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紙風船と越中富山の薬屋さん

紙風船

 「シャボン玉飛んだ♪ 屋根まで飛んだ・・・♪」


 そう、童謡「シャボン玉」の歌い出しだ。この歌を聴いたり、口ずさんで心を洗われる気分にならない大人はいない。今の歳が幾つであれ、誰にもあった幼い頃を髣髴とさせてくれるのである。紙風船だって同じだ。赤、白、青、黄色、紫・・・。


 何色かに彩られた紙風船は、普段は折りたたまれていて、空気を吹き込むと丸くなるのだ。紙製で、しかも小さくはない空気穴が開いているので、風船はいかにも頼りないのだが、女の子達はそれを上手に上に突いて遊ぶ。男の子も女の姉妹の中にいれば一緒に遊んだ。




 私の場合、この紙風船を見ると、なぜか越中富山の薬屋さんを思い出す。子供たちにとって薬なんかどっちでもいい。そのおじさんがくれる風船の方が楽しみなのだ。今のようにゲーム機もなければ、パソコンや、ましてインターネットもなかった。やがて一般家庭にも入って来るのだが、テレビだって満足にない。電波障害や故障でピー、ピーいうラジオが情報や娯楽の主流だった時代だ。


風景3



 越中富山の薬屋さんは毎年、決まった頃にやってくる。いわゆる家庭常備薬の訪問販売である。どこの地域でも同じだったのだろうが、我が家の場合も、この薬屋さんが必要と思われる風邪薬や胃腸薬、消毒薬に到るまで一括して置いて行く。翌年、その集金と薬の補充、入れ替えにやって来るのだ。薬屋さんは拠点拠点に親しいお宅を持っていて、その家では三度のメシも一緒。一宿一飯。泊まって行きもする。




 そこには理屈なしの人間関係信頼関係があった。考えてみれば、身分を証明する何かを持っていた様子もない。お互いの信頼関係以外の何物でもなかった。今、世間を騒がすオレオレ詐欺や手当たり次第に騙してしまう訪問販売の悪者がウソのよう。いつからこんな世相に変わってしまったのだろう。「人を見たら泥棒と思え」とは言わないまでも嫌な世の中になったものだ。


 薬屋のおじさんがくれる紙風船は今風に言えば景品グッズ。越中富山の薬屋さんのトレードマークでもあった。夜は子供たちと遊んでくれ、行商旅で見た面白い話も聞かせてくれた。一年中、全国を歩き回っているのだから話題も豊富。山梨の片田舎に生まれ育ち、情報が少ない子供たちにとって、おじさんの話は新鮮だった。大人たちだって同じだろう。一宿一飯のお返しでもあった。


彼岸花


 あの越中富山の薬屋さんのおじさんたちはどこに行ってしまったのだろう。薬に限らないが、あらゆる商品の流通・販売形態はガラリと変わった。一つ薬を例にとっても一歩外に出れば薬局はもちろん、ドラックストア、物によってはコンビニでも手軽に手に入る。紙風船でのんびり遊んでいる子供なんか見たことはない。


 第一、紙風船など、沢山のグッツが子どもたちの遊びから消えた。変わって登場したのがゲーム機やケスマホをツールにした遊び。遊びのパターンは屋外から屋内、複数から個人に変わった。遊びの知的なレベルアップの一方で、個人主義と自己主張はどんどん強くなる。のんびりした時代に生きたオジサンは、そんな子供が怖くなることさえある。こんな風潮の加速は、恐らく誰にも止められない。




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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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