柿の当たり年

柿_convert_20111130221551


 人間とは勝手なものだとつくづく思う。ついこの間まで「暑い、暑い」と言って閉口していた人間が、今度は「寒い、寒い」である。それだけなら、まだいい。「やっぱり暑い方がいいよなあ」という。「オレ、風邪に弱いんだよ。風邪を引かないだけでもいい。やっぱり夏の方が…」。いいかげんな私なんか憚る事なく、そんなことを言ってしまう。
 



 今年の秋は短かった。夏の猛暑、残暑がいつまでも尾を引いたためだ。「暑いですねえ」。そんな言葉がつい先頃までの挨拶言葉であった。それが、わずか2ヶ月あまりで、一転。「寒いですねえ」。甲府盆地では空っ風が吹き始めた。その間には確かに“秋”もあった。何時ものように木々は紅葉し、もみじを装った。


紅葉



 しかし、それもつかの間。赤く染まった木々はどんどん葉を落とし、あられもない格好に。ただ、実を付けている果実はしっかりと存在感を保っている。柿や林檎。その柿や林檎を野鳥は黙って見ていない。熟れた果実を虎視眈々と狙っているのである。


柿1



 狙われる側もしたたか。裸になった木に橙色の実をさらすは品種によって、しっかりと“渋“を蓄え、鳥たちの餌食にならない。「甲州百目」や「はちや」という品種。主には枯露柿に用いられる品種だが、これもむろん、熟れれば渋が抜ける。ただ、熟れて“ずくし”になってしまったら枯露柿の用を足さなくなる。つまり、鳥の攻撃を受ける前に収穫されてしまうのである。




 今年は、その柿が当たり年。枯露柿用の「甲州百目」や「はちや」ばかりでなく、生食用の「富有」や「大秋」、「御所」など全ての柿が大当たり。だから柿という柿は、だぶつき気味。収穫されないまま木の上で“野ざらし”になっている柿もいっぱいだ。柿だけでなく全ての果物に言えること。生らせ過ぎると実は小粒になる。勢い、商品価値を落とす。



枯露柿



 どうやら今年は、鳥たちにとって餌には事欠かない。「ワッハッハ、ワッハッハ」の年なのである。人々は、ただでも全ての柿を採ってしまうようなことはしない。「守り柿」とか「木守柿」と言って木に何個かの実を残す。収穫への感謝であり、自然への感謝。そればかりではない。鳥たちへの人間達の思いやりなのである。




 柿は“年成り”をするという。当たり年の翌年は「違い年」と言って、少量の実しか付けない。この現象、単なる反動ではない。前年、生らせ過ぎのせいで勢力が衰えて実を付けない、と言うだけではない。




 柿や林檎は小枝の先端に実を着ける。収穫の時、その小枝ごと取ってしまうので、豊作の時ほど、“生り芽”を少なくしてしまうのだ。脚立などを使って手で取れる木はいい。大きな木の場合、竹竿の先をハサミのようにして枝ごと折ってしまうので、必然的に“生り芽“が少なくなると言うわけ。


枯露柿



 特に枯露柿用の柿は紐で吊して天日干しをするため、紐にかける部分の小枝が必要になるのだ。柿の剪定は、葡萄などのそれと違う。私は子どもの頃、それを知らずに見よう見真似の剪定をして笑われたことがある。(次回に続く)




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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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