卒業式の感慨

 卒業式1

 どこかの総理大臣ではないが感動した。胸が熱くなって、じ~んとした。久しぶりの感動だった。母校の卒業式で、卒業生が歌う「仰げば尊し」。もう50年近くも前のあの時にタイムスリップ、自らも卒業生と共に心の中で口ずさんでいた。真正面のステージに向かい、恐らく校章や校旗だろう、その一点を見詰めながら、3年間の高校生活を一つ一つ思い浮かべ、かみ締めるように歌う生徒達。その声は式場となった広い体育館に静かに響き渡り、多くの生徒達の目に涙が光っていた。純粋な若者達の姿を見た。





 3月の声と共に、卒業式のシーズンを迎えた。その先陣が大学や高校。山梨県の県立高校では1日、ほぼ一斉に卒業式が行なわれ、大勢の若者達が学び舎を巣立った。母校・日川高校の同窓会役員の立場から卒業式に招かれたのである。正面のステージに向かって中央に主役の卒業生。その後ろに在校生と卒業生の父兄が座っている。前方両側には、右側に校長以下教職員、左側には同窓会やPTAの役員ら来賓が。その数はざっと千数百人。


卒業式3  


 静かに校歌のBGMが流れる中を校長の先導で案内された来賓が着席すると、式の開幕。教頭の開式の言葉の後、卒業生全員の名前が呼ばれ、歯切れのいい返事と共に、一人一人が起立。式場の空気はピーンと張り詰めている。その緊張感がまたいい。ステージ中央の演壇前に進んだ代表に校長が卒業証書を授与する。




 式はこの後、校長の式辞、同窓会長やPTA会長のお祝いの言葉、在校生代表の送辞、卒業生代表の答辞と続き、クライマックスの「仰げば尊し」の斉唱へ。その前の卒業生代表の答辞では、学業はもちろん、ホームルーム活動、生徒会活動、部活動、各種の対外試合、そして苦痛と達成感を味わった競歩大会など3年間の高校生活を振り返った。その声は、感極まったのだろう、途中から涙声に変わった。

卒業証書


 それは自然に醸し出された「演出」だった。そんな後だからなおのこと「仰げば尊し」は唄う者、聞く者の心に響き、胸に沁みる。ふと、来賓席で隣の同窓会役員の顔を見たら目頭に涙を浮かべていた。卒業式という同じ会場で、その主役として自らが歌う「仰げば尊し」、それを聴く父兄や来賓の同窓会役員、そして生徒達を送り出す教職員や在校生。それぞれの立場で、それぞれの感慨をもたらしたに違いない。そして「蛍の光」が。私はなぜか壺井栄の「二十四の瞳」を思い出した。




 この「仰げば尊し」、よく考えてみれば日常的に口ずさむ歌ではない。小学校、中学校、高校・・・。卒業式に限っている。しかし、歳を重ねても人々の心に深く刻まれ、忘れさせない、不思議な力を持っているのだ。一方で、この歌をなくしてしまった学校もあるという。 どうしてだろう。式が終わって、その話題に大人は首を傾げた。


卒業式2


 ひと頃「荒れる卒業式」が話題になったことがある。母校で見る限り、それは微塵もなかった。国歌もきちっと歌い、式の節目節目の「起立」「礼」も爽やか。同窓会長は祝辞の中で、その礼儀正しさを称えながら、現代にも通ずる武士道を説き、人間社会での礼節の普遍性耐える力の大切さを説いた。一方、校長も式辞で三つのはなむけの言葉を贈り、その中で「人を思いやり、人を愛し、人に感謝する心を持ち続けよ」と促した。ここには、どこで勘違いするのか国歌や礼節を軍国主義やナショナリズムに結びつけたがる一部文化人?のアレルギーはなかった。母校は健全だった。




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こんばんは

拝読していて厳粛な卒業式が目の前に浮かぶようでした。最近では国歌はおろか、『仰げば尊し』も「蛍の光」も歌わない卒業式が多くなって味気ないというのかなんというのか…感じていたのできちっとした卒業式を拝見すると感激ひとしおです。
卒業式とは単なる終わりの儀式ではなく、これからの生活・人生への道しるべの儀式だと思います。
もっと学校関係者には卒業式の意義をきちっと考えてほしいなあ…と思うのです。

やっぱり・・・

 やっぱり、そうですか。私ばかりではなかったのですね。単なるノスタルジックではないと思っています。

 何事にも言えるのかも知れませんが、ただ新しいものに切り替えればいいというのではありません。伝統、そこにある“心”は大事にしたいものですね。見張り員さんの仰る通りだと思いました。
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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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