プル友の不思議

 私にはメル友ならぬプル友がいる。もう3年越しに通うスポーツジム(甲府)のプールで出来た仲間達である。年齢は20代から80代と幅広い。中には、どこの誰かも分からないプル友もいる。もちろん、男性ばかりではなく、若いお嬢さんもいれば、下っ腹に沢山お肉を着けたおばさん達もいる。


プール
 


 さまざまの筋トレ施設の一方で、25mの立派なプールを設けているのだが、ここはスイミングスクールと違って、競技志向ではなく、健康づくりにウエイトを置いている。だから私のようにメタボのそしりを免れない人間や、その予備軍も多い。事実、私は少しでもお腹をへっこませたり、体脂肪を減らせないものかと、ここに通い始めたのである。




 だからと言って、私自身もそうだが、プールの中にそんな悲壮感が漂っているわけではない。みんな楽しそうに水中オークをしたり、泳いでいる。水中エアロビックスのプログラムもあって、幅広い年齢のご婦人達から人気だ。 ご婦人達に混じっておじさんたちも頑張っている。


プール


 それぞれゾーンが分かれているから、思い思いにプールを楽しむことが出来る。泳ぎ専用レーンは三つ。ウオーキング専用レーンは一つだが、幅を広めにとって、その中央に直線を断続させた手すりを設け、左回りで周回出来る仕組みになっている。水中エアロビックスのゾーンは二つのレーンを一つにして、若いインストラクターが30分、または45分のプログラムで指導してくれる。




 水中エアロビックスは私のようなメタボ人間にはちょっとハードだが、ご婦人たちは30分、45分単位のプログラムを三つも四つも嬉々としてこなすのである。メンバーになって間もないという山梨市に住む友人の奥さんも「私も三つか四つぐらいやるんですよ」とニッコリ話していた。もちろんこうしたレッスンをこなすのには時間がかかる。だから昼食用のおむすび持参のご婦人もいる。


プール2


 人それぞれ、思い思いにプールを楽しみ、その合間や、終わればプールに併設のジャグジーに入ったり、お風呂に行って露天風呂やサウナ風呂を楽しむ。そのすべてが≪裸の付き合い≫である。ビジネス上の付き合いだったり、職場や学校の先輩、後輩の付き合いではないので、その肩書きや年齢などまったく関係ない。単なる人間としての付き合いだ。「どこの誰だか・・」といったのはそのことで、名前すら知らないプル友も少なくない。




 プル友は「こんにちは」「頑張ってますね」「お先に」「ごゆっくり」と言った極、簡単な会話から始まる。≪裸同士の付き合い≫は回を重ねていくうちにだんだん親しさを増してゆくものだ。時にはこのプル友が集まって納涼会や忘、新年会、それに桜の季節になれば花見の宴を張ったりする事もある。私のように70を過ぎた男もいれば、80、90を過ぎた人もいる。もちろん、素顔のプールと打って変わって、綺麗に化粧したご婦人やお嬢さんたちもいる。その仲間は20人近くに膨れ上がった。




 人間、男女を問わず、親しくなって始めて裸の付き合いになる。しかし、プル友とは不思議で、それが全く逆なのである。親しくなると着物を着たり、化粧をするのだ。



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目線の勘違い(再)

 8月24日付で書かせて頂いた「子どものいじめと大人たち」に早速、書き込みを頂きました。子どもたちの指導に真剣に取り組まれ、ご苦労をされている先生とお見受けしました。


葉


 ブログとはいいものですね。どこからでも投げかけたり、投げかけられたりしたブログをテーマに、ともに考え、見えないところでも議論が出来るのですからねえ。私の拙いブログ日記にいくつもの書き込みを頂いています。私は山梨ですが、遠く北海道からも頂きました。当たり前の事ですね。ブログを通じての意見の交換には時間も距離も関係ありません。




 書き込みを頂いたあなたを、ここでは仮に「先生」とさせて頂きます。先生が「ある学校の話」と前置きして疑問を呈しておられる「いじめる方にも問題があるけれど、いじめられる方にも問題がある」という学校側の指導に私も頭を傾げます。はっきり言わせていただければ、びっくりしました。




 少々乱暴な例かも知れませんが、それでは「盗人にも三分の理屈」に等しいと思うのです。確かに、いじめられる側にも何らかの原因があるのでしょう。しかし、それを言ってしまったら、いじめ問題の解決にはなりません。いろいろな事象への対処の仕方をマニュアル化することは悪いことではありません。




 でも事はいじめ。弱者が強者をいじめることはありません。だから「いじめは絶対駄目」。これは鉄則です。親達も含めて複雑化する子どもたち。学校現場の先生達の間に、ある種の≪迷い≫があるような気がしてなりません。例えば、体罰問題もそのひとつです。子どもたちが悪いことをしたら先生が叱る。それは役目というより使命です。その叱り方にケースによって拳骨やびんたがあっていいし、多くの親もそう考えていると思います。




 要はそのスタンスです。教育的な指導者として、また愛情を持って殴ればいいのです。当事者の子どもも、その親も必ず分かります。目くじらを立てて学校に噛み付いたり、教育委員会に告げ口をする親もきっといないでしょう。



雲


 子ども達と先生の会話やふるまいを目の当たりにすることがあります。そこでびっくりするのは、子どもたちの先生に対する口の聞き方、つまり言葉遣いです。子どもたちが先生に対して、まるで自分達のお友達のような語り口調で話しをしているのです。そこには目上の人に対する尊敬とか畏敬の念は微塵も感じられません。




 時に、教育現場の人たちから「子ども達の目線での教育」という言葉を聞きます。なにか「目線」を勘違いしているのではないでしょうか。子ども達の教育やさまざまの指導をしなければならない先生が、言葉遣いも含めて≪同格≫であるはずがありません。そんなスタンスで殴るから、子ども達にも親達にもその意味すら理解されないのです。




 私も子を持つ親です。先生達は迷わずに、自信を持って子ども達の前に立って欲しいのです。そうしないと、あっちにもこっちにもおかしな人間がつくられていきます。





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詐欺と盗人

サギ


 「お母さん、振り込め詐欺に騙されるなよなあ・・・」

 「私なんか、そんなにのろまじゃあ、ありませんよ。お父さんじゃあ、あるまいし・・・」

 「おい、おい。ひと言、余計じゃあないのか?



