大根足と大根役者

大根5


 「この大根め・・」


 大根の収穫をしながら、なかなか抜けない大根にちょっぴり腹が立って独り言を言ったらそばにいた女房が何を勘違いしたのか


 「大根とは何よ。お父さんの足なんかゴボウじゃない。まったく・・・」


 なにやら女房は自分の足のことをいわれたと思ったらしい。いい歳をしてそそっかしいのは今に始まったことではないが、それにしても面白い。確かに大根はずん胴で、女房の足によく似ている。


大根4



 真面目に怒っているのがまた面白くなって「これなんか、おまんにそっくりだよなあ」といったら、また怒っていた。この会話が聞こえたのか隣の畑で仕事をしていた老夫婦はこちらを向いて、軽く頭を下げ、ニコニコ笑っていた。



 いい天気だ。小春日和とはこんな日のことを言うのだろう。



秋の空



 「今日は暖かいですねえ」と声をかけたら、その老夫婦は帽子を取りながらこちらにやって来た。


 「立派な大根を作りましたね。これじゃあ百姓顔負けですよ」



 「お宅じゃあ、大根作らなかったですよねえ。これ持って行って、沢庵に漬けてみて下さいよ」


大根2


 このあたりは葡萄や桃、サクランボなどの果樹地帯だから本格的な農家は手のかかる野菜作りは、どちらかというと敬遠するのだ。大根をネコと呼ばれる一輪車に載せて女房に隣の家まで運ばせた。大喜びしてくれる老夫婦がまたうれしい。大根足と勘違いしてさっきまで怒っていた女房も愛想よくニコニコしていた。





 さてその大根だが、殺菌作用も持ち合わせていて、決してアタル心配のない野菜だそうだ。刺身のつまや、そのパックの下に大根の千切り?が敷いてあるのもそんな理由からだ。それが転じて生まれた言葉が「大根役者」。当たらない、つまり、いつになっても人気が出ない役者のことを言うのである。女房が言う「大根足」は、その形容から誰とはなしに言うようになったのだろう。


大根2


 大根作りには土地が深い火山灰土の地域が適しているのだそうだ。山梨県では八ヶ岳と向かい合う茅が岳山麓の北杜市明野町の「浅尾大根」が有名。真っ直ぐであることはともかく、皮が薄く、沢庵漬けにはうってつけ。味もいい。茅が岳はあの登山家であり、エッセイストでもあった深田久弥さんが亡くなった山としても知られている。




 大根は、「青首」という種類のように地上にも伸びるが、当然、地下に生長する野菜だ。だから土の浅いところは適さないのである。私の地域は粘土質で土地が浅いから大根が真っ直ぐ伸びずに曲がったり、二股になりやすい。抜くのに一苦労する。そればかりか、力を入れると途中からポキンと折れてしまうのである。でも商品として出荷するわけではないからかまわない。今年も大根足ならぬ、しなびた女房の足のような沢庵が食べられる。





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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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