではない。目に見えるハエ。目には見えない消毒の影響。さて、どっちの方が・・・。かみさんや娘が追い回す一匹のハエを見ながら暮らしの変化を思い知らされた。ただ、いっぱいいるハエより、時々紛れ込む一匹のハエの方が確かに気になる。不思議だ。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

お天道様のいたずら

デラウエアー
デラウエアー


 山梨市のこの辺りは甲州市の勝沼、塩山や笛吹市の一宮、御坂、春日居などと並んで果樹の一大産地。桃は早生の白鳳系がほぼ終わり、白桃系にバトンタッチする。葡萄は露地モノのデラウエアーが本格的な出荷期を迎えた。既に終わったハウスもののデラウエアーと、こちらもバトンタッチだ。私が住むこの辺りは旧村の岩手地区と言うのだが、今では立派なサクランボの産地。先発の南アルプス市の白根一帯と肩を並べ、日本の伝統産地・山形の前座を立派に担っている。今年はその役割を終え、もはやシーズンオフ。





 果物はおしなべて日照時間が成否の鍵を握る。暑い夏は生産者にとっては大歓迎。連日の猛暑は桃や葡萄の糖度を文句なしに上げてくれるのだ。でも、そうは問屋が卸してくれないのが、これまた生産者の宿命。春先の天候不順のツケが回って来ているのだ。「20日会」といって毎月20日に開いている無尽会に集まって来るオジサンたちの顔色はさえない。春先の天候不順がさまざまな悪影響をもたらしているのである。お天道様のいたずらだ。



光



 「20日会」のメンバー18人のほとんどは果樹農家の主。この時期だからお酒を酌み交わしながらの話題と言えば、桃や葡萄など果樹の出来栄え。共通しているのは桃の核割れと葡萄の病気による被害。核割れというのは文字通り桃の種が割れてしまう現象。おとぎ話の「桃太郎」では話になるのだが、現実の世界では、商品価値はゼロになってしまうのだ。一方、葡萄の被害は梅雨の時期、長雨が続いたため度重なる消毒も効き目がなかった。消毒をした後、雨除けの傘をかけた葡萄園はどうやら助かったが、房作りと並行しての忙しい盛りだから、ほとんどが、そんな早業は無理だ。特に「甲斐路」など赤系の葡萄に被害が多いという。「そんなこと、俺たちにゃあ関係ないよ」。そう言う消費者もお出でだろうが、やがての店頭価格に反映されることは必至なのだ。


モモ


 葡萄に限らず、果樹の生産には消毒が欠かせない。それでメシを食っているのだから、消毒の手を抜くことはない。しかし雨だけは、どうにも為すすべがない。少なくとも半日は晴れてくれないと効き目がないのだ。タイミングを間違うと、せっかくの消毒も雨に洗われて水の泡に。我が家の場合、ズボラが故で柿の消毒を一度手抜きしたら結実後間もなく、ほとんどが落果してしまった。病害虫は人間が隙を見せれば確実につけ込んでくる。




 「20日会」の仲間達に限らず果樹栽培農家の多くは葡萄、桃、サクランボ、スモモといった具合に作付けの中心を単体に絞っている。いわゆる集約型の栽培だ。例えば桃。早生種の白鳳系、奥手の白桃系といった具合に栽培品種をばらつかせて労力配分するのである。サクランボは佐藤錦、高砂を中心に数種類だが、葡萄や桃の品種は多岐にわたる。


サクランボ


 百姓はお天道様と仲良くしなければならない。熱かろうが寒かろうが、それが宿命なのだ。寒い、暑いはいい。ただ、その時期やリズムが狂うと百姓は痛い目に遭うのだ。春先の暑さや寒波、梅雨時の連続降雨。恨めしく思ったところで、相手がお天道様だから喧嘩にもならない。ビールやお酒を酌み交わしながら話すオジサンたちは「今年はダメさ」と不本意ながらも諦めざるを得ないのである。でも心の内は穏やかではない。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

