蕗(フキ)の筋

蕗


 蕗(フキ)筋を剥かなければダメなんだよ」



 「お父さんねえ、この時期の蕗は皮だって柔らかいから大丈夫なんですよ」


 でも、ちょっと歯に引っかかる。夕餉の食卓に載った蕗の煮つけをつまみに晩酌をしながらの、かみさんとのたわいもない会話である。女房が言う通り、この時期の蕗はエンドウなどと同じように柔らかいので、それほど筋を気にしなくてもいいのかもしれない。


蕗2


 日川高校時代の同級生で、今こうして叩いているパソコンの≪師匠≫でもある「萩さん」こと「萩原」という友から戴いた蕗の苗。我が家の畑の片隅で、どんどんその勢力を広げている。




 春の香りの代表格。そんな顔をしていたフキノトウは、いつの間にか大きくなり、ありふれたに。真っ直ぐに伸びる茎に丸い葉をつける。一本の茎が緑なら葉っぱも緑。よく考えてみたら、こんな植物も珍しい。一本の茎に葉っぱが一つ。極めてシンプル。枝もなければ、ただ一つ頭のてっぺんに傘のような葉をつけるだけで、花もつけない。


竹


 無知な私にはよく分からないが、蕗は地下茎で繁殖する植物なのだろう。その繁殖の仕方、繁殖するおパワーは、あのとよく似ている。ただ、竹は花をつける。こう言うと「そんな馬鹿な。竹の花なんか見たことないよ」とおっしゃる方が多いだろうが、竹は本当に花をつけるのである。もちろん、その周期は定かではないが、おおよそ60年に一度と言う。私達の田舎では花が咲いたらその竹の寿命は終わり、と言われ、事実、花が咲いた後、竹が枯れるのを見たことがある。今はないが、我が家の竹薮でのことだ。


竹2



 竹の繁殖力はすごい。木質のその竹の根と比較したら負けるかもしれないが、蕗の根の繁殖力もそれは逞しい。いつの間にか地下茎をぐんぐんと伸ばす。「萩さん」から貰って植えた一坪ぐらいの面積の蕗は、4年たった今、ちょっとした畑のような存在になった。連作を嫌うホウレン草やジャガイモと違って≪定住の畑≫としての体をなしているのだ。




 まだ春とは名ばかり。そんな時期、しかも、時には淡雪の間から顔を出すフキノトウ。福寿草と並んで春の到来を告げる使者。人間はそれを食べ、自然界がもたらしてくれる春の英気を身にも心にも取り込み、快く味わう。酒飲みの私なんか天ぷらや酢味噌和えとして大好物だ。フキノトウは寒い、寒いと言っていた春先だけの束の間の命。その後に柔らかい若い蕗が。煮つけがうまいのはこの時期だ。夏から秋。茎が硬くなったら、皮というか、筋を取り、あのキャラブキに。葉だって食べる。蕗の砂糖菓子だってある。


蕗3


 外観は何の変哲もない。お世辞にもうまそうには見えないし、ましてや食べてみようとも思わない植物だが、これほど最初から最後まで人間の味覚を堪能させるものはないかもしれない。私の親しい友人の奥さんで、この蕗を加工するキャラブキ作りの名人がいる。酒のつまみとして私が大好物であることを知っていて、毎年届けてくれるのだが、実にうまい。女房が作ってくれるフキノトウの酢味噌和えや天ぷらは、どちらかと言えば単純。だがキャラブキの味は奥が深い。蕗の料理と食べ方は季節によって変わるのである。




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やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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