 今日も地域の防災無線から流れる振り込め詐欺防止の啓発放送を聴きながらの女房との何気ない会話である。女房は「絶対に引っかかりっこない」と断言するが、こういうタイプがいざとなると一番危ない、と私は思っている。なぜかって?娘はいい歳をしているのに、一人娘のためだろうか、今でも、どちらかと言えば過保護気味だからだ。こういうタイプは、ひとたび、巧みに仕掛けられれば、一発だろう。


電話




 「こちら山梨市役所と日下部警察署からお知らせします。今日、山梨市内の70歳代の主婦に電話があり、その女性の息子を装って、俺の携帯の番号が変わったので控えて欲しい。また電話する、と言っていったん電話を切り、改めてATMへのお金の振込みを求めてきました。このような電話があった場合、絶対にお金の振込みはせず、警察へ・・・。また定額給付金の支払いを理由に、手数料名目で現金の振込みを求める電話もかかっています。定額給付金の支給に手数料はありません・・・」




 こんな内容のアナウンスが毎日のように繰り返されているのだ。予防、警告のための放送にとどまらず、実際に被害に遭ってしまった事例も。その放送をよそ事のように聞いている側から見れば、これほど度々警告しているのに・・・と思うのだが、振り込め詐欺の被害は絶えない。よほど巧みな手口で仕掛けてくるのだろう。女房が言うように、みんなが、私だけは引っかかりっこない、と思っていているのに・・・。



 「石川や 濱の真砂は尽きるとも 世に盗人の種は尽きまじ」


 ご存知、石川五右衛門の辞世だが、悪いヤツは、今も昔も次から次へと出てくるものだ。五右衛門から時代は下って江戸時代の「白波五人男」のひとり・弁天小僧菊之助や、あの名台詞「問われて名乗るもおこがましいが、産まれは遠州浜松在、六十余州に隠れもねえ賊徒の首領たあ~・・・」の日本駄右衛門、さらに時代は下って江戸後期の鼠小僧次郎吉。


白浪五人男



 いずれも名うての盗賊に違いはないが、そこには何かしらの愛嬌があった。歌舞伎や庶民が集まる芝居小屋の演目にもなったりしたからだろうか、なぜか憎めない。特に鼠小僧次郎吉は、お金持ちの大名や武家屋敷ばかりを狙い、自らも義賊を標榜したという。




 ところが平成の盗人はどうだ。ATMやケイタイなどITを巧みに駆使し、弱い立場のお年寄りや女性をターゲットにしているのである。ATMを駆使して途中の「足」を消しているから捜査当局にとっても始末が悪い。再三の防災無線による警告のように、みんなで注意するしかないのだろうか。



 とにかく、一刻も早く捕まえて、五右衛門のように、釜茹(煎)でにでもしたらいい、というのが私たち庶民の感情だ。京都の古刹・南禅寺の山門という晴れ舞台まで用意して「絶景かな、絶景かな。春の眺めは値千金とは、ちいせえ、ちいせえ」などと、大見得を切らせるわけにはいくまい。





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嫌な世の中

子供


 電話のベルが鳴った。咄嗟に受話器を取った私は
「はい、○○ですが・・・」




 当然の電話への応対だ。それを聞いていた女房が、電話が済んだ後、



 「私も、おかしいと思うんだけど、最近じゃあ、電話がかかってきても、こちらは、モシモシだけで、自分を名乗らない人が多いんだってよ」



 「どうしてだ?」



 「決まってるじぁない。悪いヤツがいて、間違い電話を装って悪用するからよ」



 なるほどと思う一方で、ヘンな世の中になっちまったもんだ、と改めて思った。


電話


 電話を悪用する常套手段は、このところ頻繁に被害が出ている振り込め詐欺だ。繰り返される振り込め詐欺の被害。それを防止するため、毎日のように、これまた繰り返される防災無線による啓発アナウンス。誰だって身構えたくなる。




 裏を返せば人を信じなくなるということだ。時にはある間違い電話にしても「もしかしたら・・・」と悪い方に勘ぐってしまいかねないのである。普通なら「間違いました。大変失礼いたしました」「いえ、いえ、どういたしまして」で済むところが、そこに猜疑心を残せば後味が悪いものになるのに決まっている。もちろん、振り込め詐欺など悪いヤツは沢山いるわけではない。


携帯電話


 悪意の電話は論外で、単純な間違いにしても、当たり前のマナーさえみんなが心得ていれば、猜疑心は沸かない。人間だから誰だってダイヤルの仕間違いはあるだろう。その時に一言の侘びもせずにプツンと電話を切ったりするから、相手に不快感を与えるばかりか、その猜疑心まで誘発してしまうのだ。




 大人が間違い電話に一瞬、身構えるくらいならまだいい。困ったもんだ、と思うのは子供への教育だ。親も学校の先生も、子ども達に「知らない人に声を掛けられても、黙っていろ」とか「知らない人に声を掛けるな」と教える。万が一の毒牙から子ども達を守る手段だが、そう教えられると子ども達は、人を疑うことばかりを覚えることになる。


k子供



 一方で、挨拶をしろ、と教える。子ども達は面食らうに違いない。大人たちが設ける街角の挨拶運動を促す標語塔が白々しく映る。考えてみれば、全ての動物が本能的に、この猜疑心とか警戒心というヤツを持ち合わせている。自分を守る手段なのだ。しかし、必要以上に猜疑心や警戒心を植えつけたら子ども達はいったい・・・。万一、子どもが事件に巻き込まれたらどうする、と開き直られたら返す言葉がないのだが・・・。