料理への反応(再)

パスタ

 昼間、テレビのチャンネルを回せば、どこかで必ずといっていいほど料理番組をやっている。たわいもないといったら叱られるのだろうが、料理番組は主婦達の間で人気がある証拠だろう。うちのかみさんも真顔でテレビに向かい、そのレシピをメモにとっている。主婦の端くれだから、それはそれでいい。




 番組はタレントさんを使って出来立ての料理を食べさせて見せる。これも当然といえば当然。面白いのはここからだ。みんな「美味しい」「うまい」と表情豊かに身体全体で表現するのだ。そこはタレントさん。職業柄、演技は堂に入っている。10人が10人、100人が100人、間違っても「まずい」などと言う人はいない。中には口に入れるか入れないうちに「うまい」と、身体丸ごとを使って表現して見せるのだ。見ている方からすれば、それがいかにも白々しいのである。



ピザ



 食べ物は噛み締めたり、喉を通した後に初めてその味わいを実感するもの。タレントさんであろうが凡人であろうが、人間はみんな同じだろう。でも、それを端的に表現することは案外難しい。文字ならばさまざまな工夫で表現することが出来るからいい。しかし、言葉、しかも短時間というか瞬間的に表現することは大変だ。そこに引っ張り出されたタレントさん達の苦労が分かるような気もする。




 「うまい」「美味しい」がありふれていて≪味気ない≫と考えたのか、ひと頃、「甘い」という言葉が流行った。若い特に女性のタレントさんが「甘~い」と満面に笑みを浮かべて言って見せるのだ。見ている方、聞いている方からすれば、これが白々しいばかりか、えもいわれぬ違和感を感ずるのである。やっぱり、食べ物は「うまい」「美味しい」だろう。しかし、それを、いかにもうまそうに、美味しそうに表現するかがタレントさんや芸能人の真骨頂なのだ。おやっ、と思ったら最近、「甘~い」という言葉がピタッと影を潜めた。「甘~い」の乱発をディレクターさんから叱られたのかもしれない。


料理



 私には料理番組でこそないが、この食べ物に関係した番組で苦い経験がある。現役サラリーマンの頃、新聞社、放送局のハウス広告代理店の役員をしたことがある。山梨の大手生菓子メーカーが、ここぞと売り出した「信玄桃」という名の生菓子が、あるテレビキー局の番組に登場した。石鹸・洗剤の大手メーカーがスポンサーで、今でも続いている真っ昼間のバラエティー番組だ。テーブルに置かれたこの「信玄桃」を口にしたタレントさん、よせばいいのに「これ酢っぱ~い」とやってしまったのだ。


信玄桃


 たまたまだが、生菓子メーカーの社長も含めて新聞社、放送局の大口クライアントの社長さんをご案内して10日余りのヨーロッパ旅行から帰った日のことだった。そこは儀礼。会社には相次いでお礼の電話が。ただ一人、生菓子メーカーの社長の電話は違った。「会社に戻ったら大騒ぎ。うちの目玉商品をどうしてくれるんです」。早速、問題になった番組のビデオテープを見た。司会者の小堺一輝は何とかつくろったが、あとの祭り。キー局や、ましてやタレントさんだけのせいにしているわけにもいかない。キー局に抗議する一方で放送局の幹部を生菓子メーカーに飛ばして平身低頭したのである。因みに、そのタレントは後の番組から姿を消した。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

夫婦喧嘩(再)

 パンダの蘭蘭ではないが、うちの女房にはヒゲではなく、「トントン」「ブータン」という愛称がある。どうして「トントン」「ブータン」なのかを文字で書くと角が立つのでやめることにするが、その女房を呼ぶ時、この「トントン」などのほか「お母さん」と呼んだりする。

