柿と牡蠣と柿(こけら)

牡蠣



 誰が言ったか知らないが、牡蠣を海のミルクと言う。12月頃から翌年2月ごろが旬だそうだ。つまり冬場の食べ物。もちろん、山梨の我が家でも食べるが、数年前、松島への高校の同級生でつくる無尽会の旅行の時や、広島の友人に招かれた時にご馳走になった牡蠣の味は今も忘れられない。なんでもそうだが、本場で食べる味は格別だ。なにしろ旨い。




牡蠣2



 こうしてパソコンを叩いていると、やっぱりムチウチ症の首が痛くなってくる。顔を上げて窓越しに外を眺めると庭先の柿が色付き始めた。種類は「御所」「富有」。まだ食べるには少し早い。美味しくなるのは霜が降りるようになってからだ。柿の中でも御所柿は年生りの激しい種類。今年はほとんど生っていない。どんな果物にも共通して言えるのだが、特に柿は消毒を怠ったらダメ。ヘタに虫が入り、実が熟す前にみんな落ちてしまうのである。年生りというより、今年の不作はその徹を踏んでしまったからでもある。



柿1



 牡蠣。同じ「かき」だが、この二つは海の幸と山の幸。立場を異にする。しかし海と山を代表する栄養価の高い食べ物であることに違いはない。なにしろ柿だって昔からこんなことを言われている。


 


 「柿が赤くなれば医者が青くなる」


柿2



 栄養価の高い果物としての比喩でもある。ただこれには実りの秋が背景にあることも確か。柿ばかりではなく林檎や栗などさまざまな果物、大根などの野菜も採れる。黄金の稲穂が刈り取られ、美味しい新米が採れるのもこの時期だ。その秋の象徴が柿かもしれない。



栗



 その柿。同じ「柿」だが、果物の柿とは全く違う「柿」がある。「杮落とし」「杮」(こけら)だ。確か前にもちょっと触れたような記憶もあるが、実はこの二つの「柿」は意味ばかりではなく、字そのものが違うのである。「柿」(かき)は「木」ヘンに「
」を書き「巾」を書く。一方「杮」(こけら)は「一」に「巾」の縦の線を上に突き出すように書く。だから「柿」(かき)が九画なのに対して、「杮」(こけら)は八画なのだ。見た目は同じだが、全く異なる字なのである。試しに、かみさんに聞いてみたら案の定「杮(こけら)落とし」すら知らなかった。




 因みに「杮」(こけら)木材を削った時に出来るカンナ屑のこと。転じて柿落としは、この木片を払って新築、改築したばかりの建物で始めて行う催しのことを言う。元々は歌舞伎など劇場の催しを言ったのだそうだが、やがて多目的の文化ホールや競技場など公的施設のオープンなどにも使われるようになったのだという。

柿3


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Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
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