お歳暮の蟹と大吟醸

 「お父さん、○○さんからお歳暮が届きましたよ」

 「いつも悪いよなあ。今年はお前と一緒に作った枯露柿、送ってやるか」


枯露柿


 東京に住む親しい友人から今年も大きなタラバガニが届いた。私が蟹大好き人間と知っていてこの人は毎年、蟹を送ってくれるのである。もう何年になるだろうか。その度に、夜が早いこの時期、早めの晩酌をしながら、じっくり頂くのだ。保冷技術もよく、しかも前日発送された物は翌日の午前中に届いてしまうのだから、鮮度も抜群。旨い。勢い、お酒も進む。


タラバガニ


 蟹好きの私は、女房が笑うほど上手に、しかも綺麗に食べるのである。足も本体も、そして最後はミソも合わせて甲羅酒。これがまたいい。つまり、みんな、しっかり頂いてしまうのだ。




 蟹といえば、私には忘れられない味がある。もう35年ほど前になるが、当時の総理府の外郭団体に「北方領土対策協議会」というのがあって、その案内で北海道・根室の納沙布岬に行ったことがある。確か引揚者対策の施設だったと記憶しているが、根室の市長もお出でになって懇談した折、ご馳走になったタラバガニである。




 何月だったか覚えていないが、とにかくコートの襟を立てるほど寒い時期だった。蟹とはこんなに旨いものかと思うほど美味しかった。市長ら地元の人たちのダイナミックな食べっぷり。「今が旬」と話していた。産地だから獲り立ての蟹だったのだろう。旨いはずだ。寒さも、味に彩を添えたのだろう。お歳暮に蟹を頂く度に、根室を思い出す。


お歳暮


 当たり前だが、このお歳暮、その人の住む環境や立場によって意味合いや心も変わるもの。例えば、会社勤めの現役時代がいい例だ。お中元も含めて、お歳暮のやり取りの多くはそのときの立場やポジションによって行き来する。もちろん、心がないわけではないが、多くは義理である。部下から送られてくるものもあるし、取引先の会社から機械的に送られてくるものもある。いわゆる儀礼なのだ。




 それが証拠に、会社を辞めれば、潮が引くようにそれがなくなっていく。職場を去って3年。その儀礼的なお中元、お歳暮はほとんど全部と言っていいほどなくなった。その代わり、残ったお歳暮のやり取り、新たに生まれるやり取りは、みんな心が通ったものばかり。親しい友だから、お互いが好みまで知っている。だから、お中元とかお歳暮の時期に拘らずに旬に合わせたり、旅先からも送ったり、送られたりする。




 つい先日は広島から「賀茂泉」というお酒の大吟醸が送られてきた。家族ぐるみでお付き合いさせて頂いている女房の学生時代の友達で大方さんというご夫妻。昨年、広島にお邪魔した折、ご馳走になったそのお酒が「美味しい」と言ったら、折に触れては送ってくれるのである。お世辞抜きで、このお酒が旨いのだ。「賀茂泉」の社長が聞けば涙を流して喜ぶかも知れない。

賀茂泉


 意気投合したこのご主人は、まったくの下戸。こちらからは毎秋、葡萄をお送りする。喜んでくれるその顔がまた嬉しい。とにかく、今夜は蟹と「賀茂泉」で乾杯だ。




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岩魚の骨酒と二日酔い

 夕べは飲みすぎた。二日酔いで頭がガンガンする。
「あなたはいつもそうなんだから。これからまだ忘年会、幾つも続くんでしょう。体も身のうちって知ってるでしょう。まったく懲りないんだから・・・」


酒



 その通りだ。歌の文句じゃないけれど、分かっちゃいるけど辞められないのである。お酒とはこれまた不思議。沢山飲めば、というより自分のじょうごを超せば二日酔いをすることくらいハナから知っている。しかし、それを何十年と繰り返しているのである。二日酔いの朝、それが重度であればあるほど素直に反省し「もうこんりんざい飲まないぞ」と思ったりする。






 ところが、街にネオンが輝く頃になると、身体も頭もそんな事をケロリと忘れてしまうのだ。あれほど不快感をもようした身体も快調、快調。元気いっぱい。それから先は言うまでもない。お酒を飲まない人や女房族は「なんて馬鹿な人達だろう」と、蔑みの目だ見るのだろうが、それが男、酒飲みの酒飲みたる由縁である。


酒


 「そんな事が分からねえのか」と、開き直っても見たいのだが、こればかりはその通り。反論の余地がないほど、みんなよく分かっている。「休肝日」という言葉だって知っている。週に何日かお酒を飲むのを休み、肝臓を労わるほうがいいに決まっている。まともな人なら「分かっているのならなぜ」と、言うのだろうが・・・。人間とはらちもない動物なのかも知れない。






 昨夜は中学時代の同級生達が集まる無尽会。無尽会といっても、あの頼母子講的なものではなく、気心の知れた仲間達がワイワイ、ガヤガヤ、たわいもなく話し、お酒を酌み交わすのである。みんなとっくに定年を過ぎて職場をリタイアしているから出席率は抜群で、月に一度の集まりには14人のメンバーがほとんど全員顔を揃える。





 決まった会場となる街の割烹の店では、この時期だから工夫した鍋物などを出してくれる。酒、ビール、焼酎、ウイスキーなどメンバーの酒肴もさまざま。この日は仲間の一人が岩魚の骨酒を用意して来てくれた。この男は根っからの釣り好きで、地域の漁業組合の幹部も務めている。





