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ツツジと祭り

ツツジ


 毎年、5月の声と共にツツジが花開く。我が家の庭先でもツツジが咲き始めた。色鮮やかな赤もあれば、淡いピンクもある。周囲の新緑といかにもマッチし、小気味のいいアクセントを醸し出すのだ。あと一か月もすれば、このツツジの後を追ってサツキが咲き始める。むろん、ツツジは花を散らして、サツキに後を譲るのである。


ツツジ3  


 我が家から、そう遠くない所に「大石神社」という名の神社があって、社(やしろ)に上る石段の両側にはたくさんのツツジが群生。時季になると一帯は見事なツツジの花で埋まる。神社の例大祭は5月5日。子供の日でもある。私が子供の頃、つまり、60年、70年前のことだが、神社の鳥居付近には綿菓子やおでん、ヨーヨー、金魚すくいなどの屋台が並んで、祭りをいやが上にも盛り上げるのである。
  大石神社
大石神社


 一方で、鳥居に近い傾斜地の一番下には特設の芝居小屋が出来て、祭り客は一面に咲き誇るツツジと共に演芸のひと時を楽しむのだ。演ずるのは村の青年団。三度笠やカッパ(合羽)姿の「旅がらす」を演じて見せる時代劇やスマートな水兵さんのマドロス姿もあって、その一幕、一幕に村人は拍手喝采する。ツツジが群生する境内の傾斜地は格好の観客席になるのである。




 社がある小さな山の上には、社を囲むように、それは大きな石があって、神社の威厳を高めているようにも見える。石の大きさはいずれも周囲30mぐらいはある。「大石神社」の名前の由来も、そこにあるのだろう。アマチュアのロッククライマーは、この大石を見逃さない。専門誌にも取り上げられるせいか、一年を通じて愛好者が集まって来る。




 山の下・神社の鳥居近くの広場には、いつも何台もの車が並ぶ。品川、足立など東京ナンバーのほか、埼玉や千葉、神奈川などのナンバーもある。車には岩の下に敷くマットなどロッククライミングの練習に欠かせない「装備」を積み込んでいる。「東京から100キロ圏。しかも平地にある小山だから、手軽に行くことが出来る«穴場»なのです」。フアンは、そんなことをいう。




 私は、東京など県外から我が家に来てくれるお客さんを、しばしば、この大石神社にお連れする。お客さんが決まって口にするのは「どうして、こんな山の上に、こんな大きな石があるの?」だ。そんな時、私は「昔、この村には、それは、それは、とんでもない力持ちがいて、この石を下から投げ上げたのです。天の岩戸伝説のタジカラオウノミコトより力持ちだったんです」と、真面目顔で話してやる。お客さんは半信半疑で聞いている。むろん作り話。理屈は極めて簡単。地球の草創期、隆起現象がもたらした遺産に過ぎない。

つつじ0


 ツツジの管理は地域ぐるみでやっている。花が散る5月下旬には地域の有志が草刈りをしたり、剪定もする。枯れるものがあれば、補植もする。しかし、祭りは確実に衰退。祭りの演出に一役買った屋台も影を潜めた。コロナウイルスの影響ではない。時代の趨勢と言っていい。どこの祭りも少なからず同じだ。祭りに花を添えた芝居小屋は言わずもがな。それどころか青年団は跡形もなくなった。ツツジと共に楽しんだ祭りは、今は昔の話である。

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やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコなどの活動も。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定もします。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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