子ども2


 人間が元来、持ち合わせている防衛本能。それに輪を掛け、ことさらに警戒心や猜疑心を植えつけたら子ども達の心は歪むに違いない。「万一、事故が起きたらどうする」という言葉の裏側に、学校や地域の≪事なかれ主義≫が潜んでいたら、これこそ主客転倒だ。それはともかく、ひとつ言えるのは、大人が物事に過剰に反応し過ぎると、純粋な子ども達に悪影響を及ぼしかねないことだけは確かだ。




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ビルの林の花粉症

都会



 「わたしゃあねえ、先日、病院関係の会議に出席するため、久しぶりに東京に行ったんです。そこで改めてびっくりしたのは、マスクを掛けて街ゆく人がなんと多いことか。インフルエンザではなく、花粉症なんですねえ。その数は半端じゃあないんです」




 ロータリークラブの例会での会食中、隣り合わせた仲間の話である。この人は山梨市にある、いわば地域中核病院の理事長で、自らもドクターだ。




 東京は巨大なビルの林。もちろん、公園や街路樹などがあるから、スギ花粉など花粉症を惹き起こす花粉の飛散源がないわけではない。しかし、山梨のように四方を山で囲まれ、その中に点在する森や林。東京と田舎の飛散源の量は比べものにならないはずだ。花粉症を持ち出した、このドクターの話を補足するように、別の仲間がこんな話をしてくれた。


スギ2


 「花粉の飛散は、単なる発生量だけではないと思うんですよ。確かに東京と山梨の発生量を比較すれば、山梨の方が圧倒的に多いはずだ。問題は蓄積度の問題じゃあないんでしょうかねえ」



 「蓄積度?」



 「そう。山梨などの田舎の場合、土などの自然が飛散した花粉を吸収してくれる。しかし、東京のような都市、つまり、ビルの林の中では花粉を消化しないんです」


ビル



 この話、私のように、ど素人でも、分かるような気がする。確かに巨大なビルの林の東京はその一つ一つがコンクリートの塊。網の目のように張り巡らされた道路という道路もどこまでもアスファルトの舗装である。自然の土がないのだから、飛んできた花粉だって行き場がなく、たまる一方だろう。それが沢山の車や人によってかき回されて、また舞い上がる。その繰り返しだ。




 私たちの地域の山や林では、もう少し経つと青い空を黄色くするほど風に煽られてスギ花粉が飛散する。こんな話を聞くと、花粉症でお悩みの方だと即倒するかもしれないが、これホント。いわば、季節の風物詩みたいなもので、私なんか、これと言ってびっくりもしない。それ自体が地域の人たちに免疫を施しているのかもしれない。


スギ



 私たちは子供の頃、この杉林の中で遊んだ。小さなスギの実を使ってスギ鉄砲あそびをするのである。花粉症などという言葉もなかった。それとも知らずに漆の木を使ってチャンバラごっこもした。でもかぶれることもなかった。免疫力も日常の生活や、遊びの中で備わっていたのだろう。今でも漆の枝でチャンバラごっこが出来るかって?まったく自信がない。恐らく、体中、かぶれで腫れ上がるだろう。




 スギ花粉をひとつとっても、その飛散量は、昔よりずっと多くなったという。人間が山を荒れ放題にしたツケだ。かつては、スギ山はヒノキ山と共に宝の山だった。ところが安い外材が入って来るようになって、その宝の山も持ち腐れ。下草刈りや間伐などをしないから、成長を妨げる。子孫を残そうとする本能からスギは余計に実を付けようとするのだそうだ。山を大事にしなくなった日本人が、こんな所でも、ツケを背負わされている?


木


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ピンクのじゅうたん

桃  


 「山梨の人間はバカだねえ・・・」


 「先生、どうして山梨の人はバカなんですか」


 「バカなんだよ」


 「だからどうして・・・」


 「だって、そうだろう。山梨の桃の花はすごい。わたしゃあ、電車で甲府に来たんだが、勝沼駅から塩山駅にかけて見渡す甲府盆地の桃の花は素晴らしい。あれを山梨県のヤツらは、世に出すことも、ましてや活用することすらしねえ・・・」


桃_convert_20120418091221
一宮町観光協会



 その人はツボのような丸い目をむき出すようにしながら、まるで掃き捨てるように言った。その語り口調はドスが利いていて、声はかすれている。ご存知の方は、そのイメージからお分かりになるかもしれない。そう、今は故人となられた岡本太郎画伯だ。大阪万博の、あのシンボルモニュメント「太陽の塔」の作者としてもおなじみ。その作風からピカソを連想する方も多いだろう。

岡本太郎



 もう30年以上も前のことだ。甲府で岡本画伯にお目にかかってインタビューさせて頂いたことがある。お話をお伺いする前、その生い立ちをちょっと調べさせて頂いた。その記憶によると、芸術一家に生まれた岡本さんは、子供の頃は名うてのやんちゃ坊主で、小学校を度々、転校させられた。ところが絵を描かせれば何を描いても上手で、18歳の時、東京美術学校(現東京藝術大学)に入り、その後、一家でフランスに渡るのである。




 岡本青年は、家族が日本に帰った後もパリに残って絵を勉強、そこで出会ったピカソの絵に心酔して、抽象画に傾倒していくのである。原色を使ったあの力強い抽象画を見て誰もがピカソを連想するわけはそこにあるのだ。大阪万博は当時、圧倒的な人気を集め、その入場者総数は6,400万人を数えた。日本人の二人に一人が万博を見た勘定だ。そのシンボルとなった「太陽の塔」の制作費は30億円とも言われた。




 なんとなくピカソを連想しながら向き合っていた私は、この岡本画伯のお話に、頭をガツ~ンと、ぶん殴られたような気がしたのを今でも鮮明に覚えている。なぜって? 今でこそ桃の花をいけばな用に市場化したり、桃の花見の場を設営して観光客を誘致するようになったが、当時、桃作り農家も農協など全ての周囲は、いわば「いい桃の実を作ってなんぼなんぼ」という考えに過ぎなかったのだ。岡本さんが言うように、あの見事な桃の花をビジネスに使うことなど考えなかったのである。


