大晦日の雰囲気

 何か慌しくて、それでいて何かを待つようなウキウキした気持ち。それが大晦日のなんとはなしの雰囲気だった。「・・・だった」というのは子供の頃で、今はそのウキウキというか、何か新鮮なものを迎えるような雰囲気を感じなくなってしまった。一夜明ければお正月。当たり前にやってくる次の日の朝だが、特別の感慨のある大晦日と元日。私ばかりかも知れないが、どうしてそれがなくなってしまったのだろう。

お正月_convert_20110105000030


 ある年代以降の人達には「盆と正月」という言葉があった。それとは直接関係ないが「○○ならば米の飯(白い米)」という言葉もあった。日本の貧しい時代が残したフレーズだろう。貧しいながらも、親たちは、大人たちは、お盆には先祖達と共に、また正月には子供たちと共に精いっぱいに振舞おうと努力した。




 我が家の場合、母親が大晦日には「ゴシ」の葉を入れた風呂を、元日には米のとぎ汁を入れた風呂を立ててくれた。五右衛門風呂だ。寒い冬の身体を温め、新しい年を健康に、元気に過ごしてはしいという親心であり、願いであったのだろう。今風で言えば薬草風呂だ。貧しい中での生活の知恵だったに違いない。田舎だったからこその風景かも知れない。


飾りもの

 母親はおせち料理も作ってくれた。もちろん、デラックスな今のおせち料理と比べようもないが、そこにも日常と違う朝があった。玄関先には自分たちが山から切って来た松飾りが。日の丸の国旗が、なんとなくいつもと違う朝日を浴びていた。お年玉なんてもらった記憶はない。親たちに、そんな余裕がないことを子供たち自身が知っていた。無し無しのお金をはたいたのだろう、真新しい学生服や下着を与えてくれた。お年玉より生活必需品。それが、また嬉しかった。


おせち料理_convert_20110105000523


 大晦日の夜、子沢山の一家はみんなで≪お歳とり≫の食卓を囲んだ。この日はどんなことがあっても家族が揃って食事をすることが習いだった。それが家族の平安の証であり、新しい年を迎える気構えでもあったのだろう。「おじさん、幾つ?」。私ですか?昭和17年生まれ。子供の頃が戦後間もない頃だったのです。




 当たり前かもしれないが、大晦日や元日の人々のライフスタイルはガラリと変わった。我が家に限らないが、若者たちは年末年始の休みを利用するとばかり、旅行やスキー、スケートに出かけ、親達も温泉旅行にと一家の行動はまちまち。第一、子供たちの数も、ひと頃の子沢山と違って、少なくなってしまったから家族団らんなどは望むべくもなくなってしまった。少ない子供は食事が済めば、さっさと自分の部屋に籠り、インターネットやゲームと自分たちの世界を作っている。





 会社の忘年会だってそうだ。その数は年々減っているという。なにも、ことさら改めてみんなでお酒なんか飲むことねえじゃねえの、というのが若者達の声らしい。マイカーに依存しなければならない地方では、それに拍車をかけた。年が明けてお正月。デパートだって元日からいつもと同じように営業している。「初売り」という言葉もなくなった。とにかく、あと少しで激動の2014年は暮れる。そして来る年こそいい年でありますように。

お正月



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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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