紙芝居

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 うまいものだ。仲間でもある人権擁護委員が演ずる紙芝居を見せていただきながらホトホト感心した。その一方で、もう60年以上も前の子供の頃を思い出した。水飴売りの紙芝居屋さんだ。現在の山梨市が市政を敷くずっと前。山梨県は甲府盆地の東部の片田舎。当時は東山梨郡岩手村と言った。のどかと言えば格好いいが、米麦養蚕の、どちらかと言えば貧しい小さな村であった。




 どのくらいの周期でやって来たのかは定かに覚えていないが、紙芝居屋さんのおじさんは、村の氏神さんの広場に自転車を止め、その荷台で紙芝居を始めるのである。子供達はまるで申し合わせたように集まって来て、食い入るように紙芝居を見るのだ。所詮、自転車の荷台にしつらえられたセット。今考えれば、子供だましのようなものだが、わんぱく小僧達は食い入るように見た。


かみ_convert_20121123114157



 「国定忠治」、「銭形平次」、「のらくろ」・・・。「月光仮面」があったかどうかは別にして、紙芝居屋さんの名調子に子供達は興味津々。終われば、小さな手で懸命に拍手した。その紙芝居屋さんは、当たり前のように紙芝居のセットの下に仕込んで来た水飴を売るのである。それが本業だなんて子供達にはどっちでもいい。恐らく3円か5円だったのだろう。おじさんが箸の棒に絡めて売ってくれる水飴はもう一つの楽しみだった。

のら_convert_20121123113438


 今思えば箸の棒は、使い古しの割り箸。おじさんは水飴の壺から、それは、それは手際よく水飴を箸の棒に絡めてみせる。子供達の“注文”を聞きながら水飴に赤や黄色、ブルーの水溶液を付けてもくれる。それを割り箸で練り合わせる。透明色の水飴はカラフルに。それを美味しそうに食べるのである。食べると言うより、嘗めると言った方がいい。




 子供達はみんな外で遊んだ。今のようにテレビがあるわけでも、ましてやファミコンがあるわけでもない。あるとすれば漫画本を読むくらい。それも、ふんだんにあるわけではない。勢い、遊び場は屋外に。氏神さんの広場や、大きな庭のある家に誰が言うともなく集まってくるのだ。メンコやビー玉、竹馬やかくれんぼ。缶蹴りや石蹴りの遊びもあった。



め_convert_20121123115037



 そこにはガキ大将がいて、年下のわんぱく小僧達に教えるともなく“遊び”を教えた。年下のわんぱく達が、やがてまたガキ大将になっていくのである。そんな子供達の所にやって来る紙芝居屋さんは、子供達にとって新鮮だった。子供達は紙芝居に出てくるヒーローを自分とオーバーラップしながら見たり、拍手するのだ。




 今のように「少子化」などと言う言葉は無かった。貧しい小さな村にも子供達の歓声があった。もちろん今のように塾などというものはない。子供達は暗くなるまで外で遊んだ。冬場だと手には皹(ヒビ、アカギレ)をつくり、「ゴボウ鼻」をすすり上げる子供だって珍しくなかった。今の子供達にはない無邪気さがあった。
子供

 記憶している限り、そこには「いじめ」なんかなかった。縦割りの遊びだから暗黙の内にガキ大将がそれを許さなかったし、年齢から来る体力差を無意識のうちに補い合っていた。人権擁護委員の紙芝居を見ながらいろいろのことを考えた。(次回に続く)




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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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