子豚

 これに対する返事で、女房の心中の雲行きが分かるから面白い。不機嫌なときはこうだ。



 「わたしゃあ、あなたのお母さんじゃないわよ」




 もっと雲行きが悪くなると「あなた」が「あんた」に変わるのである。おっしゃる通りで、俺のお母さんではない。お袋が元気な頃、私が女房を「お母さん」と呼ぶものだから、調子が狂ったのか目をパチクリしたものだ。「あんた、とはなんだ」と、ちょっと声を強めたら、言い過ぎと思ったのか口をつぐんだ。




 私の場合、大抵の事なら、怒らない。ただ、言い訳だけは嫌いだ。ちょっとした女房の言い訳がきっかけで口論、これがエスカレートして、いわゆる夫婦喧嘩になるのである。例えばこうだ。



 「こんな天気の日に、何も洗濯なんかしなくてもいいじゃないか」



 「しょうがないじゃない。雨ばかり降っているんだもの」



 「少しは後先、考えてやれよ」



 「考えてるわよ」




 「言い訳するな。少しは考えてやれ、と言っているんだ。バカめ」



 「バカとは何よ」




 「バカだからバカと言っているんだ」


洗濯物


 我が家の夫婦喧嘩はざっとこんな具合で、この場合、私が洗濯など、天気のいい時にやればいいのに、と、注意したのがきっかけ。たわいもない事から、ちょっとした口論となり、それがエスカレートするのである。「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」とはよく言ったものだ。





 その後を見ていれば分かるが、女房はかなりカッカとしている。しかし私の方は少しもカッカしていないのである。私の何気ない注意を≪売られた喧嘩≫と勘違い?したまでのこと。「考えてやれよ」と言われたときに「そうだよねえ」と言えば、そこで口論にも喧嘩にもならなかったはずである。





 私は結婚式の挨拶で時々こんなことを言うことがある。「夫婦だからこそ喧嘩する。どんどんすればいい。ただ喧嘩は売るもので、買うものではない。買わなければ本当の喧嘩には絶対にならない」と。八つ当たりして猫を蹴飛ばす、なんて話もあるものねえ。




 話のきっかけが何であったかは忘れたが、長野に行った時、道の駅の温泉で出会った大工の棟梁と名乗る親爺さんがうまいことを言ったのを思い出した。



 「女はとかく、目先だけでものを考え、後先考えずに直感でものを言う。だから怖いんだよなあー。そこへ行くと、男はそんなバカなことはしねえ」




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

百姓の方便(再)

畑  



 草生栽培だとか雑草との共生、という言葉をよく聴くようになった。農家、または≪農家もどき≫の人たちの間にである。100歩譲って草生栽培はいいにしても、雑草との共生で農作物が出来る訳がない。「雑草のように強い」と人にも例えられる言葉があるように雑草は逞しい。その雑草の中で農作物が育つ訳がないからだ。どんな野菜だってその周りの雑草を取ってやらないと雑草に食われてしまうのである。




 友人に≪自然との共生≫≪エコ≫をライフワークに考えている男がいる。その考え自体は素晴らしい。しかしよく分からないのは自然との共生が≪正義≫だからジャガイモやかぼちゃ、たまねぎを撒いても、肥料もやらなければ、雑草も取らないのである。ましてや、除草剤なんかもってのほかだ。


野菜づくり



 その畑を見たことがある。畑は一面草ボウボウ。ジャガイモやかぼちゃはよく見なければ分からないほど雑草の中に見事に埋没していた。今もその方法で野菜作りをしているかどうか分からないが、その畑は山間にあって、周りの畑も草ボウボウ。いわゆる遊休農地である。仲間の畑は農業後継者がいない、その遊休農地の一角をただ同然に借りたのだそうだ。ここなら草ボウボウにしていても近所から苦情も来るわけもないし、とヘンなところで納得したものだ。




