台風と人災

  武田信玄1


 どこの県にも、みんなが認める「英雄」がいる。作為とか無作為にかかわらず、歴史が作り上げたのは間違いないのだが、その存在が大きければ大きいほど、人々に与えるインパクトも大きい。今風で言う「観光大使」の役割をも果たしている。有名芸能人やアスリートのそれとは、桁違いのインパクトがあるのだ。




 わが山梨県では文句なしに戦国の武将「武田信玄」。阪神、宝塚を築き、わが国のインフラ整備に大きな影響を与えた小林一三、彼の影響も受けて鉄道王ともいわれた根津嘉一郎、地下鉄の創始者・早川徳次、軽井沢の基礎を築いた雨宮啓次郎…。根津の後継は誰しもが知る東京スカイツリーを作った。そんなわが国の経済界を代表する人たちでさえ、武田信玄の前には、まさに脱帽。信玄は今から500年も前の人物。甲斐の国を治め、政権取りを目指しての上洛途中、志半ばにして病死してしまうのだが、今、86万人口になり下がった弱小県・山梨の人間たちは「世が世なれば…」と、心の底では少なからず、そう思っている。下剋上の言葉通り、群雄割拠した戦国の時代、どこの«国»の武将たちも同じだろう。


 
根津かいちろう
根津嘉一郎


 そんな英雄・戦国の武将たちが、国を治める政治哲学の基本に据えていたのは、人を治め、水を治め、山を治めることであった。ICT化が急速に進み、情報化社会と言われる21世紀にあっても為政者が持つべき政治哲学は変わっていないはずだ。その哲学を軽んじた結果が人々の争いや自然災害を生んでいる、と言ったら言い過ぎか。山の噴火や地震は別として、水害や、山崩れ、土砂崩れは、まぎれもなく人災だ。山を治め、水を治める努力を怠った証だ。国家100年の計より、政治家たちは選挙、つまり票集めに即効性のある施策に走り、地道に進めて行かなければならないはずの治水対策や治山対策を後回しにする。




 どこかの県では「脱ダム宣言」などという、いかにも予算の使い方の有効性をキャッチフレーズに掲げて東京から乗り込んで当選した«落下傘知事»もいた。結局は県民に愛想をつかされ、知事の座を追われるのだが…。為政者が税金である予算執行の優先順位を考えるのは当たり前。同じ公共事業でも音楽ホールや文化ホールなど、いわゆる「箱物」と、ダムなどの治水対策や山崩れや土砂崩れを防止する治山対策は、根本的に違う。

ダム2



 大衆迎合、と言ったら叱られそうだが、国家100年の計ではなく、目先の«人気取り施策»に狂奔していたら、必ず、そのツケは回ってくる。こちらは人間の命や財産を一瞬の間に奪うのだ。私が住むこの地域では子供の頃、台風シーズンになると年中行事のように川(笛吹川=1級河川)が氾濫。洪水となって田畑を流した。今のように重機もない時代だから、百姓は家族総出で大小の石や無数の流木を毎日、毎日片付けた。堤防の決壊ばかりでなく、橋も流れた。いま時ならば、特別災害地域に指定される規模である。




 やがて上流にダムが出来た。洪水はぴたりと止んだ。ダムの水は、傾斜地の灌漑用水となって、サクランボなどの産地化をも促した。下流域の飲料水の安定確保は言うまでもない。今年はなんと台風が多いことか。既に16個を超え日本列島の各地に甚大な被害をもたらしている。水は上から下へ流れる。洪水などの犠牲は下流域の都市部にも無縁ではない。




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Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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