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野菜作りと女房

ミョウガ_convert_20111004213605


 「お父さん、こんなに採れたわよ」



 女房が小ザルにいっぱい、ミョウガを採って帰って来た。うちの女房、毎朝、私より早く起きる。勝手口の前で朝飯を待つ3匹の野良猫に餌をやり、その足で畑を見回って来るのが日課になった。私が教えたわけでも、誰かに言われたわけでもない。


ミー子2


 私は女房を野良猫たちの≪餌やりおばさん≫と言っている。腹っ減らしの野良たちも心得たもので、女房の起きて来る時間をちゃんと知っていて、勝手口でニャンニャン言っているのだ。餌やりの後、畑を見回る女房は、つい先ごろまでの夏場だと、キューリやナス、トマト、それにインゲンや枝豆などの野菜を採って来る。今の時期だったらもう峠を越したが、ピーマンやシシトー、それに最盛期と言っていいミョウガやモロヘイヤ。


モロヘイヤ2
モロヘイヤ


 夏野菜、それに秋冬、春野菜と我が家の野菜畑では、一年中では30種類近い野菜が採れる。正しく言えば、採れるのではなく作るのだ。職場をリタイア、ここ山梨市の実家に戻った時に植えた2本のリンゴ(ふじ)の木も今年は実を付けた。成木の富有柿や御所柿と並んであと一か月もすれば食べ頃を迎える。お蔭で我が家では一年を通して自家製野菜に事欠かない。都会での生活と違って土のある田舎暮らしのありがたさを実感したりもする。若い時には考えもしなかった。野菜や果物は、魚や肉と同じようにスーパーなどで買って食べるものと思い込んでいた女房も、まんざらでもなさそう。



 「お前ねえ、時には畑に出てお父さんに手伝ってもバチは当たらないぞ」


 ひと頃は、畑仕事に全く無関心だった女房に冗談とも本音ともつかない、こんなことをよく言ったものだ。人間とは面白いもの。最初は渋々、畑に出て来た女房も最近では、黙っていても手伝うようになった。顔つきまで違うのである。私のように百姓の倅に生まれたせいか、農業にあまり好感を持たない人間と違い、土との生活に縁のなかった女房にとっては、やってみると好奇心も手伝って新鮮に感ずるのかもしれない。





 そればかりではない。手伝い感覚とはいえ、自分が種蒔きや苗の植え付けに関わると、一つ一つの生育や収穫にも愛着が生まれるのだろう。長いホースを買い込んで来て、水やりも自分の仕事としてやっている。小ザルにミョウガをいっぱい採って帰ってくる女房の顔は誇らしげでもあった。ただ、野菜作りが雑草との戦いであることを心得ていないのか、草取りには全くの無頓着。黙っていれば草一本取ろうとしないのだ。

 
 「お前ねえ、草くらい抜けよ。小さいうちに取れば簡単なんだから・・・」


 「あら、そう・・・」


 種を蒔き、苗を植えさえすれば、大きくなって口に入る、と思っているのだ。「こいつ、バカじゃあねえのか」と思うことすらある。でもうれしそうに毎朝、畑を見回り、その時々の野菜を採って来ては、料理をしている姿を見ると、それ以上の言葉は出なくなるのだ。我が家の朝食はパン。ちょっとしたサラダやスープの素材にもなるが、主には昼食や夕餉の食卓に載る。スーパーや八百屋さんで買ったものと違い、自家製の野菜は一味違う。




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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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