認知症の始まり?

風景

 無意識のうちだが、昔と今を比較したり、懐かしんだりすることが多くなった。そんな自分に気付いて、一人苦笑いすることがある。このブログをお読み頂いている方々は、先刻お気付きだろう。ブログでも知らず知らずのうちに、子どもの頃や若きよき時代を振り返っているのだ。




 「おじさん、それって、歳を取った証拠だよ」。


 お若い方々にはそう言われるに決まっている。それならまだいい。「それって、痴呆の前兆じゃないの」と、言われるのが恐ろしい。それというのも、明らかに痴呆が始まっているおふくろを見ていて、そう思うのだ。




 おふくろは大正5年生まれの93歳。内臓は悪くないのだが、足腰が不自由で、自力での歩行は困難。仕方なく介護医療の病院で看てもらっている。暑さ寒さばかりか、食べることなど全てが至れり尽くせりの生活のせいで、緊張感がないのか、最近目立って痴呆が進んできた。


車イス



 「どなたさんでしたっけねえ」。せっかく病院に見舞いに来てくれる自らの友人、知人に、そんな事を言うものだから傍にいてハラハラするのだ。それならまだいい。自分のお腹を痛めた息子達の顔すら思い出せないこともある。




 そんなおふくろが、この頃、よく童謡文部省唱歌、軍歌を歌うのである。それも歌詞もメロディーも間違わず、しっかりと歌うのだ。そのおふくろ、元気な頃はほとんど歌を唄うことがなく、歌らしい歌を聴いたことがなかった。「荒城の月」なんか見事に唄う。看護士さんに「おばあちゃん、上手だね」と、褒められると、有頂天になったりもする。こんな時には病室のお年よりも一緒になっての人気者。それがまた痛々しい。





 痴呆の特徴は、昨日、今日のことは忘れるが、昔のことは案外覚えているのだそうだ。ご飯を食べたことを忘れ「家の嫁はご飯をくれない」とひがんでみたり、昔のことは覚えているものだから嫁ぎ先から今は昔の「実家へ帰る」といってみたり・・・。隣のベッドのおばあちゃんを見舞いに来る、やはり65歳前後の息子さんは「うちのおふくろなんか、私が昨日来たことすら忘れちまうんですよ」と、寂しそうに話ていた。私も言った。「うちのおふくろもそうなんです」。


風景2


 ただ、ちょっと不思議に思うのは、二日に一度と言っていいほど頻繁に行く女房、つまり、嫁の顔は忘れない。病院に行く頻度が女房と比べて少ないからか、息子の私を時々忘れてしまってもだ。痴呆がだんだん進みながらも、一番世話になっている嫁だけは、どこかで意識し、一目置いているのだろう。言葉には表さないが、感謝の気持ちがそうさせているような気がする。それがいじらしくもある。




 自分自身、我武者羅に働き、無茶と思えるほど飲んだり、遊んだりした若い頃が、つい昨日のような気がする。そんな人間が身近に認知症の親を抱え、自らも人事ではない年齢になりつつある。「へえ~」と他人事に受け止めているお若い方々だって、自分に限らず、遅かれ早かれ、そんなケースに出っくわすのですぞ。





ブログランキングに参加中です。  
 ↓この下の「山梨情報」をクリック いただけると励みになります。
にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 山梨情報へ

新バナー  ← 「甲信越情報」 こちらも応援よろしくお願いします


ありがとうございました!


スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

はじめまして・・・

こんばんは。望月かずです。

edita での読者登録、大変ありがとうございます。

私の両親は、すでに他界しています。父が認知症で、七年戦い

ました。ギスギスしないで、のーんびり、

あせらず、穏やかに、ゆーくり、知り合いませんか。



望月かずさん

 コメント、恐れ入ります。人間長生きすれば、どこかでぶつからねばならないのがこの病気?問題は、その程度とか、周りに及ぼす影響でしょうね。と言っても、本人には分かりませんよね。
 そうです。ギスギスしないで、のんびりと・・・。人間、そうならないうちに、存分に何事も生きることだと思います。どうでしょうか。

No title

私の母は大正14年生まれで84歳です。
耳も遠くなり歩くときには杖を必要とし、ゆっくり1歩づつ歩いています。そんな母の後ろ姿を見る時に、ふと生活を支えてきた母の、動き回っていた姿を思い浮かべてしまいます。
このような姿はこれまで思ったことが無かった。いつまでも幼稚園の送迎バスを運転していた頃の姿や習字教室・エレクトーン教室・園長会の姿が私には印象深いんです。
でも現実は年老いていく姿も目にしなければならないのですね。
大正・昭和・平成・・・・・戦争・終戦・日本の再生・高度成長などの時代を果敢に生きてきた人を尊敬するのは母だからではないんですね、同じ時代を生きてきた全ての日本人に(先達に)敬意なくして私たちの今日は無いと思っています。

風小僧さん

 まったくその通りですね。貧乏にも耐え、忍耐と絶えまぬ努力で生きた今のお年寄りがいたからこそ、、今の日本があるんですよねえ。これからの若者達に、それが出来るのでしょうか。
 お年寄りをみんなで大事にしなければなりません。いつも申し上げますが、お母様を大事になさってください。特にこの時期、肺炎を併発しかねない風邪に注意することです。
 お仕事もお忙しいでしょう。頑張ってください。

我がいく道

 「認知症」 この言葉を聞くと、他人事でなく身につまされる思いがします。

我が町内にも、「一人暮らしの母親(85歳くらい)」を、妻子持ち家のある息子が、看ております。(三人兄姉の末っ子)愛知より広島へ来て(単身赴任?)、自宅で介護しております。

 本人が起きているときは、10分も目が離せない状態。 知らずにいると糞尿を口に・・・、すぐ処理出来る様にと、寝起きの和室に、業者に頼んでトイレを設置してもらった と話しておりました。
 感心なことです!

 聡明で上品な方でしたが、病気には勝てません。 
生ある以上、自分も候補者である と思うとゾッ~とします。

No title

こんばんは♪

お母様は93歳。。。
いつかは私達も迎える日が来るのですね。

お母様のお近くにお住まいで、お嫁さんが面会に行ってくださり、お母様もお幸せですね。。
私は遠く離れていて何もしてやれなかった事が、今も心残りです。
早くいいお薬ができるといいですね。
ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!