信玄公祭り「甲州軍団出陣」と桜吹雪

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画像:やまなし観光ネット


 「今年の信玄公祭り・甲州軍団出陣は何時(いつ)だったっけ?」


 ロータリークラブの仲間との茶飲み話で、こんな話題が出た。


 「4月の第一土曜日だよ。概ね決まっているじゃあないか」


 ところが、今年の4月第一土曜日は1日。この信玄公祭りのメーン「甲州軍団出陣」は《桜の時季》に合わせて設定されたいきさつがあって、その点から言うと、その年の気温差にもよるが、6
日前後が手ごろ。祭りは三日間にわたるので、メーン行事の「甲州軍団出陣」は中日の土曜日と暗黙のうちに決まっているのだ。実行委員会も熟慮したのだろう。今年は第2週の土曜日・8日に決めた。


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 札幌の雪まつり、仙台の七夕祭り、青森のねぶた祭り、大阪・岸和田のだんじり祭り、徳島の阿波踊り、京都の葵祭や祇園祭…。全国には、このほかにも伝統の祭りがいっぱい。その祭りは、地元の人たちによって守られ、脈々と伝え、受け継がれて来た。多くの観光客を呼び、結果的には、それぞれの地元の活性化にも大きく貢献、経済をも潤している。何よりも尊いのは、地域の人々の眼には見えない《誇り》を支えていることだろう。




 いい祭りは、何度見ても飽きないし、色あせない。毎年同じことを繰り返しているのに人々は、繰り返し足を運ぶのだ。祭りには、そういう魔力にも似た魅力がある。信玄公祭り「甲州軍団出陣」は、全国の名だたる祭りと比較すると歴史も伝統も浅い。昭和40年代初頭に出来たものだから、まだ、ざっと半世紀。しかし、関係者の努力で、山梨県のメーンの祭りとして、しっかりと定着。県外からも沢山の観光客を集めている。




 武田信玄公率いる「甲州軍団」は、夜の帳が下りた県都・甲府の玄関口・JR甲府駅前に《陣》を張り、甲府のメーン通り「平和通り」を南下、甲府城跡・舞鶴城公園に集結する。軍団は武田信玄公を頭にした武田二十四将率いる約2,000の将兵。鎧兜姿、槍や刀、鉄砲で身を固めた武者たちの戦国絵巻が繰り広げられる。



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 「一番隊 山本勘助隊出陣、二番隊 真田昌幸隊出陣…」といった具合に、観光客向けのナレーション(沿道放送)も。「平和通り」の両側の商店街やオフイスビルは明かりを消し、松明のかがり火が軍団の出陣を浮かび上がらせる。こうした演出が戦国絵巻に彩を添え、見物客の心を高揚させるのだ。集結地・舞鶴公園では軍団の《勝利の宴》が。特設の舞台では、勝ち戦の舞が披露され、その舞台には、公園いっぱいに植えられた桜が《自然の演出》桜吹雪を舞わせてくれるのである。宴は夜遅くまで続く。




 「甲州軍団出陣」の花形・武田信玄公や山本勘助役は歴代、有名俳優やタレントを充てる。今年は落語界から選び、信玄公役が三遊亭小遊三師匠、山本勘助役が林家三平師匠。いずれもテレビの人気番組、あの「座布団1枚」でお馴染みの「笑点」のレギュラーたち。信玄公を演ずる小遊三は山梨県大月市の出身である。紅一点で隊を編成する「松姫隊」の姫は公募。このほか「外人部隊」の飛び入り参加も。あと2か月。桜の《先発隊》である梅は甲府盆地でも咲き始めた。さて今年の桜は…。気象台によると、平年よりやや遅いとか。(次回へ続く)

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星のロマンとホタル族

夜空1

 寒いから外に出るのが億劫だが、冬の夜空は美しい。満天に星だ。宵の明星も見えれば、お馴染みの北斗七星も。おうし座やふたご座、こいぬ座、オリオン座も見えるのだろうが、小学校時代、ちゃんと先生の話を聞いていなかったから、分かりっこない。星座の知識があったら、夜空の見方もちょっとは違っただろう。





