年の瀬のキーワード

神社

 ある年代以上の方なら誰でも知っている。テレビの人気番組に「連想ゲーム」というのがあった。その連想ゲームならずとも「すす払い」とか「大掃除」といえば、誰しも年末を思い起こすに違いない。文字通り一年の垢を払い落として、すがすがしい気分で新年を迎えようという行事なのだ。神社やお寺でのすす払いは、テレビや新聞などで歳末の風物詩としてクローズアップされ、それを見た人々は改めて年の瀬を実感するのだ。




 このすす払いとともに一般家庭の年末行事のひとつに、障子の張り替えがあった。子供の頃だった。この辺りでは「うどん粉」と言ったのだが、おふくろが小麦粉(うどん粉)で作った糊で家中の障子を張り替えるのだ。その頃の田舎家は間仕切りといえば、ほとんどが障子かふすま。もちろん、贅沢なケヤキの帯戸もあるが、その数は少ない。



障子12


 おふくろと言うより、母親、いや、お母ちゃんといった方がいい。鍋にいっぱい作った糊とハケを巧みに使って障子を張替えて行くのである。破れたり、汚れた紙を剥ぎ取り、障子の桟(さん)を綺麗に洗ってからの作業であるのはいうまでもない。




 冬休みの子供たちも母さんの手伝いをするのだが、なにしろわんぱく盛り。今のように一人っ子、二人っ子ではなく子供が多いものだから、一人がいたずらすれば、脱線は停まらない。昭和20年代も終わりの頃、モノクロのテレビでは力道山がオルテガやライト兄弟、ルーテーズといった外国人レスラーを相手に空手チョップで活躍するプロレスが子供たちの人気だった。夕方は大相撲中継だ。もちろん画像は今の地デジなどとはほど遠く、粗末なものだった。時々、ジャー、ジャーと音を立て、波打った。


力


 力道山人気。子供たちが真似しないはずがない。母親が丹念に張ったばかりの真新しい障子の升目めがけて、みんなで空手チョップの嵐。快いと言うか、手頃の音を伴うものだから、いたずら盛りの子供たちにとっては痛快至極。母親にとってはたまったものではない。張り替えたばかりの障子は4人も5人もいる悪ガキの手で穴だらけになってしまうのである。叱られるのは言うまでもない。しかし、今のお母さんたちのそれとはちょっと違った。今にして思えば、おふくろは子供たちのいたずらを、ある程度、許容していた。そんな母親の気持ちが分かってか、やがて上の子は下の子のわんぱくを戒めたりもした。考えてみれば昔の親は偉かった。子供たちにいたずらの良し悪しを考えさせるゆとりがあった。ゆとりというより、沢山の子供を怒りきれなかったのかもしれない。


襖  


 障子は一般家庭からどんどんその量を減らしている。畳の和室がフローリングの洋間に変わるなど住宅構造が大きく変化しているからだ。我が家を見ても障子の面積は半分どころか3分の1に減った。個室化で壁やドアに姿を変えた。数少なくなった障子だって子供が少なくなったり、核家族化によって家族そのものが少ないから、破れもしなければ、汚れもしない。我が家ではここ何年も障子の張替えなんかしてない。大掃除も同じで、高性能の掃除機があるから女房が時々、その掃除機を掛ければいい。障子の張替えも大掃除も年末の風物詩足り得なくなった。面倒な仕事はゴメンだが、それもなんとなく寂しい。


フローリング


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No title

やまびこさんこんばんは!
障子、見かけなくなりました。我が家にもまったくありません。障子から差すやわらかな光とかおちついたたたずまいとか、やはり日本ならではの良さ、だんだん無くなっていくのですね。

”おおぜいいる子供を怒りきれなかった” というのは本当でしょうね。子供のころのいたずら、けんか、野山の冒険等などのハチャメチャは程度や加減を知る、自然の不思議と畏怖を知るのに必要なことでしたね。
それを思うと今の子供たちはとても可愛そうです。特に東京のような都会では・・・。こんな状態なのに “想像力が無い” などと言われる若者につい同情してしまうこともあります。

今年ももう一日ですね。
来年も良い年でありますように。むちうちも早く良くなられますように!

evlfewさん

 親も社会も子供を必要以上にガードし過ぎているような気がします。子供をのびのびと・・・と言う半面で、過保護という名のお母さんや周りの社会が、何時かしらぬまにそれを阻んでいませんでしょうか。痛いとか、怖いというのは教えるのではなく、何らかの体験をさせることが肝心ではないかと思うことがあります。いかがお考えでしょうか・・・。

仰る通りですね。

はい、私もまったくそう思います。

でも、この辺は公園も沢山あるのにかえってそれが目隠しになってか、春には必ず変質者が・・・・
「外で遊ばせたいけど変な人も増えてるので怖くて子供だけで出せない」というもっともな声もよく聞きます。
そんな中でどうしたらいいか、親の知恵と工夫も要るのですよね。
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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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