桃2_convert_20110412202905



 いくら素晴らしい花が咲こうと、その中にいれば、当たり前のことで、その素晴らしさに気づかない。岡本さんが言う桃の花に限らず、そこにいる人たちが空気のように誰も気づかず、見過ごしていることって案外多いのかもしれない。色から来る景色を見ての感性、それが芸術ばかりはではなく、ビジネスチャンスにも繋がることを思い知らされた。岡本画伯の感性はひとつキャンパスの上だけではなかった。事実、あの30数年前の乱暴とも思える発言が、やがて農家も周囲も山梨の桃の花に対する視点を変えるきっかけになったことは確かだ。



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赤か黒か

1


 「赤と黒」「赤と白」「白と黒」「赤、青、黄色」「青と白」・・・。

色を充てた言葉や題材は私たちの日常で、決して少なくない。「赤と黒」はご存知、19世紀中期のフランスの作家・スタンダールの長編小説。「赤と白」はハチマキだったり、紅白歌合戦のように、対抗戦に用いる色。「白と黒」犯罪や疑惑などをめぐって、よく使われる「白か黒か・・・」のあれだ。「赤、青、黄色」は言うまでもなく信号の色「青と白」東西を表す色だ。因みに北は黒、南は赤だ。





 結婚式やお葬式など、祝儀、不祝儀の儀礼の時に使う、のし袋も「赤と黒」である。数日前のことだが、この「赤と黒」で、ずいぶん迷った事がある。こんなケースだ。さて、皆さんならどうします?

赤か黒か



 知人が自らの墓所を建立、その竣工と合わせてご先祖の供養、つまり法要を営むというのだ。この方は、80歳を超えられた山梨県経済界の重鎮で、普段、懇意にさせていただいている関係もあって、ご招待を頂いた。そこまではいい。問題はその次だ。




 そこに行くのに、こちらの気持ちを表す「のし袋」が必要。そこで、はたと困ったのがか」である。墓所の竣工だったら、当たり前のこと「赤」ののし袋。一方、ご先祖の法要も、というと、もちろん「黒」である。墓所の竣工にウエートがあるのだから、お祝いの赤でいいのだろうが、その後の法事がなんとなく心に引っかかるのである。


赤か黒か2


 結局、お前はどうしたって?私は迷った挙句「ご香料」としたためた赤ののし袋を胸のポケットに納めて出かけた。「赤か黒か」で戸惑ったのは、やっぱり、私ばかりではなかった。この行事に参列した、いわゆる来賓は年配者ばかり。竣工と法要のセレモニーを終えて、甲府市内のホテルでのおときの席に臨む前、あっちこっちで「赤?」「黒?」でボソボソと。中には赤と黒、二つののし袋を胸に潜ませて臨機応変の「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式のお客さんも。




 しかし、この迷いは、おときの席での菩提寺住職のご挨拶でいっぺんに吹っ飛んだ。いい歳をした私たちのたわいもない迷いを知ってか知らずか「立派な墓所の竣工、おめでとうございます」から始まった。施主の菩提寺は山梨県甲州市塩山にある臨済宗向岳寺派の総本山向岳寺。そこの管長だから説得力もある。


赤か黒


 そう言われてみれば何と言うことはない。般若心経などの読経が響く墓所を囲んでいるのも紅白の幕だし、お寺さんのご挨拶も「おめでとう」。のし袋だって赤に決まっているじゃないか。あとで考えればそうなんですよ。「只今から○○家の法要を・・・」と始まったおときの神妙な席も、みんなの迷いが吹っ切れたのか、途端に明るくなった。




 ところで、みんなが持って来たのし袋は赤?それとも黒?それが分からないんです。どうしてって?それが、施主側が「お心遣いはご無用」とハナから受け取らなかったのである。そうなると「これでいいのか」とまた引っかかるのだ。とにかく「赤か黒か」、みんなの胸のポケットに入っていた、のし袋の色を見たいものである。





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春爛漫,初夏への序奏

 赤く咲いた冬の花・山茶花がいつの間にか消え、その後を追うように淡く咲いていた庭先の白梅もすっかり花を落とした。一足遅れで満開になった紅梅も春の嵐にハラハラと散った。その足元では水仙が黄色い花を。紅白の梅からバトンを受けたように、今度は杏が大きな木に薄いピンクの花をいっぱいに咲かせている。

花



 は梅と同じで木に勢いがある。だから太い徒長枝を秋口に強めに切り落としてやった。昨年までは、剪定の時期が悪かったのか、大きな木をしているくせに、ひとつも実をつけなかった。それとも、一本だけだと、自然受粉が出来ないのか。杏のことは定かではないが、例えば、サクランボの場合、必ず二本以上植えろ、と教わったことがある。現に知人の家の庭先にあるサクランボは、太く、樹勢はあるのだが、ひとつも実をつけない。




 子どもの頃、我が家と隣の家の畑を挟んだ境に大きな杏の木があった。6月頃になると、熟した黄色い実がポタポタと落ちる。その杏の甘酸っぱい味が今でも忘れられない。その木の代わりのように、我が家の庭先で大きくなった杏の木を見上げながら、今年こそは、実をつけてくれよ、と祈るような気持ちだ。もう80歳近くになる隣のおじさんにも≪懐かしい味≫を味合わせてあげたい。


花4



 「サクラ切るバカ、ウメ切らぬバカ」という言葉がある。「サクラ切るバカ」はアメリカの初代大統領・ワシントンの幼年時代のエピソードから来ているのだろうが、確かに、ウメは切らない方がバカ。若ければ若いほど、樹勢が強く、放って置くと藪のように大きくなってしまう。そうなると風通しや、陽の当たりも悪くなるから、実をつけにくくなくなるのである。特に、徒長枝の剪定は絶対条件。杏だって同じだ。


花2


 杏の木の足元では、蕗が一面に緑の丸い葉をつけて地面を埋めている。酢味噌和えや天ぷらにして食べたフキノトウは、もはや見る影もない。その傍らで椿が一輪、二輪と真っ赤な花をつけ始めた。裸になって久しい何本ものカエデも枝の芽を徐々に膨らませ、葡萄園の下ではハコベラが小さな赤紫の花を一面に咲かせている。


