蛍狩りとガキ大将

蛍

 「ほ~ほ~ホタル来い あっちの水は苦いぞ こっちの水は甘いぞ・・・」

この時期になると、周りの田圃は田植えが済んで、夕方ともなればこの青田からは蛙の鳴き声が・・・。そして夜の帳が下りると、一帯にはホタルが舞った。





 子供たちは小さなホタルかごを片手に田圃のあぜ道や小川の淵を飛び回った。浴衣などといったカッコいいものではなかったが、着物姿。もちろん、田舎の夜道に街灯なんかありっこない。あるとすれば、害虫を集める誘蛾灯の光くらいのものだ。




 ホタル草というのがあった。子供たちは誰に教わるともなく、ホタルかごの中にこの草を入れ、水を与えた。ホタル草にたかって光を点滅するかごに向かって、口いっぱいに含んだ水を霧状に吹き付けるのである。ホタル狩りは田舎の子供たちが織り成す夏の風物詩だった。


蛍2


 乱舞するホタルを追いかけているうちに小川に転げ落ちる子も。闇の中を上ばかり見ながら飛び回るのだから転げ落ちるのも当たり前だ。子供たちは川に落ちることを「川っ飛び」といって、特段、苦にもしなかった。親達も、それを叱らなかったし、今の親のように「危い」などとも言わなかった。




 地域にはガキ大将というヤツがいて、幼い子供たちの面倒を見た。ホタル狩りばかりではない。子供たちは知らず知らずのうちに、このガキ大将から遊びを覚え、自らの体験や失敗から、危険や怖さのポイントも知った。その子供たちが、やがてガキ大将になってゆく。そんな子供たちを遠巻きに見ていた親達も、みんな「来た道」だったのだ。


麦わら帽子  


 そんな田舎からホタルが消えて久しい。いつの間にかガキ大将もいなくなった。子供たちの遊びやいたずらを遠目に見ていた親達のスタンスもガラリと変わった。親達の多くは「あれも危ない」「これも危ない」と、子供たちの行動に注文をつけ、ちょっとした事象にも目くじらを立てる。


船


 勢い、子供たちは家に籠るようになった。親達が言うのは「危ない」ばかりではない。「勉強」「勉強」の言葉を年がら年中、子供たちに浴びせるのである。子供たちが家に籠れば、ガキ大将だっていなくなるのは当然。ガキ大将は、縦割りの子供たちがいなければ生まれないのである。横割りだと、知恵も腕力も拮抗するからお互いにつぶしあってしまうのだ。 一方で、わが国の少子化は進む一方だ。





 そんな子供たちに、間もなく夏休みがやってくる。どこにもあるのだろうが、私たちの山梨市にも「青少年育成のための市民会議」というヤツがある。区長会、育成会、民生委員、人権擁護委員など子供たちを取り巻く各界の代表達で構成するのだ。もちろん小中学校の代表も。


虫取り


 言うまでもなく、そこでは夏休み中の子供たちの非行防止や安全対策を話し合うのだ。この市民会議を受けて、近く地区ごとの会議も開かれる。その内容はこと細かく話し合われるのだが、総じて言えば、子供たちを危ないことから遠ざけることだ。こんなにお歴々が協議しなくてもガキ大将がいれば、かなりの部分を・・・。ちょっと楽観的かな?







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No title

今の子の体力がないとか 運動能力低下などと 文科省が遊びの大切さを言うのに 都会では 道路は危ない、公園でのボール運動禁止とか校庭も何時までとか、規制が多く 昔のようにがき大将が地域の子とともと遊ぶ環境が破壊されています。

私の幼・少年期は 社宅や長屋、広場、農家、森などが残り、道も舗装されていなく 車も少なくて 道も広場も他人の庭すら遊び場でしたし、めんこなども「ほんこ」「うそっこ」などと 相手に合わせてルールを作っていったものです。東京オリンピックが経済的には豊かにしていきましたが 精神面や地域破壊をもたらしたのも確かです。
今 年長から年少の子供集団をつくろうとすると「イジメが心配」とか「あの子に悪い影響を受ける」などと 親も地域も規制にかかる。
「三丁目の夕日」の時代は、確かにありました。
何か 街はきれいになったけれど 人間性がなくなってきた流れを感じます。歳ですかね??

過保護の風潮に疑問…

 危険への対処は、大きく分けて2通りあるような気がします。人間や社会が、それに気付かなければいけないものと、自らが体験や知恵で対処しなければいけないものです。ひとたび、事故が起きた場合、なんでもかんでも、これをひとくくりにして論じてはいけないのではないでしょうか。
 過保護の考え方が皮肉にも危険を助長しているケースも多いような気がします。わんぱく小僧のいたずらや失敗、それによってもたらされた怪我が、後の危険への予知能力に繋がっていくのではないでしょうか。
 無菌状態にし、しかも適正な温度や肥料などの栄養分で管理された温室とは違います。人間が住む社会から全ての危険を排除することは絶対に不可能ですものねえ・・・。
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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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