 この日のために冷凍保存しておいてくれた岩魚を熱燗の中に入れて飲むのである。岩魚は27~8cmもある立派なものだ。解凍したばかりの物を生のままお燗に入れるのだが、これがまったく生臭くないのである。べっ甲色になった骨酒は味と言い、香りと言い、絶品だ。


お酒


 「どうして生臭くないの?」「こんなでっかいヤツ、どこで釣った?」




 当然のことながらあっちからもこっちからも質問が飛ぶ。そこでまた当然のように、その男の解説が始まるのだ。その解説を肴にまた飲む。本当に、えもいわれぬ程旨いのだから盃が進むに決まっている。そして二次会はお決まりのカラオケ。今度はビールや焼酎。行き着く先は午前様。そしていつもの二日酔いである。明日は別の忘年会だ。





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喪中の挨拶状

喪中


 「お父さん、○○さんのお母さんがお亡くなりになったんだそうですよ。今からでも、ご挨拶にお伺いしなきゃあ・・・」



 女房がポストに届いた「喪中」の挨拶状を私の手元に持ってくる。



 「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」



 文面はみんな同じだが、こんな挨拶状が11月に入れば毎日のように届く。もちろん、ほとんどが葬儀・告別式に弔問しているので心当たりがあるのだが、中には、この挨拶状で初めてご不幸を知ることもある。特に友の奥さんのご実家のご不幸の場合、知らせがなければ知る由もない。そんな時、早々に文(ふみ)をお送りしたり、お悔やみに駆けつけたりする。この場合、決まり文句のような言い訳を伴うのだ。「知らないこととはいえ・・・」。



喪中2



 この挨拶状は文言の通り、喪中であることを知らせ、予め年賀状など新年の挨拶をしないことを伝えるのだ。≪ブク≫を被らせてはいけない、という配慮からである。その習慣がどこにもあるかどうかは分からないが、ここ山梨ではある意味で年末を控えての風物詩でもある。人々が年賀状を書き始める前に発送することは言うまでもない。




 毎年、年賀状を交換している親戚、友人、知人など親しい人達を対象にする人もいれば、葬儀・告別式への参列者全員に出す場合もある。昨年の年賀状の控えではなく、香典帳を基にした、いわゆる儀礼的な発送だ。その場合、かなりの枚数になるから、作業も大変。時期が制約されているので、年賀状のように明日、明日と先送りは出来ない。




風景



 「あの人も・・」「この人も・・」。今年はお葬式が多かった。少なくても10件や20件ではない。年々その数が多くなるような気がする。このお葬式にお伺いする数は、人それぞれの交友関係のバロメーター。一般とは少々性格を異にするが、政治家は大変だなあ、と思ったことがある。「私なんか少ない方」と言う、ある県議会議員の場合、その数は350件を超すと言う。平均すれば、毎日、1件の割合でお葬式を廻っていることになる。




 法律で政治家の寄付行為は禁止されているとはいえ、お葬式の香典は古くからの慣行であるばかりか、相互扶助的な意味合いもある。手ぶらで弔問するわけにもいくまい。大きなお世話かもしれないが、その経費だけでも大変だろう。大政治家ならいざ知らず、県議会議員や市議会議員など、献金のような政治資金がほとんどない地方政治家の場合、頭が痛いはず。全く大きなお世話。選挙のためだから仕方がないか・・。



富士



 喪中の挨拶状が一段落する頃になると師走。一年が経つのがなんと早いことか。仕事に追われ、毎日を慌しく過ごしていた現役時代の方が一年が長かったような気がする。今年の幹事さんは手回しがいい。とっくに新年会(クラス会)の案内状が舞い込んだ。窓越しに見える富士山も下界に降る一雨ごとに雪化粧を厚くする。庭の柿の木も日に日に葉っぱを薄くしている。地面に落ちた枯葉がカラコロと音を立てて転がる。こうしてパソコンを叩く足元も冷たくなった。師走になると時間の経つペースはどんどん速くなる。一日送りにしていた年賀状だって書かなければならない





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人権擁護と炭焼き小屋

秋

 12月4日から全国人権擁護週間が始まった。初日の4日、山梨県人権擁護委員会連合会の山梨グループは山梨市民会館で終日、特設人権相談を開設する一方、午前と午後、広報車を繰り出して市民への人権啓発に努めた。広報車は山梨市の市街地はもちろん、埼玉県境まである同市の山間部までくまなく巡回、人権の大切さを訴えたり、「いじめ」など人権侵害があった場合の気軽な相談を呼びかけた。





 特設相談は隔月で山梨市の市民会館などを会場に同市内に委嘱されている人権擁護委員14人が2~3人一組で相談に応ずる。一方、これとは別に甲府地方法務局やその出先では常設の相談所が開設されていて、山梨県内に218人いる人権擁護委員が交代で毎日、相談に応じている。県下各地から手弁当でやって来て、午前9時~午後4時まで民間の相談員の立場でその業務に当たるのである。




 啓発活動は広報車の巡回やパレード(人権週間中)のほか、それぞれの地域の小、中、高校生を対象とした「いじめ110番」への利用を呼びかけるチラシの配布、また、毎年いくつかの小学校を指定して「人権の花」を子供たちに配ったり、その種を風船に託したりする。「人権の花」は子供たちばかりではなく、祭りや商店街の大売出しなどの機会を捉えながら一般の大人たちにも配って理解を求める。