 フキ


 窓越しに真っ白い雪をかぶって浮かんでいる富士山も、ひと頃のような冷たさを感じさせない。むしろ優しく見えるから不思議だ。薄っすらとかかる春の霞がそうさせているのだろう。


花3


 
庭で


 花・サクラは蕾から三分咲き、五分咲き、八分咲きがいい。今年は2月の大雪がたたってサクラの開花がいつもの年より遅れた。4月の第一土曜日に繰り広げられた甲州・山梨の一大イベント・甲州軍団出陣。いつもの年なら満開のサクラの下で、戦国絵巻が繰り広げられるのだが、今年はサクラ吹雪の中での出陣とはいかなかった。五分咲き、八分咲き。その風情の中で甲府の街は大勢の観光客で賑わった。




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見事な変身

山の都5  


 「これが小学校の校舎だったの?」


 山間の閉校になった小学校の校舎が近代設備を伴った特別養護老人ホームと障害者福祉施設に見事に変身していた。所は山梨県大月市。学校が閉校になってしまうくらいだから、そこを取り巻く環境は、おおよそ見当がつくだろう。




 過疎の集落。好きな言葉ではないが、地方のあっちこっちに見られる現象だ。でも開所式にお招きを受けて施設を拝見しながら、過疎の巻き添えを食った廃校校舎の再利用に目を付けた経営者の発想に拍手を贈りたくなった。


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 逸村一徳さん。社会福祉法人「山の都福祉会」の理事長である。逸村さんは山梨ロータリークラブでご一緒している仲間。平成14年3月に同福祉会を立ち上げ、翌年10月、身体障害者療護施設「スカイコート勝沼」を開設したのを皮切りに,山梨県内、特に甲府盆地の東部に数々の福祉施設を開設して来た。




 大月への特別養護老人ホーム「サンコート大月」と障害者福祉施設「スカイコート大月」の開設は、その延長線上。施設の開設場所は大月市街地、つまりJR大月駅から車で10分前後だが、山間に入ったへんぴな集落の一角。もっと端的に言えば、人家もまばらな山の中である。廃棄になった小学校は浅利小学校と言った。

 
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 逸村さんは,そんなところに、あえて目をつけた。自らは口にしないが、施設を取り巻く環境、自然を重視したのだろう。山間の集落と言っても市街地のJR大月駅からも遠くはない。足場だって決して悪いとは言えないのだ。




 しかも廃校になったとはいえ、学校だから運動場もあるので、駐車場スペースには事欠かない。開所式に集まった大勢の来賓の車を飲み込んでも余りあった。廃校校舎の処分に思案していた市当局とその再利用を考えた福祉施設側の思惑が見事に一致しての変身であった。校舎が耐震化されていたことも逸村さんにとって魅力の一つだったのだろう。




 開所式に揃って駆けつけた地元・大月市の市長さんと市議会議長さんは、施設の開設にお祝いの言葉を述べながらも、一方で感謝の念も滲ませた。


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 その翌日。たまたまだが、地元の山梨日日新聞には「特養入所52万人待機」「県内8,225人 中重度者が6割超」と、大見出しの記事が。厚生労働省が発表した特別養護老人施設入所希望待機者の全国実態。特別養護老人施設の全国的な不足を端的に報じていた。




 記事は「食事や排泄の介助が必要な要介護3~5の中重度者は約34万4千人で、待機者全体の3分の2を占めた。急速な高齢化の進行で、自治体が特養を整備するペースを入所希望が上回り、待機者が増加した」と述べている。逸村さんによると、施設の開所に先立って開いた内覧会には100人を超す入所希望者が詰めかけたという。




 耐震・鉄筋3階建ての施設のホールには篤志家が寄贈した洋画のコレクションが。「おや?」.その中に高校時代の同級生で洋画家の設和幹氏の作品があった。思わぬ所での“再会”。きっと、この絵も入所して来るお年寄りや障害者を元気づけてくれることだろう。




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農業への夢

畑


 「21世紀のこれからは農業の時代。グリーン(クリーン?)農業の時代なんですよ」


 帰宅途中のカーラジオから流れる放送。「オヤっ」、と思った。途中からだったので、そのコメンテーターが学者さんなのか、評論家なのか定かには分からないが、我が国農業の歪みとも言える、拡大する耕作放棄地の実態を、ものともしない口ぶりで新たな農業の方向性を示唆していた。




 対談相手のアナウンサーが持ちかけたのは、山梨県でもジワジワ広がっている耕作放棄地への懸念だった。それによると、山梨県に於ける耕作放棄地の面積割合は、佐賀県に次いで全国2番目。問題の提起は、むろん耕作放棄地の拡大がもたらす農業そのもののへの危惧に他ならない。周りを見れば,後継者難の農家がいっぱい。自分だってその一人だ。


畑


 コメンテーター氏が示唆する新たな農業の方向性の根拠は、こうだ。


 「農村地帯で顕著になる後継者不足の一方で別の動きもあるんです。ある調査によれば、首都圏で生活している人達の30%が農業に何らかの興味を抱いている。企業も、そんな潜在的な意識動向を先取りして静かに動き出している。例えば(珍しいケースでは)、広告代理店の博報堂は『博報堂ファーム』を設けて農業への参入を試みているし、東京駅前に居を構える三菱地所も(地方で?)酒米作りをし、『丸の内地酒』を売り出した」

丸の内地酒_convert_20140410211550


 TPPに反対の立場を鮮明にする全農には懐疑的。「各地のJA農協は(農協本来のあるべき姿を失い)金融機関に成り下がっている」といい、全農の“拘り”をよそに現実の農業の方向は別の視点で動き出していることを言外に指摘した。特に山梨県が首都圏、つまり大消費地に近い所にあることを重視、「佐賀県とは立地条件が違う」と指摘する。




 広告代理店の農業への参入や大手不動産会社の酒米作りの意外性。コメンテーター氏によれば、「丸の内地酒」は、丸の内のビル街で人気を呼び、4,000本を超す日本酒がアッと言う間に売り切れたという。言外に国民の意識動向や消費者動向が変化していることを強調する。30%を占める農業願望人口。それを丸々受け止めないまでも潜在力だというのだ。




