飛行機雲

 今日は天気がいい。久しぶりに秋の青空が戻ってきた。畑仕事の手を休め、額の汗を首に掛けた手拭で拭いながら空を眺めると、一筋の飛行機雲が。その後からも、また一機。フランスやドイツなどヨーロッパに向かうのだろう。高度は、恐らく10,000mから12,000m。ゆっくりに見えるが、時速では800㌔以上で飛んでいるのである。


飛行機雲


 「高度や速度まで、よく分かるかって?」。外国旅行をする時、座席の正面の大型スクリーンに映し出される安定飛行の高度や速度は、いつもそのくらいだからだ。高度や速度はともかく、真っ直ぐに東の空から西の空へと伸びる飛行機雲がまだ消えないうちに、次の飛行機雲が追っかけてくる。



 山梨の上空は外国、特にヨーロッパ航路の通り道。成田空港から飛び立って、しばらくすると、スチュワーデス、いや今は客室乗務員とか客室アテンダントと言うのだそうだが「左側をご覧ください。富士山が・・・」と、機内アナウンスをする。そのあたりが今の飛行機雲のあたりなのだ。


富士山と雲



 我が家から見上げると、南側の上空の時もあれば、北側もある。大まかに、その上空を飛んでいることになる。陽が西の山に沈んで、夜空に変わると、飛行機雲は回転灯に変わる。チカチカと光る赤い光の玉がゆっくりと東の空から西の空へと消えていく。目の錯覚だろうか、スピードは昼間の飛行機雲より遅いような気がする。


飛行機


 夜8時、9時を過ぎると、その間隔はグーンと広くなる。昼間の1分、2分間隔の飛行機雲と打って変わって、まばらになり、やがて星空だけになる。それぞれの便の到着時間との関係もあるのだろうが、その大きな理由は空港周辺住民との関係、つまり、騒音問題に起因している。成田空港の出国ロビーもこの頃になると閑散とし始める。




 昭和52年か、53年だったと思う。成田空港が開港する直前に、そこを見せて頂いた時、係官が控えめながらも、その辺の事情を説明していたものだ。事実、この空港を造る時の周辺住民の反対運動はものすごかった。騒音に対する地元住民の反対運動にとどまらず、国家プロジェクトに対する左翼系闘士の反対運動も加わって、いわゆる成田闘争が長く繰り広げられたのである。左翼系闘士はその後分散、一部は山梨県の北冨士演習場・梨が原で今も活動している。




 ちょっと肩苦しくなった。飛行機雲に戻る。先ほど「一筋の」と書いたが、遠くからだから一本に見えるが、実は飛行機雲は二本。当たり前だが、ジェット機はジェット噴射で飛ぶ。そのジェット噴射で、周りの水分が気化して、あの飛行機雲が出来るのだ。お恥ずかしいが、この原理は、先頃、航空自衛隊浜松基地で、ブルーインパルスのアクロバット飛行を見せて頂いた時のアナウンスで知った。


ブルーインパルス


 大空をキャンパスにブルーインパルスが描くアクロバットの曲線ジェット口の脇に取り付けたノズルから色のついたオイルを流すと、それがジェット噴射で気化して、あのカラフルな飛行機雲になるのだそうだ。「そんな事、みんな知っているって?」。そうだよね。





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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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