 ただ、ここで思ったのは遊びの野菜作りといったら、その友人に叱られるかも知れないが、それと、農業で飯を食っていくということは、まったく別ということである。≪自然との共生≫≪エコ≫はこの友人の哲学といっていい。その哲学と実践を引っさげて、あっちこっちで講演をしたりもする。その頃、車もごく小さなものに乗り、そのどてっぱらにはエコを訴える大きな文字を書き込んでいた。


畑2



 そこまでは良かった。その車のわきで、私と立ち話をしながら、道路わきの畑で実る桃を横目に「この桃だって無農薬で作らなきゃあいけん」と、ぶった。そこをたまたま通りかかった農家の親爺らしき男はカンカン。目をむいて、こう言った。


桃



 「てめえら、何様だと思っているんだ。消毒をしちょだって?桃にゃあ灰星病というやつがすぐ着く。俺たちが消毒をしなかった、輸送中にみんな駄目になっちまって、消費者の口にゃ入らねえんだ。第一、俺たちゃあ、これで汗水たらし、飯を食ってるんだ。何も知らねえで、勝手なこと言うんじゃねえよ」



 私はもちろん、友人も一言の反論も出来なかった。




 さて草生栽培というやつだ。桃、葡萄、サクランボなど果樹園ではいいが、野菜作りでは成り立たない。果樹園での草生栽培にしても農家の方便のような気がしてならない。果樹栽培はだんだん高度化し、その一方で手間もかかるようになった。草に追われる農家は草退治に手が回らず、いっそのことと、草との共生を考えたのではないか。草生栽培といっても時を見て、草刈をしたり、除草剤を撒いているのである。らちもない事ばかり言うと「百姓もどきが、つまらぬこと、言うんじゃあねえよ」と叱られそうだ。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

孫ブログの波紋

130709-2_convert_20130711104029.jpg


 「おめでとうございます。ブログ、見ましたよ。お孫さん。可愛いですね」


 思わぬ所で,思わぬ方から,こんな言葉を掛けられた。所は毎週一度、昼食会も兼ねて開かれる山梨ロータリークラブの例会場。山梨市民会館の一室だ。何よりも嬉しかったのは,私の拙いブログをお読みいただいていたこと。


130710-2_convert_20130711104954.jpg



 「実は私の所も,お宅のお孫さんが生まれた4月を前後して3月と5月、相次いで孫が生まれましてね…」


 嬉しそうに目を細めた。



 「ブログでお孫さんの写真を見ていながら,一緒に添えられていた娘さんの赤ちゃん時代(40数年前)の写真にあまりにも,そっくりで,びっくりしました。親子は似るものなんですねえ…」



 孫という話題の共通項。立ち話は弾んだ。




 この方はJR中央線山梨市駅に近いところで大きな電気店を営むオーナー社長。年齢は私より6つ7つお若いのだが、ロータリークラブでは先輩。7~8年前、既に会長もお務めになった。物事を論理的に考えながらも,実に人間臭いところをお持ちになった方で、好感人のお一人だ。




 一度にお二人のお孫さん。この方に何人の子どもさんがおいでになるかは存じ上げないが、子どもが多いことはいいことだ。私のように一人娘の身からすれば羨ましい限り。娘は40過ぎ。いわゆる“高齢出産”。私たち夫婦の勝手な願いだが、後一人…。それこそ勝手な願望だ。


130709-3_convert_20130711104752.jpg


 我が国の出生率は低下する一方。最近の正確なデータを知らないが、1・25人前後だろう。昭和17年生まれの私の場合、兄弟は4人。明治末期生まれの父親、大正初期の母親は、いずれも9人兄弟だった。3世代で半減、半減。厳密にはもっと減っている勘定だ。もちろん単なる我が家のケースだ。