 そんな話とは裏腹に、私達の身の回りで耕作放棄地の拡大が、どんどん進んでいる。山梨市のこの辺りでも、農業後継者難は深刻。このままだと5年、10年と経たないうちに耕作放棄地は倍増どころではなくなるだろう。2月中旬の記録的な大雪は、その決定打ともなって「この機会に」と、農業との決別を考えている高齢従事者もいる。


大雪_convert_20140224145925



 「政治や行政は,一体、何を考えているのかねえ。“ばらまき行政”で農業の再生や復興が出来るわけがないじゃあないか」




 現状を憂える農業者は口々にこういう。そんな時、たまたま車の中で聞いたラジオ放送の話は、おぼろげながらも一筋の光りを見た思いだった。むろん、それを信じた訳ではない。でも、そんな時代があるいは来るのかも知れない。その場合、従来とは,大きくスタイルを変えた農業形態になるのだろう。
 現に農機具屋さんの店頭には冷暖房付きのss(自動車型消毒機)が。兼業農家のサラリーマンが出勤前の時間、背広姿でも消毒作業が出来るというシロモノだ。ファッションも含め農業イメージはガラリと変わるのだろう。ファッションはイメージ作りに大切だ。何事にも言える。

 拙ブログ、理屈っぽいこと、小難しいことは書かないことが心情だが、不本意ながら、ついラジオにつられてしまった。




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農鳥と農作業

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 エンドウなどの春野菜を追っかける夏野菜の蒔き付けや植え付けが、いよいよを迎える。ジャガイモの蒔き付けは、そのトップバッターと言ってもいい。甲府盆地でもサクラが満開となって,どうやら春は全開。114㎝。2月中旬の記録的な大雪で、少々萎縮気味の私達山梨県の農家も春の農作業に動き始めた。




 この辺り、つまり、山梨市やお隣の甲州市、笛吹市など甲府盆地の東部一帯は果樹地帯。ブドウ、モモ、スモモ、サクランボ…。冬期での剪定作業を済ませて、一服していた農家は、受粉を手始めに本格的な春の農作業に入るのだ。順番はスモモ、サクランボ、モモ…。ブドウは「ジベレリン着け」という促成、種抜き処理の作業が待っている。


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 篤農家と言われる人達は、私達“百姓モドキ”のように本気で野菜は作らない。収益性の高い果樹栽培に専念するためで、耕地面積から見れば野菜の作付けなど知れたもの。主には出荷目的ではなく、「無農薬で自家製の新鮮野菜を食べたい」という、いわば贅沢な作付けなのである。経費的に見ればスーパーで買い求める方が安いかも…。




 4月の下旬から5月にかけて富士山の山梨県側中腹に「農鳥」と呼ばれる残雪現象が現れる。雪解けの過程で残雪が鳥の形となって浮かび上るのだが、古来、人々は、この「農鳥」を初夏の農作業開始の目安にして来た。窓越しに見える今年の富士山は、心なしか雪化粧が厚い。でも、自然界のサイクルは几帳面で、毎年、出現の時期を大きくは狂わせない。


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農鳥」富士五湖ドットTVより


 私達夫婦は彼岸を目安にジャガイモを蒔き付け、5月の連休中に夏野菜のトマト、ナス、キュウリなどの植え付けをする。苗はホームセンターや農協の直売所から買って来る。今ではみんな接ぎ木もの。台木がしっかりしているので、病害虫にもすこぶる強いのだ。その分、値段も高い。サツマイモを「挿す」のもこの時季。茎を切って盛り土をした床に「挿す」のである。接ぎ木でないことは言うまでもない。


ジャガイモ


 サツマイモは、大豆や小豆などの豆類、大根やサトイモ、トウノイモなどとともに、秋野菜の部類。大豆や小豆などはトマトやナス、キュウリなどの植え付けを追っかけて蒔き付けるのである。この辺りでは、水田は見る影もなく姿を消してしまったが、八ヶ岳や南アルプス山麓などに残る水田地帯の田植えは「農鳥」の“顔”を見て始まる。




 私達が子供の頃まで、この辺りは米麦養蚕の地帯であった。平地では米と麦の二毛作。傾斜地では桑を作って蚕を飼った。サツマイモも作った。当時、米、麦は供出制度が残っていたので、サツマイモ作りは、それを補う糧でもあった。どの農家も畑の片隅に本格的な苗床を作り、そこから切り取った苗で、広い面積のサツマイモ畑を耕作したのである。


サツマイモ3


 時代のいたずらとは面白いもの。サツマイモは、今では焼き芋として“品格”を上げ、人気者に。お値段も結構なものだ。地位をグーンと上げて再登場した焼酎の原料として需要を広げてもいる。一方、「お焼き」も何時しかお土産の地位に上り詰めた。戦後間もない時代のサツマイモやお焼き。貧しさの象徴でもあった。

 私達は、それを何時しか忘れ、嗜好品として受け止めている。「お父さん、今年もサツマイモを作ろうよね」。我が女房殿、亭主に今なお残る“サツマイモのトラウマ”をよそに、完全に焼き芋に魅せられている。




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ジャガイモの種蒔き

ジャガイモ


 「お父さん、ジャガイモの植え付けをしないと遅いわよねえ…」


 「そうだよなあ…。揚げ足を取るわけじゃないんだが、ジャガイモは『植え付ける』のではなく、『蒔く』というんだよ。」


ジャガイモ 


 「へえ~、そうなの?」


 「お前は,何にも知らねえんだな。いい歳をして…」


 「『いい歳』だけはよけいじゃあない?」


 「ナスやキュウリ、トマトなどは苗を植える。だから『植え付け』。これに対して大豆やエンドウなどの豆類やほうれん草などの葉物は『種を蒔く』んだよ。お前が『植える』と言っているジャガイモは芋だが、種芋。だから『蒔く』と言うのさ。サトイモだって同じで『蒔く』と言うんだ」