三富


 この日、山間部の広報車巡回の案内役を買って出てくれたのは旧村の三富村から出ている67歳の委員さん。先頃の合併後は三富地区という。雁坂という峠を越せば、お隣はもう埼玉県の秩父。山梨市の一番北の端で、人口1,200人足らずの小さな部落だ。村役場の幹部として長い間行政に携わってきただけに、地域住民への愛着も人一倍で、人権擁護のボランティア活動にも熱心。特設、常設の相談会はもちろん、各種の啓発活動や研修会も参加を欠かしたことがない。


炭焼き小屋1   炭焼き小屋2
炭焼き小屋3   薪


 この人は農業の傍ら、趣味で炭焼きを始めた。人権の巡回啓発広報を終えて帰る途中、その炭焼き小屋を見せてくれた。埼玉県境に近い国道140号,通称「雁坂道」からやや西にそれた山すその集落。3m四方はあろう炭焼き小屋からは白い煙が冬の空に寒々しく立ち昇っていた。ちょっと反対側に目を注げば谷底のような所を流れる笛吹川の支流が。その崖の上からは高さ数10mはある滝が流れ落ちていた。紅葉から枯葉に変わってはいるものの周囲の木々とマッチして見事な景観を見せていた。


滝


 「こんなのどかで、自然豊かな所で、犯罪はもちろん、人権侵害事案など起こりっこないよなあ」



 同行者の一人が誰に言うともなくつぶやいた。確かに犯罪や各種の人権侵害事案の発生には生活環境が大きく影響を及ぼすだろう。社会環境や家庭環境が複雑になればなるほど人の心は歪みかねない。地域や家庭の意思の疎通が希薄になればなるほど、あっちこっちの人間関係にひずみが出来るのは当たり前。子供のいじめ一つとっても都市部に多いのも頷ける。自然もいつまでも豊かでありたい。


吊り橋


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トイレと新聞

 「また、そんな所で新聞を読んでぇー。いい加減にしてくださいよ」
私の一日は、女房から叱られることから始まる。私が朝一番で見る新聞はトイレの中と決まっている。「なんてお行儀の悪い」。皆さん方もお笑いになるだろう。場所が場所だから女房が嫌がるのも無理はない。私だって、そんなことがいい事でないことぐらい十分に分かっている。


トイレ2



 しかし、これが止められないのである。元々は、出勤前の慌しさの中での時間稼ぎの意味があった。朝のトイレと新聞に一通り目を通す作業を一辺にやってしまおうというものだ。寝坊なサラリーマンがお出でになるとしたら、その辺の気持ちは分かって頂けるだろう。朝の時間は一分だって惜しい。学校に通う子ども達だって同じだ。私の場合、当時、新聞社に勤めていたから、新聞に目も通さずに出勤とはいかなかった。





 実は、これをやってみると、堪(こた)えられないのである。朝の慌しさの中でもやけに落ち着くのだ。甲府に住んでいる時分だが、新聞を読みながら「この空間をもっと居心地のいい所に出来ないものか」と思いを巡らせたこともある。勤めを辞め、山梨市の田舎に戻るのを機会に実家のリフォームを決意した時、大工さんに注文を付けたいくつかの項目のうちの一つが、このトイレだ。




 機能もさることながら、ゆったりしたスペースをとることだった。ただこの注文がトイレの側面の裏側に設けたクローゼットにしわ寄せして、使いにくいものになってしまったのだが、それはそれでしょうがない。クローゼットの奥行きが半分になった分、トイレが広くなった訳で、新聞を開いても差し障りがないし、第一圧迫感がないから心地いい。


トイレ



 「新聞~」と、トイレの中から声を掛けると、女房はいつものようにブツブツ言いながら新聞受けから持ってくるのである。そんな自分が後ろめたくもあるが、今日もそれを繰り返している。こんなことをしているのは私だけだと思ったら、他にもいた。いつもマージャン遊びでお世話になる仲間の家のトイレをお借りしたら、週刊誌などの雑誌と一緒に新聞が小さな台の上に重ねてあった。




 ちょっと前のことになるが、ある心理学者が書いた本を読んでいたら、人間が心理的に最も落ち着く空間としてトイレを挙げていた。その時「俺も普通の人間だよなあー」と、妙にうなずいたものだ。トイレは自分が入っていれば絶対に人がはいってくることはない。テレビの音など外部の雑音も入ってこない。自分だけの空間なのだ。「お父さんのポーズは考える人、だね」。嫌な顔をしながら新聞を持ってくる女房が言うように、考え事をするにもうってつけである。





 我が家のような田舎家の場合、およそ個室などとは縁遠い。ふすまや帯戸一枚で仕切られた部屋がいくつも並んでいるだけ。娘達が嫌がるのも無理はない。居間やキッチン、それに書斎、寝室をオープン形式にして結構使い易くリフォームしたのだが、個室はない。老後も考え、トイレの位置やバスも近場にまとめた。女房と二人だから個室のようなものだ。




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麻雀ダコとペンダコ

 「お父さん、これは何ですか。麻雀ダコでしょう」
 「そんな事よく分かるな」
 「大体分かりますよ。毎週のように明け方まで麻雀やるんですもの」





 少しばかりの仕事で疲れた肩と腕をもんでもらっていた時の女房との会話である。そう、私の右手の中指には、第一間接と第二間接の二箇所に大きな麻雀ダコがある。それほど力を入れて牌を握るわけでもないが、その二箇所の腹に牌を引っ掛けてしまうから、どうしてもタコが出るのである。

