法事とカラオケ

法事    法事2


 墓地改修の竣工とそれに合わせたご先祖の法要に招かれた。「思い切って墓を直すことにしました」と言う知人は80歳を超えた。息子さんに家業の自動車整備工場を委ね、事実上、隠居の身になったこの人は、やがて誰もが通らなければならない≪行く末≫をも考えたのだろう。秋の彼岸を前にした墓地の改修だった。



 「極、内輪の披露と法事に留めたんですよ」


 この人は、招待者を家族のほかは、兄弟夫婦と極めて親しい友達だけにしたという。墓地の新設や改修は春秋の彼岸に合わせるのが、どうやら慣例のようだ。どの墓地を見ても石塔の裏側には「○○年 秋(春)彼岸 ○○建立」と刻んである。


墓


 出席者は菩提寺の本堂でのご先祖の法要に臨んだ後、改装なった墓地に詣でた。線香を手向け、手を合わせる。そして会場を替えての「おとき」の席と続くのだ。挨拶は「おめでとうございます」でいいのだが、みんな、さすがにその言葉は、ちょっと言いにくいらしい。しかし、おときの席は七七忌や一周忌のそれと違って明るい。法事につき物のある種の暗さはなかった。


花


 墓地の改修、新設などが人ごとではない年齢になったのか、仲間達の酒席で、この話が話題になった。建設費用、お寺さんへのお布施、招待者。みんな身近な話題と受け止めているようだった。その中の一人がこんな話をした。


菊


 「たまたまだが、昨日、叔父の一周忌に招かれた。これが面白いのだ。カラオケのどんちゃん騒ぎとまでは行かないまでも、賑やかな法事だった」





 その友人氏によると、みんなかしこまって、ご仏前に献杯した後、施主である故人の奥さんが、こう挨拶したという。



 「故人は根っからの明るい性格で、お酒が好き、カラオケが大好きでした。今日はそんな、在りし日の主人を偲んでいただくためにも存分に飲み、存分に歌ってください」




 かしこまって、うつむき加減に座っていた招待者は、途端に開放されたかのように賑やかに。やがてカラオケが始まったという。故人の「十八番」や物まねも。もちろん拍手喝さいも。おときの席は、まるで場違いのように盛り上がった。法事の後のおときの席といったら、美味しそうなお膳を前に、みんな神妙な顔付きで座っている、と言うのが一般的だ。




 上手な挨拶、泣かせるような挨拶に、一瞬、拍手しそうになって、その手を照れくさそうに引っ込めた経験をお持ちの方もお出でだろう。法事の雰囲気とは、また誰とはなしに作り上げてきた概念なのかもしれない。


菊2

 でも、待てよ。カラオケで賑やかに故人をしのぶ法事だってあってもいい。むしろ、その方が故人の供養になるはずだ。2時間前後を、暗い表情でお膳に向かい、お隣との会話も声を落とす。そんな習慣はやめたらいい。お酒を飲みながらの仲間達の共通意見だった。しかし、いざとなると、やっぱり出来ないのが、この法事の席なのかもしれない。





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赤か黒か

1


 「赤と黒」「赤と白」「白と黒」「赤、青、黄色」「青と白」・・・。

色を充てた言葉や題材は私たちの日常で、決して少なくない。「赤と黒」はご存知、19世紀中期のフランスの作家・スタンダールの長編小説。「赤と白」はハチマキだったり、紅白歌合戦のように、対抗戦に用いる色。「白と黒」犯罪や疑惑などをめぐって、よく使われる「白か黒か・・・」のあれだ。「赤、青、黄色」は言うまでもなく信号の色「青と白」東西を表す色だ。因みに北は黒、南は赤だ。





 結婚式やお葬式など、祝儀、不祝儀の儀礼の時に使う、のし袋も「赤と黒」である。数日前のことだが、この「赤と黒」で、ずいぶん迷った事がある。こんなケースだ。さて、皆さんならどうします?