サトイモ
サトイモ


 「へえ~。お父さん、よく知っているね」


 「バカ、そんなこと常識だよ」


 「バカは余計よ!」


 バカな夫婦の、全くどっちでもいい会話だ。


 まあ、そんなことは、どっちでもいい。


 女房は私のような田舎育ちと違って、農業を知らない町育ち。無理もない。畑仕事など日常になかった甲府での暮らしから一転、山梨市の私の実家に連れて来られて、ぼつぼつ8年。最近では、野菜の作付けにも興味を持つようになった。私の職場定年が契機だった。


野菜  


 現に、ジャガイモの種芋もホームセンターやJA農協に行って自分で用意したし、肥料も買い込んで来た。興味さえ持てば、そのための情報はいっぱいころがっている。隣近所の農家の奥さん達との世間話、さらには園芸雑誌。種屋さんに足を運びさえすれば、懇切丁寧に教えてもくれる。その情報が“力”に変わるのだ。



 「私なんかに出来っこない」


 そう決め込んで憚らなかった女房が最近では、管理機を動かして耕運や草取りもする。そんな女房の意欲を見込んで、従来のものより一回り小さく、女手でも操作しやすい管理機を買った。20万円弱。知り合いの農機具屋さんから求めたのだが、新品は具合がいい。




 ジャガイモの蒔き付けは、お彼岸が目安。誰が教えたわけでもない。この辺りの、いわば“経験則”。だが、年によって遅霜に遭い、せっかく出た芽を無残に凍みらせてしまうこともある。ジャガイモに限らず、野菜の種蒔きや植え付けのタイミングは,ちょっぴり難しい。病害虫との絡みだってある。私のように消毒をしない野菜栽培の場合、なおさらだ。


野菜づくり



 種芋は、大きいものでは三つから四つ、小さいものでも二つぐらいに切って蒔き付ける。よく考えれば,ジャガイモとは不思議な作物で、一つの芋から何カ所もの芽を出す。球体だから丸ごと蒔き付けた場合、真下からも芽を出すことになるのだ。だから芽となる部分を計算に入れて、幾つかに切って蒔き付けるのである。(次回に続く)




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奇特な人

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 NHKテレビの朝ドラ「花子とアン」が始まった。言うまでもなく「赤毛のアン」など数々の翻訳本を世に出した村岡花子をモデルにしたドラマだ。村岡は山梨県甲府市出身。ドラマは甲州弁丸出しで展開していく。その甲州弁、私達、甲州の“山猿”が聞いてもちょっと誇張し過ぎだ。いかに優れた指南役がいたり、役者さんが演じようと、土着の方言、もっと言うなら“訛り”を理解し、表現することは難しいということだろう。


花子とアン2


 朝ドラとは全く関係がないのだが、東京駅八重洲口前のホテルに集まった日川高校13回卒京浜地区同期会のメンバーも、元をただせば甲州の山猿。でも甲州弁はほとんど出て来ない。山梨を離れて、もう50年以上経つのだから無理もない。私のような“お上りさん”が飛び込んで、“本物”の甲州弁を振りまくと周りの雰囲気が変わる。笑顔になるのだ。方言は、その地方、地方の温もりを醸し出すことも確かなのである。


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 私達、甲州人がよく使う言葉の一つに「まめ」という言葉がある。「まめなヤツ」とか「まめに○○をする」などといった具合に使うのだが、「労を惜しまず」とか「丹念に…」といった意味合いだ。同期会を計画・演出してくれている“万年幹事“の田村俊夫氏(千葉・船橋)もその一人だし、その後をしっかりフォローする高野泰賢氏(神奈川・横須賀)もそうだ。宴の模様を写真や文字のアルバムにまとめ、出席者はむろん、出席できなかった仲間達にも電子メールなどで送信するのである。私達は、間違いなくアナログ世代の人間。しかし、そんな殻をぶち壊すようにパソコンを駆使する。


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 高野氏は元をただせば海上自衛官。中堅幹部として南極観測船「しらせ」にも何度か乗り組み、事実上、運航の中心的な役割を果たしたこともある。いわゆるキャリアと違って実務派の幹部だから船やシーレーンにだって滅法詳しい。私も山梨市の自衛隊協力会の役員の端くれということもあって、何度か護衛艦など自衛隊の船に乗せて頂いたことがあって、船の中の指揮系統を垣間見たことがある。


自衛隊


 キャリアとノンキャリ。どの世界でも言えるのだろうが、実務においてはノンキャリ幹部の方が詳しいし、強い。高野氏は多くは語らないが、船の隅々、海の隅々まで知っている筈だ。時折起こる自衛隊艦船と漁船の衝突事故や外国船と日本船の海難事故など、“政治的処理”を含めた舞台裏も、よく分かるだろうし、近くはマレーシア航空機の行方不明事件(事故)だってそうだろう。確かな証拠があるわけではないから“その先”を語らないが…。




 陸上に道路交通法があるように、海や空にもしっかりしたルールがある。さまざまなレーダー網や衛星通信。地球をすっぽり覆った各国の情報網は、私達素人が計り知れない情報の網で固められているのだ。不可解な“政治的処理”が行われがちな海や空で起こる事件、事故。その辺の裏側を実務者の口からズバリ、聴けたら面白いだろう。




 同期会の最後は定番の校歌と「フレー、フレー」の応援。指揮は、かつての応援団の強者・小島秀元氏(東京・江戸川)。現役時代を彷彿とさせるフリさばきを見せた。でも当のご本人は「やっぱり、くたびれる。身体がついてこないよ」とも。やっぱりねえ…。


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多士済々

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 多士済々。この言葉が適当であるかどうかは別に、そこに集まった人達は、みんな、それぞれの“道”を生き抜いてきた男達であった。昭和36年春、母校・日川高校を卒業。「待ってました」とばかり、実社会に飛び出していった仲間もいれば、大学を経て社会に出た仲間達もいる。そんな仲間も、いつの間にか古希を過ぎ、今年は6度目の年男。72歳になる。ほとんどが職場をリタイア。俗に言う“第二の人生”を歩んでいるのである。