手


 「これじゃあ、お父さんがどこで死んでいても、麻雀好きの人とすぐ分かるわね」
 「おい、おい、そんな縁起でもないこと言うなよ」




 女房に言われるからではないが、大きくなると、ちょっぴり邪魔になるような気がするので、爪切りで削り取るのである。




 その右手にはもう一つのタコがある。ペンダコだ。このタコはみんなお分かりになるだろう。右手の中指と人差し指の第一間接横に出るのである。しかし、こちらは放っていても小さくなるばかりだ。タコが出るほど文字を書いたのは遙か昔のことで、今は字を書かないからタコなんか増殖しっこない。

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 麻雀ダコとペンダコ。この二つが生まれる背景は大きく様変わりした。ひと頃、お世話になった甲府の麻雀荘は、一つ、また一つと姿を消している。麻雀人口がどんどん減っているからだ。若者達は見向きもしないし、お酒を飲み歩き、酔い覚ましを口実にしては麻雀荘に上がりこんでいたバカなサラリーマンも少なくなってきた。


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 「たまには来て下さいよ」。甲府にいたサラリーマン現役時代によくお世話になった麻雀荘のマスターは久しぶりに出会った私に、かつてのよき時代が恨めしそうに今の姿を話してくれた。まさに閑古鳥だそうだ。古くは学生時代。今は懐かしい神田や早稲田の学生街の麻雀荘もバタバタ姿を消しているのだそうだ。講義の合間?によくもぐり込んだあの雀荘も・・・。


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 もう一つのタコ、ペンダコだが、これこそ、今やしゃれにもならない過去の遺物だ。なぜかって?パソコンがこれほど普及してしまった今、いわゆるペンを使って大量の文字を書く人間なんていっこない。文字は書くものではなくなって、パソコンで叩きだすものになってしまったのである。一刻を争ってニュースを送らなければならない新聞記者はもちろん、出版社の担当者が次の間で待っている作家だって同じだろう。字がへたっくそな人間にはこんな都合がいいものはない。




 今年も10月31日には来年の年賀はがきが売り出された。あと半月足らずで、その数の大小は別にして、皆さんのお宅にも年賀状が届く。注意して御覧なさい。そのほとんどが印刷文字の活字で埋まっているはずだ。手書きの文字は珍しくなって、それが逆に新鮮味を感じたりして。いつの間にかそんな様変わりをしているのである。



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俺は粗大ゴミ?

ゴミ置き場


 もう年末が近いのか。地域防災無線から流れる「粗大ゴミ回収のお知らせ」のアナウンスを聞いて、そんなことを思った。私達の地域の場合、粗大ゴミは通常のごみ収集とは別に、年に数回、日時を指定して回収している。年末が中心だ。有料(テレビや冷蔵庫などの電化製品)と無料があって、業者を巻き込んだ大掛かりな回収である。




 この地区は旧村の岩手村(昭和の合併で山梨市に)という所で、今の世帯数は500戸ほどのこじんまりした地域である。回収の指定場所は、この時期は休眠状態に入っているJAの果実共選所前の広場だ。年末にはちょっと早いようだが、市内を一巡するには今から始めないと間に合わないのだろう。



 「粗大ゴミの回収だそうよ。お父さんも行くんでしょう」



 アナウンスを聞いていた女房がかる口を叩いた。



 「おい、おい、俺は粗大ゴミかよ」



 「冗談よ、冗談。お父さんが粗大ゴミであるわけないでしょう」



 女房はちょっと言い過ぎたと思ったのか、ニヤニヤしながら慌てて打ち消した。でも、よく考えてみれば今の俺は女房にとって粗大ゴミみたいなものかも知れない。風が吹いても嵐が来ても毎朝、決まった時間に出勤し、月末にはきちんと給料を運んできた数年前までと違って、今は、毎日が日曜日。時に、やぶせったい存在に違いない。


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 三度の食事だって作らなければならないし、箸の上げ下ろしまでとは言わないまでも、いなければ聞かなくてもいい小言だって聴かなければならない。ナスやキユウリ、白菜や大根、サツマイモやサトイモ、そんなものを作る百姓の真似事だって、ほとんど女房も一緒。今はこまごました家事を考えれば一日の仕事量は女房の方が多いのかも知れない。





 人間とは、夫婦とは面白いものだ。毎日、朝から晩まで忙しく仕事をしていた頃は、少なくとも≪粗大ゴミ≫などという言葉を口にしなかった。そこには無意識のうちにも給料という名の生活費を稼いで来てくれる≪一家の主(あるじ)≫としての受け止め方があったのだろう。「のどもと過ぎれば・・・」。先人はうまいことを言ったものだ。給料の運び屋を辞めて5年も経つと、女房たちはいつの間にかその≪ありがたさ≫を忘れてしまう。
妻

 「お前は今、誰のおかげで飯を食っていると思っているんだ」
時々、女房の言葉の節々が妙に引っかかって、冗談とも本気ともつかない、こんなことを言うことがある。世の女房族のみなさんには案外分からないかも知れないが、男には「沽券(こけん)」というものがあるのだ。

夫

 サラリーマン時代からそうだが、私は、家事は一切、女房に任せている。その代わり給料は全部女房に渡して来た。それをどう使おうと口を挟まないことにしている。今は銀行振り込みになったが、給料袋の時代もずっと丸投げした。先日の「振り込め詐欺」についてのブログ記事で、私は被害者にならない事を前提に人ごとのように書いたのはそのためだ。お金と言うお金は全て女房任せ。騙されても振り込みようがないのだ。