赤か黒か



 知人が自らの墓所を建立、その竣工と合わせてご先祖の供養、つまり法要を営むというのだ。この方は、80歳を超えられた山梨県経済界の重鎮で、普段、懇意にさせていただいている関係もあって、ご招待を頂いた。そこまではいい。問題はその次だ。




 そこに行くのに、こちらの気持ちを表す「のし袋」が必要。そこで、はたと困ったのがか」である。墓所の竣工だったら、当たり前のこと「赤」ののし袋。一方、ご先祖の法要も、というと、もちろん「黒」である。墓所の竣工にウエートがあるのだから、お祝いの赤でいいのだろうが、その後の法事がなんとなく心に引っかかるのである。


赤か黒か2


 結局、お前はどうしたって?私は迷った挙句「ご香料」としたためた赤ののし袋を胸のポケットに納めて出かけた。「赤か黒か」で戸惑ったのは、やっぱり、私ばかりではなかった。この行事に参列した、いわゆる来賓は年配者ばかり。竣工と法要のセレモニーを終えて、甲府市内のホテルでのおときの席に臨む前、あっちこっちで「赤?」「黒?」でボソボソと。中には赤と黒、二つののし袋を胸に潜ませて臨機応変の「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式のお客さんも。




 しかし、この迷いは、おときの席での菩提寺住職のご挨拶でいっぺんに吹っ飛んだ。いい歳をした私たちのたわいもない迷いを知ってか知らずか「立派な墓所の竣工、おめでとうございます」から始まった。施主の菩提寺は山梨県甲州市塩山にある臨済宗向岳寺派の総本山向岳寺。そこの管長だから説得力もある。


赤か黒


 そう言われてみれば何と言うことはない。般若心経などの読経が響く墓所を囲んでいるのも紅白の幕だし、お寺さんのご挨拶も「おめでとう」。のし袋だって赤に決まっているじゃないか。あとで考えればそうなんですよ。「只今から○○家の法要を・・・」と始まったおときの神妙な席も、みんなの迷いが吹っ切れたのか、途端に明るくなった。




 ところで、みんなが持って来たのし袋は赤?それとも黒?それが分からないんです。どうしてって?それが、施主側が「お心遣いはご無用」とハナから受け取らなかったのである。そうなると「これでいいのか」とまた引っかかるのだ。とにかく「赤か黒か」、みんなの胸のポケットに入っていた、のし袋の色を見たいものである。





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立小便の告白(再)

 ワイン


 旅行中のバスの中や外で、尿意をもようした時ほど困ることはない。数年前の事だ。ロス・アンジェルスのハリウットに近いビバリーヒルズの街を歩いている時、その尿意をもようしてしまったのだ。ホテル「ハイアット」のレストランで、夕食をとりながらワインをたらふく飲んでしまったからいけなかった。夜でもあったから、道からちょっと脇にそれて・・・。日本ではそれほど罪悪感がない立小便もさすがに気がとがめた。


ワイン2  

 この失敗談を来日中のハワイの従兄弟老夫婦にうっかり話してしまった。その従兄弟は真面目顔で、私を叱った。
 


 「そんな事をしたら、アメリカでは後ろに手が回るんだよ。日本人は全般にマナーが悪い。立小便など、何をかいわんやだが、タバコだって歩きながら吸ったり、公園でもどこでも吸いたがる。大声で話しながら歩くのも日本人だ」



 確かにそうだ。日本と違って、外国を歩いていて道端にタバコの吸殻一つ見たことがない。空港やホテルの外に設けてある数少ない喫煙所にたむろすのは、ほとんど日本人だ。自分もその中の一人と思うと赤面ものだが、日本に帰るとまた・・・。




 この際、白状してしまうのだが、ロス・アンジェルスからラスベカスに飛んだときの事。よく考えてみれば,これもお酒が原因の失敗だった。カジノで夢中になってのゲーム中、尿意をもようしてトイレに立ったが、トイレが見つからない。黒のタキシードに身を包んだ従業員に尋ねるのだが、トイレという言葉がなんとしても伝わらない。そのうちに我慢できなくなってゼスチャーで、なりふりかまわず伝えようとしたが、これも駄目