 あれ(卒業)から半世紀。厳密に言えば53年が経った。東京駅八重洲南口前のホテルで開かれた同期会の仲間達を見ても、その間の生き様は、さまざまだ。“企業戦士”として功をなしたサラリーマンもいれば、自ら起業し、実業界に躍り出た人もいる。




 一口にサラリーマンと言っても色々。証券マンや商社マン、日銀マン、国鉄(現JR)マンや営団地下鉄(現メトロ)で活躍した地下鉄マン、不幸にして起きた福島原発事故。その影で肩身の狭い思いをした東京電力マン。学者肌のエンジニアとして活躍した人もいる。その人達が生み出した新技術や特許の数も少なくないのだろう。今も現役の公認会計士や画家もいれば、大学教授から名誉教授となって教壇に立っている人も。


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 遡って学生時代。ラグビー部やサッカー、野球、応援団など体育系で活躍したモサ達もいれば、ブラスバンドや合唱、科学部など文化畑で気を吐いた男達もいる。そんな中で


 「オレは高校時代、絵を描いていた訳でもないが、気がついてみたら画家という世界に足を踏み入れていた」


 この男、洋画家で雅号を「設和幹」という。甲府にアトリエを持って次々と新しい作品を発表している。高校を卒業後、ふとしたきっかけでパリに渡って本格的に絵を勉強。毎年のように東京・銀座の画廊で個展を開く。繊細なタッチ。彼の絵の
ファンは少なくない。この春、銀座で開いた個展は大勢の“設和幹ファン”で賑わった。



 私は先頃、山梨県大月市に完成した特別養護老人ホームの開所式に招かれた折、そこに寄贈した篤志家のコレクションの中に「設和作品」を見た。画廊や美術館ではなく、市井で目にする仲間の作品。また違った感慨がある。

同窓だよ
日川高等学校同窓誌「同窓だよ!」1989年
表紙画:設和幹氏



 一方、公認会計士で今なお現役の澤登袈裟平氏。この人は衰えを知らない勉強家で、折に触れ、漢詩を持ち出しては仲間達を諭す。今回は杜甫(712~770年)の七言絶句「絶句漫興」を。



二月已破三月来  二月 已に破れ 三月来たる
漸老逢春能幾囘  漸く老いて 春に逢う 能く幾回ぞ
莫思身外無窮事  思う莫かれ 身外無窮の事
且盡生前有限杯  且つは尽くせ 生前 有限の杯



 「二月はとっくに過ぎて、はや三月。だんだん歳を取ってくると、春に巡り会えるのも、あと何回ある事やら。自分とは関わりのないことなど、もう考えまい。まあ生きているうちに飲める限りの杯を飲み干すことにしよう」.

  言い得て妙。同期会,私達ににピッタリの詩だった。 (次回に続く)




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懐かしき友

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 あの顔。この顔…。頭に沢山の白いものを頂いたり、それすら無くしてしまった人も。自分も含め多くがお腹を出っ張らせ、そう言っては失礼だが、世に言うメタボ。でも、その顔は温和。みんないい歳を取っていた。それは、一人一人の顔や振る舞いに現れていた。それぞれの生き様がそうさせたのだろう。


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 京浜地区に住まいする高校時代の同級生が集まっての宴。所は東京駅八重洲南口前にある八重洲富士屋ホテルの3階「赤松の間」である。会場入り口には「日川高校13回卒京浜地区同期会御会席」の立て札が。

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 この日集まったのは33人。幹事さんのきめ細かい計らいで、みんなの胸にはプラスチックのケースに入った名札が。私のように山梨から初めて飛び入り参加した者には“初対面”のような仲間もいる。戦中生まれの私達の世代は今のような少子化時代と違って結構、子供達の数は多かった。一学年は、50人学級で8クラス400人。その後の、いわゆる団塊の世代になると同校の定員は500人、550人にまで膨れあがったのである。




 当然のことながらクラスを共にしななかった仲間もいるし、クラスを共にしながらも咄嗟に思い出せない顔も。相手にとっても同じことだろう。50年を超す歳月は、それほど人の姿を変えていた。一瞬、浦島太郎の心境にも…。私を例にしても50㎏前後だった身体が今は90㎏近く。体型一つとっただけでも、子供の頃と全く違ってしまっているのだから「分かってくれ」と言う方が無理かも知れない。


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 卒業以来何度か会った仲間とは「やあ~、お久しぶり」と言う一方で、「お前は誰だっけ…」。お互いに名札と顔をにらめっこ。でも、そこは“同じ釜のメシを食った”同級生。何処かに子供の頃の面影が。みんな思い出すのに時間はかからなかった。




 今もそうだろうが、県立高校だから、基本的には学区がある。現在は東京や千葉、神奈川などに住んでいる仲間達も元をただせば、“東郡り(ひがしごうり)”と呼ばれる甲府盆地の東部の人達。「一宮の金子?望月?雨宮?…」、「勝沼の大村?野中?竹内?里吉?…」、「八幡の丸山?簗田?…」、「山梨の三枝?笠井?古屋?土橋?」といった具合に、出身地がキーワードになったりもするのだ。




 この会は、古希、つまり、みんなが職場をリタイアし始めたのを契機に始まったという。3年前の、あの東日本大震災と時を同じくしてしまった年を除いて、毎年欠かさず、この時期に開いているのだそうだ。その影には、奇特とも言える幹事さんの存在がある。千葉の船橋に住む田村俊夫氏がその一人。むろん、サポート役の幹事さんもいる。メール通信も含めて仲間達に案内状を出し、出席者名簿を。在籍中のクラスや出身中学まで事細かく整理してくれているのだ。そればかりではない。出席、欠席を問わず、返信通知を元に、それぞれの近況をまとめたプリントまで添えられていた。




 小学校、中学校、高校、大学…。人は誰しもそれぞれの学校の同級生を持つ。そこには同級会など、さまざまな交流がある。その仲間達は歳を取れば取るほど、懐かしさを強め、味を出す。そこへの参加は間違いなく健康の証なのだ。(次回に続く)




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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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