拍手とタイミング

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 ちあきなおみのヒット曲に「喝采」というのがあった。そのイメージからしても、割れるような喝采の拍手は、その場を否応なく盛り上げ、みんなの気持ちを高揚させる相乗効果がある。しかし、拍手には、その時の雰囲気によって躊躇することもあることも確か。




 日常よくある会議の冒頭での挨拶がその一例。素直に拍手を送ってしまえば、何の事はないのだが、そこで、みんなが一瞬ためらうと、会議から拍手が消える。結果は、その会議の雰囲気にも微妙に影響するのだ。人間とは不思議な動物で、ちょっとしたアクションでも、時に際立つことを、ためらうことがあることに気付く。




 拍手をしないのが当たり前?となっているのが仏事での挨拶や関係者のお悔やみの言葉への反応だ。地域によって違いはあるのだろうが、山梨では葬儀・告別式の後、「初七日の法要」を営む習慣がある。この時、喪主の挨拶や個人とゆかりの深い方々の「お悔やみの言葉」があるのだが、参列(会)者は「おときのお膳」を前に、まるで申し合わせたように下を向き神妙な顔つきで話を聞いている。普通といえば普通。でも異様な光景でもある。


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 中には上手いというか、故人を彷彿とさせるような《いい挨拶》がある。私ばかりかも知れないが、そんな時、感動して思わず拍手したくなることがある。でも、拍手しそうになった手を、思わず引っ込め、間が悪い心の内を隠して、周りを見るのだ。私ばかりでなく、そんな経験をお持ちの方もお出でになるに違いない。





 感動したものに拍手を送ることは、仏事、法事に関わる場でも、故人を冒涜することには当たらないのではないか、と思ったりする。むしろ、その方が自然。だが、その場の《なんとなく》の雰囲気が人々の心に「待った」をかけるのだ。




 ある初七日法要の席で、こんなことがあった。おときの席の終わりを告げるタイミングと言っていい親族代表のお礼の言葉が済んだ後、進んでマイクの前に立った喪主(故人の長男)が「オヤジが好きだった歌を歌わせてください」と、自らと個人が卒業した高校の校歌や、「海ゆかば」などの名曲を歌い始めた。




 それまで下を向いていた参列(会)者は、呆気にとられて一斉に顔を上げた。そして、不思議な現象が起きた。誰ともなく手拍子を打ち始め、その手拍子は会場いっぱいに広がった。そこには130人前後がいただろうか。感動したのか、みんなの眼には涙が潤んでいた。そうしながらも手拍子を打ち続けるのだ。参列者は帰り際、答礼する喪主に対して「よかったよ」、「貴方いいことをしたね」と。




 進んでではないが、コンサートを聴きに行くことがある。この時の拍手のタイミング。カーテンコールはいいのだが、曲ごとに送る拍手。元々、音痴人間で、クラッシック音楽に素養があるはずのない私には曲目の終わりがどこか分からない時が多い。拍手を送りたくても送りようがないのだ。どうするかって?誰かの拍手を待って手を叩くのである。もし、演奏が終わったと思い込んで途中で拍手をしようものなら会場は、どっちらけになること必定。ここでも拍手に、ためらう人間は少なからずいるのだ。




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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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