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ハンコの行方は?

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The sankei newsより


 今、山梨県の南部にある市川三郷町の一角・六郷地区(旧六郷町)は戦々恐々だろう。それを反映するように県知事や県議会も動き始めた。同地区は知る人ぞ知るハンコの産地。菅内閣の誕生をきっかけに突如として表面化したハンコ行政の廃止論。行政改革の一環で、河野行政改革担当相は本気。これに対して県も議会も黙っている訳にはいかないのだ。




 行政からハンコが締め出されたら、当然のことながら、それが民間にも波及することは必至。伝統の日本のハンコは消えざるを得ない運命に晒される。そんなことを言ったら、業界の方々に叱られるどころか、袋叩きにされるだろうが、デジタル化の時代、ハンコでもあるまい、と思うのはハンコの生産県といえども私だけではないはず。それが証拠に、長崎幸太郎山梨県知事の反論も、もう一つ歯切れが悪い。「ハンコの文化は守って行かなければ…」。ハンコ行政そのものの廃止には反論していない。ハンコの文化。確かにその歴史は明治以降続いてきた習慣だ。




 旧六郷町は古くから「ハンコの町」として栄えた。特に通販(通信販売)を真っ先に試みた。「越中富山の薬屋さん」が我が国の「訪問販売」の草分けなら、我が国の「通信販売」の元祖はその六郷町のハンコ。今では食品にしろ、衣類や書籍など全ての商品が通信販売によるところが多い。旧六郷町のハンコは、その草分けだったのである。そのことは国民的には案外、知られていない。




 元々、山梨の地場産業はワインと水晶宝飾。今では観光地となっている御岳昇仙峡一体の山が水晶の原産地であった。水晶の発掘は、やがて底を突き、輸入原石の加工に変わって研磨宝飾の分野はメノウやサファイヤなど多岐に広がった。一方で、業界は大きくは水晶研磨など宝飾とハンコへの加工に分かれて行ったのである。


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 当時、ハンコの材料が水晶であったことは言うまでもない。この二つは、水晶宝飾が、それまでの甲府を中心に、一方、ハンコは峡南地方と呼ばれる六郷町を中心に根付いた。リーダー的な存在が、その地方の人だったことは容易に想像できる。むろん、ハンコの産地は旧六郷町に限ったことではなく、下部町(現身延町)など周辺の町にも広がった。




 静岡を経て駿河湾に流れ込む富士川を挟んで向かい側の中富町(現富士川町)や旧六郷町の隣町・旧市川大門町(現市川三郷町)は、これも我が国を代表する「和紙の町」。市川大門町は「花火の町」でもある。いずれも家内工業として地味ながらも栄えてきた。花火は富士川の支流・笛吹川で関東甲信でも有数の「神明の花火大会」として定着している。

神明の花火大会
神明の花火大会


 考えてみればハンコの功罪を今さら言うのは遅いのかも。ICTの進歩で、世の中、デジタル化やweb化はどんどん進んでいるのだ。ハンコの産地であり、通信販売の元祖の山梨県に住みながら、そんなことを言うのは少しばかり気が引けるが、ハンコ、ハンコの時代ではないことだけは確かだ。




 何日か前の新聞に環境副大臣・堀内詔子氏のハンコ業界擁護のコメントが載っていた。旧六郷町は選挙区だから、その擁護発言は止むを得まい。その前に小泉進次郎環境大臣はハンコ行政にノーを宣言していた。堀内氏に対する記者たちの«いじわる質問»?が目に浮かぶ。




 いずれにしても時代の流れの中で、山梨のハンコ業界は追いつめられる立場であることは間違いない。でも政府が言うハンコからの転換が簡単に進むとは思えないことも確か。とくに、民間への真の浸透は私のようなアナログ人間がすぐに、それに対応していけるかだ。





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comment

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こんにちわ!

ハンコは、まだ事務的には、続くと思いますよ。
今、不動産の売却を手続きしてますが、印鑑証明書とか実印は、必要ですからね。
不動産は、あくまで紙文化な感じですね。
まあ、けっこう歳とった人とか相手にすることもあるので、パソコンとかIT機器がない家庭では、紙で書類を交わさないといけないですからね。

でもハンコの街なんて、あるんですね。

よく香港とか台湾は、手作りはんこ屋があって、記念に作る人もいるみたいです。

花押とハンコ

いずれにせよハンコ行政の廃止は、紆余曲折をたどるでしょう。でも、デジタル化、web化の時代、それを進めなければならないことは確か。

 ハンコの歴史は長いといっても、「花押」の時代の方がずっと長く続きました。ハンコは本格的には明治以降。でも国民にしっかり根付いて来ました。

 ハンコ行政の廃止で、もっとも戸惑うのは、高齢者。この層を、いかに«教育»して行くかにかかっているかも知れませんね。
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やまびこ

Author:やまびこ
 職場を離れた後は«農業もどき»で頑張っています。傍ら、人権擁護委員やロータリー、ユネスコなどの活動も。農業は«もどき»とはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定もします。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは、身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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