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振り込め詐欺にご用心

ATM2


 「お母さん、振り込め詐欺になんか引っかかるなよな」


 「私なんか、どんな電話がかかってきたって、騙されるようなへまはしませんよ」


 「バカ言え、そういうヤツがすぐ引っかかるんだよ。娘やおふくろでもヤツらに仕掛けられたら一発さ」



 地域防災無線で今日も繰り返される振り込め詐欺の被害情報と注意を呼びかけるアナウンスに、女房と交わした会話である。女房は最後にはこうだ。



 「お父さん、大丈夫、大丈夫。うちには何百万ものお金をポンと振り込むほどのお金、ないもん」


 これには一本とられた。バカな夫婦のこんなやり取りはともかく、≪振り込め詐欺に注意≫のアナウンスはこのところ毎日である。




 「山梨市役所と日下部警察署から振り込め詐欺に注意のお知らせをいたします。昨日、山梨市内の70歳代の女性が振り込め詐欺の被害に遭いました。山梨市の職員を名乗る男から電話があり 『 後ほど社会保険庁からも連絡があると思うが、お宅は社会保険料の未払いがある。連絡があり次第お金を振り込んでください 』 と言われ、この女性はATMから振り込んでしまいました。市役所はこのような電話はいたしません。もしこんな電話があっても絶対に振込みをせず、市役所か警察にご連絡、ご相談ください」



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 防災無線については前にもこのブログで書いたが、こうした注意情報は各地に設けられた地域基地局から市内全域に一斉に流れる仕組みである。振り込め詐欺の手口は、保険料の未払いや子ども、孫の交通事故を装ったものなどさまざま。市役所や県庁、警察などを言葉の上で巧みに絡ませて騙すもので、ターゲットはお年寄りや主婦。1万数千世帯ぐらいの山梨市内で毎日、誰かどうか被害になっている勘定だ。





 犯人は東京なのか大阪なのか分からないが、日本のどこかで電話を使って大量の仕掛けをしているのだろう。私はこうした騙しの電話に出っくわしたことはないが、言葉は極めて巧みなのだろう。皆がみんな「私は絶対、引っかからない」と言いながら、巧みな言葉に騙されてしまうのである。



ATM3


 被害の連続にたまりかねたのか今日はこんなアナウンスも流された。


 「市老人クラブ連合会は明後日、地区公民館で、悪徳商法予防講習会を開きます。お年寄りや主婦の皆さんのご出席を・・・」



 市役所や警察が老人クラブとタイアップして地域ごとに振り込め詐欺予防の出前講座を計画したのだ。毎日のように出る被害から類推すれば、ものすごい数の騙し電話がかかっていることは容易に想像できる。



 「私だけは絶対騙されない」。そんなあなただって引っかかるかも。普段、亭主の言葉なんかに敏感に反応しない女房も、娘のことでも引き合いに出されれば・・・。石川五右衛門ではないが「世に盗人の種は尽きまじ」とはよく言ったものだ。悪いヤツは今日もどこかで暗躍している。




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飛行機雲

 今日は天気がいい。久しぶりに秋の青空が戻ってきた。畑仕事の手を休め、額の汗を首に掛けた手拭で拭いながら空を眺めると、一筋の飛行機雲が。その後からも、また一機。フランスやドイツなどヨーロッパに向かうのだろう。高度は、恐らく10,000mから12,000m。ゆっくりに見えるが、時速では800㌔以上で飛んでいるのである。


飛行機雲


 「高度や速度まで、よく分かるかって?」。外国旅行をする時、座席の正面の大型スクリーンに映し出される安定飛行の高度や速度は、いつもそのくらいだからだ。高度や速度はともかく、真っ直ぐに東の空から西の空へと伸びる飛行機雲がまだ消えないうちに、次の飛行機雲が追っかけてくる。



 山梨の上空は外国、特にヨーロッパ航路の通り道。成田空港から飛び立って、しばらくすると、スチュワーデス、いや今は客室乗務員とか客室アテンダントと言うのだそうだが「左側をご覧ください。富士山が・・・」と、機内アナウンスをする。そのあたりが今の飛行機雲のあたりなのだ。


富士山と雲



 我が家から見上げると、南側の上空の時もあれば、北側もある。大まかに、その上空を飛んでいることになる。陽が西の山に沈んで、夜空に変わると、飛行機雲は回転灯に変わる。チカチカと光る赤い光の玉がゆっくりと東の空から西の空へと消えていく。目の錯覚だろうか、スピードは昼間の飛行機雲より遅いような気がする。


飛行機


 夜8時、9時を過ぎると、その間隔はグーンと広くなる。昼間の1分、2分間隔の飛行機雲と打って変わって、まばらになり、やがて星空だけになる。それぞれの便の到着時間との関係もあるのだろうが、その大きな理由は空港周辺住民との関係、つまり、騒音問題に起因している。成田空港の出国ロビーもこの頃になると閑散とし始める。




 昭和52年か、53年だったと思う。成田空港が開港する直前に、そこを見せて頂いた時、係官が控えめながらも、その辺の事情を説明していたものだ。事実、この空港を造る時の周辺住民の反対運動はものすごかった。騒音に対する地元住民の反対運動にとどまらず、国家プロジェクトに対する左翼系闘士の反対運動も加わって、いわゆる成田闘争が長く繰り広げられたのである。左翼系闘士はその後分散、一部は山梨県の北冨士演習場・梨が原で今も活動している。