 私が住む山梨市のこの辺りは甲府盆地の中でも高台だから、満天の星の下と言うか、延長線上には、これまた宝石のように街の灯りがキラキラ輝いて見える。「あの辺りが友の住む石和温泉郷か・・・」。「あの山付きの光は桃の産地・一宮町千米地のあいつの家か・・・」。寒空の下で夜空と夜景を眺めるのだ。何の事はない。女房や娘が嫌がるからタバコを吸うため、仕方なく外に出て目に入る夜空なのだ。


夜景
近所の笛吹川フルーツ公園から見える夜景
「新日本三大夜景」に選ばれました
画像:笛吹川フルーツ公園HPから


 寒い。でも炬燵の中でミカンやお菓子をムシャムシャ食べながら娘とたわいもない話をしている女房には、この美しさは分かるまい。ざまあ~見ろ、と言いたいところだが、やっぱり寒い。何で、亭主の俺が・・・と、思わないでもない。でも、そんな夜空を眺めながらの一服も、まんざらでもない。負け惜しみなんかではない。




 世に言うホタル族。タバコを吸う時、事実上の締め出しを食うのは、何も今に始まったことではない。今ではグズグズ言われる前に自分で外に出る。その時期、時期、星座の位置は違うのだが、冬の夜空はひときわ美しい。空気が澄んでいるからで、夏の夜空、ましてや春の夜空とはまったく趣が異なる。一つ一つの星が氷のように、いかにも冷たく輝いているのだ。


夜空



 一等星、二等星、三等星・・・。満天の星は何事もないように悠然と、堂々と輝くのだが、そのひとつが東の空から西の空に静かに、しかも一直線に動く。もちろん、流れ星ではない。一定間隔で点滅を繰り返しながら飛ぶ飛行機の灯りである。大宇宙の中をゆったりと泳ぐ異端児の星に見えるのだ。




 その後を、またもうひとつの灯りが。その後にも・・・。大宇宙というキャンパスだから一つの空間に見えるが、その間隔は10分前後はあるのだろう。管制塔の誘導で次々と飛び立つ夜の成田空港が目に浮かぶ。山梨の上空は外国航路になっているようで、昼間は白い飛行機雲の尾を引いて同じように飛んでいくのだ。あのツンドラ地帯のシベリア上空を飛んで、ヨーロッパに行くのだろうか。夜8時を過ぎると飛行機はウソのようになくなる。



夜空2


 そんな夜空の星と飛行機を眺めながら、もう30年前になる日航機の御巣鷹山墜落事故を思い出した。 同時に頭をよぎるのが山崎豊子の小説「沈まぬ太陽」。今の日本航空を暗示さえしている。




 「見上げてごらん 夜の星を・・・♪」



 国民的なアイドル歌手・坂本九も一緒に逝った。高校時代の恩師の一人娘さんも一緒だった。もちろん、今見る定期の航路であるはずがない。東から西ではなく、イレギュラーして南から北へとフラフラ飛んで群馬県の御巣鷹山へ。お盆に入ったばかり、夏の夜の出来事だった。タバコをふかし、寒空を見上げながら坂本九の歌を寂しく口ずさんだ。


空

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どんど焼きと子供たち

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 早いもので小正月が過ぎて、2月へまっしぐら。元日の朝、氏神さんに地域のみんなが集まって新年の拝賀式を開いて、この一年の平安祈ったのが、ついこの間。三ヶ日が終わって働き蜂達は、会社や官庁に戻り、農家もそれぞれの畑仕事に。そうしながらも人々は七草粥や小正月などの伝統行事を《それなりに》にこなしてゆく。




 山梨県地方では、この間、雪に見舞われた。サラリーマンは出勤の足に少なからず気をもみ、果樹農家、特にブドウ栽培農家はブドウ棚の倒壊に気をもんだ。数年前、予想にもしなかった大雪で壊滅的とも言える被害を被った経験があるだけに、ブドウ栽培農家は、ことさらに神経質になっているのだ。




 暮れと言わず、正月と言わず、防寒具に身を固めてはブドウ園に出て、剪定作業に追われた。剪定作業は、そもそも無駄に伸びた枝(ツル)を切り落とし、今年の収穫をより良く安定させるためのものだ。この作業が遅れ、万一、大雪にでも見舞われたらムダ枝に積もる雪の負荷、つまり重みで棚の倒壊を招きかねない。梅雨がある日本特有の棚栽培の宿命かも知れない。梅雨がある日本では欧米のような垣根のような立木栽培は不向きなのだ。