 相手も困って日本語の分かる従業員にバトンタッチ。「ああ、レストルームですね」と指差したのはすぐ目の前のネオン。どでかい字で「RESTROOM」と書いてあった。笑い話にもならないお粗末な話だが、その時はまずそこに駆け込むしかなかった。これも恥を忍んで従兄弟に話したら「トイレでも分かるはずだがなあー。でもレストルームがいい。バスルームでもいいんだよ」と、教えてくれた。




 このトイレ騒動にはオチまでついた。用を足して、さっきまでの自分がウソのように、すっきりとした気分でレストルームを出て来たまでははいいが、今度は自分が戻るはずのテーブルが分からない。このカジノは私達が宿泊したホテル「ベネチアン」の1階を全部使ったように見えるほど広いスペースをとっていて、いわば、迷子になってしまったのだ。


ベネチアン


 ご存知の方はご存知。このホテルはそれ自体がひとつの街といった方がいいほど、ドでかいから、カジノの大きさも想像できよう。ゲーム中、ビールでもブランデーでもスコッチでもバニーガールがにこやかに持って来てくれるのだから酒量も増えようというものだ。酒好き人間の嵯峨、それが失敗を誘うのである。分かっちゃいるけど・・・である。


ラスベカス

 カジノでいつもやるのはブラックジャック。21と9、それにカードと花札の違いだけで、ゲームの原理は日本のオイチョカブと同じだ。速い展開の繰り返しだから時間の経つのも速い。裏を返せば負けるのも早いのである。立小便と同じで、女房族にとっては非難の的かもしれない。




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見栄と体裁

 人は「見栄を張るな」とか「見栄を張るもんじゃない」とよく言う。私も言って来たし、言われたりもした。その通りだと思う。でも待てよ。見栄って張ってはいけものないもなのか・・・。むしろ最近は、見栄って張るくらいの方がいいと思うようになった。人がおしなべて見栄を張らず、体裁も考えなくなったら、世間はしたい放題、やりたい放題になってしまう。第一、人間、成長なんかしなくなる。


風景1


 もちろん見栄には、必要以上の背伸びや振る舞いをも含んだ意味がある。ここで言う「見栄」は単なる「虚栄」ではなく「恥ずかしい」とか「みっともない」と言った極めてありふれた心のありようを言うのだ。




 「お父さん、そんな格好でみっともないじゃあありませんか。顔くらい洗ってからにして下さいよ。お客様が来たらどうします。パジャマぐらい着替えてからにしたらいかがですか」




 朝、寝起きのまま無精髭も剃らずに新聞を読み、そのままゴロゴロしていると、女房は私をたしなめるように言う。現役時代はそんなことは絶対無かったし、そんな暇もなかった。でも「毎日が日曜日」だとこんなことは日常茶飯事。これが男だからいいが、女房や娘に置き換えてみたらゾッとする。100年の恋もいっぺんに冷めるに違いない。





 「そんなこと、当たり前じゃあないか」。そういう人も多いだろうが、見栄の原点はこの「みっともない」「恥ずかしい」にある。それがちょっと間違えたり、行き過ぎると人のひんしゅくを買う「虚栄」に繋がるのだろう。そうなると可愛くもないが、一方、考えようによったら、この虚栄が人間の成長を促しもする

風景2



 「身の丈」「身の程」という言葉がある。それに甘んじていたら人生、代わり映えもしなければ、第一、面白くも、なんともない。身の程知らずに何かに挑んだり、振舞ったりするから面白いし、そこに新たな可能性や結果が生ずるのだろう。むしろ若い方々は、もっともっと見栄を張ればいい。その裏づけのために人並み以上の努力もするだろうし、苦労もする。それが結果として成長や成功をももたらす。


風景3



 なにも聖人君子ぶったり、年寄りじみたことを言うつもりはないし、そんな資格もない。でも今の世の中、「恥ずかしい」とか「みっともない」とという言葉がどこかにいってしまったような気がするのだ。事あるたびに言いたい放題のことは言うし、電車に乗ればボックス席ならいざ知らず、衆目の座席でお化粧もすれば物も食べる。それもみんな若い女性だ。そんな人に限って身障者が来ようが、お年寄りだろうが絶対に席を譲ることもしない。




