曹操に学べ

 私の知人に地方自治体の代表監査委員をしているお二方の男がいる。一人は山梨県内のある市で、もう一人は東京都の大きな市の代表監査委員だ。母校日川高校の先輩と同級生でもある。ここで紹介する同級生の方は公認会計士。いってみればその道のプロ。ある時、酒を酌み交わしながら、こんなことを言った。


酒_convert_20110110215559


「こんなご時世、財政事情の悪い自治体の監査委員など引き受けるもんじゃあないんだよ。貧すれば鈍す。自治体だって、そこで働く職員だって、ややもすると・・・」


 本音だった。



 「でもねえ、そこの市長さんはニコニコしながら財政的には優れていることを説明してくれた。だから正直言ってお引き受けしたのさ」




 この男、現実をしっかり直視したかと思えば、決して自らの夢やポリシーだって忘れない。風貌は一見、田舎の不動産屋の親爺と言った感じだが、やること為すこと意外とスマート。 「幾つになっても見聞を広めることが大事」と考えているのだろう。忙しい仕事の合間を縫っては頻繁に海外旅行にも行く。愛妻家。いつも奥様同伴だ。毎朝、英字新聞にも必ず目を通す。




 根っからの勉強家だから本もよく読むのだろう。正月2日に今年も開いた同級生の新年会で、この男は「三国志」で有名な曹操の詩を引用してこんなことを言った。


  「男は人生の晩年になっても、やらんかなの気概だけは失っちゃあいけない」

多くの仲間たちはいつものようにほろ酔い加減でたわいもない話をしていた。控え目な口調ながらも真顔の弁舌に一瞬、みんなが耳を傾けた。そうは思いたくはないが「晩年」の域に入っている自分たちが「かくありたい」と心のどこかで思っている事柄だからである。


風景_convert_20110110215947


 曹操は小説「三国志」の中では典型的な悪役。物語の構成だからそれも仕方がない。でも曹操は見事な詩を残している。仲間のS氏が引用したのは「歩出夏門行」の一節だ。



       神亀雖寿  猶有竟時
      騰蛇乗霧  終為土灰
      老驥伏櫪  志在千里
      烈士暮年  壮心不已



 (寿命が長いといわれる亀でも、いつかは死ぬ時を迎える。霧に乗じて大空に舞い上がる龍だって、いつかは死んで土となる。しかし一日に千里を走るといわれる驥は、年老いて厩につながれても志だけは千里のかなたにある。それと同じように真の男は、人生の晩年になっても、やらんかなの気概だけは失わないものだ)


1_convert_20110110220735.jpg


 S氏が説いたのは、この詩の結句とも言える最後の一節。この友が言うようにいくら歳をとっても気概だけは失いたくないもの。でも加齢というものは正直。足腰など体のあっちこっちに、その≪足≫を引っ張る現象が。ついこの間まで平気だった徹夜麻雀も今では・・・。




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サミュエル・ウルマン

 サミュエル・ウルマンの80歳に詠んだ詩も中々のものですよ。

 リンクを張ってくれている友人岡部陽ニさんは、自分のウェブサイトの挨拶とプロフィールのこの詩の手島佑郎氏訳を載せています。
http://www.y-okabe.org/ 
 
 青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。
若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、
安易(やすき)に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。
人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。
歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。
悩みや疑い・不安や恐怖・失望、これらのものこそ若さを消滅させ、
雲ひとつない空のような心をだいなしにしてしまう元凶である。
六十歳になろうと十六歳であろうと人間は、驚きへの憧憬・夜空に輝く星座の
煌きにも似た事象や思想に対する敬愛・何かに挑戦する心・子供のような探究心・
人生の喜びとそれに対する興味を変わらず胸に抱くことができる。
人間は信念とともに若くあり、疑念とともに老いる。
自信とともに若くあり、恐怖とともに老いる。
希望ある限り人間は若く、失望とともに老いるのである。
自然や神仏や他者から、美しさや喜び・勇気や力などを感じ取ることができる限り、
その人は若いのだ。
感性を失い、心が皮肉に被われ、嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いるのである。
そのような人は神のあわれみを乞うしかない。

 マッカーサー 松下幸之助らの座右の銘です。

柳居子さんへ

 私もサミエル・ウルマンの「青春」が好きで、書斎にその詩の額を掲げています。おっと、書斎などと言えるたいそうなものではありません。額は私がこの詩を好きなことを知った知り合いの書家がわざわざ書いてくれたものです。
 結婚式などでもよくこの「青春」の話をさせて頂きます。よく考えてみたら自らが歳を取った証拠かも知れません。知らず知らずなのか、意識してなのか、自らにムチ打っているのです。
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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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