 ちょっと肩苦しくなった。飛行機雲に戻る。先ほど「一筋の」と書いたが、遠くからだから一本に見えるが、実は飛行機雲は二本。当たり前だが、ジェット機はジェット噴射で飛ぶ。そのジェット噴射で、周りの水分が気化して、あの飛行機雲が出来るのだ。お恥ずかしいが、この原理は、先頃、航空自衛隊浜松基地で、ブルーインパルスのアクロバット飛行を見せて頂いた時のアナウンスで知った。


ブルーインパルス


 大空をキャンパスにブルーインパルスが描くアクロバットの曲線ジェット口の脇に取り付けたノズルから色のついたオイルを流すと、それがジェット噴射で気化して、あのカラフルな飛行機雲になるのだそうだ。「そんな事、みんな知っているって?」。そうだよね。





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招かれざる客・猪

「今日、畑に行ったら豪いヤツに行き会っちまったよ」
 「何に行き会ったでえ」
  猪だよ。猪。でっけえヤツだった。俺の顔を見たら逃げて行っちまったけどねえ」

猪1  えぇ汗


 回覧板を持って来ながら、ひとっ話していった近所の親爺さんとの茶飲み話である。たわいもなくと言うか、事も無げに、この親爺さんは言うが、実際は農家とって猪の出没頭痛の種なのだ。




 周りのぶどう園はだんだん葉っぱを落とし、春先から秋の収穫期まで忙しい日々を送っていた果樹農家もこの時期はちょっと一服する時期だ。肥料掛けを終えて、剪定作業に入るまではしばらく間がある。野や山の木々も紅葉を深める一方で、早いものは葉っぱを落とし始める。猪だって餌を求めなければならないので、山ばかりにいるわけにもいかない。山路や里に向かって降りてくるのだ。


猪2


 猪に出っくわしたと言う親父さんの家は、岩手山から延びる三角州のような大きな丘陵のすぐ下にある。私の家からは2~300mの距離だ。親爺さんが猪に出っくわしたのはそこから100m足らずの所。この一帯は、かつては、麦やモロコシ、サツマイモ、さらには養蚕用の桑畑だった。




 ところが米麦や養蚕が衰退して、果樹へと転換、今はサクランボの産地化が急ピッチで進んでいる。サクランボは主にハウス栽培で、小高い山路は一面と言っていいほどハウスの白いビニールで覆われている。もちろんその間に間に野菜畑や柿畑が点在する。

猪親子


 親爺さんによれば、猪に出っくわすのは今回ばかりではなく、たびたびだ。秩父山塊からこの地域の山にかけて猪が急激に増えたのはこの10年ぐらいの間だそうで、その理由を聞いて「へえー」と、驚いた。猪の天敵は狐。猪と言ってもあのでっかいヤツではなく、子どもの「うりぼう」。狐はこの小さいうりぼうを隙きあらばと狙い、食べてしまうから猪の数は自然に抑えられた。

うりぼう  

 ところが、最近、この一帯の狐が急激に減っているのだそうだ。減っている原因は定かではないが、狐の間に病気が流行?したためだという。親爺さんはこうも言う。


キツネ



 「最近、野良に行っても狐にほとんどと言っていいほど出会わなくなった。時々出会うのは野垂れ死にしている狐ばかりだよ。そのはっきりした原因は分からないが、何らかの病気であることは間違いない。伝染病かも知れない。とにかく猪はだんだん増えていて、畑ばかりでなく、家の軒先まで来たことがある」


house.jpg   イノシシ    きつね   狐



 猪は作物を荒らすばかりでなく、畑のあっちこっちをほじくり返す。ミミズなどを食べるためだという。こんなことを書くと「やまびこさんは、そんな山の中に住んでいるの?」とお思いの方がおいででしょうが、どこにでもあるのどかな農村地帯である。もう何年も前になるが、甲府市の中心街に猪が出没、デパートに飛び込んで大騒ぎしたことがある。これは猟師の追い方が悪く、山とは逆の里に追い出してしまったのだそうだ。




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大根足と大根役者

大根5


 「この大根め・・」


 大根の収穫をしながら、なかなか抜けない大根にちょっぴり腹が立って独り言を言ったらそばにいた女房が何を勘違いしたのか


 「大根とは何よ。お父さんの足なんかゴボウじゃない。まったく・・・」


 なにやら女房は自分の足のことをいわれたと思ったらしい。いい歳をしてそそっかしいのは今に始まったことではないが、それにしても面白い。確かに大根はずん胴で、女房の足によく似ている。


大根4



 真面目に怒っているのがまた面白くなって「これなんか、おまんにそっくりだよなあ」といったら、また怒っていた。この会話が聞こえたのか隣の畑で仕事をしていた老夫婦はこちらを向いて、軽く頭を下げ、ニコニコ笑っていた。



 いい天気だ。小春日和とはこんな日のことを言うのだろう。



秋の空



 「今日は暖かいですねえ」と声をかけたら、その老夫婦は帽子を取りながらこちらにやって来た。


 「立派な大根を作りましたね。これじゃあ百姓顔負けですよ」



 「お宅じゃあ、大根作らなかったですよねえ。これ持って行って、沢庵に漬けてみて下さいよ」


大根2


 このあたりは葡萄や桃、サクランボなどの果樹地帯だから本格的な農家は手のかかる野菜作りは、どちらかというと敬遠するのだ。大根をネコと呼ばれる一輪車に載せて女房に隣の家まで運ばせた。大喜びしてくれる老夫婦がまたうれしい。大根足と勘違いしてさっきまで怒っていた女房も愛想よくニコニコしていた。