 日本の人口はどんどん減り、推計では1億人を割り込むのもそんなに遠い将来ではないという。その時代、時代の出生率と経済情勢には因果関係はないのだろうが、私たちの親たちや,その親たちの時代、経済環境は少なくとも今よりは貧しかった。そんな中でも沢山の子供達を立派に育てた。今のように「子供手当」などと言う制度もなかった。育てる親も逞しかったし、子供達も少なくとも精神的には今のように“柔”(やわ)ではなかった。



130709-1_convert_20130711104005.jpg
 


 子どもの頃の想い出なのだが、なんとしても理解し難いことがあった。明らかに年下の親戚の“おばさん”を年上である私の母親が「叔母さん、叔母さん」と、敬意を込めて呼ぶのである。後に理解出来るのだが、答えは簡単。兄弟が多いから上と下では20歳も違う事だって珍しくなかった。叔母、姪の関係に逆転現象が起きても不思議ではない。親と子で一緒に子どもを生んでいるケースだって。ただ言えるのは今のように“過保護”?な育て方をしている余裕はなかったに違いない。ロータリアン氏とのさもない孫談義のあと、ふとそんなことを思った。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

赤ちゃんの名前

京佳笑う_convert_20130709105624


 十数年前、歌謡曲「孫」を歌い、大ヒットさせた大泉逸郎は今、どうしているのだろうか。もみじのような可愛らしい手を握りしめ、大の字になってあどけなく眠る孫の顔をそっとのぞき込みながら、そんなことを思った。「いい歌だなあ~」。当時、茶の間のテレビに毎日のように登場して来る「孫」を耳にしながら、そのくらいの感覚で聞き流していたのに、初孫の誕生を機に、その歌謡曲「孫」が今、新鮮に蘇るから不思議。




 大泉は着流しスタイルで茶の間のテレビに登場して来た。今、流行(はやり)のイケメンでもなければ、タレント歌手でもない。ただのオジサン。そんな大泉のキャラクターなのか、それとも「孫」という歌の魅力なのか、十数年前の大泉を、なぜかよく覚えている。確か山形のサクランボ農家のオジサンだった。


京佳・_convert_20130709111324


 山梨のこの辺りは、ちょっとしたサクランボの産地。ハウス物から露地物と続くシーズン中には首都圏を中心にサクランボ狩りの観光客がバスで、わんさと、やって来る。7月の声とともに山梨のサクランボのシーズンは幕を閉じ、本場・山形にバトンを返す。山梨は植生上、サクランボの南限。そんな立地条件と、時間的な間隙を突いて山形の“前座”を担うのだ。




 大泉さんも忙しいシーズンを迎えるのだろう。何という名前か知るよしもないが、歌のモデルがいたとしたら,「孫」は、もう中学生くらいの歳になるはず。近年、子どもの名前は様変わりした。例えば、昔は男なら○○郎(朗…)、○○男(夫、雄…)、女なら○○子…など名付けのパターンのようなものがあった。銀行などの例だが、手続き書類の名前欄の記入例は「日本太郎」、「日本花子」だったりした。


京佳130709_convert_20130709173340


 ところが当世風の名前の付け方は一変。「郎」や「子」がつく名前など今では,全くお目に掛からなくなった。かつて我が子に「悪魔」と命名、ひんしゅくを買った親がいたが、コレは論外。若いお父さん、お母さん達は真剣に、それでいてのびのびと、奇抜な名前を付けている。




 「京佳」。私たち夫婦にとっては初孫の名前だ。娘達夫婦によれば「京」は高台の家を表す象形文字。人が集う場所を意味し、「佳」は美しい、を意味するのだとか。インターネットなどを駆使して二人で考えたのだそうだ。「いつまでもボコだと思っていたら、そこそこ、ちゃんと考えているんだ…」。内心、娘を見直しもした。




 実は娘に赤ちゃんが授かったことを知った時、うれしさの一方で「名前を付けてやらなければなあ…」と、内心、考えた。ところが、どうしてどうして、「心配ご無用」とばかり、私たちに名前を披露。私たち夫婦だったら,こんなしゃれた名前は付けられなかっただろう。一抹の寂しさの半面で、ホッとしたりもした。