 そこへ行くと桃の木は雪には強い。多くの果樹にも言えることだが、枝は上(空)に向かって伸びる。いわゆる徒長枝というヤツだ。だから雪の負荷は少ない。梅、桃、梨、かりん…。みんな同じだ。この剪定くずは畑など空き地で燃やしてしまうのだが、最近では消防署がうるさくなり、これを細かく裁断する器具まで登場している。土に返すのである。




 時季も時季。この辺りでは小正月行事の「どんど焼き」の種火にも。「どんど焼き」は、前の年のしめ縄やお札などを焼き、神に戻すのである。昔からの風習を今に伝え、小さく丸めた団子を銀紙に包んで焼く人たちも。本当かどうか知らないが、この団子を食べると虫歯にならないばかりか、無病息災を約束してくれるのだとか。真っ赤に燃え上がる「どんど焼き」の炎を囲む。地区役員が竹仕立ての猪口でお神酒を振る舞い、みんなにミカンを配ってくれる。正月を惜しむように火は赤々と燃え続けるのである。


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 この地域には、この「どんど焼き」に先立って小正月行事のシンボルとも言っていい「きっかんじょ」という習わしがあった。小学生を中心に子供たちが思い思いの灯篭を造り、夕方から夜にかけて地域の家々を回って、家内安全や五穀豊穣を祈るのだ。各戸は、それなりのご祝儀を包み、それを子供たちは子供クラブの費用に充てた。そこには子供なりの「和」が養われていた。「どんど焼き」は、その延長線。むろん陰に隠れた大人たちのサポートがあったことは言うまでもない。




 ところが、この「きっかんじょ」も、いつの間にか消えた。「どんど焼き」も子供クラブではなく《区営》に。この地域も少子化の波に完全に飲まれた。《主役》であるはずの子供がいなくなったことに他ならない。かつての婦人会が消え、青年団が消え、性格こそ違うが子供クラブも消えた。地方疲弊の縮図でもある。でも「時」だけは何事もないように過ぎて行く。私たちの周りは知らず知らずに様変わりしていくのだ。




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七草粥と飲ん兵衛

 うちのかみさん、外国旅行から帰ったばかりの時、しみじみと、こんなことを言った。


 「お父さん、やっぱり私は温かいご飯味噌汁漬物、それに焼き魚でもあれば十分。パンやステーキの生活はうんざり。なにもなかったらお茶漬けでたくさんよ」


ごはん


 私だってそう思う。次々と出されるボリュウムたっぷりのご馳走よりも、そんな淡白な食事の方がいい。日本人の胃袋に合っているのかも知れない。しかし、人間とは浮気で贅沢な動物。そんな質素な食生活が続くと、また・・・。かみさんは言うのである。




 「お父さん、たまには美味しいものでも食べに行きましょうよ。今度、あそこに出来たレストラン、美味しいお肉を食べさせるそうよ」


肉


 おいしそうな料理を目の当たりにすると、私は不思議とあるブレーキが頭をよぎる。「太ったら困る」。ただ、食べ放題だとか、只だったら話は別。そこが貧乏人の性(さが)で、あとで反省することを知りながら、欲で食べてしまうのである。見ていると、悲しいかな、うちのかみさんも同じ。貧乏人の女房だ。ここで私とちょっと違うのは「太ったら・・・」などと、その時点では全く考えないらしい。結果でしか考えないのが女?




 お正月。なんとはなしの正月気分と親しい友やお客さんの来訪も手伝って、やっぱり飲み過ぎ、食べすぎ。年末までプールに行くなどしたダイエットの努力も水の泡。普段、家では計ったことがないが、健康ジムでは必ず乗ってみる体重計が恐ろしい。そんなメタボ人間はさて置き、日本人の食生活の知恵と工夫はすごい。食べ過ぎたり、飲み過ぎたりする時期の後には七草粥のような薬膳料理を食べる習慣を作る。夏の暑い時期、つまり土用の丑の日には鰻を食べて精力をつけ、暑さを乗り切ることを考え、冬至にはカボチャを食べる。食べ物ではないが、ゆず湯の習慣もある。

うなぎ


 スズナ、スズシロ、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ。ご存知、春の七草である。何も決め事ではないが、なぜか書物などではその順序をセリ、ナズナから始め、スズナ、スズシロで結ぶ。私は覚え易い語呂と日常の食卓で馴染み易いものの順、つまりスズナ、スズシロ、セリ、ナズナ・・・の順で言うことにしている。七語調だから覚え易い。言うまでもなくスズナは大根、スズシロは蕪。セリもお馴染みだ。


