祭りの光と影

祭り


 私は、お祭り大好き人間。下世話な人間と言われるかも知れないが、飲んで騒ぐ《お祭り騒ぎ》も含めてだ。神の祭事にお供えするお酒を「お神酒」という。「お神酒をたらふく飲むヤツがいるか」と、お叱りを受けるだろうが、人間とは古来、方便上手。私のような不心得者は「飲んでこそ、お神酒」と、勝手に解釈するのだ。




 お酒(お神酒)とは、不思議な力を持つ。若い頃、村の祭りで神輿を担いだことがある。不思議と勢いが。普段にはない力が出て来るのだ。3月、4月になると山梨でも大局で考えれば《新生》の信玄公祭り「甲州軍団出陣」はむろん、あっちこっちで神社や、お寺の伝統的な祭りが繰り広げられる。


信玄公祭り_convert_20170207222141


 「心頭滅却すれば火も自ずから涼し」と漢詩の一節を詠んで織田・徳川連合軍による焼き討ち(1582年)で、寺の山門で死した戒川和尚。武田三代滅亡の、ある意味、《道筋》となってゆく甲州・恵林寺。そこで毎年4月12日に行われる「信玄祭り」や日本一の桃の里・一宮町、甲斐一宮浅間神社の「おみゆきさん」(4月15日)…。神社や、お寺の祭りは古来、氏子や檀家の人たちが人知れない陰の力となって、毎年、決まった日に何事もないように繰り広げるのだ。祭りの境内は近郷近在から参拝客を集めて賑わいを見せるのである。




 浅間神社は浅間信仰の神社だから、祭神は木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。神輿の担ぎ手はみな女装。口紅、鼻にはオシロイ、着物姿の男たちである。この神輿はざっと20キロの距離にある富士川の支流・釜無川の「信玄堤」まで行く。だが、いつの時代からか、神輿は途中から車で。「信玄堤」は武田信玄の治水対策の象徴的な存在。これまた信玄とかかわりを持つのだ。因みに恵林寺の祭り4月12日は武田信玄の命日に当たる。


恵林寺3_convert_20120210173626
恵林寺


 こうした今なお、にぎやかさを保つ祭りの一方で、《風前の灯火》の祭りだって少なくない。年ごとに規模を小さくして、《形だけ》の祭りになろうとしているところもあるのだ。祭りを支える氏子などの後継者不足に他ならないし、崖から転げ落ちるように衰弱していくのである。お神酒をいただき、お祭り気分になっていたところに冷や水をぶっかけるようで恐縮だが、これホント。地方、田舎の現実である。




 農家の後継者不足で耕作放棄地がどんどん増えている姿にもよく似ている。お祭りどころか無住寺や、無住の神社となって、地域が何とか管理して息を繋いでいるケースだって珍しくない。宗門や神社庁から分担金(上納金)を強いられ、やむなくお札作りなどやり繰りして小金集めをしている所も。つまり氏子ではなく、地区管理の神社になっているのだ。年に何度かの清掃や草刈りなども地域の人たち。いわば義務人足で維持している。




 どこかの国の先生たちは国会などで「ふるさと創生」だの「地方創生」だのと、頼もしくおっしゃる。祭りは、まだいい。農家の後継者不足は深刻極まりない。あと5年経ったら、10年経ったら、と考えると恐ろしくなる現実が地方にはあるのだ。お神酒をいただき、威勢よく見える神輿だって担ぎ手は、どんどん減っていく。そんなことを考えると神聖なお神酒を《やけ酒》に変えたくもなる。




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Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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