P1000206(1)_convert_20130709173707.jpg
お宮参り


 お宮参りも済んで赤ちゃんは日に日に大きくなっていく。婿殿のご両親も孫の顔を見たがっている筈だ。若い二人は、そんなお父さん、お母さんをおもんばかって日曜日の午後、そのご両親の元に。孫を抱き、のぞき込む姿が目に浮かぶ。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

初孫

今日6月_convert_20130706175021


 「なんでこんなに可愛いのかよ♪」


 そう、歌謡曲「孫」の歌い出しのフレーズだ。十年以上前のことだったと思う。大泉逸郎が歌って大ヒットした。さらに、この歌は「孫という名の宝もの♪」と続く。



 言い得て妙。大泉さんの歌の通り、孫とは本当に可愛い。



写真(3)_convert_20130707183735


 一人娘が女の子を出産した。私たち夫婦にとっては初孫。娘は40歳を超している。いわゆる高齢出産。まさに、みんなの「宝物」だ。娘達夫婦は「京佳」と名付けた。我が家は、この赤ちゃんを中心に一日が動いている。生まれたのは4月10日。まだ90日足らずだ。



 「お父さん、ご自分のことは、ご自分でなさってよ」



 我が女房殿、母親である筈の娘にとって変わるかのように孫の世話に余念がない。亭主は二の次、三の次。おむつの取り替えもお風呂に入れるのも“先輩面”して懸命だ。娘達夫婦は、普段は甲府に住まいしているのだが、赤ちゃん出産後は山梨市の我が家に“逗留”。それどころか「そこのけ、そこのけ、赤子が通る」。我が家を席巻してしまった。


P1000212(1)_convert_20130706181538.jpg


 一時とはいえ、家族が増えることはいいものだ。普段は、私を追っかけて間もなく70歳を迎える女房と二人暮らし。夫婦喧嘩もめっきり減って、コレと言った刺激もない、平凡な毎日であった。しかし、一転して家族が倍に。娘婿も我が家から甲府の職場に通ってくれている。女房は、出勤しなければならない婿殿の朝飯はむろん、弁当も。いつもは「毎日が日曜日」の私相手だから起床時間に拘らなくてもよかったのだが、今はそうはいかない。嬉々として早起きするのだ。夜帰れば夕餉の膳を。ビール、ワイン…。料理も一品多い。亭主の私より待遇がいい。




 考えてみれば、私にもそんな時期があった。仕事柄、今の娘婿のように女房の実家から職場に通うわけにはいかなかったが、時折、覗く女房の実家は,居心地が良かった。私の実家とは、およそ待遇が違った。婿とはいいものだ、と一人ニンマリしたものだ。私が27歳、女房が25歳の時であった。


 kyou_convert_20130707181911.jpg



 娘には叱られるかも知れないが、孫と赤ちゃんの頃の娘とを比較するとすれば、孫の方がずっと可愛い。正直言って仕事に追われ、赤ちゃんをかまっている余裕もなかった。若気の至り。父親になった実感や自覚も乏しかったのかも知れない。



 「お父さん、こんな写真があったわよ」


 女房がニコニコしながら2~3枚の写真を持ってきた。娘の赤ちゃんの時のあどけないアングルだった。ギョっとした。写真の娘は,今、娘が抱いている赤ちゃんと、うりふたつ。


 容子0歳_convert_20130706191148
そっくり!娘の赤ちゃんの頃


 「お父さんも、そう思うでしょう。そっくりだわよねえ・・・」


 また可愛くなった。あれから40数年。アッという間であった。私たち夫婦と同じように孫の一挙手一投足に目を細めていた女房の両親も私の両親も既にこの世にはいない。気付いてみたら私たち夫婦も70前後の歳に。「もみじのような小さな手でも 今に掴むよ 幸せを♪」。大泉逸郎の「孫」の二番を音痴の喉で口ずさんだ。(次回に続く)




