FC2ブログ

消防団の≪留守≫

  防災訓練3


 「地区の皆様にお知らせします。今日、明日の二日間、消防団が旅行のため地区を離れます。火事を起こさないよう特段の注意をお願いいたします」
防災無線から、こんなアナウンスが流れた。この時季の≪恒例≫と言ってもいい放送である。この地域の防災や安全を担う消防団は、多くが果樹農業の若き担い手。ブドウの収穫にメドを付けた消防団は、この時期、一泊二日の慰安旅行をするのだ。万一の場合に対処しなければならない消防団だって≪人の子≫。年に一度の息抜きのひと時である。





 消防団は、言わずと知れた民間部隊。いわゆる有志による任意の組織である。もちろん、これとは別に自治体が受け持つ「自治体消防」がある。消防団が法被組とすれば、こちらはれっきとした制服組。厳密に言えば、火事現場における「指揮権」など、この二つは根本的に異なる。




 県下に先駆けて自治体消防が出来た甲府地区の場合、当初は、両者が火事現場で、しばしばトラブルを起こした。法被組の消防団は地元部隊がゆえに現場への到着が早い。当然、放水を始める。一歩遅れた自治体消防は放水の指揮権を主張して法被組とぶつかるのだ。消火栓の整備の遅れもあって放水の調整は消火の効率化の観点から無視できないことも確か。


防災訓練2


 そんな過渡期を経ながらも自治体消防の確立によって都市部においては制服組に消火・消防業務が委ねられ、法被組はどんどん姿を消したのである。しかし、地方は今でもちょっと違う。人口や世帯の密度は大きく違い、そればかりでなく山付きの集落をも抱えるので、自治体消防は物理的にも財政的にも«小回り»が利かないのだ。勢い、地域で編成された消防団、いわゆる法被組に業務を委ねざるを得ない。委ねるというより«頼る»と言った方がいいかも知れない。




 この地方の場合、山梨、甲州の両市が一部事務組合方式で広域の自治体消防を持ち、地域の消防団と力を合わせながら、任務にあたっている。広域消防本部は地域の消防団、つまり«法被組»には頭が上がらない。裏を返せば、法被組の協力なくして広域的な地域の万一の場合に対処できないのである。行政と民間の協調体制は、どうにかうまくいっている。


防災訓練4


 しかし、肝心の消防団はどの地域も押しなべて、団員の数を減らし、地域によっては存続の危機にさらされている所も少なくない。ただでも減少する人口形態に加えて、若者たちの都市部への流出。本音で言えば、消防団という従来型の組織活動に拒否反応を示す若者だっていないでもない。


防災訓練


 そこで、この地区が考え出したのが「消防協力隊」。地域にいる人たちが75歳までみんなで務める仕組みだ。«区行政»の先頭に立たなければならない区長の下で区長代理(副区長)を本部長とした組織を作った。多くが日中も地元にいる農業従事者である。参謀は各地区の組長。「自分たちの地域は自らで守ろう」。協力隊の法被も作った。約40人のオジサンたちは6つの班に分かれて毎月一度、現役消防団の指導で消防車の操法や放水訓練も欠かさない。それが一朝有事の場合の対処策なのだ。




.ブログランキングに参加中です。  
 ↓クリック いただけると励みになります。

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

ありがとうございました!


スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

ランキング参加中です!
人気ブログランキング【ブログの殿堂】
おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

最新記事
カテゴリ
最新コメント
FC2カウンター
ブログ成分解析
ブログランキングならblogram
検索フォーム
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

全国からアクセスありがとう!

ジオターゲティング
最新トラックバック
アルバム
リンク
忍者ツール
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
FC2ブログジャンキー

「アクセス数が全然伸びない…」そんな悩みをブログジャンキーが解決します!