卒業式の感動

岩手小卒業式


 元総理の小泉さんではないが感動した。卒業生の数13人。小さな学校だから出来た卒業式の風景だった。1時間15分の式の大詰め。卒業生を「送ることば」と、それへ応える「別れのことば」。私達の頃は多分、「送辞」とか「答辞」といったのだろうが、これを代表ではなく、みんなでやるのである。≪優等生≫の言葉ではない、顔も背丈も個性も違う一人一人がしゃべるからお面白い。一人が故の単調にならないので話にも味わいがある。


岩手卒業式


 卒業生はステージ前にひな壇のように並び、在校生と向き合う。山梨市にあるこの学校の児童数は全校で64人。まず在校生が「送ることば」を述べるのだが、それをワンフレーズずつ代わる代わるやるのだ。卒業生の「別れのことば」も同じ。在校生は5年生から、ついこの間入学したばかりの1年生まで幅広い。小学生の1年、2年間の体力格差は歴然としていて、1年坊主は、まだあどけなさが。式に臨んでも無邪気は隠せない。



卒業式2


 5年生、4年生などお兄さん、お姉さん達が運動会など≪先輩達≫との思い出を話せば、1年生は1年前、手を引いてもらって臨んだ入学式の思い出を。一人ずつみんなが大きな声で言葉を区切って「送ることば」をリレーしてゆく。これがまた可愛らしい。最後に全員で「中学校でも頑張って」と結ぶのだ。一方、卒業生は下級生と一緒になっての学校ぐるみの太鼓演奏や遠足、また修学旅行など6年間の思い出を同じようにワンフレーズずつ区切って言葉をリレーする。同校は山梨県の小学校で初めて導入された文科省の英語教育実践校。その授業のエピソードも。男5人、女8人。みんなの目に涙が。感極まって涙声になる子も。こちらも最後に後輩にエールを送る。「みんなで力を合わせ、学校を盛り上げて」。来賓席のオジサン達も胸が熱くなった。同校は児童数が激減、このままでは近い将来、存続すら危ぶまれている。



卒業式


 式が終わり、えんじの着物、袴姿の担任女教師の先導で、在校生や教職員、来賓などの拍手の中を退場する卒業生。この後の演出がふるっている。一旦、式場を出た卒業生は再び会場に戻って、その入り口に設えられた和太鼓を演奏するのである。式次第にはないサプライズだった。この小学校には学校の名前と地域の名をとった「岩手太鼓」という太鼓隊が編成されている。小さな学校だから中学年以上は全員がメンバー奏者。裏を返せば、この学校の卒業生は全員が太鼓を叩くことが出来るのだ。もう20年近い歴史があって、山梨市内はもちろん、山梨県内でもちょっと知られた存在だ。「この太鼓の響きを何時までも」といわんばかりに、堂々の≪カーテンコール≫。拍手喝さいだった。


岩手太鼓


 時間はちょっと遡って卒業証書の授与。卒業生席から一人一人卒業証書を受けるのだが、そのマナーは12歳の子供とは思えないほど素晴らしい。多分、リハーサルもしているのだろう。名前を呼ばれて校長先生から壇上で証書を受け、席に戻るまでの歩き方、恩師や来賓への挨拶の仕方、その間合いまで堂にいっている。そんな子供たちに校長先生は、ある作家の言葉を引用しながら「あなた方の未来には『希望の道』がある。優しさと思いやりのある人こそ本当の強さのある人間だ」とはなむけの言葉を贈った。その校長先生の眼にも涙が・・・。心を洗われるような卒業式だった。ただ「仰げば尊し」や「蛍の光」の斉唱がないのがオジサン達の年代には寂しかった。それは卒業式から消えて久しいのだという。卒業式も変わった。




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No title

こんにちは。
今や卒業式シーズンですね。ともに学び舎で過ごした6年間の思い出は、この日に込み上げてくるものがありますよね。
「仰げば尊し」も「蛍の光」もなくなったんですか。ちょっと淋しい気もしますが、新しい卒業式スタイルなんでしょうか。
そんな中に「岩手太鼓」という和太鼓の演奏が編成されているとは、ちょっとびっくりでした。きしくも我が郷里の伝統文化である和太鼓が、この小学校にも受け継がれているのかと思ってしまいました。
記事にある学校は岩手小学校というんですね。岩手地区って言うところがあるんですか。なんか親しみを感じます。

matsuyamaさんへ

 そうですか。matsuyamaさんの郷里は和太鼓の古里ですか。山梨市の片田舎と言ってもいい岩手地区の小さな小学校(岩手)。その小学校の子供たちがのびのびと叩く太鼓は微笑ましくもあります。
 地域や人々の営みは今も昔もそれ程変わっていない、と思ったらとんでもない。ものの考え方も含めて、どんどん変わっているんですねえ。いつまでも気持ちだけは若いとタカをくくっている自分を振り向いてみたら、いつの間にか60も半ばを過ぎていました。
 ただ、新しさを求めるあまりに伝統や古きよきものまで簡単に捨て去る現在の風潮には、頷けないものがあります。卒業式の「仰げば尊し」や「蛍の光」もその一つです。歳のせいでしょうかねえ・・・。
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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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