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ボランティア先生

勉強会


  子供の頃、ろくに勉強しなかった人間が今、週に一度のペースとはいえ、学校で子どもたちと一緒に勉強している。私が住む山梨市の教育委員会にはボランティアによる「学校支援制度」というのがあって、外野にいるそれぞれの分野の人達が忙しい先生達をバックアップしたり、フォローするのだ。とりあえずは2年任期。教育委員会が各分野の適任者に白羽の矢を当て、教育長が委嘱するのである。正確には「学校支援コーディネーター」と呼んでいる。いわば民間のボランティア先生だ。


勉強会3



 この制度は文部科学省が全国幾つかの市町村を選んで設けた教育畑での民活モデル事業である。教育に関わる資材、教材などの経費は予算化されているが、そのための人件費はなく、原則的にはまったくのボランティア。定期的に市内小中学校の代表教諭も交えて打ち合わせのための会議を開くが、ボランティア先生はスポーツの分野もあれば、英語や理科、社会、図書館司書など多岐に渡る。私が委嘱され、担当するのは「学芸」といわれる分野で、文章の書き方や学校新聞作りがテーマ。文科省は教育現場に民間の風を導入しようとしているのだ。


勉強会4


 メンバーは学校の校長先生などのOB、いわゆる教育経験者がほとんど。私のような生粋の民間人は数少ない。未知の制度でスタートからそれ程時間が経っていないので、正直言って学校側にも、それを支えるボランティア側、さらに教育委員会にだって戸惑いは隠せない。



 「自分たちが住む地域をもっと知ろう。知ったらそれをみんなに知らせよう」



 そんなテーマで先頃、山梨市にある日下部小と山梨北中の児童、生徒25人を集め、学習会を開いた。子供たちの身の回りに近い史跡や文化財を実際に見て回り、そこで学んだことを、自由な切り口で記事にまとめ、夏休み明けに、それぞれの学校で発表してみようというものだ。社会科というか郷土史の勉強と、それを記事にまとめる文章力養成の二段構えの講座である。主には前段を郷土史に詳しい学芸コーディネーターが担当、後段を私が受け持つことになっている。3人のコーディネーターはもちろん事前に打ち合わせをする。


勉強会2


 これより先、やはり山梨市立の岩手小学校では、文章の書き方教室をスタートさせた。放課後の1時間半ぐらいを使って週1回のペースで勉強するのだ。こちらは一歩進んでいてそれぞれの児童が書いた記事を添削、パソコンで打っている。記事は児童会のことや自らが参加する少年野球やミニバス、中には地域の神社についてお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんから取材してきた子もいる。支援講座はこの秋以降、別の小中学校にも広げる。むろん学校側の要望が前提だ。


勉強会5


 「俺たちが子供の頃、こんなに飲み込みが良かったかなあ・・・」。そんなことを自問するほど、今の子供たちの理解力は優れている。それより驚かされるのはパソコンを自在とは行かないまでも遜色なく操ることだ。見出し部分も活字を大きくしたり、簡単にゴジックや明朝にもする。子供たちのIT化は手をこまねいている大人をよそに急ピッチで進んでいる。幼い頃からゲーム機で育った子供たち。嬉嬉としながら遊び感覚でパソコンのキーボードを叩くのである。その教室には学習用のパソコンがずらりと並んでいた。




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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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