むち打ち症の辛さ
いやあ~、これほど辛く、切ないものだとは思わなかった。寝ていればいいのだが、起きていると、じっとしていても首が痛み、そのうちに肩から背中、さらには腕まで激痛にさらされるのだ。首を切り落としたくなるほど切ないのである。ムチウチ症。なかなか治癒しない怪我であることは知っていたが、カラーバンドを首に巻いていればやがて・・・くらいに考えていた。でも、どうしてどうして。
事故からもう20日近く経つ。1週間に一度、病院に行っては首の根っこや肩に注射をしてもらい、痛み止めの薬をもらって家で寝ている。はかばかしくない。もちろん、最初に頚椎のレントゲンや頭のCTも撮った。医者は薬を替えたり、注射を替えるなど工夫をしてくれている。改めて頭のMRI検査をする。
ムチウチ症というと大抵の方は追突事故を連想するに違いない。後ろの車のちょっとした不注意からドカ~ンとやられるあいつだ。後ろには目がないから、全く無防備に近い前の車のドライバーや同乗者はたまったものではない。追突のショックで首をガク~ンとやってしまうのである。後ろの車を恨むしかない。
私の場合、誰をも恨むことが出来ない自損の事故だ。自損といっても車による事故ではない。畑仕事から昼食に我が家へ戻ろうとした時、ちょっとばかり近道をしようと掘割を跨ごうとした瞬間だった。その掘割には物置の屋根の樋が突き出していた。それを計算に入れていないから、頭はその樋に、足はその下奥の石垣に。後ろに跳ね返されてひっくり返るのは当たり前だ。
ひっくり返ったそこには掘割の石垣の角が待っていた。アッと思った瞬間だった。前に跳ぼうとする勢いの反作用に加えて85㌔を超す体重も加わって後ろに弾き飛ばされたのだから石垣に打ち付けた首への衝撃はひどかった。一瞬、俺はダメか、とさえ思った。当然のことながら後頭部の下部、つまり首との境あたりから血が噴出した。助けを呼ぼうとしたが女房は留守。拍子が悪い時というものはそんなもの。夢中で掘割を這い上がり、30mほど先の我が家に戻ってベッドに這い上がり横になった。噴出す血は巻きつけたバスタオルで止めた。
「どうして救急車を呼ばないの。せめて私に連絡しないとダメじゃない。もし何かあったらどうするの」
これも当然。女房は私を叱った。私は畑に出るときもケイタイをポケットに持つようにしている。地域の連絡事、仲間からの飲み会や麻雀の誘いなどがあるからだ。私のケイタイはラクラクホンというヤツで、ワンタッチで女房のケイタイに繋がる。しかし、ちょっと落ち着いたら素人ながらだが、打ちつけた所が後頭部といっても首との付け根、血が噴出したから内出血はないと考えた。ただムチウチだけは覚悟した。症状が出てきたのは数日後。今の苦しい思いの始まりだった。元をただせば頭と体のアンバランス。歳のせいであることに間違いない。若い時には簡単に飛べたり、飛び降りることが出来たものだが・・・。
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