 さてその大根だが、殺菌作用も持ち合わせていて、決してアタル心配のない野菜だそうだ。刺身のつまや、そのパックの下に大根の千切り?が敷いてあるのもそんな理由からだ。それが転じて生まれた言葉が「大根役者」。当たらない、つまり、いつになっても人気が出ない役者のことを言うのである。女房が言う「大根足」は、その形容から誰とはなしに言うようになったのだろう。


大根2


 大根作りには土地が深い火山灰土の地域が適しているのだそうだ。山梨県では八ヶ岳と向かい合う茅が岳山麓の北杜市明野町の「浅尾大根」が有名。真っ直ぐであることはともかく、皮が薄く、沢庵漬けにはうってつけ。味もいい。茅が岳はあの登山家であり、エッセイストでもあった深田久弥さんが亡くなった山としても知られている。




 大根は、「青首」という種類のように地上にも伸びるが、当然、地下に生長する野菜だ。だから土の浅いところは適さないのである。私の地域は粘土質で土地が浅いから大根が真っ直ぐ伸びずに曲がったり、二股になりやすい。抜くのに一苦労する。そればかりか、力を入れると途中からポキンと折れてしまうのである。でも商品として出荷するわけではないからかまわない。今年も大根足ならぬ、しなびた女房の足のような沢庵が食べられる。




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芋茎(ずいき)と木枯らし

落ち葉 秋 紅葉2_convert_20121206192653


 これが木枯らしというのだろうか。今日の甲府盆地は朝から冷たい風が吹いた。一番霜に遭ったのか、トウノイモのツル(茎)もひと頃の元気をなくした。毛糸の帽子を冠って畑に出たが、冷たい風が頬を刺す。庭先の御所柿も、その冷たい風に吹かれて、葉っぱをすっかり落とし、裸になった木に黄色い実だけをぶら下げている。


 「夕陽の丘のふもとゆく バスの車掌の襟ぼくろ 別れた人に生き写し・・・」



 ご存知の方ご存知、昭和30年代の後半、石原裕次郎と朝丘ルリ子が唄った「夕陽の丘」の歌い出しである。その3番はこんな歌詞だ。


落ち葉 秋 紅葉_convert_20121206193103



 「真菰の葦は風に揺れ 落ち葉くるくる水に舞う この世の秋の哀れさを しみじみ胸にバスは行く」



 この歌の舞台は、どこかのひなびた湖の畔(ほとり)だろう。私が住む農村地帯のスチュエーションとは違うが、季節はちょうど今頃。落ち葉が風に舞う光景は全く同じだ。一枚、二枚とどんどん落ちていく柿の葉はカラコロと音を立てて風に舞うのである。


落ち葉



 今日の風が春一番ならぬ木枯らし一番かどうかは分からないが、季節は本格的な 冬へとまっしぐらに進んでいることは間違いない。我が家も冬支度へやることはいっぱいだ。地区のグランドゴルフ大会など、出掛けることが多く、枯露柿作りの柿もぎもやりかけ。トウノイモやサトイモ、サツマイモも掘らなければならない。特に、トウノイモは霜に当てたら肝心のツルが駄目になってしまう。


 
サトイモ
サトイモ


 トウノイモとサトイモは掘り出してみればその違いが分かるが、外観ではほとんど区別がつかない。答えをお教えしよう。簡単な見分け方は、ツル、つまり、大きな葉っぱを一つだけつけた茎が赤いのがトウノイモ青いもがサトイモである。芋はサトイモがたくさんの小芋をつけるのに対して、トウノイモは親芋だけが大きく、小芋は少ない。トウノイモの親芋はもちろん食べられるが、どちらかと言うと大味だ。


芋の弦2
トウノイモ


 この二つは作り手のそもそもの狙いが違うのである。言うまでもなく、サトイモは芋を食べることが主眼。これに対して、トウノイモはむしろ、ツルの方を食べることに主眼を置いているのである。同じようなツルだが、サトイモのツルは食べない。




 トウノイモのツルはどうして食べるの?とお思いの方もお出でだろうが、あなたも食べたことがある筈だ。巻き寿司の芯に使うあれだ。と言っても、最近はカンピョウが多く、滅多にお目にかからない。味はピカイチだが、カンピョウのように量産が出来ないからだろう。




 芋茎(ずいき)ともいう。肥後芋茎が有名だ。「随喜の涙」という言葉があるが、これとは関係ない。しかし、意味深に結びつきそうな言葉だ。いずれにしてもここで詳しく説明するわけにもいくまい。八百屋さんではなく薬局で売っている商品だ。



 刈り取ったトウノイモのツルは皮を剥いて天日干しにし、保存するが、寿司の芯ばかりでなく煮物にしてもいい。酒のつまみには絶品だ。明日はそのツル剥きをする。




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枯露柿作り

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 甲府盆地もどんどん冷え込んできた。初冬の風物詩でもある枯露柿作りが始まった。初夏のサクランボから始まって、桃、葡萄と息つく間もなく、忙しくしていた果樹農家は10月中旬からちょっと一服、この冷え込みを待って、枯露柿作りを始めるのである。枯露柿作りは気温の冷え込みが、その成否の第一のポイント。なぜかって? 暖かいと皮を剥いたばかりの生柿がカビてしまうからだ。




 峡東地方と呼ばれるこの地方の中でも甲州市の松里地区を中心とした一帯は、全国的にも有名な枯露柿の産地だ。毎年、この時期になると新聞やテレビで枯露柿作りの様子が紹介されるから、ご存知の方もいらっしゃるだろう。農家の軒先には特別に設けられた棚に、剥いたばかりの柿が簾のように、いっぱい吊るされる。圧巻ともいえる黄色い柿のカーテンは、まさに、この地方の秋の風物詩である。


