花火の醍醐味

神明の花火大会
神明の花火大会


  夜空に次々と描かれる光の芸術。その広大なキャンパスにアクセントをつけるような「ド~ン」「ド~ン」という音。まさに光と音の競演だ。夏の夜空を彩る花火は、江戸の昔から庶民の間で親しまれた夏の風物詩でもある。浴衣姿の若いお嬢さんたち。甚平さん姿のオジサンもいる。老若男女が集まって大空を見上げるのだ。


花火を見上げる観客
観客席


 今年も山梨県の南部・市川三郷町の富士川水系の河川敷を舞台に開かれた「神明の花火大会」。26回目。主催者発表で20万人を超す見物客で賑わった。辺りが暗くなる7時半から9時まで2万発の花火を打ち上げる山梨県内では最大の花火大会である。山中湖や河口湖など富士五湖で繰り広げる湖上祭の花火を上回る規模になった。


神明の花火大会3


 河川敷には特設の桟敷席が設けられていて、目の前で打ち上げられる花火の競演に「わあ~」と歓声が。拍手だって沸く。「玉屋あ~」。どこで覚えてきたのか子供の可愛らしい掛け声も。お父さんか、おじいちゃんにでも教わったのだろう。「玉屋」は江戸を代表する花火師の屋号。花火好きの人ならお馴染みだ。


神明の花火2


 その「玉屋」は江戸時代、「鍵屋」と人気を二分した。転じて見事な花火に掛ける賞賛の掛け声になったという。人気二分の花火師「玉屋」と「鍵屋」の関係が面白い。モノの本によれば、「玉屋」は日本橋横山町の花火師・「鍵屋」六代目弥平衛の番頭・清六。「鍵屋」に暖簾分けしてもらって独立した身だ。両国吉川町で「玉屋市兵衛」を名乗り、やがて隅田川の上流を「玉屋」、下流を「鍵屋」と二大花火師が棲み分け、隅田川花火を競演して見せたのである。現在の隅田川花火大会の会場が上流と下流の二つに分かれているのもその名残だろうか。


市川花火2


 花火好きの江戸庶民は、この二つを競わせて応援、その掛け声が「たまや~」「かぎや~」になったのである。しかし、今では主従が逆転、子供さえ言う「玉屋ぁ~」の掛け声の方がポピュラーに。因みに清元の「玉屋」、それに振り付けした日本舞踊の「玉屋」はシャボン玉売りのことを描いたもの。「玉尽くし」「おどけ節」が入った楽しい曲だ。歌舞伎の名跡・大川橋蔵の屋号はご存知のように「玉屋」である。


市川花火


 この時期、市川三郷町に限らず、全国には、おらが自慢の花火大会が星の数ほどある。中でも東京・隅田川の花火は、その伝統や規模の大きさからも有名。毎年、テレビ中継もされるので、いわば国民的と言っていい。うちの娘なんか両国に住まいするお友達に会うのを楽しみに毎年のように飛んでゆく。25年ぐらい前になるのだろうか。娘は学生の時分、雑踏で転んで足を骨折、痛い思いをしたばかりでなく、私たちまで心配させたのに懲りた様子もない。


神明の花火大会2


 花火はどんな人間をも純粋にさせる。大空で繰り広げる音と光の競演を誰もが無心に眺めるのだ。大人も子供も老人も、この時ばかりは頭の中を空っぽに。不思議なことに心配事も悩み事もみんな吹っ飛ばしてくれる。うちのかみさんばかりではない。みんな口をあんぐり開けて上を見詰め、無意識に歓声と拍手を送っている。片手にビール片手にうちわ。そんな自分だって同じだ。花火は光の芸術もさることながら、お酒と同じように五臓六腑に染み渡る「ド~ン」「ド~ン」という音の響きがいい。花火は近くで観るに限る。それが花火の醍醐味だ。


神明の花火


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素晴らしい

甲府市と笛吹市南部の笛吹川沿いで打ち上げてくれると甲府盆地の殆どから見る事が出来ますね。素晴らしい写真でした。

そうですよねえ。でも…。

 個人的な感覚かも知れませんが、私は、花火は出来るだけ近くで見るに限る、と思っています。花火は「音と光りの競演」。これがちぐはぐになったら…。出来るだけ近くで,口をあんぐり開けて見上げるのが一番ですね。

No title

たまやぁ~は知ってましたが、かぎやぁ~は初耳です!
今度花火見たら言ってみよう。
花火のあの心臓をつくような大迫力な音も、頭上から降り注ぐ花火の燃えカスも、会場まで行ってからじゃないと味わえないですよね。

体感・・・ 

 花火は「見るもの」であり「体感するもの」ですよね。仰る通り、それこそが醍醐味でもあります。
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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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