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葡萄の種

ブドウ


 葡萄の種は気にならないが、西瓜の種は気になる。その反対もあるだろう。それを取り巻く習慣や生まれ、育ちなど環境の違いかもしれない。知人の一人に西瓜を食べる時、ダイナミックにかぶりつき、種まで飲み込んでしまう男がいた。西瓜の産地の人だった。私なんか、あのバラバラにある種がどうにも気になり、スプーンやフォークの先で予め取り除いてから食べるのだ。そんな時、西瓜に種がなかったらいいのになあ~、と正直思う。




 そんな自分はというと、葡萄の種なら平気。何の違和感もなく飲み込んでしまうのだ。甲府盆地の東北部に位置する、この辺りは「勝沼」を中心に古くから葡萄の産地。そんな環境に生まれたせいか、子供の頃から当たり前のように葡萄の粒を種ごと飲み込んだ。汚い話をして恐縮だが、その頃、この辺りはトイレの浄化槽も、ましてや下水道も整備されていなかったので、その種はトイレの槽の底に溜まるのだ。


ブドウ畑



 トイレの糞尿は溜まると「下肥」として野菜作りの肥料に。その頃は今のような少子化の時代と違って子供の数だって4人、5人は当たり前。大勢の家族が食べる葡萄は決して少なくない。必然的にそこに溜まる葡萄の種は半端ではないのだ。下肥の水分は当然、畑に沁み込む。畝(うね)にはその半端でない葡萄の種が残るのである。人間の胃袋を通って排泄された種は、綺麗に洗われてリアルな形で再び世に出てくるのだ。




 西瓜の種にも同じことが言えるのだろうが「葡萄の種をそのまま飲み込むと盲腸(虫垂炎)になる」と言った人がいた。生理学的にも医学的にもそんなことはないはず。もしそうだったら葡萄の種を飲み込んでしまう習慣があった山梨県人は、みんな盲腸になってしまっていることになる。


ブドウ畑2



 「葡萄に種なんかあるの?」。都会の消費者、特に種なし葡萄に慣らされた若い方々は首を傾げるに違いない。ジベレリンの開発と実用化は一部の品種を除いて葡萄の種なし化を可能にした。これは今に始まったものではなく、歴史は古い。この地方では、デラウエアー種に始まったジベレリン処理は巨峰、ピオーネなどの大房系の葡萄に到るまで幅広く取り入れられ、技術的にも完全に成功。今では種なしが当たり前になった。果肉が柔らかい甲州種を除けばほとんどの品種で、この技法は成功している。




 ジベレリン処理は種を抜くという画期的な技のほか果実の促成にも役立つ。2回に分けて行なうのだが、ポイントは処理の時期ジベレリン水溶液の濃度。どちらを間違えても失敗するのだ。当初、デラウエアー種で成功したこの手法は果樹試験場などの研究機関ばかりでなく、果樹栽培農家の試行錯誤が今の完全実用化をもたらした。


ブドウ2


 核、つまり種の周りに酸味が多いのが果実の特性。現代人はなぜか酸味を嫌う。種を抜くと同時にこの酸味を少なくするのだからジベレリン処理の効果は一石二鳥。私なんか種があって、適度の酸味があった方が美味しいように思うのだが・・・。確実に種ありの方が味がいい。でも葡萄には種がない、と消費者に思い込ませてしまった今、あと戻りは出来ない。今がそのジベ処理の最盛期。小さな房には雨除けの傘、蝋紙をかけるのだ。




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comment

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こんにちわ!

葡萄の種まで食べてしまうですか。
消化されずに出てしまうんですかね。

自分は葡萄も西瓜も種はしっかり取ります。
でも一番きになるのはメロンの種ですね。
これもしっかり取りますが、そうすると真ん中あたりの身がほとんどなくなってしまう。
自分にとっては、メロンが一番面倒な食べ物ですね。

葡萄は、皮まで食べられて種のない葡萄が好きです。
葡萄の皮はけっこう栄養分があるっていいますよね。ポリフェノールとか。

葡萄とか西瓜、これから旬の季節ですね。

シャインマスカット

 葡萄は「ジベレリン」という薬品が開発されて、いわば革命を起こしました。瓢箪から駒。当初の葡萄の促成研究の過程で種が抜けたのです。以来、実の肉質が柔らかい「甲州種」などを除いて、葡萄から種が消えました。
 もう50年以上前のことです。ですから「葡萄には種がない」と思い込んでいる方々が多いはずですね。
 もう一つ。種を抜くことで、酸味をなくしました。さらに邪魔なのが皮。そこで開発された品種が「シャインマスカット」。黄緑色の新種です。「皮まで食べられる」と人気で、その分、価格も…。農家は従来の「巨峰」や「ピオーネ」の栽培を辞め、この「シャインマスカット」に切り替えています。

こんにちわ!

そうそう。シャインマスカットです。
皮も食べられて、実もあまいんですよね。
いろいろ品種改良されているんですね。

昨日、業務スーパー行ったら、デラウエアが出ていましたね。
これも好きな葡萄の品種です。

種なしの第1号

 そのデラウエア―が「種なし葡萄」の第1号なのです。当時はデラウエア―種が市場では主流でした。この品種で葡萄の促成と種を抜くことに成功したのです。それがジベレリン処理です。
 デラウエア―種は今では市場で影を薄くし、大房系の品種に代わっています。巨峰、ピオーネなどがそれで、最近ではCLIMB_AGAINさんが仰るシャインマスカットが消費者のハートを掴んでいるのです。何と言っても「皮ごと食べられる」のが人気の秘訣のようですね。
 しばらくはシャインの時代が続くでしょう。新品種が開発されるまで…。
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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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