枯露柿1_convert_20121205093622



 この地域が古くから枯露柿の産地として君臨しているのにはそれなりの訳がある。立地から来る気象条件であることは間違いない。東側に御坂山塊、北側にそれから連なる秩父山塊、西側にその延長線上にある岩手山や八幡山がある。そのど真ん中を一級河川の笛吹川が流れている。




 袋のようになった山と、その中央を流れる川が枯露柿作りに適した条件を生み出しているのだ。つまり、川と山がこの時期、剥いたばかりの生柿を乾燥させるのにうってつけの気流を作ってくれるのだという。ただ、その気流も暖冬には勝てない。数年前、この暖冬で枯露柿農家は大きな被害を受けた。剥いて間もない生柿がカビてしまったのだ。いつまでも冷え込まない気象に業を煮やした農家は電動の扇風機で風を送るなど躍起の策を取ったのだが焼け石に水。気象には勝てなかった。


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 我が家のある岩手地区は枯露柿の一大ブランドを持つ松里地区と笛吹川を挟んで西側で、いわば目と鼻の先。松里ブランドにはかなわないだろうが、同じ気象条件にあって立派な枯露柿の産地だ。11月の声とともに農家は柿剥きにおおわらわ。柿はもいだ後、3~4日寝かせてから剥くのがコツ。二個ずつ簾のように吊るす前に硫黄で薫淨する。殺菌効果とともに仕上がりの色をよくするためだ。煮え湯に10秒ぐらい浸けてもいい。その方法はともかく、今、剥いている柿はクリスマス、お正月には贈答品として市場に出回るのである。


干し柿



 枯露柿用の柿は甲州百目、大和、蜂屋などだが、この地方の主流は何といっても甲州百目。我が家でも女房が柿剥きを始めた。もちろん、出荷などという大それた事が出来るはずがないから、お楽しみと親しい人に差し上げる程度のものである。今年は2回ほど消毒をしたせいもあって、10本足らずだが、甲州百目の木に200個ぐらいの大きな実を付けた。



 「どうせなら、もっと吊るせし」



 慣れない手つきの女房と二人を見た近所の人が「硫黄薫淨して来た」という100個近くの甲州百目を持って来てくれた。我が家の≪柿の簾≫も昨年、一昨年より賑やかになりそうだ。簾のように吊るす竹竿も甲州市の知人がわざわざ運んでくれた。ありがたい。




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落花生の収穫

 「お父さん落ちないでくださいよ」
8段ある脚立でも高い所は手が届かない百日紅の木によじ登って、枝を切り落としていたら、下から女房が心配そうに声をかけてきた。




 百日紅は幹の形状がすべすべしているからか、「さるすべり」とも言う。パソコンで「さるすべり」と打って、変換キーを叩くと「百日紅」と出て来る。「百日紅」を「さるすべり」と読ませるのだ。



 とにかく、女房が言うように「さるすべり」の木から落ちたのでは洒落にもならない。「バカ、このくらいの事、大丈夫さ」と、言ってはみたものの内心は、やっぱり怖い。このくらいのことは、若いときなら平気だっただろうに・・・。足腰とバランス感覚は確実に弱くなっている。やはり歳はウソを言わない。



 沢山の枝を切り落としてみると、なにか寒々しく、冬を実感する。やはり葉を落とした近くの梅の大木も、だらしなく伸びた徒長枝を切り落としたいのだが、こちらは高すぎて駄目。あきらめて野菜畑の落花生を掘ることにした。こちらも既に葉っぱをガラガラに枯らし、かつての勢いは見る影もない。


落花生2


 今年の落花生の収穫にはちょっとした思い入れがある。だいぶ前になるが、このブログで落花生について書いた時、北海道の「nocs」さんからこんなコメントを頂いたからだ。


 「(前略)収穫の季節ですね。収穫の写真(中略)、特に落花生がどのように実っているのか見た事がないので、興味津々です」


 「nocs」さんお待たせしました。落花生の写真をお届けします。写真があまり上手ではありませんので、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、落花生は、その実を根に付けるのではありません。以前にも書きましたように、根ではなく、花から伸びたツルの先に付くのです。


落花生1  


 「落花生」とは、うまい字を充てたものです。その字の通り落花生は「落ちた花に生まれる」のです。春先に種を蒔き、青々と葉が茂る6~7月を過ぎて7月下旬から8月、黄色い花をいっぱい付けます。ここからがまさに感動的。いくつもの黄色い花は一本のツルを従えて徐々に下に下り、やがて土に潜るのです。その花が殻の中に、あのピーナッツといわれる二つの種を宿すわけです。落ちた先に盛り土がなければ空中ブランコです。



 因みに春先、種を蒔くときには殻のまま蒔いてはいけません。二つずつ入っている殻の中から実を取り出して3粒ぐらいづつ、およそ30cm間隔で蒔きます。来年の事などちょっと気の早い話しをしましたが、収穫した落花生は土をよく洗い落とした後、天日干ししてから保存します。食べ方はフライパンで煎ってもいいし、茹でてもいいと思います。


落花生3



 カラカラに枯れた葉っぱは私の場合、やはり葉を枯らしたウドの上に載せて薄く土を掛けておきます。あの柔らかいウドを作るには籾殻がいいのですが、米作農家が減った今では籾殻が手に入りません。「nocs」さん、お分かりでしょうか。


落花生4


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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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