七草

 「ところで、お母さん、秋の七草って知っているか?」



 「え~と、ハギでしょう・・・」。そのあとが出てこない。春の七草は知っていても、秋の七草は案外知らない。自らのために、ここでおさらいすると、秋の七草とはハギ、オバナ(ススキ)、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ。万葉の歌人・山上憶良が「萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花」と詠んだのに由来する。この歌に7つの花が詠み込まれているが、最後の「朝顔が花」はキキョウという説である。因みに、秋の七草の覚え方は「お・す・き・な・ふ・く・は」がいいそうだ。




 春の七草と秋の七草。秋のそれがいかにも風情があるのに対し、春のそれはいかにも現実的。花より団子である。飲み過ぎ人間には七草粥は飛び切りのご馳走だ。




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ゆく年くる年

 門松


 大晦日からお正月。何事もないように時は流れるのだが、一年中でもこの時が最も新鮮で、心が改まる時期でもある。新しい年を迎えるスタイルは人さまざま。共通しているのは来る年こそはいい年でありますようにと願う気持ちだろう。嫌なことは全て忘れ、新しい年へ心を新たにする。



大石神社

 我が家では家族揃って菩提寺に参り、除夜の鐘を突いた後、近くの神社に初詣をする。大石神社と言って250段近い石段を登ると、その名の通り直径30m以上もある奇岩に囲まれた社がある。無住の神社だから地域の人たちが交代で管理しているのだ。長く、急な石段を登るのが年々きつくなる。若い時とは違う。残念だが、歳は正直に反応するのだ。


   大石神社       
      
 
 NHKは恒例の紅白歌合戦を終えると、流れるように、これまた恒例の番組「ゆく年くる年」に。全国の寺社仏閣を結んで、新年を迎える各地の表情を伝えるのである。テレビから流れる除夜の鐘の音に暮れ行く年を身体に感じながら防寒の身支度をして初詣に出かけるのだ。厳松山信盛院まで車で2~3分。




 参拝者が代わる代わる鐘を突く。寒い。鐘楼前の広場では赤々と大きな焚き火が。未明の夜空には満天の星が光る。いつもと同じようにある空だが、ゆく年くる年の夜空はいつものそれとはなぜか違って見える。焚き火を囲みながら振舞われる甘酒がうまい。寒風にさらされたからだが温まる。「明けましておめでとうございます」。会う人ごとに新年の挨拶を交わし「今年も宜しく・・・」。ほとんどが顔なじみだ。




 除夜の鐘は大晦日から元日に掛けての古くからの慣わし。煩悩を鐘に託して打ち払う。その数は108つ。私達は、面白がってと言ったら不謹慎だが、みんなで思いのままに突いている。しかし、正しくは大晦日のうちに107回を突き、年が明けたら最後の108回目を突くのだそうだ。しかも、そのペース配分も大切で、1回目から大晦日分の107回と新年の108回目までが均一になるのが正式だという。しかも鐘を突く力のバランスも強弱を交互にするのが作法だそうだ。「ゆく年くる年」のテレビに登場する全国の名刹から流れる除夜の鐘は、恐らくそんな作法にのっとっているのだろう。


鐘

 108つ目の鐘が鳴るとお正月。新しい年の始まりだ。一般家庭では少なくなったが、会社、官庁の玄関先にどんと居座る松飾り。「松竹梅」が誰の目にもお正月の到来をいやが上にも印象付ける。言うまでもなく「松竹梅」はおめでたいものの代表格。モノの本によれば、松と竹と梅は「歳寒の三友」と言われ、この三つが一枚の絵に描かれているものを「三友図」という。


松飾り

 さて、この三つの順序。昔から松・竹・梅の順で、これをイレギュラーして言う人はいない。その理由は単なる語呂という説もあれば、最初のは、季節によって葉っぱを落とす竹や梅と違って厳寒にも強く、いつも緑を蓄えるからだという説も。まあ、そんなことはどっちでもいい。お正月は、また旨い酒が飲める。2日は母校(日川高校)の同級会だ。卒業以来、欠かさず開いていて、50回目を迎える。懐かしい友との酒が楽しみだ。




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おきてがみ
プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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