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

貴腐ワイン(再)

 ちょうど35年くらい前のことだ。今は故人となられたが、当時、サントリーの名物社長だった佐治敬三氏を囲んで貴腐ワインを頂いた。しこたま、と言ったら品がない。惜しげもなくといった方がいい。まだ30代も半ば。ただでもアルコールに弱い方ではなかった上、無作法や失礼をも省みず頂いてしまったのだろう。甲府市のある有名ホテルの座敷だった。


佐治敬三氏
佐治敬三氏
画像・すべてサントリーHPより


 サントリーは当時、日本で初めて貴腐ワイン作りに成功。立場柄というか仕事柄というか、発売前の試飲会にお招きを受けたのだ。貴腐ワインの原料は言うまでもなく貴腐葡萄。貴腐というのは完熟した葡萄の実にポトリティス・シネレア菌が付着、果実の水分が蒸発して糖度が高まる珍しい現象。もちろん、そこには気温や湿度など気象、気候上の複雑な条件が絡むことは言うまでもない。


ワイン樽


 この貴腐葡萄で醸したワインは専門家の間でも「ワインの帝王」と呼ばれ、それが醸しだす甘味と風味が、その希少性と共に珍重されているのだ。ポトリティス・シネレア菌がもたらす貴腐葡萄を発見、初めて貴腐ワインを世に出したのが山梨県北巨摩郡双葉町(現甲斐市)のサントリー登美の丘ワイナリーである。当時は確か、サントリー山梨ワイナリーと言った。試飲会だからサントリー関係者はともかく、一般人では最初に貴腐ワインを口にした一人であったことは間違いない。

貴腐ワイン

貴腐ワイン「登美ノーブルドール」


 さて、その貴腐葡萄なるもの。貴腐ワインを試飲しながらポトリティス・シネレア菌云々の説明を聞いていた一人がこれまた失礼にも「これって、ぶどう作りの失敗作じゃあないの?」と言った。試飲に招かれた人たちのほとんどは葡萄作りなどには縁のない人達ばかり。でも、正直言って私もそう思った。葡萄の産地に生まれ育ち、少なからず、葡萄作りに携わった経験があるからだ。ポトリティス・シネレア菌などと難しいことは分からないにしても確かに、そんな葡萄は我が家の葡萄園にも。言葉を変えれば発生した。しかし、栽培農家の間では、より高品質な葡萄作りを目指し、品種改良をする一方で、病害虫や病原菌を駆除するための消毒を徹底するようになった。この話はワイン醸造用の葡萄ではなく、生食用のことである。当然のことながらポトリティス・シネレア菌だって死滅する。


収穫   貴腐葡萄
「貴腐まじりの葡萄の収穫」      「収穫された貴腐葡萄」



 つい先頃、中国は上海や千葉の柏から来た友と一緒に訪ねたサントリー登美の丘ワイナリーで、若かりし頃を思い出しながら、貴腐ワインをかみさんにも飲ませてやりたいし、友たちにも土産に持たせたかった。希少価値だから高価であることは分かっている。ところが、そこにあった貴腐ワインのお値段は20数万円。0が一つどころか二つも違うのだ。一瞬、「お土産・・・」の「お」の字を飲み込んだ。もちろん高価といっても3万、5万のモノだってあるのだろう。しかし、そこは所詮貧乏人の性。思わず手が引っ込んだ。女房だって貧乏人の連れ合い。「お父さん、もったいないわよ」と言うに決まっている。




 貴腐ワインは高嶺の花であることは確か。でも女房ぐらいには思いっきり飲ませてやりたいと思う半面で、自分の若かりし頃と、その後も何度かお目にかかった佐治社長の温和なお顔を昨日のことのようにまぶたに浮かべ、赤面の至り、顔が熱くなった。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!