 人様のことだが「お化粧くらい、家でして来いよ」と言いたくなる。でもみんななんとも言わない。しかし心の中では「あいつバカだなあ~」と思わないまでも、いぶかしく感じていることは確か。化粧の話は些細なこと。「みっともない」ことは私達の周りにはいっぱいある。そんなことを言っている自分だってやっているかもしれない。それを知らないから困る。見栄を張るくらいの気持ちがあったら、そんなことはしない。




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赤か黒か(再)

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 「赤と黒」「赤と白」「白と黒」「赤、青、黄色」「青と白」・・・。

色を充てた言葉や題材は私たちの日常で、決して少なくない。「赤と黒」はご存知、19世紀中期のフランスの作家・スタンダールの長編小説。「赤と白」はハチマキだったり、紅白歌合戦のように、対抗戦に用いる色。「白と黒」犯罪や疑惑などをめぐって、よく使われる「白か黒か・・・」のあれだ。「赤、青、黄色」は言うまでもなく信号の色「青と白」東西を表す色だ。因みに北は黒、南は赤だ。





 結婚式やお葬式など、祝儀、不祝儀の儀礼の時に使う、のし袋も「赤と黒」である。数日前のことだが、この「赤と黒」で、ずいぶん迷った事がある。こんなケースだ。さて、皆さんならどうします?

赤か黒か



 知人が自らの墓所を建立、その竣工と合わせてご先祖の供養、つまり法要を営むというのだ。この方は、80歳を超えられた山梨県経済界の重鎮で、普段、懇意にさせていただいている関係もあって、ご招待を頂いた。そこまではいい。問題はその次だ。




 そこに行くのに、こちらの気持ちを表す「のし袋」が必要。そこで、はたと困ったのがか」である。墓所の竣工だったら、当たり前のこと「赤」ののし袋。一方、ご先祖の法要も、というと、もちろん「黒」である。墓所の竣工にウエートがあるのだから、お祝いの赤でいいのだろうが、その後の法事がなんとなく心に引っかかるのである。


赤か黒か2


 結局、お前はどうしたって?私は迷った挙句「ご香料」としたためた赤ののし袋を胸のポケットに納めて出かけた。「赤か黒か」で戸惑ったのは、やっぱり、私ばかりではなかった。この行事に参列した、いわゆる来賓は年配者ばかり。竣工と法要のセレモニーを終えて、甲府市内のホテルでのおときの席に臨む前、あっちこっちで「赤?」「黒?」でボソボソと。中には赤と黒、二つののし袋を胸に潜ませて臨機応変の「赤信号、みんなで渡れば怖くない」式のお客さんも。




 しかし、この迷いは、おときの席での菩提寺住職のご挨拶でいっぺんに吹っ飛んだ。いい歳をした私たちのたわいもない迷いを知ってか知らずか「立派な墓所の竣工、おめでとうございます」から始まった。施主の菩提寺は山梨県甲州市塩山にある臨済宗向岳寺派の総本山向岳寺。そこの管長だから説得力もある。


赤か黒


 そう言われてみれば何と言うことはない。般若心経などの読経が響く墓所を囲んでいるのも紅白の幕だし、お寺さんのご挨拶も「おめでとう」。のし袋だって赤に決まっているじゃないか。あとで考えればそうなんですよ。「只今から○○家の法要を・・・」と始まったおときの神妙な席も、みんなの迷いが吹っ切れたのか、途端に明るくなった。




 ところで、みんなが持って来たのし袋は赤?それとも黒?それが分からないんです。どうしてって?それが、施主側が「お心遣いはご無用」とハナから受け取らなかったのである。そうなると「これでいいのか」とまた引っかかるのだ。とにかく「赤か黒か」、みんなの胸のポケットに入っていた、のし袋の色を見たいものである。




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プロフィール

やまびこ

Author:やまびこ
 悠々自適とは行きませんが、職場を離れた後は農業見習いで頑張っています。傍ら、人権擁護委員の活動やロータリー、ユネスコの活動などボランティアも。農業は見習いとはいえ、なす、キュウリ、トマト、ジャガイモ、何でもOK。見よう見まね、植木の剪定も。でも高い所が怖くなりました。
 ブログは身近に見たもの、感じたものをエッセイ風に綴っています。

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