栴檀とズボラ人間(再)

栴檀


 栴檀は双葉より芳し、という。優れた人間は幼い時から普通の人とは違う、の例えだ。実際そんな人間がいるかどうかは別として、私のような人間には無縁な言葉であることだけは間違いない。正直言って栴檀という木に出遭ったのは、そんなに昔ではない。最初は現役時代、四国は高知県で開かれた、ある会議のついでに訪ねた高知城の一角。確か明治の元勲の銅像の脇に茂っていたものだが「これが双葉より芳し、の栴檀か」と、説明プレートを見ながらつぶやいたら、案内してくれた人は、いかにも自信なさそうに「俺にもよく分からんのだよ」。


高知城
高知城の栴檀


 それからしばらく経って山梨県の南部にある市川大門町(現市川三郷町)にある造り酒屋をお訪ねした時、高知城で見た同じ木に出遭った。その造り酒屋さんが出しているお酒の銘柄は「栴檀」。「やっぱり、これが栴檀か」。妙な所で納得させられた。その栴檀の木が今、週二回、ムチウチ症(頚椎捻挫)の治療で通っているリハビリ病院の庭にもいっぱい植えられている。みんな大きな木だ。先頃まで白い小さな花をつけ、今は青い実がいっぱい。秋には黒いモクのような実になる。ただ無知な私が納得できないのが、どうみても「芳しくない」のだ。


栴檀2


 首の牽引をし、OT(作業療法)、PT(理学療法)と呼ばれるマッサージ治療を受けながら窓越しに見える、その栴檀の木を見るともなく眺めながら、いつも釈然としない思いをしている。双葉より芳しいのなら、大きくなったって芳しいはずなのに・・・。ムチウチ症の治療とはそんなもの。どっちでもいいことを考えるヒマがあるのだ。大した事はないじゃないか、と思えばそうでもない。ムチウチ症というのはそんな疾患かもしれない。




 人間にはそんな定めがあるのだろうか。たまたまだが、昨日、山梨市役所で、山梨市青少年のための市民会議が開かれた。各界の代表で組織、さらに下部組織としての地区会議を設けている。間もなくやって来る夏休みを前に子供たちの非行防止を考えようというもの。当然、ここでは「双葉より芳し」の子供たちは議論の対象にはならない。


栴檀3


 考えてみれば、この組織も不思議な組織だ。長年続いていて大なり小なり非行をして来た子供が大人になり、真面目顔で子供たちの非行防止を考え、幾つものスローガンを掲げて、それを話し合うのである。「双葉より芳し」とは違う子供たちを指導するオジサンたちの「非行対策」はみんな「来た道」。少なからず覚えがあるから対策だって簡単。ところがこのオジサンたちに分からないのがケイタイやインターネット絡みの処方箋である。




 今の子供たちがやっているのは大人たちが考えている携帯(ケイタイ)なんかではない。つまり「モシモシ」の電話ではないのだ。そこに内蔵されたソフトや機能を自由に操って、さまざまな遊びもすれば、いじめもする。インターネットにも繋がるから、どこにでも≪潜入≫していく。面白いはずだ。しかし行く先には子供たちを蝕む≪罠≫が仕掛けられているかもしれない。そこでオジサンたちが頭を抱えるのがその対策。これまでやってきた悪書追放運動や喫煙、夜間徘徊の戒めなんかは分かり易いからいい。しかし「通ってきた道」ではないITの世界には戸惑うばかりだ。ところで注釈。「栴檀は双葉より・・」の栴檀はなぜか白檀のことを言うのだそうだ。そう聞けば「双葉より芳し」だけは頷ける。 でもなぜ「白檀」が「栴檀」? また分からなくなった。




ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の
山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ  


こちらもよろしくお願いします!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】


ありがとうございました!
ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!